原産:東南アジア 科:イネ(Poaceae) 属:オガルカヤ(Cymbopogon) 種:レモングラス(citratus) 英名:レモングラス(lemon grass) 別名:ウェストインディアン・レモングラス(West Indian lemon grass) 開花時期:7月~9月(滅多に咲かない) 花の色:緑色●紫色● 葉色:緑色● 分類:多年草 草丈:約60~120cm 誕生花:9月22日/11月12日 花言葉:「爽快」「凛々しさ」「爽やかな性格」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
レモングラスは学名Cymbopogon citratus、別名「ウェストインディアン・レモングラス(West Indian lemon grass)」とも呼ばれる東南アジア原産の多年草です。
レモングラスの語源(由来)
- 属名のCymbopogonは、ギリシャ語で「船」を意味する「κύμβη(kymbe)」と「あごひげ」を意味する「pogon(πώγων)」の2語からきており花の形に由来しています。
- 種小名のcitratusは「柑橘類」を意味しており、葉の香りに由来しています。
- レモングラスの由来は「レモン」と「グラス(葉)」の2語の造語で、レモンの香りがする葉からきています。
レモングラスの特徴(魅力)
- レモングラスはシトラールを由来としたレモンの香りがあります
- ↳香りは葉を折った時に特に香ります
- 葉は香り付けとして料理やハーブティーに利用され
- ↳下部の柔らかな茎はスープ等に入れられて食べられます
- 茎葉は薬用ハーブとしても利用されており
- ↳薬効には抗菌作用や抗炎症作用等があります
- 中央から外側へと弧を描きながら広がる草姿が非常に優雅で美しく
- ↳地面を被覆するグランドカバーとしても魅力的です
- ↳ただし寒さには弱いため注意が必要です。
レモングラスは他のイネ科同様に叢生型で、地面下の根茎から葉を出します。葉は香りがよく、葉色は緑色で光沢があり、葉の形は線形もしくは剣形で長さ約30(~90)cm × 幅は約0.5(~2.0)cmになり根生葉につけます。花は夏から秋に咲きますが栽培環境では殆ど咲く事はなく、緑色から紫色に染まる小穂を複穂状花序に咲かせます。
開花時期は夏から秋(滅多に咲かない)、花色は緑色もしくは紫色、小穂が集まり複穂状花序に花を咲かせます。草姿は叢生型、高さ約60(120)cm × 幅は約60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は剣形(長さ約30~90cm × 幅は約0.5~2.0cm)で、葉序は根生葉につきます。
レモングラスの香りの印象と精油成分
レモングラスは葉の部分に「レモン」を想像させるスッキリした柑橘系の香りがあり、レモンの皮を思わせる酸味と甘みをもっています。花の香りを特徴づける精油には「シトラール」を主成分(6~8割)として「ゲラニオール」や「酢酸ゲラニル」等が含まれており、精油の効能としては「抗菌作用・抗真菌作用」「抗ウィルス作用」「抗がん作用」「鎮痛作用」「抗炎症作用」「鎮静作用」等が期待されます。
- シトラールは「レモン」に例えられる爽やかな柑橘系の香りがあり、レモンの皮を思わせるフルーティーな風味(フレーバー)をもっています。一般に植物ではレモングラス等に含まれており、精油は食品の香料や香水等に幅広く利用されています。精油の効果には「抗菌作用・抗真菌作用」「抗ウィルス作用」「抗がん作用」「鎮痛作用」「抗炎症作用」「鎮静作用」等があります。
- ゲラニオールは「フローラル」「柑橘系」「甘い」「ローズ」等に例えられるマイルドな香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーです。一般に植物ではゼラニウムやクチナシ等に含まれており、精油は食品の香料やアロマオイル等に利用されています。ゲラニオールの精油の効果には、まだ研究段階で科学的根拠が不十分なものもありますが「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗炎症作用」「抗がん効果」等があります。
- 酢酸ゲラニルは「ラベンダー」「バラ」「柑橘系」「石鹸」等に例えられるフローラルな香りがあります。一般に植物ではレモングラスやイランイラノキ等に含まれています。
レモングラスの効能
レモングラスは「抗菌・抗真菌作用」「抗ウィルス作用」「抗炎症作用」「抗酸化作用」「鎮静作用」「殺虫効果」等の様々な効能が認めらていたり期待されています。そのため適量を食事に取り入れたり、香りを楽しむ事で健康増進にも繋がるでしょう。
1.抗菌・抗真菌作用
レモンバームに含まれるシトラールやゲラニオールが、カビやバクテリアの増殖を抑制したり殺菌するため、食品の腐敗を防ぐ効果や、口内のバクテリアを退治して虫歯を予防する等の効果が期待出来ます。
2.抗ウィルス作用
レモンバームに含まれるシトラール等が、ウィルスの働きや増殖を抑制するため感染症の予防等に期待がもてます。
3.抗炎症作用
レモンバームに含まれるシトラールやゲラニオール等が、炎症を抑える働きがあるため胃痛を初め体の中の様々な炎症を抑える効果が期待できます。
4.抗酸化作用
レモンバームに含まれるシトラールやゲラニオールは、体の中で過剰に増えた活性酸素の働きを抑制して体の酸化(体の中が錆びる)を抑える働きがあります。これにより例えば、老化防止やガン防止、生活習慣病の予防等が期待出来ます
6.鎮静作用
レモンバームに含まれるシトラールの香りには、イライラや興奮といった神経系の過活動を抑える事で気分を落ち着けリラックスする効果(鎮静作用)があります。
レモングラスの楽しみ方(食べ方)
レモングラスの茎(下部)や葉には、レモンを連想させる爽やかな香りと、酸味と甘味を感じさせる風味があります。料理では葉や茎が食用として利用されますが、葉は香り付けとして利用された後は取り除かれる事が多く、下部にある柔らかな茎が主に食用とされます。
葉を利用する場合は、新鮮な葉も乾燥させた葉も両方利用出来ます。新鮮な葉を利用する場合は断面を包丁で傷付けて精油が出やすいようにして利用される事が多いです。葉はスープ(トムヤムクン等)やグリーンカレー等を煮込む時に入れられ香り付けにされて、食事として提供する前に取り除かれます。また手軽に楽しむならハーブティーとしても利用されます。
ハーブティーとして楽しむ場合は「新鮮な葉」もしくは「乾燥させた葉」どちらも利用可能です。新鮮な葉を利用する場合はレモングラスの葉を1本とり適当な長さに切って精油が出やすいように軽く包丁で傷つけます、乾燥させた葉を利用する場合も1本を適当な長さに切り利用します。レモングラスの葉とワンカップのお湯を(180~200ml)をポットに入れて3~5分間蒸らします。蒸らす間はポット蓋をきちんと閉めておかないと香り(揮発性分)が抜けて美味しくなくなるので注意して下さい。蒸らし終わったらポットのハーブティーを茶こしでこしながらカップに注ぎましょう。その際、ハーブティーにお好みで蜂蜜等を加えるのもいいでしょう。
レモングラスの収穫
レモングラスの収穫は何時でも行えますが、茎葉の高さが30cm程度に達してから行うといいでしょう。また個々の葉を収穫する事も出来ますが、一般的には茎の根元から折るように収穫します。収穫したら茎の外側部分の皮を剥ぎ新鮮な茎だけを残しましょう。
レモングラスの栽培
園芸では、香りの良い茎葉をハーブとして利用する目的だったり、優雅に広がる葉を鑑賞用として利用する目的で育てられます。一般的には寒さに弱いため鉢植えに植えて利用される事が多いですが、花壇の縁どりとして利用される事もあります。
レモングラスを育てる際に注意する事は「冬の寒さ」です。基本的には放ったらかしでも育つ程に丈夫でお世話も殆ど不要ですが、冬の寒さだけには弱いです。暖地であれば地植えでも越冬する事が可能ですが、基本的には霜に当たると枯れる可能性があるため、冬場は屋内に入れるなどの対策が必要でしょう。