灰色カビ病はボトリティス・シネレアという糸状菌による植物の病害です。
健康な組織に侵入する力は弱く、弱った組織や傷口の抵抗力の弱った部分や、枯れた葉や花等から侵入します。
4月から11月の間に発生し、15°~23°の冷涼で多湿な環境を好みます。梅雨時に多く発生します。
残渣や発病部を放置すると増えた胞子が風によって飛ばされ他の植物に付着し感染をひろげていきます。
症状
発病初期は菌が付着した部分(花・葉)に水濡れしたような病斑と萎れが発生します。
病気が進行すると病斑が拡大し続け腐敗し灰色のカビに覆われて、やがて枯れます。
被害
発病箇所は組織が枯れて腐ってしまいます。茎に発病した場合は、上部分は全て枯れてしまい大きな被害になります。
放っておくと株全体に被害がひろがり枯死する。
予防
・肥料(窒素)をあげすぎない。
・適正な株間と適時に剪定を行い、日当たりと通気性をよくする。
・土壌の水はけをよくする。
・枯れた葉や花は感染しやすいので、こまめに取り除く。
・葉や花に水滴が付いた状態にすると感染しやすいので水やりは株元に行う。
治療
灰色カビ病は発症すると殆ど治療の見込めない病気です。発病部は切り取り感染を広げないため薬剤で防除しましょう。
・フルピカフロアブル
フルピカフロアブルは全く新しい作用を有する新殺菌剤です。うどん粉病・灰色カビ病・黒星病等に予防効果があり。また黒星病には治療効果も認められています。
まだ新しい薬剤なので耐性菌も出ておらず耐性菌の多い灰色カビ病などに安定した効果が期待できます。
ミツバチ等の益虫に殆ど影響しない。
・ダコニール
広範囲の病害に使える殺菌剤、治療効果はなく予防として発病前や発病初期に使用する。
夏季の高温期に使用すると薬害が出る恐れがあり、花弁に薬液が付着すると漂白・退色などによる斑点を生じる場合がある。
薬剤が乾くまで約1日程、ミツバチ等の益虫への影響がある。