黒星病(バラ)はDiplocarpon rosaeという糸状菌がバラの葉や茎に寄生し発症する病害です。
雨水や土の跳ね返りで土壌に潜む胞子が葉の気孔等から侵入し、黒い斑点が現れます。
雨が続く梅雨時期に発生しやすく。夏になると収まり、秋口に長雨が降るとまた黒星病が現れ始めます。
発病した葉はそのままにしておくと他の葉への感染源となりますが梅雨があがるまでは、そのままで光合成をしてもらい株に力をためます。
7月の梅雨が開け、黒星病の発生が収まる頃に感染した葉を完全に除去してリフレッシュしましょう。
症状
発病後、最初に目に見える形で出る症状は葉に黒く丸いシミが現れます。
症状が進むとと黒いシミが大きく増えていき、やがて落葉していきます。
被害
光合成の阻害、生育不良。
予防
・肥料切れで発生しやすい為、少し多めに肥料を施す。
・梅雨時は雨の当たらない場所に移動する。
・水やりは泥の跳ね返りや葉に当たらないように株元に丁寧におこなう。
・株元をバーク等でマルチングし泥はねを防ぐ。
・感染して落葉した葉は二次感染を防ぐためこまめに取り除く。
・殺菌剤の定期的な散布。これが1番効果的があります。
治療
黒星病の根本的な治療薬はないため病状が進み斑点が出た葉は基本的に取り除きます。
しかし黒星病が罹ったからといって株が枯れるわけではないので、無理に葉を取り除く必要はありません。
薬剤で伝染を抑えながら梅雨明け後に感染した葉を落としてリフレッシュしてあげましょう。
・フルピカフロアブル
フルピカフロアブルは全く新しい作用を有する新殺菌剤です。うどん粉病・灰色カビ病・黒星病等に予防効果があり。また黒星病には治療効果も認められています。
まだ新しい薬剤なので耐性菌も出ておらず耐性菌の多い灰色カビ病などに安定した効果が期待できます。
ミツバチ等の益虫に殆ど影響しない。
・ダコニール
広範囲の病害に使える殺菌剤、治療効果はなく予防として発病前や発病初期に使用する。
夏季の高温期に使用すると薬害が出る恐れがあり、花弁に薬液が付着すると漂白・退色などによる斑点を生じる場合がある。
薬剤が乾くまで約1日程、ミツバチ等の益虫への影響がある。