- 原産:中国
- 科:ヒノキ(Cupressaceae)
- 属:メタセコイア(Metasequoia)
- 種:メタセコイア(glyptostroboides)
- 別名:アケボノスギ/ドーン・レッドウッド(dawn redwood)
- 開花時期:3月~4月
- 花の色:緑色●黄色●
- 葉の色:緑色●黄色●橙色●
- 分類:常緑高木
- 草丈:約2000~5000cm
- 花言葉:平和/楽しい思い出
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
メタセコイアとは!?
メタセコイアは学名Metasequoia glyptostroboides、別名では「アケボノスギ」や「イチイヒノキ」等とも呼ばれる中国が原産の常緑高木です。
メタセコイアの語源(由来)
- 属名のMetasequoiaはギリシア語で「変わった」「後の」を意味する「meta」と、「セコイア属」を意味する「sequoia」の2語から形成されており、葉の形等からセコイアと違う所を発見し命名されています。
- メタセコイアの葉は対生ですがセコイアは互生につきます。
- 種小名のglyptostroboidesは中国の沼地等に自生する「Glyptostrobus」に由来しており、Glyptostrobusは葉の形などがメタセコイアとよく似ています。
メタセコイアの特徴(魅力)
- メタセコイアは数千年もしくは数億年前から存在しており化石植物(生きた化石)として知られている植物です。
- メタセコイアは1945年に中国で自生種が発見されるまでは古い時代に絶滅したと考えられていました。
- メタセコイア(Metasequoia glyptostroboides)はメタセコイア属(Metasequoia)で唯一生き残る種です。
- メタセコイアはかつては日本を含む北半球に広く分布し繁栄していましたが現在は中国のみに自生する遺存種です。
- メタセコイアは針葉樹では珍しい落葉性の樹木で秋になると黄色から橙色(~赤橙色)へと美しく紅葉します。
- 葉は鳥の羽のように羽状する形をしており長さ約0.8~2cmの細長い小葉が並びます。
- 末端の枝葉は優雅に下垂する傾向にあり羽状につく葉は隙間があり光を通すためレースの編み物の様な上品な外観をつくります。
- メタセコイアは成熟しても円錐状の美しい樹形が崩れず高さが最大5000cmまで成長します。
- 非常に大きく成長するため雄大な雰囲気をつくりますが小さな庭で育てるには大き過ぎるかもしれません。
- 一般的に公園や大通り等に植栽されておりメタセコイアの並木は非常に雄大で美しいです。
- 日本では滋賀県高島市のメタセコイア並木が日本紅葉の名所100選に選出されています。
- メタセコイアは底の浅い鉢に植えられ根切りを繰り返しながら盆栽として育てられる事もあります。
- メタセコイアの幹は太く成熟すると樹皮が深く縦に裂けゴツゴツと力強さを感じさせる幹になります。
- そのためメタセコイアの木には抱き着きたくなるような魅力があります。
- メタセコイアは生命力がとても強く病気にかかりにくかったり太い枝が落ちても自ら傷口を塞ぐ修復力をもっています。
メタセコイアの茎は木質で樹皮は赤褐色から灰色(灰褐色)になり、樹皮は縦に裂け、更に成熟するとより深くまで裂けます。樹高は約2000(~5000)cm、樹形は円錐形、幹の太さは約150(~250)cmになり単幹(根元から上部まで幹が1本)、枝は斜上から水平に広がり、末端の小枝は垂れ下がる傾向にあります。葉序は対生葉序、葉色は緑色、秋になると黄色もしくは橙色(~赤橙色)へと紅葉して冬に落葉します。葉身は羽状して小葉は長さ約0.8(~2)cmあり線形もしくは針形です。花は雌雄同株(1つの株に個々にわかれた雄花と雌花がある)、雄花は黄色(~黄褐色)をしていて円錐花序が垂れ下がり、雌花は緑色で楕円形で枝先に1個つきます。実(果実)は球果で、球果は球形をしており長さ約1.5(~2.5)cm、幅約1.5(~2.3)cmあり、8~12個の種鱗が対生しています。実(果実)は受粉後秋から冬にかけ成熟して、実の色が緑色から褐色になり種鱗が開いて中の種子が落ちます。種子は褐色で種子の周りにつく翼は薄褐色をしています。
メタセコイアの主な園芸品種
- ゴールドラッシュ(metasequoia glyptostroboides ‘gold rush’)は春は黄色・夏は赤みのある黄色(黄金)・秋は橙色と、春から秋にかけて季節で葉色を変えながら長期間に渡りカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は円錐形で、樹高は800~2400cmと大きく成長するため育てる際は十分なスペースが必要です。
- ハムレット・ブルーム(metasequoia glyptostroboides ‘hamlet’s broom’)は春に新しく成長する葉で見られる黄色(~クリーム色)の葉色と、成熟した葉で見られる緑色葉色、秋に見られる美しい紅葉が魅力的な園芸品種です。樹形は円錐形で、樹高は600~1200cmと大きく成長するため育てる際は十分なスペースが必要です。
メタセコイアの育て方
花壇の土づくり
日当たり
メタセコイアは成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
メタセコイアがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
メタセコイアは、やや湿り気が保たれた通気性が良く肥沃な土壌を好みます。乾燥気味の砂質の土壌では上手く育たない事が多いため、植え付けの前に土壌診断を行い通気性と保水性のよい壌土に土質の改善を行い堆肥を入れましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
メタセコイアは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
培養土
メタセコイアの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土+ボラ土(細粒)+腐葉土=4+2+4
- 赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
メタセコイアは植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
メタセコイアはやや湿り気のある土壌を好みますが、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。乾燥が続く場合は落葉するなど生育不良を引き起こす可能性もあるため必要に応じて水を与えましょう。また落葉などでマルチングしておくと乾燥しにくくなるため、対策としておすすめです。
鉢植え
メタセコイアを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
メタセコイアはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。また植え付け後数年は冬から晩冬に肥料を与える事で成長が促進される事もあります。ただし与えなくても問題ありません。
オススメは肥料の代わりに、株の周りに堆肥(腐葉土等)をマルチングする事です。堆肥でマルチングする事で、肥沃な土壌が作られ、雑草が生える事も防げます。
肥料を与える場合(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めるだけで良いです。肥料を与える場合は水平型の配合肥料もしくは緩効性肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
メタセコイアは剪定をしなくても自然樹形のままで同じ形(円錐形等)をとる習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、基本的に剪定不要です。剪定する場合も健康な成長を促すための「間引き剪定」のみです。
間引き剪定
間引き剪定とは日当りや風通し、樹形を乱す不要な茎を根元から剪定して取り除く事です。健康な成長を促したり、見た目を整える目的があります。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、病気の茎等の健康な成長を阻害する不要な茎を見つけて根元から間引き剪定するだけです。
播種で増やす
メタセコイアの種蒔の方法
播種時期:3月~5月(理想)・何時でも
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
メタセコイアは発芽率がとても低いため挿し木で増やされるのが一般的です。また寒さを経験しないと発芽しない、低温要求性種子です。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)等に入れて寒さを経験させた後に種を撒く必要があります。処理を行うメリットは発芽が揃いやすい所にあります。
種まき手順
- メタセコイアは発芽の為に寒さの経験が必要なため、秋に種を撒いて冬の寒さを経験させた後に春に発芽させるか、低温処理した後で春に種を撒くかです。
- 春に種を撒く場合は果実(球果)から種子を取り出し、一晩水につけます。
- やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜポリ袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で2~4週間保管して寒さを経験させます。
- 低温を種が経験すると休眠打破して発芽の準備が整います。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。