- 原産:オーストラリア
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:オゾタムヌス(Ozothamnus)
- 種:ライスフラワー(diosmifolius)
- 英名:ライスフラワー(rice flower)
- 別名:ホワイト・ドックウッド(White Dogwood)/サゴフラワー(sago bush)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約100~200cm
- 誕生花:11月12日/11月19日
- 花言葉:豊かな実り
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ライスフラワーとは!?
ライスフラワーは学名Ozothamnus diosmifolius、別名では「ホワイト・ドックウッド(White Dogwood)」や「サゴフラワー(sago bush)」とも呼ばれるオーストラリア原産の常緑低木です。
ライスフラワーの語源(由来)
- 属名のOzothamnusはギリシャ語で「匂いがする」を意味する「ozo」と、「低木」を意味する「themnos」の2語からなり、スパイシーな香りがある葉に由来します。
- 種小名のdiosmifoliusは「ディオスマ属」を意味する「Diosma」と「葉」を意味する「folius」の2語からなり、葉の外観がディオスマ属に似ている事に由来します。
- ライスフラワーの由来は米粒に似た形の蕾を付ける所に由来します。
ライスフラワーの特徴(魅力)
- ライスフラワーは春から初夏にかけて咲く花を鑑賞もしくは切り花やドライフラワーとして楽しむ目的で育てられる植物です。
- 花(小花)は蕾の時は米粒の様な形をしており、小花が茎の頂部で20~100個以上集まりボリュームある花を咲かせます。
- 花は白色もしくは桃色の苞葉(苞片)で包まれており、蕾の時は鱗状につき、花が開くと苞片は花弁のように広がります。
- 苞葉は紙の様な質感があり乾燥しても色褪せや型崩れがしにくいです。
- 花は収穫して切り花として楽しまれており、管理の仕方にも左右されますが花瓶の中で7~14日程度楽しめます。
- ライスフラワーは一般的に蕾の状態の花を楽しみます。なぜなら花が開くとバラバラになりやすいからです。
- ライスフラワーはカスミソウの代換えとして主役の花を引き立てる花としても利用出来ます。
- 花(苞葉)は乾燥しても色褪せしにくく型崩れしにくいためドライフラワーとしても人気です。
- ドライフラワーは自然乾燥させるか着色液で染めてブリザードフラワー等にして楽しまれます。
- 葉にはスパイシーで人によっては不快と感じる香りがあり、属名Ozo(匂いがする) + thamnus(低木)の由来にもなっています。
- ライスフラワーを育てる際は「多湿」「寒さ」を苦手にしているため、夏の高温多湿対策や冬の霜対策をしっかり行いましょう。
ライスフラワーの樹高は約50(~300)cm、樹形はふつう株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で非常によく枝分かれします。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約1(~2)cm、幅約0.1(~0.3)cm、葉身の形は線形です。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は約20(~100)個以上の頭花が散房花序につく複合花序です。頭花は直径約0.2(~0.3)cmです。頭花は白色もしくは桃色の苞葉(苞片)で囲まれており、苞片が鱗状に花を包み、花が開くと花弁の様になります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ライスフラワー の切り花の楽しみ方
- ライスフラワーの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は殆どの蕾が十分な大きさに膨らんでいて、蕾が殆どもしくは全く開いていないないタイミングで行うと日持ちが良くなります。
- 水揚げは水切りを行います。
- 花瓶の水は少なめの浅水で管理しましょう。
- 茎が腐敗しやすいためです。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~14日です。
ライスフラワーのドライフラワーの作り方
- ライスフラワーの収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫のタイミングは蕾が膨らみ綺麗に色付いたタイミングで行いましょう。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法でドライフラワーを作ります。
- また着色液を準備してブリザーブドフラワーをつくることも出来ます。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
ライスフラワーの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ライスフラワーは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。
土壌の土質
ライスフラワーは通気性がよく有機物が適度に入る肥沃な土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、雨の後もジメジメした状態が続く排水性の悪い土壌は生育不良を引き起こす原因となるため、水捌けの悪い粘土質な土壌は避けましょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、水捌けのよい砂壌土から壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ライスフラワーは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。ただし長雨が当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動します。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
地植え
ライスフラワーは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ライスフラワーを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ライスフラワーはある程度、肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。肥料の与えすぎは肥焼けを引き起こす原因となるため注意が必要です。
肥料を与える場合は、早春もしくは春に緩効性肥料を与えておけば、追肥は不要です。
剪定のやり方
ライスフラワーは、ふつう幼木や若木の時に摘芯や切り戻し剪定を繰り返し、分枝を促してコンパクトでふさふさとした樹形が作られます。
定期的な剪定は、毎年開花後に行われます。剪定を行うことで、樹形がコンパクトになり、分枝が促されるためふさふさとした樹形が作られるようになります。剪定のやり方は基本的には切り戻し剪定です。切り戻し剪定は基本的に好みの長さで剪定出来ますが、葉のない場所まで強く切り戻すと残された枝がそのまま枯れこむ事があるため、葉の上で切り戻し剪定する様にしましょう。
夏越しする方法
ライスフラワーは夏の暑さに耐えますが、多湿を苦手にしており、特に暑さと多湿のストレスが組み合わさる高温多湿を苦手にしています。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
ライスフラワーの夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 地植えする場合は雨にあたりにくい場所に植えてあげるのも1つの対策です。
- 土壌の排水性を高めておき、ジメジメした過湿が続かない環境や浸水しない環境をつくる事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:9a~11b
ライスフラワーは軽い霜であれば耐えられる事があるため、暖地であれば地植えで育てられる事があります。ただし基本的に霜が降りると枯れてしまうため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
ライスフラワーの冬越し対策
- 軽い霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 支柱を立ててビニールを被せるとより対策効果が上がります。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
挿し木の方法
- 挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ライスフラワーの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ライスフラワーの病気
ライスフラワーの害虫