1. 土壌に潜む病原菌とは
土壌に潜む病原菌は、根または地上付近から植物に寄生し一方的に養分を奪う、または生育不良を起こさせる寄生菌のことです。
主に「菌類」・「細菌」・「ウィルス」等があるが、最も病気を引き起こしているものが菌類の中のカビ(糸状菌)で、植物の病気の八割の原因になっているといわれています!!次に多いのが細菌で1割程です。
しかし、そんな病原性を持つ寄生菌は何十万種といる菌の中のほんのひと握りとされてます。
殆どは有機物の分解や共生、または病原菌の働きを抑える微生物等で植物にとって有益な存在です。
2. 主な病原の特徴
菌類(糸状菌・キノコ・酵母)
植物の病気の八割が、この糸状菌(カビ)が原因と言われている。
主に6月から7月の梅雨の時期や、9月の秋雨の時期に発生しやすくなっており、植物の葉や根等に付着すると侵入菌糸を伸ばし細胞内に侵入していきます。
主な病気
「斑点病」・「さび病」・「灰色カビ病」・「うどん粉病」・「褐斑病」等
細菌
植物の病気の1割は細菌が原因でかかるとされています。
糸状菌と違い自力で植物に入ることは無く、傷口や気孔等から侵入してきます。
主な病気
「斑点細菌病」・「褐斑細菌病」・「軟腐病」・「腐敗病」等
3. 病気の症状
病気の症状は感染、活動する場所により主に3つのタイプに分かれます!
柔組織病
植物の柔らかな柔組織(葉肉や茎や根の皮層)に病原菌が寄生し腐らせる。
症状
葉や茎、根等の表面を腐らせ落葉や立枯れや根腐れを引き起こす。
主な病気
「斑点病」・「葉枯病」・「根腐れ病」・「苗立枯病」・「軟腐病」等
導管病
導管内部に病原菌が侵入し、増殖や組織破壊を行う事で導管を詰まらせてしまう。
症状
導管が塞がれる事で水分が止まってしまい、地上部が萎れ枯れてしまう。
主な病気
「青枯病」・「立枯れ病」・「萎凋病」等
肥大病
根の表層に病原菌が侵入・寄生して、細胞がコブ状に膨張する。感染した株は細胞から栄養を搾取され、大きなコブは導管を圧迫し水分の上昇が妨げられる。
症状
根に複数のコブができる。地上部は衰弱、または枯死する。
主な病気
「根頭癌腫病」・「根瘤病」等
4. 病原菌のライフサイクル
植物に寄生する病原菌は、その宿主が枯死すると生育出来なくなる「絶対寄生菌」と、必ずしも生きた細胞を必要とせず生物の遺体等からも栄養を摂取できる「非絶対寄生菌」がいます。
絶対寄生菌(分化寄生菌)
生きた宿主から離れると生育が出来なくなる寄生菌である。糸状菌では寄生していた宿主が死ぬと胞子等の耐久体を作り、次の宿主となる植物が近くに現れるまで休眠する。
宿主が近くに現れると、発芽を始め菌糸を伸ばして根や茎、葉等に再び寄生をはじめる。
主な病原菌
「根こぶ病菌」・「ベト病菌」・「さび菌」など。
非絶対寄生菌(未分化寄生菌)
寄生していた宿主が死んでも生育を止めず、次の宿主が現れるまで土壌中で動植や植物の遺体から栄養を摂取する腐生生活を行う。
絶対寄生菌と比べて宿主が枯死しても生育が可能なため、植物への攻撃性が強くなる傾向がある。
主な病原菌
5. 病原菌の種類
糸状菌
「フザリウム菌」
「リゾクトニア菌」
「根こぶ病菌」
「ピシウム菌」
「ボトリティス菌」
「バーティシリウム菌」
「さび菌」
「うどん粉病菌」
「バチルス菌」
細菌
「軟腐病菌」
「根頭癌腫病菌」
「青枯病菌」