原産:メキシコ
科:キク(Asteraceae)
属:ジニア/ヒャクニチソウ(Zinnia)
種:ヒャクニチソウ/エレガンス(elegans)
別名:ジニア・エレガンス/コモン・ジニア(common zinnia)/エレガンス・ジニア(elegant zinnia)
品種:クィーン・ライム(queen lime)
開花時期:5月~11月(6月~9月に最も開花)
花の色:黄色●緑色●
葉色:緑色●
分類:一年草
草丈:約75cm
誕生花:5月4日/7月17日/7月26日/8月6日/10月3日
花言葉:絆/幸福/高貴な心/友への思い/遠くの友を思う
用途:開花期間長い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)とは!?
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は内側に緩く巻いた花弁が幾重にも重なり八重咲きしてポンポンの様な花姿を作り、緑色(~黄緑色)の花色が瑞々しくフレッシュな印象を与える魅力的な園芸品種です。
開花時期は晩春から晩秋、花色は緑色~黄緑色、個々の花は花弁が幾重にも重なり八重咲きして頭花をつくります。草姿は直立して高さ約75cm × 幅は約75cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは披針形か楕円形、葉序は対生葉序につきます。
ヒャクニチソウとは!?
ヒャクニチソウは学名Zinnia elegans、 別名では「ジニア・エレガンス」や「コモン・ジニア(common zinnia)」等とも呼ばれるメキシコ原産の一年草です
ヒャクニチソウの語源(由来)
- 属名のZinniaはドイツの解剖学者で植物学者のJohann Gottfried Zinnへの献名です。
- 種小名のelegansはラテン語で「上品」「エレガント」を意味しています。
- ヒャクニチソウの由来は開花期間の長さからきています。
ヒャクニチソウの特徴(魅力)
- ヒャクニチソウは花の形が非常に個性的で3タイプあります。
- ↳ビーハイブ(蜂の巣箱)咲きは中央の筒状花が円柱状に突き出ており蜜蜂や蝶々に人気がありよく遊びに来ます。
- ↳ダリア咲きは丸みを帯びたポンポンの様な可愛らしい花の形をしており花弁がやや広めです。
- ↳カクタス咲きは個々の花弁が外側にカールして筒状になり八重咲きする花形です。
- 花は色鮮やかな花色からパステルカラーまで様々あるためお庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来る所も魅力です。
- 花は開花期間が非常に長く夏の暑さに負けず持続的に開花します。
- ジニアの切り花は水揚げがやや悪いものの日持ち約7~10日程度あります。
- 草姿は直立して高さ15cm程度の矮性な品種から90cmに達する高性な品種まであります。
- ↳矮性な品種は花壇に並べられて縁取りに利用されたり寄せ植えに利用されたりします。
- ↳高性な品種は花壇に植えて立体感をつくったり収穫されて切り花にされたりします。
- ヒャクニチソウは種から簡単に育てる事が出来るため大量植栽しやすい所も魅力です。
- 成長が早く殆ど手をかけずに育てられる事から放ったらかしガーデンや初心者にもおすすめの植物です。
ヒャクニチソウの茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、白色の毛が生えます。草姿は直立で高さ約15(~90)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序につき、葉色は緑色、葉の大きさは長さ約4(~10)cm、幅約3(~6)cm、葉身は卵形もしくは披針形か楕円形をしています。花序は直径が約3(~15)cmまである頭状花序です。個々の花(頭花)は舌状花と筒状花の構成比により一重咲き・半八重咲き・八重咲きの3タイプがあり、また花の形によりカクタス咲き・ダリア咲き・ビーハイブ(beehives)咲きの3タイプに分けられる事があります。花後の果実は痩果です。
ヒャクニチソウの切り花の楽しみ方
- ヒャクニチソウの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫に適したヒャクニチソウは開花し始めたタイミングです。
- ↳ただし茎が柔らかいと萎れやすいため茎を指で摘んで軽く横に振ってみてください、ふにゃふにゃだったら収穫にまだ向きません。
- 収穫したら花の水揚げを悪くしたり蒸散による萎れの原因となる葉を出来るだけ取り除きましょう。
- ヒャクニチソウは水揚げが悪い部類にはいります。
- ↳水揚げは水に漬けて水切りを行い、その後で深水を行いましょう。
- ↳管理の方法でも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて深水をしましょう。
- ↳またジニアは茎の毛が原因で雑菌(バクテリア)が増殖しやすいため、雑菌の抑制のため花瓶の水に漂白剤(1滴)もしくは延命剤(抗菌剤)等を入れる事をおすすめします。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
深水法
深水法とは、深い水の中に切り花を漬けて水揚げする方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
深水は、深い水の中に切り花をつけるため、水圧が高まり、水上がりがとてもよくなります。また茎や葉からも水分を吸水するため、萎れが素早く改善します。
深水は水の吸い上げが弱い花材(バラ・ダリア・ラナンキュラス等)でよく行われます。また茎や葉が繊細な植物で深水をすると傷むため、基本的に茎葉が丈夫な花材で行います。
深水のやり方
- バケツの中に切り花が半分程度浸かる程度の水をいれておきます。
- 切り花を新聞紙で包みながら、花や葉が潰れない程度で、しっかり立つように固定して、茎の下部数cmを新聞紙から出しておきます。
- 切り花の切り口を水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- バケツの中に切り花が半分以上浸かる様にして入れておき、水揚げのため一から数時間程度放置します。
- 水揚げが終わったら花瓶の中に生けて楽しみます。
おすすめの延命剤
ヒャクニチソウの栽培方法
園芸では、色鮮やかで個性的な花を鑑賞する目的や、花を収穫して切り花として利用する目的で育てられます。草丈は最大90cmになる高性な品種から15cm程度の矮性な品種があるため、育てる品種に合わせて花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、花壇の前方や中央部に並べて縁どりとして楽しんだりすると良いでしょう。またヒャクニチソウは豊富な花色があるため、赤色や黄色等の色鮮やかな複数の花を組み合わせてカラフルなお庭をつくるのもいいかもしれません。
ヒャクニチソウを育てる際に注意する事は「長雨による多湿」です。何故ならヒャクニチソウは長雨に当たったり多湿環境になると、真菌性の病気や細菌性の病気にかかり株が弱りやすいからです。そのため、出来るだけ長雨の影響が少ない場所に植えたり、土壌の排水性を高めておく等の対策が必要でしょう。
ジニア(ヒャクニチソウ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ジニア(ヒャクニチソウ)属の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種【2022】
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。日当たりの悪い場所では開花が悪くなったり徒長して細く弱々しい茎になったりするため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌のPH
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は土壌のPH5.5~6.5の間を好みます。PHが高すぎたり低すぎたりすると生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は水捌けが良好であれば、土質を選ばず問題なく育ちます。一方で雨が降った後いつまでも湿っている様な粘土質な土壌では真菌性(カビ)の病気にかかりやすくなり、生育不良を引き起こします。そのため、適度に有機物(腐葉土等)が入る通気性と排水性のよい土壌に植えてあげましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。ただし長雨が当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は浸水したり水分が停滞する様な環境を嫌いますが、やや湿り気のある土壌を好みます。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう
水やり時の注意点
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は水やり時に、葉裏に泥水がかかったりすると病原菌(真菌等)が気孔などから植物内に侵入して病気にかかりやすくなります。そのため基本的には株に水がかからないように、株から少し離れた場所に優しく水を注ぎましょう。
肥料の与え方
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は花をしっかり咲かせるために、植付け時に元肥を施し、また開花期間中も持続的に追肥を施す事が大切です。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
追肥
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)の追肥は、開花期間中持続的に行います。基本的には液肥で与えるといいでしょう。液肥で与える場合は10~14日に一度のペースで水やりの際に与えます。
また必要に応じて化成肥料や緩効性肥料を利用すると、省力化に繋がり追肥作業が楽になります。化成肥料や緩効性肥料は山型肥料(リン酸多め)を選び、株から少し離した場所に規定量を置肥しましょう。
剪定のやり方
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)の剪定は「花がら摘み」と「切り戻し」の2つに分かれます。
切り戻し
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)の切り戻しは草丈が20cmに達した時に行われます。また花がら摘みを行う時にも必要に応じて行われます。
切り戻しのやり方は、成長点から2~3節下で剪定しましょう。
ヒャクニチソウの切り戻しの目的は摘芯と同じで、茎の数を増やし花の数を増やす事にあります。
花がら摘み
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育が衰えたり、新しい花がつくられにくくなったりするからです。 枯れたり萎れた花を摘む事は、沢山の新しい花を咲かせる事に繋がります。
花がら摘みのやり方は、色褪せてきた花を探す所から始まります。色褪せた花を見つけたら花柄の付け根で剪定して取り除きます。また茎が間延びしていると感じる場合は必要に応じて、花がらの数節下から切り戻し剪定を行うと良いでしょう。
夏越しする方法
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)は夏の暑さの中でも問題なく成長しますが、長雨等により過湿が続くと根腐れを起こしたり病気にかかる事があります。
ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)の夏越し対策
- 長雨(病気)対策として鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 地植えする場合は雨にあたりにくい場所に植えてあげるのも1つの対策です。
- 雨による泥はねが病気の原因にもなるためバーク堆肥やバークチップ等でマルチングしておくのも1つの対策です。
- 土壌の排水性を高め浸水しないようにしておく事で、多湿を防ぎ病気対策になります。
冬越しする方法
Hardiness:
挿し木や株分けで増やす
挿し芽の手順
- ヒャクニチソウ(クィーン・ライム)の挿し木時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- 挿し穂は長さ約5~7cmでカットしましょう。
- 下部の葉を落として上部の葉を2個残しましょう。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿して下さい。
- 日向は蒸散が早く萎れやすくなるため、明るい日陰で管理して、土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行いましょう。
播種で増やす
ヒャクニチソウの種蒔の方法
播種時期:3月~6月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約7日
発芽条件:
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ヒャクニチソウの病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- 斑点病
- 立枯病
- 菌核病
- 白絹病
- 軟腐病
- 青枯病
- 斑点細菌病
ヒャクニチソウの害虫
- アブラムシ
- ハダニ