原産:北アメリカ
科:キク(Asteraceae)
属:リアトリス/ユリアザミ(liatris)
種:リアトリス/スピカータ(spicata)
別名:キリンギク/デンス・ブレイジング・スター(dense blazing star)/プレイリー・ゲイフェザー(prairie gay feather)
品種:アルバ(liatris spicata ‘alba’)
開花時期:6月~8月
花の色:白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約120cm
誕生花:6月17日/7月22日/8月30日
花言葉:「知性」「説得力」「向上心」「燃える思い」
用途:背が高い花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
リアトリス(アルバ)は非常に長い花穂と、清楚な雰囲気の白色の花色が魅力の園芸品種です。美しい純白の花は、お庭の雰囲気を明るくしたり、清潔感を感じさせる事が出来ます。
開花時期は初夏から晩夏、花色は白色、個々の花(頭花)は筒状花のみで構成され、花序は花(頭花)が穂状花序に集まり咲きます。草姿は直立で地面下の球茎から出ており高さ約120cm × 幅は約40cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形もしくは線形、葉序は互生葉序もしくは根生葉につきます。
リアトリスとは!?
リアトリスの学名liatris spicata、一般的に単にリアトリスと言うとこの種をさしている事が多く、別名では「キリンギク」や「デンス・ブレイジング・スター(dense blazing star)」とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
リアトリスの語源(由来)
- 属名のliatrisの由来は、起源不明です。
- 種小名のspicataはラテン語で「穂状の」「尖った」を意味しており、花穂の形に由来します。
リアトリスの特徴(魅力)
- リアトリスは垂直に伸びる茎に瓶用タワシの様な個性的な花を咲かせる所が特徴です。
- 地面下には里芋の様な球茎をもっています。
- 茎は最大150cmまで伸び細長い葉を密につけます。
- 花は一般的な顕花植物と違い上から下へと開花していきます。
- ↳個々の花はキク科でよく見られる頭花です。
- ↳頭花は筒状花のみで構成されており雌しべが突出するためふさふさとした柔らかな外観をつくります。
- 花は非常に見栄えがよく庭園等ではフォーカルポイントとなり、また景観植物としても利用できます。
- リアトリスの花は切り花としても魅力的です。
- ↳切り花として利用する場合は花穂の上部分(2~5cm)が咲き初めた頃に収穫すると寿命(鑑賞期間)が長くなります。
- リアトリスは蝶々や花蜂の蜜源として高い評価をうけています。
- リアトリスは夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫です。
- ↳ただし水分が停滞するような多湿環境を苦手にしています。
リアトリスは地面下に根茎が栄養を貯め肥大化した球状の球茎があり、球茎から茎と葉が出ます。茎の色は緑色、垂直に伸びる茎は分枝することなく高さ約30(~150)cmの間で成長します。葉は根生葉もしくは茎に対して互生葉序に配置され、葉の大きさは長さ約12(~35)cm幅約0.4(~2)cmあり、葉身は披針形もしくは線形になります。花序は花(頭花)が穂状花序に集まり、個々の花(頭花)は桃色もしくは紫色か白色の筒状花のみが集まり裂片は5個で舌状花はなく、筒部からは雌しべが突出して2分岐しており、雄蕊は筒部と同長です。
リアトリスの栽培方法
園芸では、ボリュームある美しい花を鑑賞する目的だったり、切り花として花を利用する目的で育てられる事が多いです。スラリと伸びる茎に咲く花はお庭の中で非常に目立つため、景観植物として働きます。植える場所は背が高くなるため、花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出すといいでしょう。
リアトリスを育てる際に注意する事は「ジメジメとした多湿」です。基本的には乾燥に強く肥料も殆ど必要としないため、理想的な環境では放ったらかしで育てる事も出来ますが、長雨等でジメジメした環境が続くと多湿で枯れてしまう事もあります。そのため長雨に当たらない様にしたり、土壌の排水性を高めておくなどの対策も必要になるでしょう。
リアトリス(ユリアザミ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
リアトリス(ユリアザミ)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
リアトリス(アルバ)の育て方
花壇の土づくり
リアトリス(アルバ)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。一方で日当たりの悪い場所では開花が悪くなります。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。
リアトリス(アルバ)は水分が停滞する様な水捌けの悪い土壌では球茎が腐敗して枯れてしまいます。そのため排水性が良好で通気性の良い土壌に植える必要があり、また適度に肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、必要に応じて通気性を高めるパーライトや軽石等を入れ、肥沃さと膨軟性を高める堆肥等の改良用土を入れて土壌を改善しましょう。
鉢土づくり
リアトリス(アルバ)は直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。
培養土は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の例
- 赤玉土6割+腐葉土4割+元肥
水やりの仕方
リアトリス(アルバ)を地植えしている場合は一度根付くと水やりは基本的に不要で降水のみで育てられます。
鉢植えで育てていたり、降水がなく乾燥が続いたりする場合等は、土の表面もしくは表層が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
リアトリス(アルバ)は浸水したり水分が停滞する状況を嫌うため、水の与え過ぎには注意が必要です。
肥料の与え方
リアトリス(アルバ)は地植えしていて適度に肥沃な土壌であれば基本的に肥料を必要としません。ただし鉢植えで育てている場合は栄養が足りなくなる事もあるため春に軽く肥料を与える事も出来ます。
肥料の与え方
- 肥料は基本的に不要ですが、与える場合は春に施肥しましょう。
- ↳必要に応じて土質を改善する堆肥を入れて緩効性肥料を置き肥します。
剪定のやり方
リアトリス(アルバ)の剪定は見た目を良くするためや、持続的な開花を促す目的で行います。
リアトリス(アルバ)の剪定手順
- リアトリス(アルバ)の剪定時期は開花期間中と開花後の秋です。
- 開花期間中は花が上から下へと咲いていくため、先に上部にある花が終わります。
- ↳そのため上部の花が終わったら見た目をよくするために花穂を半分ほどに切り戻します。
- 花が完全に終わり、秋になったら茎を地際付近まで強く切り戻し、長い葉をのこしましょう。
夏越しする方法
リアトリス(アルバ)は夏の暑さの中でも問題なく成長しますが、長雨等により過湿が続くと根腐れや球茎の腐敗を起こし株が弱る事があります。
リアトリス(アルバ)の夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して長雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 土壌の排水性を高め浸水したり水分が停滞しない様にする事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:3a~9b
リアトリス(アルバ)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
リアトリス(アルバ)は春に大きな球茎を分ける事で株分けする事が可能です。
播種で増やす
リアトリスの種蒔の方法
播種時期:10月~11月・3月~4月(低温処理)
発芽適温:約15~25度
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
リアトリスは寒さを経験しないと発芽しない、低温要求性種子です。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)に入れて寒さを経験させて発芽させる必要があります。
種まき手順
- リアトリスの種を秋に撒き、春に発芽させる場合はそのまま種を撒いて問題ありません。
- 冬の寒さを経験させない場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で6~8週間保管して種を撒きます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に軽く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
リアトリスの病気
- うどんこ病
- 菌核病
- 白絹病
リアトリスの害虫