- 原産:レバノン/シリア
- 科:マツ(Pinaceae)
- 属:ヒマラヤスギ(Cedrus)
- 種:レバノンスギ(libani)
- 別名:セドラス・リバ二/リバニーズ・シーダー(Lebanese cedar)/レバノンシーダー(cedar of Lebanon)
- 開花時期:7月~10月
- 花の色:黄色●緑色●
- 葉の色:緑色●青色●白色〇
- 分類:常緑高木
- 草丈:約4000cm
- 誕生花:11月13日
- 花言葉:尊敬/たくましさ/報われぬ恋 /あなたを待つ/あなたのために生きる
- 用途:コニファー/カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
レバノンスギとは!?
レバノンスギは学名Cedrus libani、別名では「セドラス・リバ二」や「リバニーズ・シーダー(Lebanese cedar)」等とも呼ばれるレバノンおよびシリアが原産の常緑高木です。
レバノンスギの語源(由来)
- 属名のCedrusは古代ギリシア語の「κέδρος (kédros)」からきており、由来は不明です。
- 種小名のlibaniは「レバノンの」を意味しており、この木が自生する場所に由来します。
レバノンスギの特徴(魅力)
- レバノンスギは若い時は円錐形の樹形をつくりますが成熟してくると樹冠が水平もしくは傘状に広がり雄大な景観を作り出します。
- レバノンスギは若い時に幹が枝分かれする傾向が強く単幹ではなく幹が数本ある場合が多いです。
- レバノンスギには長枝と短枝があり葉は短枝に15~35本が密集してつきます。
- 葉の形は針形で長さ0.5(~3.5)cmあります。
- 葉の色は通常緑色ですが幾つかの品種では青白い葉色をしているためカラーリーフとして楽しまれる事もあります。
- レバノンスギの実は樽の様な形をしており長さ約8~12cm幅約3~6cmあります。
- 実は2~3年をかけて成熟して数年かけて種鱗がとれ崩壊していき中の種を放出します。
- レバノンスギの木材は耐久性や防虫性が高く美しいクリーム色から薄褐色をしています。
- 木材には長持ちするシダーウッドの甘い香りがあります。
- 木材は建材や家具、工芸品等と様々な用途で利用されます。
レバノンスギの茎は木質で樹皮は灰色もしくは灰褐色をしており、樹皮は成熟すると鱗状に割れ剥がれます。樹高は約4000cm、樹形は若い時は円錐形、成熟すると水平もしくは傘のように広がる傾向があります。幹の太さは最大250cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)もしくは幹は下部で枝分かれする傾向が強いです。枝は若い時は斜上に伸び成熟してくると水平に広がります。枝には長枝(葉は疎らもしくは生えない)と短枝(密に葉が生える)があります。葉序は互生、長枝に疎らもしくは葉はつかず、短枝に15(~35)個の葉が放射状に密につき、葉色は緑色、葉身の長さ約0.5(~3.5)cm、葉身の形は針形です。花は雌雄同株のため緑色(~淡褐色)の雄花と緑色(~灰褐色)の雌花が個々にわかれて一つの木にあります。実(果実)は球果で、球果は樽形をしており長さ約8(~12)cm、幅約3(~6)cmあり、鱗状に直径約3(~4)cmの種鱗が重なっています。実(果実)は受粉後約2(~3)年かけ成熟して、実の色が緑色から灰褐色になり数年かけて種鱗が崩壊して中の種子を放出します。種子は薄褐色で長さ約1(~1.4)cmあり2(~3)cmの翼がついています。
ヒマラヤスギの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヒマラヤスギの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
レバノンスギの育て方
花壇の土づくり
日当たり
レバノンスギは成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
レバノンスギがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
レバノンスギは幅広い土壌で育てられますが、雨後や散水後にジメジメとした多湿がいつまでも続くような土壌は嫌います。そのため植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく適度に肥沃な土壌をつくりましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
レバノンスギは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
レバノンスギの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(中粒)+鹿沼土+バーク堆肥+くん炭=4:2:3:1
水やりの仕方
生育初期
レバノンスギは植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
レバノンスギは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
レバノンスギを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
レバノンスギはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。成長を促進させる目的で春に一度、肥料を与えることが出来ます。ただし窒素成分の多い肥料を施すと肥焼けする事があるため注意が必要です。
オススメは肥料の代わりに、株の周りに堆肥(腐葉土等)をマルチングする事です。堆肥でマルチングする事で、肥沃な土壌が作られ、雑草が生える事も防げます。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めるだけで良いです。肥料を与える場合は配合肥料もしくは緩効性肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
レバノンスギは剪定は基本的に不要です。生育初期に幹が枝分かれして2~3本になる事があります。1本の幹にするために秋に間引き剪定する事も出来ますが、後に優雅に広がる樹形をつくる一助ともなるため剪定しなくたも問題ありません。
剪定のやり方は、基本的に健康な成長を促すための「間引き剪定」のみです。
間引き剪定
間引き剪定とは日当りや風通し、樹形を乱す不要な茎を根元から剪定して取り除く事です。健康な成長を促したり、見た目を整える目的があります。
間引き剪定の剪定時期は秋です。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、病気の茎等の健康な成長を阻害する不要な茎を見つけて根元から間引き剪定するだけです。
夏越しする方法
レバノンスギは夏の暑さに強いため、基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
レバノンスギは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
レバノンスギは挿し木で増やす事が難しいです。そのため園芸品種等を増やしたい場合は実生から育てた2~3年生の苗に、増やしたい株の挿し穂を接ぎ木して増やすのが一般的です。親株と同じ習慣(決まりのように繰り返す癖)を持たない株で問題なければ実生(種)から増やして育てます。
播種で増やす
レバノンスギの種蒔の方法
播種時期:3月~5月(理想)・何時でも
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
レバノンスギは寒さを経験しないと発芽しない、低温要求性種子です。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)等に入れて寒さを経験させた後に種を撒く必要があります。処理を行うメリットは発芽が揃いやすい所にあります。
種まき手順
- 種を撒く前に果実(球果)から種子を取り出し、種子を水の中に24時間つけます。
- やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜ密閉される袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で約8週間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
レバノンスギの病気
- すす病
レバノンスギの害虫
- ハマキムシ