- 原産:西アジア
- 科:バラ(Rosaceae)
- 属:スモモ/サクラ(Prunus)
- 種:アーモンド(amygdalus)
- 同義語(synonym):Prunus dulcis
- 英名:アーモンド(almond)
- 開花時期:3月~4月
- 果実時期:8月~9月
- 花の色:白色〇桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉小高木
- 草丈:約400~1000cm
- 誕生花:3月14日
- 花言葉:希望/愚かさ/真実の愛/永遠の優しさ
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アーモンドとは!?
アーモンドは学名Prunus amygdalus(synonym:Prunus dulcis)、西アジアが原産の落葉小高木です。
アーモンドの語源(由来)
- 属名のPrunusの由来は、古代ギリシア語で「プラム」を意味する「προῦμνον」からきており、後にラテン語の「prunum」を経て、現在のPrunusになっています。
- 種小名のamygdalusは古代ギリシアで「扁桃体」を意味する「ἀμύγδαλον」に由来しており核果の形に由来します。
アーモンドの特徴(魅力)
- アーモンドは早春に開花する花を鑑賞する目的や晩夏から秋に実り完全に成熟した果実を収穫して食べる目的で育てられる植物です。
- アーモンドの果実は成熟すると外側の外果皮が裂け、裂けが約70~80%に達した頃に収穫されます。
- 収穫の方法は事前に地面にシートを敷いておき枝を揺する等して果実(成熟すると離層が形成され落ちやすくなる)を落とす事が多いです。
- 腐敗の原因になるため外側の外果皮を取り除いたらしっかり乾燥させ、また害虫対策に冷凍される事もあります。
- 硬い内果皮の中身の種子が生のままや焙煎されたりして食べられます。
- アーモンドの花は直径約3~5cmあり白色もしくは薄桃色です。
- 花は葉が展開する前に咲くため葉に邪魔される事なく綺麗な花を鑑賞する事ができます。
- アーモンドは最大1000cmに達する小高木ですが園芸品種は遥かに樹高が低く、また栽培される場合は管理のしやすい開心自然形という樹形に仕立てられる事が多いです。
アーモンドの茎は木質で樹皮は暗褐色もしくは灰褐色をしています。樹高は約400(~1000)cm、幹は直径が最大約30cmになり直立に伸び、枝は斜上もしくは横へ広がります。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約8(~13)cm、葉身は披針形もしくは狭楕円形で縁部分に鋸歯があります。花序は腋性で1個だけもしくは2個の花が束生(葉・花・茎等が1箇所から束生に生える)しています。花の大きさは直径約3(~5)cm、花弁の数は5個、花弁の色は白色もしくは薄桃色、雄蕊は多数、雌蕊は1個です。果実は核果、形は楕円形で長さ約3.5(~6)cm、色は緑色から成熟すると褐色に変わります。
アーモンドの園芸品種の紹介
スモモ(サクラ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
スモモ(サクラ)の珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種などの紹介【2022】
アーモンドの育て方
花壇の土づくり
日当たり
アーモンドは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まるため、直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
アーモンドがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。幅約100~150cm、深さ約50~60cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
アーモンドは水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れなどしてしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アーモンドは日当りを好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
アーモンドの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期
アーモンドは植え付けから2年、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように定期的に水やりを行い育てましょう。
地植え
アーモンドは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
アーモンドを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
アーモンドは健康な成長と沢山の果実を実らせるため冬に寒肥と土質を改善する堆肥入れて、実の収穫後(9月頃)にお礼肥を与えます。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びましょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
お礼肥
アーモンドのお礼肥は実の収穫が終わる秋(9月頃)に与えます。翌年の開花と果実の為にも、花の開花で消耗したエネルギーを肥料でしっかり補いましょう。
アーモンドのお礼肥は多くの場合は速効性の高い発酵鶏糞やぼかし肥料等が利用されます。
お礼肥の施し方は、株元から少し離した場所に置き肥するか、5cm程度穴を掘って、その中に肥料を埋めます。
剪定のやり方
アーモンドの剪定は基本的には「冬(12月~1月頃)」に剪定を行います。剪定を行わないと枝葉が繁茂して通気性や日当たりが悪くなり病気になりやすくなったり害虫がつきやすくなったり、また栄養が分散されるため花や果実が上手くならなかったり、また下枝が枯れやすくなります。
また定期的な剪定の他に苗木のうちから樹形をコントロールする剪定を行い開心自然形をつくる事が一般的です。開心自然形をつくる事で後の管理が楽になるなどのメリットがあります。
開心自然形の剪定の目的や手順
開心自然形に剪定する目的は、苗木(~幼木)のうちから剪定を行い、枝を強く横に張らせる事で、上への成長を抑えたり、枝の混みを防いだりする事にあります。樹高が低く抑えられる事で果実の収穫や剪定等の管理がしやすくなる等のメリットがあります。
開心自然形に剪定の手順
- 1年目の剪定
- 高さ約40~60cmの芽のある場所の上で剪定を行います。
- 必要に応じてバランスよく主枝候補が出るように計算して位置の悪い芽を芽かきします。
- 2年目の剪定
- 主枝候補を何本か残しながら、それぞれの主枝候補を3分の1から2分の1程に切り戻し剪定します。
- 必要に応じて主枝候補を補木もしくは紐等を使い横に誘引して上に成長しないように抑えます。
- 3年目の剪定
- 2本~3本の主枝候補をある程度絞りながら、主枝候補と競合する枝や位置の悪い場所から出る枝を間引き剪定して根元から取り除きます。
- 主枝候補の新しく成長した部分を3分の1から2分の1ほど切り戻し剪定します。
- 必要に応じて主枝候補を補木もしくは紐等を使い横に誘引して上に成長しないように抑えます。
- 主枝候補から分岐して出た亜主枝は何本か残しますが、主枝候補が伸びる方向の逆に成長する枝(逆さ枝)や平行枝などの不要枝を間引き剪定します。
- 4年目の剪定
- 主枝を2もしくは3本に完全に絞るか、主枝候補をある程度絞りながら、主枝候補から外れた枝を間引き剪定して根元から取り除きます。
- 主枝(主枝候補)の新しく成長した部分を3分の1から2分の1ほど切り戻し剪定します。
- 必要に応じて主枝(主枝候補)を補木もしくは紐等を使い横に誘引して上に成長しないように抑えます。
- 亜主枝も必要なものは切り戻し剪定を行います。
- 主枝(主枝候補)から伸びる不要枝は間引き剪定して取り除きましょう。
- 5年目の剪定
- 幹から出る主枝候補を2本もしくは3本に絞りそれ以外の幹から出てくる枝を間引き剪定で取り除きます。
- 主枝の新しく成長した部分を3分の1から2分の1ほど切り戻し剪定します。
- 必要に応じて主枝を補木もしくは紐等を使い横に誘引して上に成長しないように抑えます。
夏越しする方法
アーモンドは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策はいりません。
冬越しする方法
Hardiness:6b~9a
アーモンドは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アーモンドは挿し木や接ぎ木によって増やす事ができます。
アーモンドの挿し木の方法
- アーモンドの挿し木時期は初夏から夏(半熟枝)もしくは初冬から晩冬(熟枝挿し)が適します。
- 健康な挿し穂を約7~15cmでとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 半熟枝では下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 発根促進剤をつけます。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
おすすめの発根促進剤
アーモンドの接ぎ木のやり方
アーモンドは挿し木で増やす事が難しい場合があります。その場合は実生から育てた2~3年生の苗に、増やしたい株の挿し穂を接ぎ木して増やします。
播種で増やす
アーモンドの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
植物の病気
アーモンドの病気
アーモンドの害虫