原産:オーストラリア
科:キク(asteraceae)
属:ピクノソラス(Pycnosorus)
同義語(syn.):craspedia globosa
種:グロボーサ(globosa)
別名:ビリー・ボタン(billy buttons)/ドラムスティック(drumsticks)
開花時期:6月~9月
花の色:黄色●
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約60~120cm
誕生花:6月25日/8月17日/11月11日
花言葉:心の扉を叩く/永遠の幸福/個性的
用途:背が高い花/切り花
目次 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クラスペディア(グロボーサ)とは!?
クラスペディア(グロボーサ)は学名Pycnosorus globosa(craspedia globosa)、別名「ビリー・ボタン(billy buttons)」や「ドラムスティック(drumsticks)」とも呼ばれるオーストラリア原産の多年草です。
クラスペディア(グロボーサ)の語源(由来)
- 属名のPycnosorusは古代ギリシア語で「厚い」「高密度」を意味する「pycno」と、古代ギリシア語で「ヒープ(大量・多数)」を意味する「σωρός(sorus)」の2語からなり、頭花に由来します。
- 種小名のglobosaはラテン語で「球状」を意味しており、頭花に由来します。
クラスペディア(グロボーサ)の特徴(魅力)
- クラスペディア(グロボーサ)は以前はクラスペディア属にありましたが正しくはピクノソラス(Pycnosorus)属に入ります。
- ピクノソラス属は個々の花(頭花)に花柄がなくクラスペディア属には個々の花に花柄があります。
- クラスペディア(グロボーサ)はフラワーアレンジメントの優れた花材となり切り花やドライフラワーとして利用されます。
- 切り花としては管理の仕方にも左右されますが日持ち7~14日程度です。
- 乾燥しても形が崩れにくく色褪せも少ないため優れたドライフラワーとなります。
- 茎は基本的に枝分かれすることなく垂直に最大120cmまで伸びます。
- 葉は下部に集まり基部では長さ20cmまでの細長い線形の葉をロゼット状につけます。
- 上部の葉は小さく茎に鱗片状につくため殆ど目立ちません。
- 干ばつに強く乾燥に長く耐える事から水やりの手間が殆どありません。
- また肥料も殆ど必要としないため環境が合えば放ったらかしで育てられます。
- ただし多湿に弱いため環境が悪いと夏の高温多湿で枯れる事もあります。
クラスペディア(グロボーサ)の茎は緑色で若い時は白色の毛が生えているため灰白色をしています。茎は分枝しないか基部で一度だけ分枝して、横への広がりが殆どなく高さ約60(~120)cmまで成長します。葉は根生葉と茎葉(互生葉序)があり、葉色は緑色で白色の毛で覆われ、葉身(基部)の大きさは長さ10(~20)cm幅約0.4(~1.2)cm、葉身の形は線形です。花序の大きさは直径約1(~3.5)cmで頭花が40(~200)個集まる複頭状花序、個々の花(頭花)は小花が3(~8)個集まります。花後の果実は痩果で、種子は冠毛をもちます。
開花時期は初夏から秋、花色は黄色、花は花柄のない頭花が集まり直径約1(~3.5)cmの複頭状花序に花を咲かせます。草姿は直立で分枝しないか基部で一度分枝して高さ約60(~120)cm × 幅は約30(~60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形、葉序は根生葉もしくは互生葉序につきます。
クラスペディア(グロボーサ)の切り花の楽しみ方
- クラスペディア(グロボーサ)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫したら水に漬けた状態で水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- 日持ちは管理の仕方で変わりますが約7~14日程度です。
- 管理は出来るだけ必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
クラスペディア(グロボーサ)のドライフラワーの作り方
- クラスペディア(グロボーサ)の収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花が完全に開いた後の最高の色が出ているタイミングで行います。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法で乾燥させるのが一般的です。またこれ以外にも水の入っていない深めの花瓶に挿して花を楽しみながら乾燥させる方法もあります。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
クラスペディア(グロボーサ)の栽培
園芸では、色鮮やかな黄色い球形の花を鑑賞する目的や、花を収穫して切り花やドライフラワーとして利用する目的で育てられます。草丈は最大120cmになるため花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しむといいでしょう。
クラスペディア(グロボーサ)は育てる際に注意する事は「浸水や過湿」くらいです。基本的には栄養が乏しく乾燥した土壌でも育つため、環境が合えば放ったらかしでも育ちます。ただし、粘土質な土壌や浸水する様な土壌等で育てると、寿命が短くなったり枯れる事もあるため注意が必要です。
クラスペディアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
クラスペディアの珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種の紹介【2022】
クラスペディア(グロボーサ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
クラスペディア(グロボーサ)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。日当たりの悪い場所では開花が悪くなったり生育が悪くなるため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌の土質
クラスペディア(グロボーサ)は土壌の土質をあまり選びませんが、雨が降った後いつまでも湿っている様な土壌では根腐れをまねき枯れる事もあるため注意が必要です。そのため、適度に有機物(腐葉土等)が入る砂質(川砂やパーライト等)が多い砂壌土に植えてあげるといいでしょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなります。土の色が薄い場合は土壌が肥沃じゃない可能性があります。
土壌診断後、作土層が十分でない場合はスコップで土を深くまで掘り起こし石等を取り除きます。土壌が粘土質な場合は必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れましょう。また肥沃さはそれほど必要ありませんが、必要に応じて腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
植える際の注意点
クラスペディア(グロボーサ)は多湿環境を苦手にしており、長雨に当たると根腐れを引き起こしたり病気になりやすいです。そのため軒下等の雨に当たらない環境で育てた方が良いかもしれません。
鉢土づくり
日当たり
クラスペディア(グロボーサ)は日当り好むため直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。ただし長雨が当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土+ボラ土(細粒)+腐葉土=4+2+4
水やりの仕方
地植え
クラスペディア(グロボーサ)は乾燥にとても強いため、地植えしている場合は基本的に降水のみで育てられます。
鉢植え
クラスペディア(グロボーサ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。土の表面の乾燥を確認する方法は目視(土の色)か、指の第1関節までを土に入れて乾燥しているかを確認します。
水やり時の注意点
クラスペディア(グロボーサ)は浸水したり長期間にわたりジメジメする様な土壌を嫌います。何故なら根腐れしやすくなるからです。そのため、水やりは土がきちんと乾燥しているか確認しながら行い、長雨が続く場合等は軒下等に避難させましょう。
肥料の与え方
クラスペディア(グロボーサ)は栄養の乏しい土壌でも問題なく育ち基本的に肥料を必要としませんが、春に軽く肥料を与える事も出来ます。
肥料の与え方
- 肥料は基本的に不要ですが、与える場合は春に施肥しましょう。
- ↳必要に応じて土質を改善する堆肥を入れて緩効性肥料を置き肥します。
剪定のやり方
クラスペディア(グロボーサ)は基本的に不要です。
夏越しする方法
クラスペディア(グロボーサ)は夏の暑さの中でも問題なく成長しますが、長雨等により過湿が続くと根腐れを起こし株が弱る事があります。
クラスペディア(グロボーサ)の夏越し対策
- 地植えする場合は雨にあたりにくい場所に植えてあげるのも1つの対策です。
- 鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 土壌の排水性を高め浸水しないようにしておく事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
クラスペディア(グロボーサ)は強い霜の降りない地域であれば屋外での越冬も可能ですが、強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
クラスペディア(グロボーサ)の冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株元に腐葉土を盛り、必要に応じて不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
クラスペディア(グロボーサ)は株分けにより増やす事が可能です。
播種で増やす
クラスペディア(グロボーサ)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:約7~14日
光条件:
クラスペディア(グロボーサ)の種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
クラスペディア(グロボーサ)の病気
- 根腐れ
クラスペディア(グロボーサ)の害虫