タツナミソウ(スクテラリア)属は属の中に約300~400種があり世界の広い地域に分布する亜低木もしくは多年草か一年草です。一般に園芸では、花色が豊富にあるアルピナ種、タツナミソウより小型で這うように茎が広がるコバノタツナミ等が親しまれます。
タツナミソウ(スクテラリア)は基本的に夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすいですが、数年に一度株分けが必要です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①コバノタツナミ 開花時期:5月~6月 | ②アルピナ 開花時期:6月~9月 |
③タツナミソウ 開花時期:5月~6月 | ④コガネバナ 開花時期:5月~6月 |
原産:日本/中国
学名:Scutellaria indica var. parvifolia
草丈:約10~20cm
分類:多年草
開花時期:5月~6月
花色:青色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
花言葉:「私の命を捧げます」「心の動揺を抑えて」
特徴:コバノタツナミはタツナミソウの変種で学名Scutellaria indica var. parvifolia、別名「ビロードタツナミ」とも呼ばれる日本及び中国が原産の多年草です。日本では本州、四国、九州に分布しており海岸に近い林縁等に自生しています。和名「コバノタツナミ」の由来はタツナミソウよりも葉が小さい事からきており、また別名「ビロードタツナミ」は葉に白色の短い毛が密生してビロードの様に見える事に由来しています。
花はタツナミソウと同様に個々の小花が一方の方向を向いて突出する様に立ち上がり、約3~8cmの穂状に小花が密に集まり咲きます。茎は傾状茎で、初め這う様に伸びますが途中から上に立ち上がり高さ約20cmまで成長します。また和名や別名の由来にもなる特徴的な葉は長さが2cm未満と小さく短毛が密生するためビロードの様な感じで、園芸で利用する場合より洗練された魅力を感じさせるためエレガントなお庭等にもよく合うでしょう。
開花時期は晩春から初夏、花色は青色もしくは紫色、長さが約2cmの唇形の小花を長さ約3~8cmの穂状花序に咲かせます。草姿は這性(傾状茎)で高さ約10(20)cm × 幅は約10(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形で葉縁に鋸歯があり葉序は対生葉序につきます。
コバノタツナミは挿し木や株分け、こぼれ種によって増やす事が出来ます。日当りや土質を殆ど気にする必要がなく、夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
コバノタツナミ |
原産:ヨーロッパ/ロシア
学名:Scutellaria alpina
草丈:約10~30cm
分類:多年草
開花時期:6月~9月
花色:赤色●桃色●黄色●青色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:スクテラリア(アルピナ)は学名Scutellaria alpina、別名「アルパイン スカルキャップ(alpine skullcap)」とも呼ばれるヨーロッパ及びロシア東部が原産の多年草です。種小名のアルピナはアルプス産のと言う意味をもち、別名スカルキャップは花後に出来る実が中世の兜(スカルキャップ)の様に見える事に由来します。
花はタツナミソウの様に一方向ではなく様々な方向を向いて咲いており、また他の種と比べて花色が豊富で青色や紫色の他に黄色や桃色等もあるのが特徴です。茎は這性(傾状茎)で初め這う様に伸びますが途中から上に立ち上がり高さ約20cmまで成長します。一般に園芸では這うように広がる草姿から地面や岩肌を被覆するグランドカバーとして利用される事が多く、豊富にある花色からお庭の雰囲気に合わせてロマンティックなお庭なら桃色の花、エレガントなお庭なら上品な青色や紫色の花と品種を選べるでしょう。
開花時期は初夏から初秋、花色は青色や紫色、赤色や桃色、黄色や白色があり唇形の小花を穂状花序に咲かせます。草姿は這性(傾状茎)で高さ約10(20)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形もしくは卵形で葉縁に鋸歯があり葉序は対生葉序につきます。
スクテラリア(アルピナ)は挿し木や株分け、こぼれ種(低温要求性種子)によって増やす事が出来ます。日当りや土質を殆ど気にする必要がなく、夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
アルピナ |
原産:日本/中国
学名:Scutellaria indica
草丈:約20~40cm
分類:多年草
開花時期:5月~6月
花色:青色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:7月3日
花言葉:「私の命を捧げます」
特徴:タツナミソウ(立浪草)は学名Scutellaria indica、別名「スクテラリア・インディカ」とも呼ばれる日本及び中国が原産の多年草で、日本では本州、四国、九州に分布しており山地や林縁等に自生しています。和名「タツナミソウ(立浪草)」の由来は青色の小花が一方向を向いて穂状に咲く姿が泡立ち打ち寄せる波を連想させる所からきていると言われます。
花は個々の小花が青紫色で突出する様に立ち上がり、3~8cmの穂状に小花が一方向を向いて比較的に密に集まり咲き、とても上品な花姿を作ります。直立する茎は最大40cm程度まで成長する事があり、短い地下茎及び地上茎で広がりしばしば群生します。
タツナミソウ(立浪草)は全草が薬草として民間で利用されています。生薬名は「カンシンソウ」と呼ばれ強壮や解毒、鎮痛薬として干した物が煎じて飲まれる事もあるようです。
開花時期は晩春から初夏、花色は青色もしくは紫色、長さが約2cmの唇形の小花を長さ約3~8cmの穂状花序に咲かせます。草姿は地下茎や地上茎で広がり直立する茎を群生する様に伸ばし高さ約20(40)cm × 幅は約10(20)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形で葉縁に鋸歯があり葉序は対生葉序につきます。
タツナミソウ(立浪草)は挿し木や株分け、こぼれ種によって増やす事が出来ます。日当りや土質を殆ど気にする必要がなく、夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
タツナミソウ(立浪草) |
原産:中国/モンゴル/ロシア/朝鮮
学名:Scutellaria baicalensis
草丈:約30~60cm
分類:多年草
開花時期:7月~9月
花色:青色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:コガネバナはタツナミソウの変種で学名Scutellaria baicalensis、別名「バイカルスカルキャップ」や「チャイニーズスカルキャップ」とも呼ばれる中国及びモンゴル、ロシアを原産とする多年草です。日本には江戸期に渡来し薬用植物として小石川御薬園で栽培されたのが始めと言われます。和名「コガネバナ」の由来は生薬にも使われる根の断面が鮮やかな黄金色をしている所からきており、別名「バイカルスカルキャップ」は種小名のbaicalensisからバイカルが取られ、花後に出来る実が中世の兜(スカルキャップ)に見える事に由来します。
乾燥させた根はオウゴン(黄芩)とも呼ばれる生薬で、漢方薬にも多々配合される重要な成分です。一方で副作用として肝障害や間質性肺炎などを引き起こす可能性が強く示唆されており使用量等には注意が必要なようです。
花は唇形で一定の方向を向くように立ち上がり咲き、穂状に小花が密に集まって咲きます。茎は基部から何本も出て叢生し、初め這う様に伸びる茎は途中から上に立ち上がり高さ約60cmまで成長する事があります。
開花時期は夏から初秋、花色は青色もしくは紫色か白色、長さが約2.5cmの唇形の小花を長さ約3~8cmの穂状花序に咲かせます。草姿は這性(傾状茎)で高さ約30(60)cm × 幅は約30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形で全円、葉序は対生葉序につきます。
コガネバナは挿し木や株分け、こぼれ種によって増やす事が出来ます。基本的には丈夫で育てやすい植物ですが、大株になるにつれて枯れやすくなるため2年から3年に一度株分けを行って下さい。
コガネバナ |
アカボシタツナミソウ (´・ω・)p楽天で購入q |