- 原産:オーストラリア
- 科:トベラ(Pittosporaceae)
- 属:ソリア(Sollya)
- 種:ヘテロフィラ(Heterophylla)
- 同義語(synonym):Billardiera heterophylla
- 別名:ソリア・ヘテロフィラ/ビラーディエラ・ヘテロフィラ/ブルーベルクリーパー(bluebell creeper)
- 品種:ピンクチャーマー(sollya heterophylla pink charmer)
- 開花時期:5月~8月
- 花の色:桃色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑ツル性木本
- 登攀方法:巻き付き茎
- 草丈:約100~200cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:壁面緑化
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)とは!?
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は、可愛らしい印象を与えたりロマンチックな雰囲気をつくる、薄い桃色の花が魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約100~200cmに成長します。
オーストラリアンブルーベルとは!?
オーストラリアンブルーベルは学名Sollya Heterophylla(syn.Billardiera heterophylla)、別名「ブルーベルクリーパー(bluebell creeper)」や「ソリア・ヘテロフィラ」等とも呼ばれるオーストラリアを原産とする常緑ツル性木本です。
オーストラリアンブルーベルの語源(由来)
- 属名のSollyaはイギリスの植物学者であるRichard Sollyへの献名です。
- 同義語であるBillardieraはフランス人の植物学者のJacques Labillardièreへの献名です。
- 種小名のheterophyllaはラテン語で「その他」「異なる」を意味する「hetero」と、ラテン語で「葉」を意味する「phylla」の2語からなり、異なる葉のを意味しています。
オーストラリアンブルーベルの特徴(魅力)
- オーストラリアンブルーベルは、呼び鈴のベルを思わせるように俯きながら咲く花姿や、落ち着いた印象を与える青色の花色、花後に実る茄子を連想させるような円筒型の実が特徴的な植物です。
- 樹形はツル性、もしくは低木状になり、茎は基本的に自立せず、他の植物や物体に接触すると茎先端が旋回するように動き、茎を巻き付けて体を固定します。
- そのため、トレリスやオベリスク等の資材を準備して育てる必要があります。
- 茎は成熟すると固まり自立して低木状になる事もあります。
- 花は俯くように下向きに開花して、花弁は完全に平開せず半開きになり、ベルのような上品な外観の花姿をつくります。
- 花は枝先に散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に集まるためボリュームある印象を与えます。
- 実は「茄子」を思わせるような外観をしており、実の長さは約3cm、形は円筒型をしており暗紫色で白粉を帯びます。
- 実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)で、果肉が多く、多くの種が入っています。
オーストラリアンブルーベルの樹形はツル性(巻き付き茎)、茎の長さは約100(~200)cm、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、成熟すると木質化します。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約1(~6)cm、幅は約0.5(~2.2)cm、葉身の形は披針形もしくは狭楕円形をしています。
花序は散房花序(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)、散房花序は約1(~5)個の花が垂れ下がるようにつきます。花は下向きに半開きに咲き、花弁が5個、花弁の長さ約1cm、花弁の色は青色・紫色・桃色・白色があります。
果実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)、液果は直径約3cm、形は円筒形、色は紫色または暗紫色、白粉を帯びます。
オーストラリアンブルーベルの園芸品種の紹介
- ウルトラブルー(sollya heterophylla ‘ultra blue’)は、最も鮮やかな青色の花を咲かせる園芸品種です。青色の落ち着いた花色は、気分を落ち着け冷静な気分にさせたり、相手に信頼感を与えたりします。そのため、心を落ち着かせリラックス出来る様なお庭を作りたい時や、勉強や仕事などの集中できる空間(青色は時間の流れが早く感じる)を作りたい時などにおすすめです。草姿はツル性、高さ約100~200cmに成長します。
- ピンクチャーマー(sollya heterophylla pink charmer)は、可愛らしい印象を与えたりロマンチックな雰囲気をつくる、薄い桃色の花が魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、高さ約100~200cmに成長します。
ソリアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は直射日光が6時間以上あたる日向から、直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
土壌の土質
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は通気性がよく有機物が適度に入る肥沃な土壌を好みます。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、水捌けのよい砂壌土から壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は直射日光が6時間以上あたる日向から、直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)を地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)の基本的に肥料を殆ど必要としません。植付け時もしくは毎年早春に緩効性の肥料を施しておけば追肥は不要です。
剪定のやり方
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は基本的に剪定せずに育てる事が出来ますが、生産性の悪い古い茎を剪定して生産性を改善したり、範囲を逸出して邪魔になった茎を剪定して成長を制御したりすることができます。
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)はツル性もしくは低木状に育つ性質があります。茎が若い時は基本的に自立しないため巻き付くための園芸資材を準備してあげる必要があります。自らで茎を巻き付けて成長するため基本的に誘引は不要ですが、希望の場所に這わせたい場合は茎を誘引する事も出来ます。
ツル誘引の目的と方法
オーストラリアンブルーベルは自らの茎を他の植物や物体に螺旋状に巻き付けて体を固定します。そのため、茎を巻き付けやすい園芸資材を準備してあげる必要があります。
園芸資材は、トレリスや支柱等がおすすめです。ツルを這わせる資材を準備しておけば、自らの力で茎を固定して成長するため誘引は不要です。
資材:支柱/あんどん仕立て/ネット/トレリス/オベリスク/フェンス
オーストラリアンブルーベルの剪定方法
- オーストラリアンブルーベルの剪定を行う場合は晩冬から早春に行います。
- 株全体を観察して【枯れ枝・損傷した枝・病気の枝】などを剪定して取り除きます。
- 枯れ枝はいつでも剪定して取り除く事が出来ます。
- 剪定は基本的に不要と言うことを踏まえて不要な枝を剪定しましょう。
- 株全体を観察して間違った方向に伸びた枝を枝分かれさせたい部分の芽で剪定もしくは誘引しなおしたり、絡み合い茎が混雑している部分を必要に応じて間引き剪定して枝の数を減らしたり、生産性の落ちた古い枝を根元から間引き剪定もしくは枝分かれさせたい部分の芽で剪定します。
夏越しする方法
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:9a~11b
オーストラリアンブルーベル(ピンクチャーマー)は成熟した株であれば軽い霜に耐える事も出来ますが、基本的には霜の降りる地域では、対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。そのため必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理するか、不織布等をかけて霜から株を守ります。
挿し木や株分けで増やす
オーストラリアンブルーベルは挿し木によって増やす事ができます。
オーストラリアンブルーベルの挿し木の方法
- オーストラリアンブルーベルの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
オーストラリアンブルーベルの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約15~20度
発芽日数:28日以上
発芽条件:
オーストラリアンブルーベルの種子は一般的に休眠状態にあり、そのまま撒いても発芽までに時間がかる場合があるため、自然な発芽が待てない場合は播種する前に温水に1晩付けたり冷蔵庫の中で低温処理する等いくつかの手順を踏むことがあります。
植物の病気
オーストラリアンブルーベルの病気
オーストラリアンブルーベルの害虫