- 原産:メキシコ/中央・南アメリカ
- 科:クマツヅラ(Verbenaceae)
- 属:ペトレア(Petrea)
- 種:ウォリビリス(Petrea volubilis)
- 別名:ムラサキツクバネカズラ/ヤモメカズラ/女王の花輪(queen’s wreath)/サンドペーパーバイン(sandpaper vine)/紫色の花輪(purple wreath)
- 品種:アルビフロラ(petrea volubilis ‘albiflora’)
- 開花時期:5月~10月(理想的な環境では周年)
- 花の色:青色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑ツル性木本/常緑低木
- 草丈:約400~1200cm
- 誕生花:4月19日
- 花言葉:耐え忍ぶ強さ
- 用途:開花期間長い/壁面緑化
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ペトレア(アルビフロラ)とは!?
ペトレア(アルビフロラ)は、ペトレアでは珍しい白色の花を咲かせる園芸品種です。白色の花は、明るく輝くような印象を与えたり、清潔感を感じさせるため、明るく洗練されたお庭などにおすすめです。
ペトレアとは!?
ペトレアは学名Petrea volubilis、別名「ヤモメカズラ」や「女王の花輪(queen’s wreath)」等とも呼ばれるメキシコ及び中央・南アメリカが原産の常緑ツル性木本もしくは低木です。主に熱帯に分布し川辺等に自生しています。
ペトレアの語源(由来)
- 属名のPetreaは、男爵であり有名な園芸家だったRobert James Petre(1713-1742)への献名です。
- 種小名のvolubilisは、ラテン語で「絡み合う」「回転」を意味しており、ツル性の樹形に由来します。
ペトレアの特徴(魅力)
- ペトレアは、シャンデリアのように垂れ下がる大きく豪華な花を咲かせます。また花弁と萼片で花の色調が違うため紫色のグラデーションのような効果を生み出す美しい植物です。
- 樹形はツル性、または低木として育つ性質があり、高さ400cmまでは自立して成長する事が可能で、またツルとして育つ場合は高さ1200cmまで成長します。
- ツル植物として育つ場合は「巻き付き茎」を利用します。巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が右か左に旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付ける資材を準備して誘引してあげると良いでしょう。
- ツル植物として育つ場合は「巻き付き茎」を利用します。巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が右か左に旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花は年に数回、理想的な環境であれば何時でも咲く事が可能ですが、一般的には晩春から秋の間で咲きます。
- 花は小さな花が穂状に並び長さ約10~20cmのボリュームある花序をつくり、逆さまに吊り下がりながら咲きます。
- また花穂は葉腋や茎の頂部等から沢山出てくるため、開花期はシャンデリアを思わせる様な美しい景観が作られます。
- 花は花弁状の薄い紫色の萼片と濃い紫色の花弁で構成されており、濃い紫色と薄い紫色の二色の花色がグラデーションの様な効果を生み出します。
- また萼片は花弁が落ちたあとも長く残るため装飾性が保たれ、薄い紫色から徐々に灰色へと変化していきます。
- 萼は種子が出来た後も残り、萼片がプロペラとなる事で風をつかみ、種を遠くまで飛ばす働きをします。
- ペトレアの葉は触るとザラザラとした粗い質感があり、紙ヤスリを思わせる事から英名ではサンドペーパー・バイン(sandpaper vine)と呼ばれています。
ペトレアの樹形はツル性(巻き付き茎)または低木状に直立、茎の長さ約400(~1200)cm、茎の色は緑色、若い茎は褐色の毛が生えており、茎が成熟すると木質化して淡褐色または灰色(~灰褐色)になります。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄は約1cm、葉身は長さ約5(~16)cm、幅は約3(~8)cm、葉身の形は楕円形(~長楕円形)をしています。※葉は触るとザラザラとした粗い質感があります。
花序は総状花序、総状花序は長さ約10(~20)cm、腋性(葉腋部分)または頂生(茎頂部)に付き、花序は地面に向かい垂れ下がります。花冠は高杯形、高杯形は筒部が長く先端が皿状に開き裂片は5個、花冠の色は紫色または青紫色です。萼は花弁状、萼片の数は5個、萼片は花弁よりも長く目立ち、萼片の色は薄い紫色または薄い青紫色です。
果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、核果は長球状、色は褐色、果実はプロペラ状の萼片に囲まれています。
ペトレアの園芸品種の紹介
ペトレア(アルビフロラ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ペトレア(アルビフロラ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が出来ます。
土壌の土質
ペトレア(アルビフロラ)は基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ペトレア(アルビフロラ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が出来ます。
培養土
ペトレア(アルビフロラ)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
ペトレア(アルビフロラ)は乾燥に比較的に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ペトレア(アルビフロラ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ペトレア(アルビフロラ)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えるだけで追肥は不要です。
寒肥と堆肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は、肥沃な土を好むため有機肥料(配合肥料)が理想ですが、緩効性肥料でも問題ありません、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
ペトレア(アルビフロラ)は剪定せずに育てる事も出来ます。ただし剪定せずに育てた場合、ツルが奔放に伸びて本来あるべき場所から逸出してしまったり、外観を崩してしまったりする事があります。そのため必要に応じて剪定が行われます。
またペトレアはツル植物としても育てられますが、剪定して樹高を抑える事で低木状に自立した状態で育てる事も出来ます。
ツル誘引の目的と方法
ペトレアは自らの茎を他の植物や物体に螺旋状に巻き付けて体を固定します。そのため、ツル植物として育てる場合は茎を巻き付けやすい園芸資材を準備してあげる必要があります。
ペトレアは自らの力で茎を巻き付け体を固定して成長するため誘引は不要です。ただしツルが枠から逸出したり、混み合う場合は、隙間を埋める目的でツルを空いている隙間に誘引して麻紐で結び誘引したり、不要な場合は剪定して取り除く事も出来ます。
資材:トレリス/アーチ/バーゴラ/ガゼボ/オベリスク/壁面ワイヤー/フェンス
ツリガネカズラの剪定方法
- ツリガネカズラの剪定は早春に行いましょう。
- 早春は、株が休眠しているため剪定によるストレスが少なく済みます。また春からの強い成長が期待出来るため剪定からの回復が早くなります。
- 株全体を観察して枯れた枝・損傷した枝(折れてる枝等)・病気の枝を探して、これを枝分かれしてる場所、もしくは被害を受けていない枝の途中の節(芽)の上で、剪定して取り除きましょう。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している枝の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 株全体を観察して不要と思われる枝を剪定しましょう。
- 間違った方向に伸びた枝は、外観を崩したり、歩行者のじゃまになったり、入るべき場所じゃない所に侵入して撤去が難しくなる可能性があります。そのため根元から剪定するか枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定しましょう。
- 絡み合い茎が混雑している部分は、日当たりや風通しが悪くなるため、生育が悪くなったり、生育が悪くなった場所から病気にかかりやすくなったり、また害虫が湧きやすくなる原因ともなります。そのため、必要に応じて枝の多い部分は間引き剪定して枝の数を減らしましょう。
夏越しする方法
ペトレア(アルビフロラ)は夏の暑さに強いため、夏越し対策は基本的に不要です。
冬越しする方法
Hardiness:10~11
ペトレア(アルビフロラ)は基本的に霜の降りる地域では、対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。そのため必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理するか、不織布等をかけて霜から株を守ります。
挿し木や株分けで増やす
ペトレアは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ペトレアの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ペトレアの病気
ペトレアの害虫
- カイガラムシ
- アブラムシ