- 原産:北アメリカ
- 科:アカバナ(Onagraceae)
- 属:マツヨイグサ(oenothera)
- 種:リンドハイメリ(oenothera lindheimeri)
- 同義語:gaura lindheimeri
- 別名:ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)/ヤマモモソウ/リンドハイマー・ビーブロッサム(Lindheimer’s beeblossom)/インディアン・フェザー(Indian feather)
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:赤色●桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●赤色●桃色●紫色●白色〇
- 香り:
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約50~150cm
- 誕生花:6月9日/10月8日
- 花言葉:清楚/負けず嫌い/我慢できない/行きずりの恋
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ
- 庭のスタイル:コテージガーデン/ロマンチックガーデン/かわいいお庭/フェアリーガーデン/エンジェルガーデン
- 購入方法:ガウラ(白蝶草)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ガウラ(白蝶草)とは!?
ガウラ(白蝶草)は学名Oenothera lindheimeri、別名では「ハクチョウソウ(白蝶草)」や「リンドハイマー・ビーブロッサム(Lindheimer’s beeblossom)」等とも呼ばれる多年草です。原産地は北アメリカ、自生地は草原や池の傍などにあります。
ガウラ(白蝶草)の以前の学名はGaura lindheimeriでガウラ属にありました、しかし2000年代初頭の研究により現在はマツヨイグサ属に移されており、学名もOenothera lindheimeriになっています。しかし、一般的には以前の属名である「ガウラ」が流通名として広く利用されています。
ガウラ(白蝶草)の語源(由来)
- 属名のOenotheraは古代ギリシア語で「ワイン」を意味する「οἶνος」と、古代ギリシア語で「獣」「狩人」を意味する「θήρα」の二語で構成されており、この植物の根がワインの風味を高める目的で使われていた事に由来します。
- 種小名のlindheimeriの由来はドイツ出身の植物学者Ferdinand Jacob Lindheimerへの献名です。
- ガウラの由来は以前の属名だったGauraからきており、Gauraはギリシャ語で「素晴らしい」を意味する「gauros」に由来しています。
- ハクチョウソウ(白蝶草)の由来は、花の色が白色をしていて、花の形が蝶々に似ている所からきています。
ガウラ(白蝶草)の特徴(魅力)
- ガウラ(白蝶草)は、白蝶草の名前からも分かる通り「蝶々」を想像させる花の形をしている所が特徴です。また茎は細くて華奢な外観をしている事から、風に吹かれると簡単になびき揺れます。そのため、花は蝶々が翔んでいる姿のように見える事があります。
- 草姿は叢生、地面から複数の茎を出し、群生をつくるようにこんもりと広がります。
- 茎は細く華奢なため、やや倒伏しやすい傾向にあります。そのため倒伏対策として、コンパクトで倒れにくい品種を選んだり、日当たりと土壌の環境を整えたり、切り戻し剪定が行われたりします。
- 茎の色はふつう緑色または赤色をしていますが、特に品種を選べば濃い赤色(赤紫色)の茎色をもっている品種があります。そのため、品種を選べばお庭の中に上品な雰囲気を演出する事が出来ます。
- 葉は下部に多く集まる傾向があります。一方で茎の上部では節間が開いているため葉が少なくなり、葉のサイズも小さくなるため、あまり葉が目立たなくなります。そのため、繊細で洗練された雰囲気を演出する事が可能です。
- 開花期間はとても長く、晩春から秋の終わりにかけて花が咲き続けます。そのため長く花を楽しみたい人におすすめの植物です。
- 花序は総状花序、花序の中で一度に咲く花は数個程度に留まるため、ボリューム感はありません。一方で、花が少ないことで控えめで華奢な外観が際立つため、楚々とした繊細な雰囲気を演出する事が出来ます。
- 花は4個の花弁が上側に扇状に広がるため、多くの人は花の形が「蝶々」が羽根を広げた姿に見えるようです。また、花がそよ風に揺れる事で蝶々が翔び回る時の動きを再現しているように見える事もあります。
- ガウラ(白蝶草)は、大株に成長する品種ではやや自由にふんわりと広がります。そのため、コテージガーデンやナチュラルガーデンのような自然風のお庭によくあいます。
- 一方で、矮性品種は草姿が殆ど乱れないため、洗練されたエレガントなお庭などにも使いやすくなっています。
- ガウラはドリフト植栽(drift planting)に向いています。
- ドリフト植栽とは、グルーピングと凹凸をつけた不規則な植栽によって自然な風合いを出す植栽方法です。例えば、曲がりくねる小道を演出するために、 植物を「W」を描くようにジグザグに空間を開けながら配置して、植物が自然に生えて自然な小道が出来ているように演出したりします。
- ガウラは栄養が乏しい土壌や乾燥した土壌に強いため、環境が合えば殆ど放ったらかしで育てる事が出来ます。
- 育てる際に注意することは【日当り】【水捌け】【土壌】【剪定】【冬の寒さ】などです。詳しくは育て方をご覧下さい。
ガウラ(白蝶草)の草丈は約50(~150)cm、草姿は叢生、根茎があり、根茎から茎を何個も出してコロニー(群生)をつくります。茎は直立または斜上に伸び、茎の色は緑色または赤色、茎には白色の細かい毛が生えています。
葉序は互生葉序、葉柄は無し、葉色は緑色、葉身の長さ約1(~9)cm、葉身の幅は約0.1(~1.3)cm、葉身の形は披針形または狭楕円形、葉のふち部分に鋸歯があり、葉には細かい毛が生える。
花序は総状花序、総状花序は長さ約10(~80)cmで節ごとに1個の花を付けます。花の大きさは約2(~3)cm、花の形は4個の花弁が平開して上側に扇のように並びます。花弁の色は赤色・桃色・白色です。雄蕊は8個、花糸は白色または桃色、葯は黄色または桃色です。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
ガウラの園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マツヨイグサの主な種も園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ガウラ(白蝶草)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ガウラ(白蝶草)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能ですが、茎が長くなり徒長して倒伏するなど草姿が乱れ、花も疎らになる事があるためおすすめしません。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
ガウラ(白蝶草)は、乾燥に強いです。基本的に通気性と排水性が良い土壌を好み、土壌の中に肥沃さはあまり求められません。
黒土や腐葉土が沢山入る肥沃すぎる土壌は、茎が徒長して倒伏する原因になったり、葉が茂り過ぎる原因になったりします。
また水捌けの悪い粘土質な土壌も、水分が停滞してジメジメするため、根腐れして生育不良を引き起こす可能性があります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、粘土質な土壌であれば、パーライトや川砂などを入れて通気性や排水性を改善しましょう。また適度に腐葉土等の有機物も入れて土壌の改善を行います。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け時の注意点
ガウラ(白蝶草)は移植を嫌い、根が傷つくと生育が上手くいかない事があります。そのため、苗から植付ける時は根(直根)を出来るだけ傷付けないようにして植え直しましょう。
楽天で人気の高いおすすめの堆肥
鉢土づくり
日当り
ガウラ(白蝶草)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能ですが、茎が長くなり徒長して倒伏するなど草姿が乱れ、花も疎らになる事があるためおすすめしません。
培養土
ガウラ(白蝶草)は、通気性が高めの一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
植付け時の注意点
ガウラ(白蝶草)は移植を嫌い、根が傷つくと生育が上手くいかない事があります。そのため、苗から植付ける時は根(直根)を出来るだけ傷付けないようにして植え直しましょう。
楽天で人気の高い培養土を購入する
- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
ガウラ(白蝶草)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
ガウラ(白蝶草)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
剪定のやり方
ガウラ(白蝶草)は茎の倒伏を防ぐなどの目的のために年に2回または1回、切り戻し剪定が行われます。
開花期間中の花がら摘みは基本的に不要です。何故なら花は自ら落ちるからです。ただし、種子を形成する品種などでは、種子の生成を防ぐ目的で花がら摘みをする方がよい場合もあります。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定のメリット
- 切り戻し剪定を行う事で茎の長さが抑えられて倒伏しにくくなります。
- 茎の長さなどが均一になる事で株全体の外観が整います。
- 剪定によって頂芽優勢が崩れ、分枝が促されるため、茎の数が増えて株がボリューミーになり、花の数も増えます。
- 生産性の低い古い茎を切り戻す事で、生産性の高い新しい成長が促されるため、株が若返り、花が咲きやすくなるなど生産性が高まります。
切り戻し剪定のデメリット
- 花芽を剪定する事があるため、開花が暫く(数週間)見られない可能性があります。
- 一時的に株のボリュームがなくなり、葉の数も減るため、見た目が悪くなる事があります。
切り戻し剪定のやり方
- 切り戻し剪定の時期
- ガウラの剪定は、秋と晩春(~初夏)の2回、または秋だけの1回行います。
- 秋の剪定は春からの新しい成長に備える剪定です。
- 晩春(~初夏)の剪定は茎の成長を抑制して倒伏を防ぐ目的、生産性の高い茎の成長を促す目的などで行われます。最初の開花が一段落したタイミング、または早めに剪定すると良いでしょう。
- 秋の剪定
- 株全体を根元付近(地面から10cm程度)まで、一律に切り戻し剪定します。これを行う事で翌年春からの成長が良くなります。
- 晩春(~初夏)の剪定
- 株全体のバランスを見ながら、株の半分程度を目安に切り戻し剪定を行います。形を均一に整えるようにドーム状に剪定すると良いでしょう。
- この剪定を行う事で、茎が徒長して倒伏することが防げたり、分枝が促されてフサフサとした草姿になったり、茎の高さが均一的になり美しい草姿になったり、花の数が増えたりします。
冬越しする方法
Hardiness:6~9
ガウラ(白蝶草)は、耐寒性が高く丈夫とHardinessでは設定されていますが、冬の寒さで完全に枯れてしまい越冬出来ない事も多いようです。
そのため、冬に入る前に腐葉土などを株元に盛ってマルチングをする事が推奨されます。