- 原産:南アフリカ
- 科:アヤメ(Iridaceae)
- 属:フリージア(freesia)
- 品種:ボランチェ
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:白色〇黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約50~70cm
- 誕生花:1月10日/1月24日/2月11日/8月20日/12月17日
- 花言葉:純白/潔白/無邪気
- 用途:香りが良い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
フリージア(ボランチェ)とは!?
フリージア(ボランチェ)は個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。花は基部が黄色く、白色と黄色の二色の明るい花色をしており、弧状に曲がる茎の上部で花が並び華やかな花姿をつくります。草丈は約50~70cmです。
フリージアとは!?
フリージアとは属の中に約16種がある南アフリカ原産の多年草です。一般的に園芸や切り花として親しまれているフリージアは殆どが雑種のフリージア(freesia x hybrida)です。また幾つかの種が原種のまま観賞用として栽培されています。
フリージアの語源(由来)
- 属名のfreesiaの由来は、デンマーク植物学者のChristian Friedrich Ecklonが、親友のドイツ人医師のフレーゼ(F・H・T・Freese)に献名した事に因みます。
フリージアの特徴(魅力)
- フリージアは垂直に伸びる茎の頂部で、茎がアーチ状に曲がり片側(上面)にそって花が上向きに咲く個性的な花姿をしています。
- フリージアの花の香りを特徴付ける精油には主に「リナロール」が含まれており、オレンジやブルーベリー等を連想させる様な甘い香りを放ちます。
- フリージアの花はカップ形で、外側に大きい花被が3個、内側に小さめの花被が3個あります。
- 八重咲き品種もあります。
- フリージアの切り花は環境でも変わりますが日持ちが約7~21日と長く、部屋に飾ると心地よい甘い芳香が部屋全体に広がります。
- フリージアの葉は剣形で茎に沿って直立に伸びます。
フリージアは草丈が約50(~100)cm、地面下に球茎(球形に肥大した地下茎)があり、球茎は円錐型で直径約1(~2.5)cmあります。葉色は緑色、葉身の長さ10(~30)cm、葉身の形は剣形、茎に沿って直立に伸びます。花序は穂状花序、穂状花序は花が片側(上面)に並び約6(~12)個つける。花はカップ形、花被片はふつう6個(八重咲き品種もある)、花被片の色は赤色・桃色・黄色・紫色・白色があり、雄蕊は3個、雌蕊は1個(先端で複雑に分岐)あります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
フリージアの切り花の楽しみ方
- フリージアの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げがよいため普通に切り戻しするだけで問題ありませんが、水切りすることもできます。
- 葉を残したい場合は強く切り戻しすると葉がとれる事があるため注意が必要です。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)にすると日持ちがよくなります。
- 数日ごとに必要に応じて水換えと切り戻しを行い、萎れた花を摘みます。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~21日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
フリージアの園芸品種の紹介
- ラインベルトはやや赤みを帯びるイエローゴールドの明るい花色が魅力の園芸品種です。花はシングル咲きで弧状に曲がる茎の上部に並び、上向きに開花して豪華な花姿をつくります。草丈は約50~70cmです。
- シングルホワイト(Freesia ‘single white’)は光沢を感じさせる純白の美しい花色と、弧状に曲がる茎の上部に並び咲く華やかな花姿が魅力の園芸品種です。草丈は約30~60cmです。
- サンドラ(Freesia ‘sandra’)は鮮やかな桃色の花被片と筒内部で見られる橙色(黄色)の二色の花色が、カラフルで明るい雰囲気をつくる園芸品種です。草丈は約50~70cmです。
- ヘリオス(Freesia ‘Helios’)は個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。花は赤みを帯びたイエローゴールドで、弧状に曲がる茎の上部に花が並び、豪華な花姿をつくります。草丈は約50~70cmです。
- ダブルホワイト(Freesia ‘double white’)は個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。明るい印象を与える純白の花は、汚れのない清潔な印象を与えたり、輝いている様な明るい印象を与えたりします。そのため、明るく清潔感のあるお庭や、洗練された品の良いお庭などにおすすめの園芸品種です。草丈は約30~60cmです。
- アラジンは個々の花が大きくシングル咲きで、弧状に曲がる茎の上部に花が並び咲く豪華な花姿と、甘い香りと太陽を連想させる様な色鮮やかな黄色の花色が魅力の園芸品種です。草丈は約30~50cmです。
- ボランチェは個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。花は基部が黄色く、白色と黄色の二色の明るい花色をしており、弧状に曲がる茎の上部で花が並び華やかな花姿をつくります。草丈は約50~70cmです。
- パープルレイン(freesia ‘purple rain’)は個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。花は赤ワインを連想させる様な上品な赤紫色をしており、弧状に曲がる茎の上部で花が並び華やかな花姿をつくります。赤紫色の花は奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、また神秘的で非現実的な印象を与えたりします。そのため優雅な雰囲気漂うエレガントなお庭や、現実世界から離れたような幻想的な雰囲気があるお庭などによくあうでしょう。草丈は約50~70cmです。
- ダブルイエロー(freesia ‘double yellow’)は個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。花はやや赤みを帯びたイエローゴールドで、弧状に曲がる茎の上部で花が並び華やかな花姿をつくります。草丈は約30~60cmです。
- ダブルピンク(Freesia double pink)は個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。花は濃い桃色で遠くからでも目を引き付ける刺激的な色合いをしており、弧状に曲がる茎の上部で花が並び華やかな花姿をつくります。草丈は約30~60cmです。
- ブルーシーは1個1個の花がとても大きく整った形をしており、透明感を感じさせるような薄紫色と白色の二色の花色が、繊細でシックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。草丈は約30~60cmです。
- ダブルレッド(Freesia ‘double red’)は個々の花が八重咲きするダブル系のフリージアです。花はふつう赤色で、基部が黄色いため二色の花色になっており、赤色と黄色の二色の対比がカラフルで明るい雰囲気をつくる園芸品種です。草丈は約30~60cmです。
- ブルームーン(Freesia ‘blue moon’)は透き通るような透明感のある薄紫色の花色と、シングル咲きする整った花姿が魅力の園芸品種です。草丈は約30~50cmです。
フリージアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
フリージアの珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2021】
フリージア(ボランチェ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
フリージア(ボランチェ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
土壌の土質
フリージア(ボランチェ)は通気性がよく有機物が適度に入る肥沃な砂壌土を好みます。雨の後もジメジメした状態が長く続いたり、浸水する様な土壌では球茎が腐敗したり軟弱な成長になったりします。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け方法
- 植え付ける時期は9月~11月です。
- 球根は約5cmの深さに植え付けます。
- 球根の植え付け間隔は約5~15cmです。
鉢土づくり
日当り
フリージア(ボランチェ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
フリージア(ボランチェ)の培養土は通気性の高い、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
フリージア(ボランチェ)は球根を植え付ける秋と花が咲く春は沢山の水を欲しがります。そのため春と秋は、土壌の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行いましょう。一方で、冬の休眠期と夏は水やりを減らし乾燥気味に育てます。
肥料の与え方
フリージア(ボランチェ)の肥料は土壌から芽が出てきたタイミングで緩効性肥料を置き肥しましょう。肥料は多過ぎると、球茎や根がが腐敗する原因となるため注意が必要です。
おすすめの緩効性肥料
剪定のやり方
フリージア(ボランチェ)は下から順に花が咲いていくため、個々の花が咲き終わるごとに一つ一つずつ摘んでいくと全体として花が長く楽しめます。花穂の全体が萎れてきたら花茎の根元から切り取りましょう。
夏越しする方法
フリージア(ボランチェ)は夏になると地上部が枯れて球茎のみが残り休眠します。休眠中は乾燥気味の環境で育てる必要があり、長雨にあたりジメジメとした環境が続いたり高温多湿が続くと真菌(カビ)などの影響を受けて球茎が腐敗しやすくなります。そのため必要に応じて夏越し対策が必要です。
夏越し対策は「球茎の掘りあげる」「地植えのまま育てる」の2パターンがあります。球茎を掘りあげる場合は掘りあげ後の管理の仕方、地植えのまま育てる場合は土壌の排水性などが大切になります。
夏越し対策
- 梅雨前に球茎を掘りあげる場合
- 花が終わり葉が枯れてきたら梅雨前に球根を掘りあげます。
- 球根を掘りあげたら、葉を切り落として、腐敗の原因となる土を水洗いで綺麗に落とします。
- 直射日光の当たらない風通しの良い環境で暫く乾燥させます。
- 古い皮や根は病気の原因となる菌が潜んでおり腐敗の原因となるため取り除きます。
- 球根をネット袋などの中に入れて、風通しがよく雨の当たらない日陰で管理しましょう。
- 秋に植え直します。
- 地植えのまま育てる場合
- 周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動します。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てるといいでしょう。
冬越しする方法
Hardiness:9b~10a
フリージア(ボランチェ)は軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで育てることも可能です。ただし強い霜が降りると枯れてしまうため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
フリージアの冬越し対策
- 苗は小さいほど葉が傷みにくく耐寒性が上がります。そのため、冬越し対策が難しい地植えの場合は植え付け時期を10月~11月にずらすのもひとつの対策になります。
- 軽い霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- トンネル支柱を立ててビニールを被せるとより対策効果が上がります。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
- ただし花芽を分化させるため、ある程度の低温(約10度)に暫くおく必要があるため注意が必要です。
挿し木や株分けで増やす
フリージアは分球によって増やす事ができます。
フリージアの分球方法
- フリージアの分球時期は球茎を掘りあげて保存する初夏頃が最適です。
- 葉が枯れてきたらスコップを使い球茎を掘りあげます。
- 子球を取り外し、夏越し対策の所で説明した方法で秋まで保管します。
- 直径1cm以上の球茎は翌年開花する可能性がありますが、それ以下の球茎は開花する可能性が低くなります。
播種で増やす
フリージアの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
フリージアの病気
- えそ斑病
- 灰色カビ病
- 立枯病
- 球根腐敗病
- 菌核病
フリージアの害虫
- アブラム