原産:北アメリカ
科:ミズキ(Cornaceae)
属:ミズキ(Cornus)
種:ウルビニアナ(florida subsp. urbiniana)
別名:アメリカ・ヤマボウシ/返礼の木/フラワーリング・ドッグウッド(flowering dogwood)
品種:
開花時期:3月~6月
果実時期:8月~10月
花の色:白色〇
葉色:緑色●
分類:落葉高木
草丈:約500~1000cm
誕生花:3月18日/4月23日
花言葉:返礼/永続性/私の想いを受けてください
用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ハナミズキ(ウルビニアナ)とは!?
ハナミズキ(ウルビニアナ)は学名Cornus florida subsp. urbiniana、ハナミズキの亜種で北アメリカ(メキシコ北東部)に自生しています。
ハナミズキ(ウルビニアナ)は花弁が折りたたまれ内側に強くカールする個性的な花姿が特徴で、その花姿は「ランタン」にも例えられています。
ハナミズキの語源(由来)
- 属名のCornusはラテン語で「角」を意味する「cornu」に由来しています。
- 種小名のfloridaは「フロリダ」を意味しており北アメリカのフロリダに自生している事に由来します。
- ハナミズキの由来は「ミズキ(属)」の中でも美しい「花」を咲かせる所からきています。
- ミズキの由来は春先に大量の水を吸い上げ、枝を切ると水が滴るように大量の樹液を滴らせる所からきています。
- 返礼の木の由来は、1912年に東京の市長だった尾崎行雄が友好の証としてアメリカにサクラを贈り、その返礼として3年後の1915年に当時のアメリカ合衆国大統領だったウィリアム・タフトからハナミズキが東京に贈られたのがきっかけです。
ハナミズキの特徴(魅力)
- ハナミズキは早春から初夏に開花する花と秋になる果実と紅葉を鑑賞する目的で育てられる落葉高木です。
- ハナミズキは開花が早く葉が展開する前辺りから花が咲くため葉に邪魔される事なく花を鑑賞する事ができます。
- ハナミズキの実際の花は中央にある緑色(~黄緑色)をした球状の部分であまり目立ちません。
- 花弁の様に見える部分は葉が変形した白色(~桃色)の総苞(装飾花)になります。
- ハナミズキの総苞片は全体的に丸みを帯び先端が凹んでいます。
- ハナミズキの果実は晩夏から晩秋頃に実ります。
- 果実は赤色(~桃色)をしていて果実は個々に分かれ長球状です。
- ハナミズキの果実は有毒でないものの酸っぱく不快な味のため食べられる事はありません。
- ハナミズキの果実は酸っぱいですが様々な鳥がよく食べにきます。
- そのため果期には果実の周りを元気に飛び回るオナガやジョウビタキやムクドリ等の姿が見られるかもしれません。
- ハナミズキの葉は楕円形から卵形の形をしており通常は緑色です。
- 幾つかの品種では葉の色が白色(~黄色)や赤色(~紫色)をしているためカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- ハナミズキは秋に紅葉した後に落葉する落葉低木です。
- 秋になると葉は赤色(~赤紫色)もしくは橙色(~黄色)に色付き紅葉が楽しめます。
ハナミズキの茎は木質で樹皮は褐色もしくは灰褐色をしています。茎は直立して枝分かれがよく高さは約500(~1000)cmの間で成長して成熟すると高さよりも幅の方が広くなります。葉序は対生葉序、葉色は緑色で軟毛が生え、秋になると赤色(~赤紫色)や橙色や黄色に紅葉します。葉身の大きさは長さ約6(~13)cm、幅約4(~6)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形です。花序は団散花序で、花の周囲に白色(~桃色)の先端が凹む総苞片(装飾花)が4個あり、中央に目立たない黄色(~黄緑色)の小花が約20個集まり球状をつくります。個々の花には萼片4個、花弁4個、雄蕊4個、雌蕊1個あります。花後の果実は赤色(~桃色)の核果で長さ約1(~1.5)cmの長球形です。
ハナミズキの栽培方法
園芸では、春に開花する花や秋に実る果実、紅葉する葉を鑑賞する目的で育てられる事が多く、また幾つかの品種で見られる黄色(~白色)の葉をカラーリーフとして楽しむ目的で育てられます。ハナミズキは非常に大きく成長して目立つためシンボルツリーとしたり、また管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。
ハナミズキを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さをやや苦手にしていますが、基本的には丈夫で一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため、放ったらかしでも育ちます。
ミズキの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ミズキの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ハナミズキ(ウルビニアナ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ハナミズキ(ウルビニアナ)は直射日光が6時間以上あたる日向から3時間から5時間の半日陰までで育てる事ができます。ただし暑さの厳しい地域では、葉やけ等を引き起こしたり暑さで生育が衰えるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい事もあります。
土壌の土質
ハナミズキ(ウルビニアナ)は通気性が良ければ、基本的に土壌の土質をあまり選びません。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ハナミズキ(ウルビニアナ)は日向から半日影迄で育てる事が可能です。夏の暑さの厳しい地域では、必要に応じて株が弱らないように西日の当たらない半日影に移動します。
培養土
ハナミズキ(ウルビニアナ)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ハナミズキ(ウルビニアナ)を地植えしている場合は基本的には降水のみで育てられます。雨が降らず極端に乾燥が続く場合は必要に応じて散水しましょう。
鉢植え
ハナミズキを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ハナミズキ(ウルビニアナ)は適度に肥沃な土壌であれば多くの肥料は必要ありません。毎年一度、晩冬から早春の間に肥料と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥
ハナミズキの元肥は植え付け時もしくは、植付け2週間前(有機肥料の場合)に与えましょう。
元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料を選びましょう。肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びましょう。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。規定された量を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥とは休眠中の冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
剪定のやり方
ハナミズキ(ウルビニアナ)は基本的に剪定を必要とせず、自然樹形で育てます。剪定は枯れた枝や病枝等の不要枝を晩冬に「間引き剪定」します。ただしこの時期に剪定しすぎると枝に付いた花芽が剪定される事もあるため剪定する量については注意が必要です。
間引き剪定
ハナミズキの間引き剪定は、芽吹き前の晩冬(1~2月)に行いましょう。
間引き剪定のやり方は、枯れた茎や古い茎、樹形を乱す不要な茎を根元で強く剪定して取り除くだけです。
間引き剪定の目的は不要な茎を取り除く事で、主要な茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーを優先的に送ったり、光の通りや風通しをよくしたりする事で健康な成長を促す所にあります。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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播種で増やす
ハナミズキの種蒔の方法
播種時期:9月~11月・3月~4月
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- ハナミズキを種から増やす場合は完熟した果実を採取します。
- 採取した果実を一晩水に漬けます。
- 果実が柔らかくなったら水の中で種を洗い発芽を抑制する果肉を綺麗に取り除きます。
- 果肉を取り除いた種子は直ぐに土に撒きましょう。
- 春に種を撒く場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で約3ヶ月保管して寒さを経験させます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- そのあと種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。