原産:地中海沿岸 科:セリ(Apiaceae) 属:ウイキョウ(foeniculum vulgare) 種:ウイキョウ(foeniculum vulgare) 英名:フェンネル(Fennel) 開花時期:5月~8月 花の色:黄色● 葉色:緑色●茶色●紫色● 香る部位:種・葉 草丈:約90~250cm 草姿:直立 分類:多年草 誕生花:5月21日/6月25日/7月21日/10月9日 花言葉:「賞賛」「良い香り」「賞賛に値する」「精神の強さ」「背伸びした恋」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ウイキョウ(フェンネル)は学名foeniculum vulgare、 英名「フェンネル(Fennel)」とも呼ばれる地中海沿岸が原産の多年草です。属名のfoeniculumはイタリア語で通称の「finocchio」をラテン語かしたもので、また種小名のブルガリス(Vulgaris)はラテン語で「普通の/ありふれた」を意味しています。
ウイキョウ(フェンネル)の特徴(魅力)
- 果実や葉茎は食用として利用される
- ↳葉は爽やかな香りと風味があり魚介やスープと合わせると香味のアクセントになる
- ↳若い茎または基部の茎はセロリの食感がありサラダや炒め物等にして食べられます
- ↳果実は甘くスパイシーな香りがあり砕いた物がハーブティーやスープの調味料に使われます
- 非常に背が高く茎は高さ250cmまで成長することがある
- 基部の茎は平に拡大して球根状になる
- 葉は非常に細く裂け羽毛の様なふわふわした質感を感じさせる
- ↳品種の中にはブロンズや紫色の葉色もありカラーリーフとして楽しめる
- 花は小さな黄色の小花が茎頂部に集まり傘をさした様な花を咲かせます
- 種から育てる事が出来るため大量植栽しやすい
- アゲハチョウ等の食草となる
- ↳バタフライガーデンで利用される
ウイキョウ(フェンネル)の茎は基部部分が扁平に拡大して球根状になり、上部の茎は細いままで内部には穴(中空)があります。茎の高さは最大250cmまで成長する事もありますが、通常栽培されるものでは遥かに背が低いです。葉は通常緑色ですが、1部の品種では褐色や紫色をした品種もあり、ふわふわとした草姿とも相まってカラーリーフとしても楽しまれています。葉の形は非常に細く糸状で3~4回羽状複葉しており、茎に対して互生につきます。花は黄色で非常に小さく5個ある花弁は内側に強く巻き、茎の頂部に小花が集まり半球状に花(複散形花序)を咲かせます。果実は褐色で長楕円形をしており縦筋に沿い隆起しています。実りの時期は7月~9月頃です。
開花時期は晩春から晩夏、花色は黄色、個々の小花は花弁が5枚の5数花、花序は茎の頂部に小花が集まり複散形花序に花を咲かせます。草姿は直立で分枝がよく高さは約90(250)cm × 幅は約60(120)cmまで成長します。葉色は緑色で品種により褐色もしくは紫色、小葉は糸状で3回~4回羽状複葉して、葉序は互生葉序もしくは根生葉につきます。
ウイキョウ(フェンネル)の香りと効果
ウイキョウ(フェンネル)の香りは、「スパイシー」や「甘い」と表現される爽やかな香りがあり、風味は甘く僅かに苦味がある所が特徴です。イノンド(ディル)の香りの由来となる精油には「アネトール(30~80%)」を主体にして「リモネン」「カルバクロール」「フェンコン」等が含まれており、特にカルバクロールの精油の効果からは、手足の末梢等の体温を保つ保温作用や、体内で増えた活性酸素を除去して老化やガンを防ぐ抗酸化作用等が期待されます。
アネトールの香りは「スパイシーな香り」「甘草の香り」「官能的な香り」等に例えられる人気の高い香り成分の一つで、また甘みを感じさせる風味ももっています。植物ではアニスやフェンネル等に豊富に含まれており、一般的には食品(お菓子や飲料等)の香料やお香等に利用されています。適量の摂取であればバクテリアや真菌等に対して抗菌作用ももち安全性高く利用できます。ただし大量に摂取すると有害な作用を引き起こす可能性があり、ラット実験では肝臓ガンが僅かに増加した報告もされています。利用する際は適量を心がけましょう。
リモネンの香りは「柑橘系(オレンジ)」に例えられる人気の高い香り成分の一つです。植物ではディルやベルガモット等に豊富に含まれており、一般的には食品(ガム・飲料等)の香料や洗剤、医薬品等に利用されています。リモネンの精油には肥満の改善や血行促進作用、抗ウィルス作用や抗がん作用等があるとされており(十分な科学的根拠はまだありません)、食品や医薬品にも利用されています。またリナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、精油がアロマテラピー等にも使われます。
カルバクロールの香りは「辛い」「木の香り」「樟脳(楠や防虫剤に似る)」等に例えられる刺激的な香りを持っています。植物ではオレガノやタイム等に含まれており、一般的には食品(飲料等)の香料や化粧品等に利用されています。またカルバクロールの精油には様々な効果があり、寒い季節も体を温かく保つ保温作用や、カビやバクテリアによる食品の腐敗を防ぐ抗菌・殺菌作用、また体内で増えた活性酸素を除去して老化やガンを防ぐ抗酸化作用等があります。
フェンコンの香りは「樟脳(楠や防虫剤に似る)」等に例えられる香りをもっています。植物ではフェンネル等に含まれており、一般的には食品の香料や香水等に利用されています。
ウイキョウ(フェンネル)の利用方法
ウイキョウ(フェンネル)は果実や葉、茎が食用として利用出来ます。ウイキョウ(フェンネル)は食欲を刺激するスパイシーで甘い香りがあり、また甘く爽やかな風味があり特徴です。ウイキョウ(フェンネル)の果実を利用する場合は、焼き菓子に混ぜこんで食べたり、ハーブティーとして飲用されたり、また鍋で果実を水分がなくなるまで煎ればスナックとしても食べれます。ウイキョウ(フェンネル)の葉は魚介類との相性がよい事で知られており、焼き魚やカルパッチョの上に乗せられたり、またスープの仕上げにイノンドの葉が加えられ飾り付けと香り付けに利用されたりします。ウイキョウ(フェンネル)の基部にある太い茎はセロリの様な食感があり、玉ねぎの様にスープに入れたり、硬い芯の部分を取り除いて炒め物等にして食べる事が出来ます。
ウイキョウ(フェンネル)の種をハーブティーとして楽しむ場合は、まずスプーン1杯~2杯の乾燥させた種を砕きます。砕いた種とワンカップのお湯を(180~200ml)をポットに入れて3~5分間蒸らします。蒸らす間はポット蓋をきちんと閉めておかないと香り(揮発性分)が抜けて美味しくなくなるので注意して下さい。蒸らし終わったらポットのハーブティーをカップに移します。その際、お好みで蜂蜜やレモン等を加えるのもいいでしょう。
ウイキョウ(フェンネル)の栽培
育てる際は、根腐れや腐敗等の病気を防ぐ為に、長雨等による浸水やジメジメとした過湿環境にならない様な対策が必要です。またアゲハチョウの幼虫等が食草として利用しており、卵を沢山産み付けられたりすると食害され丸裸になる事があります。どうしても、食べられたくない場合は防虫ネットをかけて卵を産ませないようにするといいでしょう。増やす方法は秋もしくは春のおだやかな気温(約20度)の時期に種を撒いて育てるか、早春に株分けを行います。
ウイキョウ(フェンネル)の収穫
- 茎(基部)の収穫は播種後、3~4ヶ月程度たって茎が直径約5~7cmになったら収穫します。
- 葉の収穫は、生育期間中であれば何時でも出来ます。若く柔らかなものを選んで収穫しましょう。花が咲くと葉が苦くなるため葉の収穫をメインとする場合は、剪定を行い花を咲かせないようにします。
- 種の収穫は晩夏から秋です。花が枯れて乾き褐色になってきたら、花の下から剪定して収穫します。収穫したら花を逆さまに吊るして、トレイか皿を下に置き、種が乾燥して自然に落ちるのを待ちます。
ウイキョウの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。