ゲンゲは属の中に約2200~3000種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、蓮の様な可憐な花姿が魅力的なレンゲソウ(ゲンゲ)、太い根が生薬として利用され俯く様に咲く黄色の花姿が魅力的なキバナオウギ等が親しまれています。
ゲンゲ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ゲンゲの主な種の目次
①レンゲソウ(ゲンゲ) 開花時期:4月~6月 | ②キバナオウギ 開花時期:7月~9月 |
レンゲソウ(ゲンゲ)の特徴や園芸品種
原産:中国
学名:Astragalus sinicus
草丈:約10~25cm
分類:一年草/多年草(短命)
開花時期:4月~6月
花色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:-
耐寒性:強い
誕生花:3月3日/4月13日
花言葉:「私の幸せ」「心が和らぐ」「私の苦しみを和らげる」
用途:
特徴:レンゲソウ(ゲンゲ)は学名Astragalus sinicus、別名では「レンゲ」や「チャイニーズ・ミルクベッチ(Chinese milkvetch)」とも呼ばれる中国原産の一年草もしくは多年草(短命)です。日本でも帰化しており北海道から九州まで分布して、畑地や草地等に自生しています。
レンゲソウ(ゲンゲ)の語源(由来)
- 属名のAstragalusは古代ギリシャ語の「ἀστράγαλος(astrágalos)」からきており、レンゲソウと近縁の植物の古い名前に由来します。
- 種小名のsinicusは「中国の」を意味しており中国が原産である事に由来します。
- ゲンゲの由来は漢名の「翹揺」の音読みです。
- レンゲソウ(蓮華草)の由来は「蓮(ハス)」の様な「華(ハナ)」を咲かせる所からきています。
レンゲソウ(ゲンゲ)の特徴(魅力)
- レンゲソウ(ゲンゲ)の根は根粒菌と共生しているため不定形の球根の様な粒が沢山ついています。
- ↳根粒菌は空気中の窒素を固定する働きがあり植物へと窒素を供給しています。
- レンゲソウは根粒菌と共生しているため栄養の少ない土壌でも容易に育つ事が可能です。
- ↳栄養の少ない土壌でも窒素を沢山とりこみタンパク質を多く含む植物体となるため
- ↳草食動物の良い飼料となったり土壌を肥沃にする緑肥として利用されたりしています。
- レンゲソウは茎の頂部に集まる小花が蓮の花びらの様に開き可憐な花姿を作ります。
- ↳レンゲソウの花蜜は良質なため蜜蜂の為の蜜源として養蜂家にもよく利用されています。
- 葉は幾つもの小さな葉(小葉)が集まる装飾的な形をしており
- ↳若葉はお湯でくぐらせお浸しにされたり揚げ物にして食べられたりします。
- 種から容易に育ち大量植栽できます。
- ↳春に一斉に開花する花は美しく景観植物として利用されることもあります。
レンゲソウ(ゲンゲ)の根は根粒菌と共生しているため不定形の根粒を多数つけています。草姿は基部でよく分枝して匍匐する様に広がり不定根を節から出し、また斜上もしくは直立に茎を伸ばし高さ10(~25)cm幅約60(~150)cmの間で成長します。葉は茎に互生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉で小葉は7~11個あり、小葉は卵形もしくは倒心形をしています。花序は茎の頂部に密に花が7~10個集まり総状花序をつくり、個々の花は桃色(~紫色)と白色の蝶形花です。花後の果実(豆果)は長さ約3cmで3角柱状で熟すと黒色になります。
開花時期は春から初夏、花色は桃色もしくは紫色と白色、個々の花は蝶形、花序は総状花序に咲きます。草姿は匍匐もしくは直立して高さ約10(25)cm × 幅は約60(150)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉して小葉は卵形もしくは倒心形、葉序は互生葉序につきます。
レンゲソウ(ゲンゲ)の栽培
園芸では、春に一斉に開花する可憐な花を鑑賞する目的だったり、栄養の少ない土壌でもタンパク質を多く蓄えるため緑肥として利用する目的で育てられたり、また良質な花蜜を生成して蜜蜂を引き寄せるため養蜂家が蜜源として利用する目的で育てられたりします。
レンゲソウ(ゲンゲ)の主な園芸品種
キバナオウギの特徴や園芸品種
原産:日本/中国/朝鮮
学名:Astragalus membranaceus
草丈:約30~100cm
分類:二年草
開花時期:7月~9月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:-
耐寒性:強い
用途:
特徴:キバナオウギは学名Astragalus membranaceus、別名では「タイツリオウギ」や「Huang Qi」とも呼ばれる日本および中国、朝鮮が原産の二年草です。日本でも本州中部以北に分布して、砂礫の多い場所や草地等に自生しています。
キバナオウギの語源(由来)
- 属名のAstragalusは古代ギリシャ語の「ἀστράγαλος(astrágalos)」からきており、レンゲソウと近縁の植物の古い名前に由来します。
- 種小名のmembranaceusは「皮膚」「膜上の」を意味しており、恐らく花の色が皮膚のような黄色をしている事に由来します。
キバナオウギの特徴(魅力)
- キバナオウギは黄色の花を穂状に連ねて吊り下げる様に下向きに開花します。
- ↳個々の花は筒部が長いもののマメ科特有の蝶形花です。
- キバナオウギの根は太く繊維質で硬く
- ↳日干しして乾燥させた根は黄耆(オウギ)という生薬になり漢方等の伝統医学で利用されています。
- キバナオウギの根は根粒菌と共生しており根粒菌が空気中の窒素をとりこみ栄養として植物に供給されています。
- そのため栄養の少ない土壌でも生息する事が可能です。
開花時期は夏から初秋、花色は黄色もしくは白色、個々の花は蝶形、花序は総状花序に咲きます。草姿は直立で地面下に太い根茎があり高さ約30(100)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は奇数羽状複葉して小葉が5~13個つき、小葉は楕円形もしくは披針形、葉序は互生葉序につきます。