ウマゴヤシは属の中に約101種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、英名アルファルファとも呼ばれ上品な紫色の花が魅力的で幼苗がアルファルファ・スプラウトとして食べられる事もあるムラサキウマゴヤシ、若い葉が食べられたり家畜の飼料にもなるウマゴヤシ等が親しまれています。
ウマゴヤシ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)の特徴や園芸品種
原産:中央アジア
学名:Medicago sativa
草丈:約30~100cm
分類:多年草
開花時期:5月~10月(6月~8月に最も開花)
花色:紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
用途:
特徴:アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)は学名Medicago sativa、別名では「ルーサン」や「パープル・メディック(purple medick)」とも呼ばれる中央アジア原産の多年草です。
アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)の語源(由来)
- 属名のMedicagoは古代ギリシャ語の「μηδίκη(mēdíkē)」に由来します。
- 種小名のsativaは「栽培された」を意味しており、古くは古代イランの時代から栽培されてきた事に由来します。
- アルファルファはアラビア語の「al- fasfasa」からきており「馬の食べ物」を意味しています。
- ムラサキウマゴヤシの由来は花の色が「紫色」をしている所からきています。
- ↳ウマゴヤシの由来は「馬」にとって良い「肥やし」になることからきています。
アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)の特徴(魅力)
- アルファルファは1つの花穂に約30個の紫色の花が集まり上品な雰囲気をつくります。
- アルファルファの果実(豆果)は円盤状(螺旋状)で、縁部分に鋭い棘がありません。
- ↳ウマゴヤシは縁部分に鋭い棘があります。
- 根は直根性で地下水を求めて最大15mの深さまで根を張る事もあるようです。
- アルファルファの根は根粒菌と共生しているため空気中の窒素を固定してえる事が出来ます。
- ↳そのため緑肥として使われる事も多く栄養の少ない土壌も年々豊かになります。
- 葉はタンパク質の含有量が高く口当たりと消化がよいため多くの草食動物により消費されています。
- ↳そのため古代ギリシャ、古代ローマ時代から現代まで優れた家畜の飼料として利用されています。
- アルファルファは播種後3~7日後の幼苗がアルファルファ・スプラウトとして、モヤシの様にスープに入れたりサラダに入れて食べられます。
- ↳また様々な薬効があるため乾燥させたものがサプリメント等に利用されています。
- ↳一方で多量に摂取したり継続的に摂取した場合はアルファルファに含有するカナバニンがタンパク質に悪さをして毒性作用(全身性エリテマトーデス等)を引き起こす事もあるため注意して下さい。
- 春に咲く黄色の小さな花は蜜蜂や小さな蝶々を引き寄せます。
アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)の根は直根性です。草姿は基部でよく分枝して垂直に茎を何本も伸ばし群生する様な草姿をつくります。草丈は高さ約30~100cmの間で成長します。葉は茎に互生葉序に配置され、葉色は緑色、葉身は三出複葉で小葉は倒披針形もしくは楕円形をしています。花序は茎の頂部に密に花が5~30個集まり総状花序をつくり、個々の花は紫色で蝶形をしています。果実(豆果)は直径約0.8cmの円盤状で時計回りに螺旋となります。※ウマゴヤシと違い縁部分に鋭い棘がありません。
開花時期は晩春から秋(初夏から晩夏に最も開花する)、花色は一般的に紫色ですが白色や黄色もあり、個々の花は蝶形、花序は総状花序に咲きます。草姿は直立で高さ約30(100)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は三出複葉して小葉は倒披針形もしくは楕円形、葉序は互生葉序につきます。
アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)の毒性(既知の危険性)
アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)は発芽から数日の幼苗がアルファルファ・スプラウトとして一般的に広く食べられていますが、霊長類にとって毒性のあるカナバニンを含有しています。カナバニンは主に種子に蓄積しており発芽中にアミノ酸に変換されて減りますが、多量に摂取したり継続的に食べる際は健康に悪影響を及ぼす事もあるため注意が必要です。
カナバニンはアルギニンと競合しており、間違えてタンパク質に取り込まれると機能不全の異常なタンパク質が作られます。その結果「自己免疫疾患」や「全身性エリテマトーデス」等の症状を引き起こす可能性があります。
またこれとは関係ありませんが、アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)は自己毒性をもっています。異なる種の成長を阻害するアレロパシーの様な効果で、自己毒性は同じ種内の生育を阻害する働きがあります。そのため連作が難しく、通常は収穫後は違う作物を挟んで輪作されます。
アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)の主な園芸品種
コメツブウマゴヤシの特徴や園芸品種
原産:ヨーロッパ
学名:Medicago lupulina
草丈:約20~60cm
分類:一年草/多年草(短命)
開花時期:4月~7月
花色:黄色●
葉色:緑色●
用途:
特徴:コメツブウマゴヤシは学名Medicago lupulina、別名では「ブラック・メディック(black medick)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の一年草もしくは多年草(短命)です。日本にも帰化しており、道端や海浜等に自生しています。
コメツブウマゴヤシの語源(由来)
- 属名のMedicagoは古代ギリシャ語の「μηδίκη(mēdíkē)」に由来します。
- 種小名のlupulinaは「オオカミの様な」を意味しています。
- コメツブウマゴヤシの由来は花後の果実が「米粒」の様に見える所からきています。
コメツブウマゴヤシの特徴(魅力)
- コメツブウマゴヤシの根は根粒菌と共生しているため空気中の窒素を固定してえる事が出来ます。
- ↳そのため緑肥として利用すれば栄養の少ない土壌も年々土壌が豊かになります。
- コメツブウマゴヤは葉柄が1~2cmと非常に短く果実は黒く総状につきます。
- ↳ウマゴヤシは葉柄が1(~5)cmと長く果実は螺旋状になり鋭い棘をもちます。
- 春に咲く黄色の小さな花は蜜蜂や小さな蝶々を引き寄せます。
コメツブウマゴヤシの根は直根性です。草姿は基部でよく分枝して匍匐する様に広がり、また地面を這い途中で立ち上がる傾伏茎の性質もあります。草丈は高さ約20~60cmの間で成長します。葉は茎に互生葉序に配置され、葉柄は約1(~2)cm、葉色は緑色、葉身は三出複葉で小葉は倒卵形もしくは楕円形をしています。花序は茎の頂部に密に花が10~20個集まり総状花序をつくり、個々の花は黄色で蝶形をしています。花後の果実は黒く総状に並んでつきます。
開花時期は春から夏、花色は黄色、個々の花は蝶形、花序は総状花序に咲きます。草姿は這性で高さ約20(60)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は三出複葉して小葉は倒卵形もしくは楕円形、葉序は互生葉序につきます。
コメツブウマゴヤシの主な園芸品種
コメツブウマゴヤシ |
ウマゴヤシの特徴や園芸品種
原産:ヨーロッパ
学名:Medicago polymorpha
草丈:約20~60cm
分類:一年草
開花時期:3月~6月
花色:黄色●
葉色:緑色●
用途:
特徴:ウマゴヤシは学名Medicago polymorpha、別名では「カリフォルニア・バークローバー(California burclover)」や「トゥースト・バークローバー(toothed bur clover)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の一年草です。日本にも牧草として入って来たものが帰化しており、道端や海浜等に自生しています。
ウマゴヤシの語源(由来)
- 属名のMedicagoは古代ギリシャ語の「μηδίκη(mēdíkē)」に由来します。
- ウマゴヤシの由来は恐らく「馬」にとって良い「肥やし」になることからきています。
ウマゴヤシの特徴(魅力)
- ウマゴヤシはタンパク質を多く含有しており栄養価が高く口当たりが良いため、若い葉が食用の野菜(生・温)として食べられています。
- ↳また家畜の飼料としても利用されています。
- 春に咲く黄色の小さな花は蜜蜂や小さな蝶々を引き寄せます。
- ウマゴヤシの果実(豆果)は円盤状で縁部分に鋭い棘があります。
ウマゴヤシの根は直根性です。草姿は基部でよく分枝して匍匐する様に広がり、また地面を這い途中で立ち上がる傾伏茎の性質もあります。草丈は高さ約20~60cmの間で成長します。葉は茎に互生葉序に配置され、葉柄は約1(~5)cm、葉色は緑色、葉身は三出複葉で小葉は倒卵形もしくは倒心形をしていて縁部分に鋸歯をもちます。花序は花が2~10個の花が集まり総状花序につき、個々の花は黄色で長さ0.4(~0.5)cmの蝶形をしています。花後の果実(豆果)は直径約0.6(~0.7)cmの円盤状で時計回りに螺旋となり縁部分には鋭い棘があります。
開花時期は早春から初夏、花色は黄色、個々の花は蝶形、花序は総状花序に咲きます。草姿は這性で高さ約20(60)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は三出複葉して小葉は倒卵形もしくは倒心形をしていて部分には鋸歯をもち、葉序は互生葉序につきます。
ウマゴヤシの主な園芸品種
ウマゴヤシ |