- 原産:日本
- 科:スイカズラ(Caprifoliaceae)
- 属:ツクバネウツギ/アベリア(Abelia)
- 種:ツクバネウツギ(spathulata)
- 同義語(synonym):Linnaea spathulata
- 別名:衝羽根空木
- 開花時期:5月~6月
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約50~200cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ツクバネウツギとは!?
ツクバネウツギは学名Abelia spathulata、 日本の本州・四国・九州に分布して、丘陵地や山地に自生する日本原産の落葉低木です。
ツクバネウツギの語源(由来)
- 属名のAbeliaはイギリスの医師で植物学者のクラーク・エーベル(clarke abel)への献名です。
- 種小名のspathulataはラテン語で「ヘラ形」「スプーン形」を意味しています。
- ツクバネウツギの由来は花を支える萼片がよく目立ち形が羽根付きで使う衝羽根の形に似ている事からきています。
ツクバネウツギの特徴(魅力)
ツクバネウツギの樹高は約50(~200)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、茎はよく枝分かれして密になります。茎の色は赤褐色もしくは灰褐色で樹皮は薄く剥がれます。葉序は対生葉序、葉柄があり、葉色は緑色、葉身の長さ約2(~5)cm、幅1(~3.5)cm、葉身の形は卵形、縁部分に鋸歯があります。花序は枝先にふつう2個の花をペアでつけます。花は萼片が5個、萼片の色は薄い黄色もしくは桃色、花冠は漏斗形、漏斗形は筒状で上部が横に広がり裂片が5個あり、花冠の色は白色もしくは桃色で筒内部に黄色の網状の模様がはいります。
ツクバネウツギの園芸品種の紹介
アベリアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アベリア(ツクバネウツギ)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2021】
ツクバネウツギの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ツクバネウツギは直射日光が6時間以上当たる日向から、3時間から5時間の半日影迄で育てられます。基本的に、日のよく当たる場所で最もよく開花して葉色も美しくなる傾向にありますが、夏の暑さと日差しの厳しい地域では生育が衰える事もあるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい場合もあります。
作土層
ツクバネウツギがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ツクバネウツギは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ツクバネウツギは直射日光が6時間以上当たる日向から、3時間から5時間の半日影迄で育てられます。基本的には、日のよく当たる場所で最もよく開花して葉色も美しくなる傾向にありますが、夏の暑さと日差しの厳しい地域では西日の当たらない半日影で育てた方がよい場合もあります。
培養土
ツクバネウツギの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+腐葉土=6:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
ツクバネウツギは一度しっかり活着すると乾燥にとても強くなるため、地植えしている場合は基本的に降水のみで育てられます。ただし土壌が乾燥しやすい夏は乾燥で生育が衰えてしまうこともあるため、株の健康な成長を維持するために必要に応じて土壌の表面が乾燥したら水やりを行うとよいでしょう。
鉢植え
ツクバネウツギを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ツクバネウツギはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。晩冬から早春に1回のみ肥料(寒肥)を与えて、必要に応じて堆肥をいれましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
ツクバネウツギは剪定せずに育てる事が出来ます。剪定は晩冬から早春に行います。
夏越しする方法
ツクバネウツギは夏の暑さにとても強いため基本的に夏越し対策は不要です。乾燥により生育が衰える事もあるため、必要に応じて水やりを行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:
ツクバネウツギは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ツクバネウツギは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は晩春から秋が適します。
- 挿し穂は今年成長した健康な茎を利用しましょう。
- 挿し穂 の長さ約5~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂を水に入れたコップに30分ほど入れて水揚げを行います。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 水揚げの終わった挿し穂をコップから取り出して、切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ツクバネウツギの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ツクバネウツギの病気
ツクバネウツギの害虫