- 原産:中国/パキスタン/ヒマラヤ
- 科:タデ(Polygonaceae)
- 属:イヌタデ/ペルシカリア(Persicaria)
- 種:アプレキシコール(Persicaria amplexicaulis)
- 同義語(synonym):Bistorta amplexicaulis
- 別名:レッド・ビストート(red bistort)/マウンテン・フリース(mountain fleece)
- 品種:ロゼア(Persicaria amplexicaulis ‘rosea’)
- 開花時期:7月~10月
- 花の色:桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約90~120cm
- 用途:背が高い花/カラーリーフ/ロマンチックなお庭
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ペルシカリア(ロゼア)とは!?
ペルシカリア(ロゼア)は、甘いお菓子を連想させるような薄い桃色の花が魅力的な園芸品種です。柔らかな桃色の花色は、可愛らしい印象やふんわりとした優しい雰囲気をつくるため、心が癒される様な優しい雰囲気のお庭や、甘くロマンチックな雰囲気のお庭などによくあうでしょう。草姿は直立、高さは約90~120cmに成長します。
ペルシカリア(アプレキシコール)とは!?
ペルシカリア(アプレキシコール)は学名Persicaria amplexicaulis、別名では「ポリゴナム・アフィネ」や「ヒマヤラン・ビストート(Himalayan bistort)」等とも呼ばれるヒマラヤが原産の多年草です。
ペルシカリア(アプレキシコール)の語源(由来)
- 属名のPersicariaはラテン語で「桃」を意味する「persicum」と、「~に関係する」を意味する「-aria」の二語からきており、葉の形に由来します。
- 種小名のamplexicaulisはラテン語で「茎を抱く」「抱茎の」を意味します。
ペルシカリア(アプレキシコール)の特徴(魅力)
- ペルシカリア(アプレキシコール)は、スラッと伸びるシャープな外観の花姿と、赤色・桃色・紫色の豊富な花色、茎を抱くようにつく葉の姿等が特徴の植物です。
- 草姿は直立して最大120cmまで伸びるため、花壇の中で立体感を出したり、花壇の後方の背景として利用することが出来ます。
- 開花期間は夏から秋、花は穂状に並び、長さ約10cmの花穂をつくるため、スラッと伸びるシャープな外観をしており、華やかな印象を与える赤色の花や上品な印象を与える紫色の花を咲かせます。
- 葉は長さが最大25cmになり、全体的に皺がよったような外観をしています。
- 葉は基部が幅広で茎を抱くような形になるため、ラテン語で「茎を抱く」「抱茎の」を意味するamplexicaulisの種小名がついています。
- 葉はふつう緑色ですが、幾つかの品種では、明るく開放的な印象を与える黄色の葉色もあるためカラーリーフとして楽しめる事もあります。
ペルシカリア(アプレキシコール)の草姿は直立性、草丈は高さ約60(~120)cm、茎の色は緑色または赤みを帯びます。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約25cm、葉身は基部が広く抱茎(基部が広く茎を抱き)しており、葉身の形は卵形または披針形です。
花序は穂状花序、穂状花序の長さ約10cm、形は円筒型、多数の花が集まります。花は花被片が5個、花被片は赤色・桃色・紫色・白色があり、雄蕊は8個あります。花は枯れても長く残る傾向があります。
ペルシカリア(アプレキシコール)の園芸品種の紹介
- ファイヤーテール(Persicaria amplexicaulis ‘firetail’)は、赤ワインや口紅の色を連想させる真っ赤な花が特徴です。赤色の花は、華やかな印象や情熱的で愛情深い印象を与えるため、人の心を惹き付けるようなチャーミングなお庭や、明るくカラフルなお庭などによく合うでしょう。草姿は直立、高さは約90~120cmに成長します。
- アルバ(Persicaria amplexicaulis ‘alba’)は、雪の色を思わせるような真っ白な花色が、汚れのない清潔な印象を与えたり、輝いている様な明るい印象を与える魅力的な園芸品種です。草姿は直立、高さは約90~120cmに成長します。
- ブラックフィールド(Persicaria amplexicaulis ‘blackfield’)は、重厚的な印象を与えるを赤黒い花が魅力的な園芸品種です。赤黒い花は、華やかさと重厚感があり高級な印象を与えたり、またやや暗い所が怪しくミステリアスな雰囲気を作ったりします。そのため、大人な魅力を感じさせるチャーミングなお庭や、独特な世界観のあるミステリアスなお庭等におすすめです。草姿は直立、高さは約50~100cmに成長します。
- ロゼア(Persicaria amplexicaulis ‘rosea’)は、甘いお菓子を連想させるような薄い桃色の花が魅力的な園芸品種です。柔らかな桃色の花色は、可愛らしい印象やふんわりとした優しい雰囲気をつくるため、心が癒される様な優しい雰囲気のお庭や、甘くロマンチックな雰囲気のお庭などによくあうでしょう。草姿は直立、高さは約90~120cmに成長します。
- ファットドミノ(Persicaria amplexicaulis ‘fat domino’)は、太くボリュームのある真っ赤な花を咲かせる園芸品種です。色鮮やかな赤色の花色は刺激的な色をしているため遠くからでも強く目を引く力があり、華やかな印象や情熱的で愛情深い印象などを与えます。草姿は直立、高さは約90~120cmに成長します。
- ゴールデンアロー(bistorta amplexicaulis ‘golden arrow’)は、葉全体が黄色の葉色をしており、明るく開放的な印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。花の色は赤色、イエローリーフとの相性もよく明るくカラフルな雰囲気をつくります。草姿は直立、高さは約50~100cmに成長します。
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イヌタデ(ポリゴナム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ペルシカリア(ロゼア)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ペルシカリア(ロゼア)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
土壌の土質
ペルシカリア(ロゼア)は、通気性と保水性のバランスがよく、適度に肥沃な土壌を好みます。やや湿り気のある土壌でよく育ちますが、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こすことがあるため注意が必要です。土壌診断を行い、通気性や保水性が悪かったら、土壌改善を行ってから植え付けを行いましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ペルシカリア(ロゼア)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
培養土
ペルシカリア(ロゼア)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は部屋に入れる事も考えて、腐葉土のかわりに無菌のピートモスなどを利用すると良いかもしれません。培養土は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
ペルシカリア(ロゼア)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
ペルシカリア(ロゼア)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
ペルシカリア(ロゼア)は、ある程度肥沃な土壌で育てている場合は肥料が無くても育てられます。栄養が多すぎる土壌では葉ばかり茂り花が少なくなる傾向にあるため注意が必要です。
肥料は、栄養の乏しい土壌で育てていたり、土壌の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合は、早春に一度だけ肥料を与えるようにしましょう。
肥料と堆肥の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が必要な栄養成分がしっかりはいっており非常に肥効が長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料は株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
ペルシカリア(ロゼア)は剪定は「花がら摘み」のみです。
花がら摘みとは!?
花がら摘みの目的は、萎れた花を摘みとる事で種の生産を防ぎ余計なエネルギーを使わせない事にあります。余計なエネルギーを使わせない事によって、株の老化(弱体)を防いだり、花の生産が止まる事を防ぎ開花期間を延長する事に繋がったり、花数を増やす事に繋がったりします。
花がら摘みのやり方は、花が色褪せたら花穂をハサミを使い取り除くだけです。
挿し木や株分けで増やす
ペルシカリア(アプレキシコール)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- ペルシカリア(アプレキシコール)の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分け手順
- ペルシカリア(アプレキシコール)の株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- 株全体を観察して、茎の節から不定根が伸び、土の中に根が定着している部分を探しましょう。
- 不定根が定着している部分を見つけたら、ある程度の茎と葉を残して、親株と切り離します。
- 切り離した子株を土の中から掘りあげて、目的の場所に植え直します。
- 水をたくさん与えたら株分けの終了です。