- 原産:日本/朝鮮
- 科:レンプクソウ(Adoxaceae)
- 属:ガマズミ/ビバーナム(Viburnum)
- 種:オオチョウジガマズミ(carlesii)
- 別名:アローウッド(arrowwood)
- 品種:オーロラ(viburnum carlesii ‘aurora’)
- 開花時期:5月
- 花の色:白色〇桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約100~200cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ/生垣/香りが良い
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オオチョウジガマズミ(オーロラ)とは!?
オオチョウジガマズミ(オーロラ)は、鮮やかな桃色の蕾から、ほんのり桃色を帯びた香りの良い白色の花を咲かせる園芸品種です。樹形は株立ち状、高さ約100(~200)cm、幅広約100(~150)cmまで成長します。
オオチョウジガマズミとは!?
オオチョウジガマズミは学名Viburnum carlesii、別名「アローウッド(arrowwood)」とも呼ばれる日本および朝鮮が原産の落葉低木です。日本では長崎県対馬の岩場の崖などに自生しており、変種のチョウジガマズミが岡山と香川県に自生しています。
オオチョウジガマズミの語源(由来)
- 属名のViburnumはViburnum lantanaのラテン語名に由来します。
- 種小名のcarlesiiはWilliam Richard Carles (1867~1900)への献名です。
オオチョウジガマズミの特徴(魅力)
- オオチョウジガマズミは高さ200cmまでの低木で、桃色の蕾から咲く白色の香りのよい花と、花後に実る青黒色の果実が魅力的な植物です。
- 園芸では主に花や果実を鑑賞する目的で自然樹形のまま庭木として利用されたり、花を楽しんだ後に刈り込み剪定してインフォーマルヘッジ(生垣)として利用されたりします。
- 花は半球状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また桃色と白色の花色が可愛らしさや清潔感を感じさせるため、花を鑑賞する目的で育てられます。
- 花は蕾の時は桃色、開花すると白色です。
- 花には心地よい香りがあります。
- 果実は青黒色の光沢ある色をしており、その装飾性の高さから実を鑑賞する目的で育てられることもあります。
- ただし剪定時期が花後のため、多くの果実は鑑賞前に剪定でなくなります。
- 果実は鳥などが食べにくる事もあるため、木に集って青色の果実を食べる鳥の姿を観察する事が出来ることもあります。
- オオチョウジガマズミの生垣は花を楽しみながら利用するインフォーマルヘッジの生垣して一般的に利用されます。
- オオチョウジガマズミは背が高く、常緑性があり、枝葉は密に茂ることから生垣としての機能性(目隠し効果・侵入防止効果・防音効果・防風効果等)をしっかり発揮する事が出来ます。
- オオチョウジガマズミはやや葉が大きいため全体的に緩い印象を与えたり、刈り込み剪定を行った時に剪断された葉が少し気になる場合があります。
オオチョウジガマズミの樹高は約100(~200)cm、幅約100(~200)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、樹皮の色は褐色もしくは灰褐色をしています。
葉序は対生葉序、葉色は光沢のある緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約3(~10)cm、幅約2(~6)cm、葉身の形は卵形(~広卵形)もしくは楕円形、ふち部分に鋸歯があります。
花序は散房花序、散房花序は半球状に花が多数集まります。花の色は白色(蕾は桃色)、花の形は筒状で筒上部が広がり裂片が5個、裂片は丸みを帯びる、雄蕊は5個あります。果実は長さ約1cm、形は楕円形、色は青黒色です。
オオチョウジガマズミの園芸品種の紹介
ガマズミ(ビバーナム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガマズミ(ビバーナム)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
オオチョウジガマズミ(オーロラ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
オオチョウジガマズミ(オーロラ)は直射日光が6時間以上当たる日向から、3時間から5時間の半日影迄で育てられます。日当たりの悪い環境にも耐えますが、葉が疎らになり花付きが悪くなることがあるため避けた方がよいでしょう。
作土層
オオチョウジガマズミ(オーロラ)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
オオチョウジガマズミ(オーロラ)は通気性と保水性のバランスがよく肥沃な土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オオチョウジガマズミ(オーロラ)は直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。花は日当たりの良い場所で最もよく開花しますが、夏の暑さが厳しい地域では半日影に移動した方が良いでしょう。
培養土
オオチョウジガマズミ(オーロラ)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
オオチョウジガマズミ(オーロラ)は根が活着すると乾燥に強くなります。そのため地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
オオチョウジガマズミ(オーロラ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
オオチョウジガマズミ(オーロラ)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。晩冬から早春に1回のみ肥料(寒肥)を与えて、必要に応じて堆肥をいれましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
オオチョウジガマズミ(オーロラ)は、一般的に花を楽しみながら樹形を整える目的で剪定されます。剪定時期は花が終わる晩春頃、不要な枝や邪魔な枝を間引き剪定や切り戻し剪定して形を整えます。またフォーマルな生垣として利用する場合は花を犠牲にして定期的に刈り込み剪定することも可能です。
庭木として剪定する方法
- 剪定する時期は花が終わる晩春頃(5月)です。
- 剪定が遅くなると翌年の花を犠牲にする事があります。ただし花を犠牲にしていい場合(生垣)などは再度剪定することも出来ます。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 枝が混み合うと風通しや日当たりが悪くなり害虫や病気が発生しやすくなるため、株全体のバランスを必ず見ながら不要枝を間引き剪定もしくは切り戻し剪定をします。
- 間引き剪定とは枝の根元から切る剪定です。平行枝や下がり枝などの完全に不要な枝、自然に淘汰されるような枝を剪定する時に行います。
- 切り戻し剪定とは枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻す剪定です。切り戻し剪定は側面から飛び出る徒長枝などの外観を崩す枝で行われる事が多い剪定です。
夏越しする方法
オオチョウジガマズミ(ダイアナ)は夏の暑さに強く基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:4b~7a
オオチョウジガマズミ(ダイアナ)は耐寒性が高いため、冬越し対策は基本的に不要です。
挿し木や株分けで増やす
オオチョウジガマズミは挿し木によって増やす事ができます。
- 挿し木時期は熟枝挿し(晩冬から早春)もしくは半熟枝(初夏)が適します。
- 挿し穂の長さ約7~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き、上部の葉は残しましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
オオチョウジガマズミの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
オオチョウジガマズミの病気
- すす病
オオチョウジガマズミの害虫
- サンゴジュハムシ
- アメリカシロヒトリ
- カイガラムシ