石灰の葉面散布による効果
植物の病気を防ぐ方法の一つに石灰の葉面散布という方法があります。
これは植物体で移動しにくいカルシウムを根からではなく、直接葉面に散布する事で吸収をよくする方法です。
主な効果
・カルシウムとペクチン酸が結びつき細胞壁の強度を高めて病害虫の侵入を抑える。
・カルシウムを与える事で、植物体の老化が抑制される。
・牡蠣殻石灰では有用微生物の放線菌を増やす。
・消石灰ではPHを上げ病気の原因となる糸状菌の働き抑え、または死滅させる。
これらの効果が石灰の葉面散布にはあり、病害虫の被害予防に大きく働きます。
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石灰葉面散布のやり方
石灰の葉面散布方法は二つです!
・石灰の粉を散布
・水に溶かして散布
石灰の粉を散布
粉を直接散布する方法は、とても簡単で薬害の心配も少なくおすすめの方法です。
使用する物は【消石灰】または【かき殻石灰】です。
・消石灰
水で溶けやすく追肥効果が現れやすい、その分肥焼けしやすい。PHが上がりやすくアルカリ性を苦手にする糸状菌の働きを抑える、酸性土壌向け。
・かき殻石灰
PH上昇が少なく肥焼けの心配も少ない。かき殻に含まれるキチン質が放線菌を増やし糸状菌や細菌の働きを抑える。
粉が体にかかりやすいので、散布は風のない日にマスクをしてからおこないましょう。
バケツ等に石灰を入れ、葉が薄らと白くなる程度に上からばら撒いてください。少しかけすぎても大丈夫ですが、心配な時は粉を払い落としましょう。
散布頻度は最低でも二週間以上はあけて、連続して行わないようにしてください。
水に溶かして散布
石灰を水に溶かして散布する方法は、吸収が粉と比べよくなるという反面で薬害が少し出やすくなります。
石灰は【苦土石灰】を使用しましょう。
・苦土石灰
苦土石灰は炭酸マグシウムを含む石灰です。マグネシウムは葉緑素の元となる成分で充実した植物体を作るのに必要不可欠な成分
作り方は、少し大きめの容器に水と苦土石灰を入れ攪拌します。※石灰の量は水に対して五分の一程度です。(石灰はどれだけ入れても水1リットルに対して2グラム程度しか解けない)
撹拌後、石灰が沈殿して濁りが取れたら、薬害が対策のため上澄み液を水と混ぜ十倍程に薄めましょう。その後噴霧機に入れ葉面にまんべんなくかけてください。
石灰葉面散布の注意点
・消石灰は、尿素や硫酸等と一緒にまくとアンモニアガスを発生することがあります。同時使用は避けましょう。
・石灰の連続散布が、枝の伸長を抑制する事があります。
・希釈率の高い高濃度のカルシウムを葉面散布を肥焼けする事があります。葉の先端や新芽が褐変し枯れるので注意しましょう。
石灰の葉面散布について
石灰は日焼けしやすい、PHを上げてしまうなど、何かと使い辛そうなイメージが少しあります。
しかし実際に使用してみると、その様な心配は殆どなく、普通に使用して異常に多用しなければ植物に悪影響を与えることはありません。
また農薬と違い、石灰は微生物や虫を殺してしまうこともなく生物のバランスが崩れません。
またランニングコストも安く、手軽なので1度この良さを知るとやめられなくなりますよ!是非実践して植物を丈夫に育てましょう。