- 原産:オーストラリア
- 科:フトモモ(Myrtaceae)
- 属:ブラシノキ/カリステモン(Callistemon)
- 種:シダレハナマキ/ビミナリス(Callistemon viminalis)
- 同義語:Melaleuca viminalis
- 別名:シダレキンポウジュ/カリステモン・ビミナリス/ウィーピングボトルブラッシュ(weeping bottlebrush)/クリーク・ボトルブラッシュ(creek bottlebrush)
- 品種:キャプテン・クック(Callistemon viminalis ‘captain cook’)
- 開花時期:5月~6月・秋に少し返り咲きする
- 花の色:赤色
- 葉の色:緑色
- 香り:葉
- 分類:常緑低木
- 被覆方法:
- 樹高:約100~150cm
- 誕生花:4月8日/5月19日
- 花言葉:恋の火・恋の炎・気取る心・はかない恋
- 用途:開花期間長い/生垣/切り花
- 購入方法:カリステモン(キャプテン・クック)を楽天で購入
■カリステモン(キャプテン・クック)の特徴
- 学名:Callistemon viminalis ‘captain cook’
- 開花期間:5月~6月・秋に少し返り咲きする
- 花の色:赤色
- 葉の色:緑色
- 樹高:約100~150cm
- 備考:シダレハナマキの矮性品種です。開花は晩春から初夏にあり、秋に少し返り咲く事がある。
■シダレハナマキとは!?
シダレハナマキの学名は Callistemon viminalis 、同義語では Melaleuca viminalis 、別名では「シダレキンポウジュ」「カリステモン・ビミナリス」「ウィーピングボトルブラッシュ(weeping bottlebrush)」「クリーク・ボトルブラッシュ(creek bottlebrush)」とも呼ばれる常緑小高木です。
シダレハナマキの原産地はオーストラリアのニューサウスウェールズ州・クイーンズランド州・西オーストラリア州にあり、自生地は小川沿いなどにあります。
■シダレハナマキの語源(由来)
- 属名のCallistemonは、古代ギリシア語で「美しい」を意味する「κᾱ́λος (kā́los)」と、古代ギリシア語で「雄蕊」を意味する「στημων (stemon)」の二語で構成されており、花の雄蕊が美しい事に由来します。
- 種小名のviminalisは、ラテン語で「柔軟な細枝」「柳の木」を意味しており、枝先(梢)が枝垂れる樹形に由来します。
■シダレハナマキの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- シダレハナマキの特徴は、樹形が柳のように枝垂れるため優雅な外観をしている所、幹は繊維質で古くなると縦に裂ける所、開花は一般的に晩春から初夏頃にありますが、一部の品種は四季咲きがある所、花は赤色の雄蕊が長く突出しているため見た目がボトルブラシに例えられている所、葉には精油の溜まっている油点が点在しており、精油の中にはシネオールが60%ほど含有している所などにあります。
- 鑑賞用途としては、花の形状がユニークで鮮やかな赤色をしているため、南国の雰囲気を感じさせるトロピカルガーデンなどで利用されたり、鉢植えの中で成長を制御して狭い空間の中で楽しまれたり、温暖な地域では生垣として利用されたり、花を収穫して切り花として利用されたりします。
- 外観の特徴
- 樹高は約100~800cm、幹の向きは直立、分枝の向きは斜上、枝先(梢)は垂れ下がる、樹皮の色は灰色・灰白色・淡い茶色、樹皮は繊維質で古くなると縦に裂ける。
- 葉序は互生葉序、葉柄は有柄でごく短い、葉身の長さ約2.5~13.8cm、葉身の幅は約0.3~2.7cm、葉身の形は線状披針形・狭楕円形、葉の色は緑色、葉は油点があり光にかざすと確認出来る。
- 花序は穂状花序、穂状花序の長さは約4~10cm、直径は約3.5~5cm、花軸に花が垂直につきます。花は花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成される。
- 花托:花托は花柄の先端が厚く台状になった器官で、花托の上に花葉(萼・花弁・雄蕊・雌蕊)が付いています。シダレハナマキの花托の形状は壺形、花托の色は緑色です。
- 萼:萼は花の最も外側に位置しており、開花前の花を保護する役割を持っていて、葉的な要素を残しています。シダレハナマキの萼は萼片の数が5個、萼片の形状は半円形です。
- 花冠:花冠は花弁の集合体です。シダレハナマキの花冠は花弁が花托の縁部分に並び、花弁の数は5枚、花弁の長さは約0.3~0.6cm、早落する。
- 雄蕊:雄蕊は花糸と葯で構成されており、葯の中で花粉を形成して放出する働きがあります。シダレハナマキの雄蕊は5個の束状になって雌蕊の周りに配置されている、1束の中には雄蕊が約9~14本あり、花糸の色は赤色、葯の色は黄色です。
- 雌蕊:雌蕊は子房・花柱・柱頭で構成されており、花粉を受け入れて受粉する器官です。シダレハナマキの雌蕊の数は一本です。
- 果実は蒴果、蒴果の長さは約0.3~0.5cm、蒴果の形状は壺形です※蒴果とは二枚以上の複数の心皮からなる多心皮性子房で、果皮は乾燥していて成熟すると複数の室に分かれて裂開する果実です。
- 栽培時の注意点
- シダレハナマキを育てる際に注意することは「霜」などです。
- 霜とは、季節が晩秋頃から翌年の早春頃、時間は早朝に起こり、空気中の水蒸気が地面や植物の表面に氷の結晶となって付着する現象です。シダレハナマキは軽い霜に耐える事が出来ますが、個体によっては氷点下や霜に耐えられずに枯れる事もあります。そのため、冬の間は氷点下を下回らない環境で育てた方が良いでしょう。
■シダレハナマキの園芸品種を紹介
ドーソンリバー
学名:Callistemon viminalis ‘dawson river weeper’
開花期間:四季咲き
花の色:赤色
葉の色:緑色
樹高:約500~600cm
備考:ドーソンリバーは、シダレハナマキと比べて開花期間が長く秋に花がもう一度咲く習性があります。そのため、何度も花を楽しみたい人におすすめの品種です。またシダレハナマキと同様に枝先(梢)は枝垂れて柳のような優雅な樹形も楽しめます。
ワイルダーネス・ホワイト
学名:Callistemon viminalis ‘wilderness white’
花の色:白色
葉の色:緑色
樹高:約200~300cm
備考:シダレハナマキでは珍しい白花を咲かせる品種です。
■ブラシノキ(カリステモン)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■シダレハナマキの育て方
花壇の土づくり
日当り
シダレハナマキは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 基本的に通気性と排水性が高めの土壌を好みますが幅広い土壌に適応します。ただし、水捌けが悪く水分が停滞するような土壌で育てると、根が呼吸出来ずに根腐れを引き起こす事があるため、土質は壌土・砂壌土あたりにした方が良いでしょう。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
シダレハナマキは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性・保水性のバランスを考えた用土の構成にする。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
- 鉢植えを移動する場合を考えて比重の軽い用土を利用したり、植物が倒れる可能性も考えて比重の重めの用土を選んだりする。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を利用したり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+バーク堆肥=4:3:3
- 日向土(細粒・小粒)+ピートモス+くん炭=6:3:1
培養土は基本用土を単体で使うか、または基本用土をベースにしながら改良用土を組み合わせて作ります。
植物の育ってきた環境、水やりの頻度、用土の費用などを考えて培養土を作ると良いでしょう。
基本用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた用土です。
- 赤玉土の特徴は、通気性・排水性・保水性のバランスが抜群によく、鹿沼土と比べるとより保水性・保肥力にすぐれている所にあります。ただし、赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすく、微塵が出ることで通気性・排水性が悪化しやすい傾向にあります。そのため長く使い続けるのには向きません。
- 赤玉土は通気性・排水性・保水性に優れている事から、万能な園芸用土として多くの植物に利用されています。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。そのため、多肉植物・サボテン・山野草などに使われることが多い用土になります。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 鹿沼土の特徴は、軽石と同様に通気性や排水性に優れている所、軽石と比べると保水性に優れている所、赤玉土と比較すると鹿沼土の方が形状が崩れにくい所、酸性度が強めな所などにあります。※ただし赤玉土よりも強度は強めですが、軽石と比べると脆いです。
- 鹿沼土はどの植物にも利用出来ますが、酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよいでしょう。どうしても使う場合はアルカリ性の改良用土を配合します。一般的に酸性度が強めな事から、酸性土壌を好むツツジやサツキ等の植物によく利用されています。
- 硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- べラボンの特徴は、非常に軽く空気を多く含んでいる所、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため用土などに混ぜ込むと通気性が改善して根張りがよくなる所、保水性もあるため水もちがよくなる所等にあります。
- べラボンは樹木に着生する植物などによく利用されますが、土の変わりとして普通の植物にも利用されます。比重が小さく軽量のため、ハンギングバスケットの基本用土として使われる事もあります。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
シダレハナマキは、干ばつにも耐えるくらい乾燥に強い植物ですが、乾燥が続くと生育が衰えたり、葉が萎れて落ちるなどして見た目が悪くなります。
そのため、土壌の状態を見ながら定期的に水やりする事が大切です。
注意する事は、極端に過湿状態にしてしまうことです。過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりする頻度などには注意が必要となります。
水やりの仕方
土の表土または表層が乾いたタイミングで水を与えます。特に、成長期に水を与える事で、株がしっかりと成長します。
水やりのタイミング
- 表土の乾いたタイミング
- 土の表土(表面)の色が、濡れているなら黒っぽく、乾いたら白っぽくなるため、目視で乾いたのを確認する。
- 目視で確認が難しい場合は、表土を触って乾燥を確認する。
- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
- 鉢内または表層が乾いたタイミング
- 透明な鉢植えで育てると土の色の変化が分かるため、目視で確認する。
- 鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、持ち上げてみて土の乾きを判断する。
- 割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串を色と湿り気を見て確認する。
- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
肥料の与え方
シダレハナマキは、痩せ地に耐えて育つこともできますが、生育が衰えたり、花・葉の数が減る傾向にあります。
そのため、毎年定期的に堆肥・肥料を与えてあげた方が良いでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期
- 植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方
- 地植えの場合は土壌改良を行い堆肥(腐葉土や牛糞堆肥等)をいれて混和するか、株の上に堆肥を盛るか、周囲に穴を掘り堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替え時に牛糞や腐葉土のしっかり入る新しい培養土を使うか、古い土を再利用する場合は、古い土の中に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用しましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 晩冬から早春
- 開花後(剪定後)
- 肥料の選び方
- 緩効性肥料※他のオーストラリア植物と比べてリン酸にそこまで敏感ではないですが、心配な場合は低リン酸のオーストラリア植物専用の肥料を利用しましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を規定された場所に与えます。基本的には株から少し離れた場所に根があるため、肥料は株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。
剪定のやり方
シダレハナマキは剪定せずに育てる事もできますが、剪定しないと分枝の少ない間延びした外観の樹形となり、花の数も少なくなりやすいです。そのため、定期的に軽い切り戻し剪定を行います。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定を行う理由
- 茎が分枝せずに間延びして徒長することがあります。そのため、切り戻し剪定を行い分枝を促して、茎の数を増やし株のボリュームとバランスを整えます。
- 古い茎は生産性が低く、成長が遅くなったり、葉の量が減ったりしやすいです。そのため、剪定して新しい芽や茎にエネルギーを送り若返りを促します。
- 茎葉が暴れて外観が悪くなる事があります。そのため、切り戻し剪定を行って株の大きさや形を制御します。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 開花後
- 剪定方法
- 株を観察して、枯れてる茎・損傷してる茎・病気の茎を探して健康な部分まで切り戻し剪定する。
- 株全体を観察して、好みの株のサイズをイメージしながら、茎・葉を剪定して形を整える。※葉の無い部分まで剪定すると、新芽が出ずに枝が枯れる事があります。そのため基本的には芽のある場所よりも上で剪定しましょう。
- 株全体が老化して勢いが無くなっている場合は、萌芽更新して株の根元付近まで剪定する事があります。ただし木が再生する場合と再生しない場合があるため、最終手段の剪定となります。
冬越しする方法
Hardiness:9~11
シダレハナマキは、軽い霜であれば耐えられる事もあるため、暖地であれば地植えでも冬越し出来る事があります。ただし基本的に霜や凍結に弱いため、冬越し対策を行った方が良いでしょう。
冬越し対策
- 地植えで育ている場合
- 土壌の表面を腐葉土・バーク堆肥・寒冷紗等で覆いマルチングする事で、根を乾燥・寒さ・霜から守り冬越しがしやすくなります。
- 寒さが厳しくなる日は不織布などをかけて対応しましょう。
- 株の周りに支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、ミニ温室を作って上げる事で寒さや霜から植物を守る事ができます。
- 鉢植えで育てている場合
- 鉢植えで育てている場合は、屋内や温室の日当たりの良い場所で管理するか、霜の当たらない軒下で管理するとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
シダレハナマキは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 挿し木する時期は成功率の高い初夏から夏頃が適します。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土には切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土を容器に入れて事前に水をかけて湿らせておきます。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な半熟枝をカットして利用しましょう。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを10~15cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程をいれます。
- 管理
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。