アローカリア(ナンヨウスギ)は属の中に約19種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、ノーフォークマツは観葉植物としてクリスマスツリー等にも利用され美しい円錐形の樹形が魅力的です。またチリマツは恐竜が生息していた時代から生息するため生きた化石ともよばれており三角形の葉が枝に鱗状につくため幹と枝のみのような個性的な樹形をつくります。
アローカリア(ナンヨウスギ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アローカリア(ナンヨウスギ)の主な種の目次
ノーフォークマツの特徴や園芸品種
- 原産:ノーフォーク島
- 学名:Araucaria heterophylla
- 草丈:約5000~7000cm
- 分類:常緑高木
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:弱い
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:コニファー
ノーフォークマツとは!?
ノーフォークマツは学名Araucaria heterophylla、別名では「コバノナンヨウスギ」や「シマナンヨウスギ」等とも呼ばれるノーフォーク島固有の常緑高木です。
ノーフォークマツの語源(由来)
- 属名のAraucaria の由来はチリにあるアラウコ(Arauco)県からきています。
- 種小名のheterophyllaはラテン語で「その他」「異なる」を意味する「hetero」と、ラテン語で「葉」を意味する「phylla」の2語からなり、幼葉と成葉で異なる葉の形をしている所からきています。
ノーフォークマツの特徴(魅力)
- ノーフォークマツは垂直に伸びる幹と水平に伸びる枝葉でつくる円錐形(~円筒形)の樹形が美しい植物です。
- 剪定しなくても円錐形の樹形になる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、逆に剪定すると樹形が乱れる場合があります。
- 末端の枝葉が上に向かって伸びる事があるため個性的な外観をつくります。
- 葉は幼木(針形)と成木(鱗片状)で葉の形が異なり種小名の由来にもなっています。
- 葉は枝に沿うように螺旋状に密につくため細長い葉が羽状についているかのような外観をつくります。
- 花は雌雄異株のため雄花と雌花の2種類が別個体に生じます。
- 花は球花で雄花は花粉を生成し雌花は受粉後に球果となります。
- 果実(球果)は楕円形で約12~14cmの大きさがあります。
- 球果の外側は鱗片が重なり、鱗片の先端は尖ります。
- 球果は約18ヶ月かけて緑色から褐色へと熟すと徐々に崩壊して中の種子を放出します。
- ノーフォークマツは針葉樹の中では珍しく観葉植物として育てられる植物です。
- 針葉樹特有の円錐形の美しい樹形をつくる事からクリスマスツリーとして利用される事もあります。
- ただし数時間の直射日光もしくは十分な間接光があたる必要があるため窓の近くで時々鉢を回転させながら育てる必要があります。
ノーフォークマツの樹高は約5000(~7000)cm、樹形は円錐形です。樹皮は灰褐色(~灰色)で鱗片状に細かく剥がれます。幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)で直立して、枝は輪生(葉や枝などの器官が一定の箇所から輪を描く様に生じる)して水平に伸びます。葉序は互生、葉色は緑色、葉身は長さ約0.6(~1.5)cm、葉身の形は針形(成木では鱗片状)です。花は雌雄異株(雄花と雌花の2種類の花がそれぞれ別個体に生じる)です。雄花は球花で、円錐形(~円筒形)で色は黄褐色をしており花粉を生成します。雌花は球花で、円錐形で三角形をした苞葉があり受粉後に果実(球果)になります。果実は球果(裸子植物の果実で鱗片が重なり円錐形や球形をつくり内部に種子がある)です。球果は円錐形(~卵形)をしており長さ約12(~14)cmあり、色は緑色から約18ヶ月かけて成熟すると褐色に変わります。種子は淡褐色、長さ約2.5(~3)cmで翼をもちます。
チリマツの特徴や園芸品種
- 原産:チリ/アルゼンチン
- 学名:Araucaria araucana
- 草丈:約3000~4000cm
- 分類:常緑高木
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:強い
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:コニファー
チリマツとは!?
チリマツは学名Araucaria araucana、別名では「モンキー・パズル・ツリー(monkey puzzle tree)」や「モンキー・テイル・ツリー(monkey tail tree)」等とも呼ばれるチリおよびアルゼンチンが原産の常緑高木です。
チリマツの語源(由来)
- 属名のAraucaria の由来はチリにあるアラウコ(Arauco)県からきています。
- 種小名のaraucanaはチリ中部にあるアラウカニア(Araucanía)に由来します。
チリマツの特徴(魅力)
- チリマツは枝に沿うように三角形の葉が螺旋状に密につきます。そのため幹と枝だけのような個性的な外観をつくります。
- 葉は常緑で枝の上に10年以上残ると言われています。
- チリマツは非常に長命で樹齢は1000年を越えます。
- 樹形は若い時は円錐形ですが成熟すると下枝が落ち上部で傘状の樹冠をつくります。
- チリマツは恐竜がいた時代から生息しており、化石としても残っているため生きた化石とも呼ばれます。
- 花は雌雄異株のため雄花と雌花の2種類が別個体に生じます。
- 花は球花で雄花は花粉を生成し雌花は受粉後に球果となります。
- 果実(球果)は楕円形で約12~20cmの大きさがあります。
- 球果の外側は鱗片が重なり、鱗片の先端は尖ります。
- 球果は約18ヶ月かけて緑色から褐色へと熟すと徐々に崩壊して中の種子を放出します。
- 種子は食用で先住民により収穫されナッツとして食べられています。
- 種子は1つの球果で約200個生成します。
- チリマツを種子から育てた場合、種を収穫出来るようになるまで30年近くかかります。
チリマツの樹高は約3000(~4000)cm、樹形は若い時は円錐形で成熟すると下部の枝葉が落ちて樹冠が傘状になります。樹皮は 灰褐色(~灰褐色)で亀甲状に割れます。幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)で直立して、枝は輪生(葉や枝などの器官が一定の箇所から輪を描く様に生じる)します。葉序は互生、葉色は緑色、葉身は厚みがあり長さ約3(~4)cm、幅約1(~3)cm、葉身の形は三角形です。花は雌雄異株(雄花と雌花の2種類の花がそれぞれ別個体に生じる)です。雄花は球花で、円錐形をしており花粉を生成します。雌花は球花で、円錐形をしており受粉後に果実(球果)になります。果実は球果(裸子植物の果実で鱗片が重なり円錐形や球形をつくり内部に種子がある)です。球果は円錐形(~卵形)をしており長さ約12(~20)cmあり、色は緑色から約18ヶ月かけて成熟すると褐色に変わります。種子は淡褐色、長さ約1.5cmで翼をもちます。
ナンヨウスギの特徴や園芸品種
- 原産:オーストラリア
- 学名:Araucaria cunninghamii
- 草丈:約4000~6000cm
- 分類:常緑高木
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:普通
- 耐寒性:普通
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:コニファー
ナンヨウスギとは!?
ナンヨウスギは学名Araucaria cunninghamii、別名では「フープ・パイン(hoop pine)」や「クィーンズランド・パイン(Queensland pine)」等とも呼ばれるオーストラリアが原産の常緑高木です。
ナンヨウスギの語源(由来)
- 属名のAraucaria の由来はチリにあるアラウコ(Arauco)県からきています。
- 種小名のcunninghamiiはイギリス出身の植物学者アラン・カニンガム(Allan Cunningham)への献名です。
ナンヨウスギの特徴(魅力)
- ナンヨウスギは垂直に伸びる幹と水平に伸びる枝葉でつくる円錐形(~円筒形)の樹形が美しい植物です。
- 剪定しなくても円錐形の樹形になる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、逆に剪定すると樹形が乱れる場合があります。
- 日当たりが悪いと枝葉が垂れたり枯れて樹形が乱れたりします。
- 花は雌雄同株のため雄花と雌花の2種類が同一個体状に生じます。
- 花は球花で雄花は花粉を生成し雌花は受粉後に球果となります。
- 葉は長さ約1~2cmの細長い針形をしています。
- 針形の葉は枝に螺旋状に密につくため円筒型の外観をつくります。
- 果実(球果)は楕円形で長さ約8~10cm、幅約6~8cmの大きさがあります。
- 球果の外側は鱗片が重なり、鱗片は先端がフック状に尖ります。
- 球果は約18ヶ月かけて緑色から褐色へと熟すと徐々に崩壊して中の種子を放出します。
- 種子には薄い翼があり風によって遠くへ飛散します。
- ナンヨウスギは夏の暑さや乾燥に強く肥料も基本的に不要なため放ったらかしで育てる事が出来ます。
- ただし霜が降りる場所では越冬が難しいです。
ナンヨウスギの樹高は約4000(~6000)cm、樹形は若い時は円錐形で成熟すると円筒形になります。樹皮は赤褐色もしくは灰褐色で横縞があり不規則に剥がれます。幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)で直立して、枝は輪生(葉や枝などの器官が一定の箇所から輪を描く様に生じる)します。葉序は互生、葉色は緑色で白色の気功が目立ちます。葉身の長さ約1(~2)cm、幅約0.2(~0.4)cm、葉身の形は針形です。花は雌雄同株(雄花と雌花の2種類が同一個体状に生じる)です。雄花は球花で、円錐形をしており花粉を生成します。雌花は球花で、円錐形もしくは卵形をしており受粉後に果実(球果)になります。果実は球果(裸子植物の果実で鱗片が重なり円錐形や球形をつくり内部に種子がある)です。球果は円錐形をしており長さ約8(~10)cm、幅約6(~8)cmあり、色は緑色から約18ヶ月かけて成熟すると褐色に変わります。種子は淡褐色、長さ約1.5cmで翼をもちます。