- 原産:日本/ヨーロッパ/アジア
- 科:バラ(Rosaceae)
- 属:シモツケ(Spiraea)
- 種:ホザキシモツケ(spiraea salicifolia)
- 別名:ブライトワート(Bridewort)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約100~200cm
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ホザキシモツケとは!?
ホザキシモツケは学名Spiraea salicifolia、別名では「ブライトワート(Bridewort)」等とも呼ばれる日本およびアジア、ヨーロッパが原産の落葉低木です。
ホザキシモツケの語源(由来)
- 属名のSpiraeaは古代ギリシャ語で「螺旋」「ひねり」を意味する「σπεῖρα(speira)」からきており、果実が螺旋状なることに由来すると言われています。
- 種小名のsalicifoliaはラテン語で「柳」を意味する「salix」と、「葉」を意味する「folia」の2語からきており、柳のような葉を意味します。
- ホザキシモツケの由来は、花が穂咲きする所からきています。
ホザキシモツケの特徴(魅力)
- ホザキシモツケは、円錐状に桃色の小花が集まり咲く、ふさふさとした外観の花穂が特徴で、花の形が和名の由来にもなっています。
- 樹形は株立ち状で、地際から何本も細い茎が伸びて広がります。
- 株は全体的に丸みを帯びる傾向があり、高さ幅ともに同程度の大きさになります。
- 花は新枝に咲く性質があり、小花が円錐状に集まり長さ5~15cmの花穂をつくります。
- 花の雌蕊は非常に長く花弁の2倍程度あり、花冠から突出しているため、ふわふわとした柔らかな外観をつくります。
- ホザキシモツケは夏の暑さ冬の寒さに強く育てやすいです。
ホザキシモツケの樹高は約100(~200)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)です。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約3(~7)cm、幅約1(~3)cm、葉身の形は狭楕円形もしくは菱形、縁部分に鋸歯があります。花序は円錐花序、円錐花序は長さ約5(~15)cmで円錐状に小花が集まります。花は直径約0.5(~0.7)cm、花弁の色は桃色、花弁の数は5個、雄蕊の数は約32個つきます。
ホザキシモツケの園芸品種の紹介
シモツケの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
シモツケの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ホザキシモツケの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ホザキシモツケは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
ホザキシモツケがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ホザキシモツケは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ホザキシモツケは西日の当たらない半日影もしくは明るい日陰で育てられます。日向(直射日光6時間以上)で育てる事も可能ですが、花が退色して落ちやすくなるため避けた方がよいでしょう。理想的な環境は西日の当たらない半日影(直射日光3~5時間)です。
培養土
ホザキシモツケは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒)+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
生育初期
ホザキシモツケは、活着するまでの生育初期は茎葉が萎れやすいため、土が乾燥しないように水やりをしっかり行いましょう。活着後は、ある程度の干ばつに耐えるほど乾燥に強くなります。逆に多湿になると蒸れて病気になりやすくなるため注意が必要になるでしょう。
地植え
ホザキシモツケは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ホザキシモツケを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ホザキシモツケはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。基本的には地植えで育てる場合は、肥料は不要です。ただし栄養の乏しい土壌で育てる場合、鉢植えで育てる場合などは栄養が足りなくなる事があるため毎年晩冬もしくは早春に肥料(寒肥)を与えましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥の与え方は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
ホザキシモツケを剪定する目的は、行儀の良い丸みを帯びた樹形をつくる所と、生産性の衰えた古い枝を剪定して、生産性の高い新しい枝の成長を促す所にあります。またシモツケは新枝に花が咲くため、剪定により株を若返らせることは、沢山の花を咲かせる事にも繋がります。
ホザキシモツケの剪定は晩冬から早春に1回、花が終わった後に1回の計2回行います。晩冬から早春は強めに剪定しても、春からの強い成長で、すぐに回復するため、やや強めに剪定して樹形をつくります。花が終わった後は、軽めに剪定して、2番花を楽しんだり、また樹形を整える目的でおこないます。
ホザキシモツケの剪定方法
- 晩冬から早春(2月~3月)の剪定
- 剪定のやり方
- 剪定は半球形の樹形をつくるように「バッサバッサ」と刈り込み剪定を行いましょう。剪定の量は株全体の大きさの半分を目安にします。
- 株を大きくしたい場合や、沢山の小さめの花を咲かせたい場合は切り戻しを軽めにします。
- 株を小さくコンパクトにしたい場合や、大きな花を咲かせたい場合は強く切り戻します
- 刈り込み剪定が終わったら、株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きましょう。
- 何故ならこれらの不要な茎を残すと、日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散したりするため、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 剪定は半球形の樹形をつくるように「バッサバッサ」と刈り込み剪定を行いましょう。剪定の量は株全体の大きさの半分を目安にします。
- 花が咲いた後(6月頃)の剪定
- 剪定のやり方
- 花が終わったら花がら摘みをかねて軽く切り戻ししましょう。花がらを摘む事で、種子づくりに向かうエネルギーが、次の花芽に向かうため2番花が咲きやすくなります。
- 花が完全に終わったら花がら摘みもかねて、全体の外観を整えるように表面を軽く刈り込みましょう。
夏越しする方法
ホザキシモツケは夏の暑さに強いため基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:4a~8b
ホザキシモツケは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ホザキシモツケは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- ホザキシモツケの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~10cmにわけします。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 水揚げした挿し穂の切り口に発根促進剤をつけます。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ホザキシモツケの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ホザキシモツケの病気
- うどんこ病
ホザキシモツケの害虫
- カイガラムシ