- 原産:ブラジル/アルゼンチン/ポリビア/パラグアイ
- 科:ノウゼンカズラ(Bignoniaceae)
- 属:ピロステギア(Pyrostegia)
- 種:カエンカズラ/ウエヌスタ(venusta)
- 別名:ピロステギア・ウエヌスタ/フレーム・バイン(flamevine)/オレンジ・トランペットバイン(orange trumpet vine)
- 開花時期:12月~3月
- 花の色:橙色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑ツル性木本
- 登攀方法:まきヒゲ
- 長さ:約300~600cm
- 誕生花:10月25日
- 花言葉:名声/雄大/活発
- 用途:ツル植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
カエンカズラとは!?
カエンカズラは学名Pyrostegia venusta、別名では「ピロステギア・ウエヌスタ」や「フレーム・バイン(flamevine)」とも呼ばれるブラジルおよびアルゼンチン、ポリビア、パラグアイが原産の常緑ツル性木本です。
カエンカズラの語源(由来)
- 属名のPyrostegiaは、ギリシャ語で「炎」を意味する「pyr」と、ギリシャ語で「屋根」や「覆い」を意味する「stegia」の2語からなります。
- 種小名のvenustaは「美しい」を意味する「venustus」からきています。
- カエンカズラの由来は、花色が「火炎」を思わせる所と、カズラを思わせるツル性の樹形からきています。
カエンカズラの特徴(魅力)
- カエンカズラは南国のトロピカルな印象を与える花色と、筒状の花が並び咲くボリューミーな花姿、まきヒゲを他の植物や物体に絡めながら成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)が特徴の植物です。
- 園芸では、南国を思わせるような明るい花を鑑賞する目的や、ツルをトレリス等に絡ませて壁面緑化として利用する目的で育てられます。
- 樹形はツル性、茎は基本的に自立せず、葉軸の先端にある紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定します。
- そのため、トレリス等の資材を準備して育てる必要があります。
- 花序は葉腋から密な総状花序を出すためボリューミーな花姿をつくります。
- 花は筒状で先端の裂片が強くカールするため個性的な花姿となります。
- 橙色の鮮やかな花色は「太陽」のエネルギーや、「南国」の陽気さなどを連想させる明るい色です。そのため、開放感のあるカジュアルなお庭や、複数の色(青色・黄色等)が入ったカラフルなお庭などにおすすめです。
- 葉は2個の小さな葉(小葉)とまきヒゲで構成されており、まきヒゲは途中で三股に分かれ、螺旋を描きながらコイル状に他の植物や物体に絡みつきツル性の茎を固定します。
カエンカズラの樹形はツル性(まきヒゲ)、茎の長さは約300~600cm、茎の色は緑色、成熟すると木質化して褐色から灰褐色になります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は羽状複葉、羽状複葉は小葉が2個とまきヒゲがあり、小葉は長さ約4(~8cm)の卵形もしくは披針形、まきヒゲは葉軸の先端が紐状になり途中で三股にわかれて、紐状の器官を他の植物や物体に巻き付けて植物体を固定します。
花序は葉腋から密な総状花序をだします。花冠は長さ約5(~7.5)cm、形は筒状で裂片が4個、裂片は外側に強く巻きます。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は長さ約3cm、色は褐色です。
カエンカズラの育て方
花壇の土づくり
日当たり
カエンカズラは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影で育てましょう。
土壌の土質
カエンカズラは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
カエンカズラは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影で育てましょう。
培養土
カエンカズラの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
カエンカズラはやや湿り気のある土壌を好みますが、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
カエンカズラを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
カエンカズラは、ある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。基本的には地植えで育てる場合は、肥料は不要です。ただし栄養の乏しい土壌で育てる場合、鉢植えで育てる場合などは栄養が足りなくなる事があるため毎年晩冬もしくは早春に肥料(寒肥)を与えましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
剪定のやり方
カエンカズラは茎が巻き付くための園芸資材を準備して育てれば基本的に剪定不要です。剪定は外観を整えたり、成長範囲を制御したり、枝分かれを促したりしたい場合などに必要に応じて剪定が行われます。
ツル誘引の目的と方法
カエンカズラの茎は基本的に自立する事が出来ません。葉軸が紐状に変化したまきヒゲを他の植物や物体に巻き付けて体を固定します。そのため、茎を巻き付けやすい園芸資材を準備してあげる必要があります。
園芸資材は、トレリスやフェンス等がおすすめです。ツルを這わせる資材を準備しておけば、自らの力で茎を固定して成長するため誘引は不要です。
資材:トレリス/アーチ/バーゴラ/ガゼボ/オベリスク/壁面ワイヤー/フェンス
カエンカズラの剪定方法
- カエンカズラの剪定は花後すぐに行いましょう。
- 剪定が遅れると翌年の開花に悪い影響を与える可能性があります。
- 株全体を観察して【枯れ枝・損傷した枝・病気の枝】などを剪定して取り除きます。
- 枯れ枝はいつでも剪定して取り除く事が出来ます。
- 剪定は基本的に不要と言うことを踏まえて不要な枝を剪定しましょう。
- 不要な枝とは、範囲を逸出して邪魔になる枝、生産性の落ちた古い枝、太すぎる枝、混雑してる場所の枝などです。
- 剪定の仕方は基本的に間引き剪定で行います。枝分かれしている部分、もしくは根元から剪定して取り除きましょう。
- また健康な芽の上で剪定すると枝分かれしやすい為、枝分かれさせたい場所で剪定すると、ふさふさとした樹形となりやすいです。
- 不要な枝とは、範囲を逸出して邪魔になる枝、生産性の落ちた古い枝、太すぎる枝、混雑してる場所の枝などです。
夏越しする方法
カエンカズラは夏の暑さに強く基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:9b~11a
カエンカズラは軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで育てることも可能です。ただし強い霜が降りると枯れてしまうため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
挿し木や株分けで増やす
カエンカズラは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- カエンカズラの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
カエンカズラの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
カエンカズラの病気
カエンカズラの害虫