- 原産:南アメリカ
- 科:クマツヅラ(Verbenaceae)
- 属:バーベナ(Verbena)
- 種:ボナリエンシス(Verbena bonariensis)
- 別名:三尺バーベナ/ヤナギハナガサ/パープルトップ・バーベイン(purpletop vervain)/クラスタートップ・バーベイン(clustertop vervain)/アルゼンチン・バーベイン(Argentinian vervain)
- 開花時期:6月~11月
- 花の色:紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約30~200cm
- 誕生花:5月25日
- 花言葉:勤勉/忍耐/魅惑/幸運に
- 用途:開花期間長い/背が高い花/ナチュラルガーデン
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
バーベナ(ボナリエンシス)とは!?
バーベナ(ボナリエンシス)は学名Verbena bonariensis、別名では「三尺バーベナ」や「ヤナギハナガサ」等とも呼ばれる南アメリカが原産の多年草です。
バーベナ(ボナリエンシス)の語源(由来)
- 属名のVerbenaは、ラテン語で宗教的な儀式で使用される神聖な植物の「葉」または「小枝」を意味しており、またインド・ヨーロッパ祖語で「回す」「曲げる」を意味する「werb」に由来します。
- 種小名のbonariensisは、アルゼンチンの「ブエノスアイレス(Buenos Aires)」を意味しており、自生地に由来します。
- 三尺バーベナの由来は、草丈がおおよそ三尺(約90cm)ある所からきています。
- ヤナギハナガサの由来は、柳の様な葉の形と、花笠の様な花姿からきています。
バーベナ(ボナリエンシス)の特徴(魅力)
- バーベナ(ボナリエンシス)は、開花期間が長く初夏頃から晩秋まで殆ど休みなく、コロンとした可愛らしい外観の紫色の花を、茎の頂部に咲かせ続ける事から、園芸でも人気の高い植物です。
- バーベナ(ボナリエンシス)は別名では「三尺バーベナ」とも呼ばれており、三尺の名前からもわかる通り背が高くなるため、園芸では花壇の中で立体感を出したり、花壇の後方の背景として利用されたりします。
- 草姿は直立、茎は節間が長くなる傾向が強く、また節からよく分枝するため、茎と茎が何度も交差して、やや乱雑な印象を与える事があります。
- 一方で茎の間の節間が長く、葉も少なく葉の形も細長いため、茎の間には空間が多く、沢山の太陽の光を通して風通しもよいです。そのため他の植物の成長をあまり阻害せず、混植しやすいです。
- 茎には剛毛が生えており、触るとザラザラとしてヤスリのような質感があります。
- 開花期間が非常に長く、殆ど休みなく初夏頃から晩秋頃まで咲き続けるため、長い期間、お庭全体をナチュラルガーデンのように彩る事が出来ます。
- 花序は穂状花序が散房状(花軸が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に集まるため、茎の頂部で半球状の外観となり「コロン」とした可愛らしい花姿を楽しめます。
- バーベナ(ボナリエンシス)の花は蝶々が好む花としても知られており、バタフライガーデンに取り入れたい花として必ずランクインしてくる植物です。
- そのため、バーベナを植えると、蜜を求めて蝶々が花の周りを優雅にひらひらと飛び回るようになり、お庭全体が昆虫と共生するナチュラルな雰囲気になりやすいです。
- バーベナ(ボナリエンシス)は夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です
- バーベナ(ボナリエンシス)は、こぼれ種から容易に増えるため雑草化しやすく、日本でも北海道・本州・四国・九州に広く帰化しており、野原や道端などに自生しています。
- 簡単に引き抜けるため駆除は簡単ですが、種が広がり、植え付けしてない花壇など思わぬ所で成長を始める事もあるため注意が必要です。
バーベナ(ボナリエンシス)の草丈は30(~200)cm、草姿は直立、茎は節間が長くなる傾向があり、節からよく分枝します。茎は断面が四角形、茎の中は中空、茎の色は緑色、茎には剛毛が生えています。※株は成熟すると地表面に匍匐する木質化した茎があり、そこから茎を何本ものばします。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~10)cm、葉身は基部が広く抱茎(基部が広く茎を抱く)しており、葉身の形は線形または狭楕円形、葉のふち部分に鋸歯があります。
花序は穂状花序が散房状(花軸が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に集まるため、茎の頂部で半球状の外観を作ります。花冠は高杯形、高杯形花冠は花弁が合着しており筒部が長く先端が皿状に開きます。花冠の直径は約0.5cm、花冠の裂片は5個、花の色は紫色、雄蕊は4個あります。
果実は分離果(1個の雌蕊が複数の子房を持っており、熟すと各心皮に離れて縦に割れ各部が分離する果実をいいます。分離した果実は分果と呼ばれます)、分離果は4個の分果になります。
バーベナ(ボナリエンシス)の園芸品種の紹介
- ロリポップ(verbena bonariensis ‘lollipop’)は、普通のバーベナ・ボナリエンシス種と比べて、草丈が著しく低く、コンパクトな草姿をつくり、株を覆うように沢山の花を咲かせるため、鉢植えや花壇の縁どりなどに使いやすい魅力的な園芸品種です。草姿はドーム状、株は高さ約60cm、幅は約60cmに成長します。
- メテオールシャワー(verbena bonariensis ‘meteor shower’)は、普通のバーベナ・ボナリエンシス種と比べて、草丈が低く、また横への広がりも少ないため、小さな花壇でも育てやすいコンパクトな草姿をつくります。また花は多花性で、株を覆うように沢山の花を咲かせるため、花壇の中央で立体感を出すのにぴったりなな園芸品種です。草姿は直立、株は高さ約50~75cm、幅は約30cmに成長します。
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バーベナの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
バーベナ(ボナリエンシス)の育て方
花壇の土づくり
日当り
バーベナ(ボナリエンシス)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また、半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事も出来ますが、花数が少なくなります。
土壌の土質
バーベナ(ボナリエンシス)は基本的に土壌の水はけが良ければ、栄養の乏しい土壌でも、肥沃な土壌でも問題なく育てる事が出来ます。ただし、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
バーベナ(ボナリエンシス)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また、半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事も出来ますが、花数が少なくなります。
培養土
バーベナ(ボナリエンシス)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
バーベナ(ボナリエンシス)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
バーベナ(ボナリエンシス)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
剪定のやり方
バーベナ(ボナリエンシス)は、早春に切り戻し剪定を一回だけ行います。切り戻し剪定を複数回行う事も出来ますが、側枝が横に張り出して外観が崩れる事があります。花がら摘みは基本的に不要ですが、こぼれ種を防ぎたい場合、外観を乱す場合は必要に応じて花がら摘みする事もできます。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎ茎を途中で剪定して形を整える剪定方法です。切り戻し剪定の目的は「外観を整える目的」「日当たり改善」「風通し改善」「蒸れ防止」「病害虫予防」「生産性の高い新しい成長を促す」「茎の数を増やす」などの目的があります。
バーベナ(ボナリエンシス)の切り戻し剪定は、春からの新しい成長を促す目的、外観を整えて茎が真っ直ぐ伸びるようにする目的などがあります。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定は新しい成長が始まる前の早春に行います。
- 健康な茎は残して、枯れた茎や健康そうでない茎は根元から取り除きます。
- 主茎を地面から10~30cmの間で切り戻し剪定しましょう。
- 主茎から出る側枝は、茎の途中から切り戻し剪定、または根元から間引き剪定します。
- 側枝の途中から勢いよく真上に伸びる脇芽がある場合は残しておきます。
冬越しする方法
Hardiness:7b~11a
バーベナ(ボナリエンシス)は、耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。ただし寒さが厳しい地域では、必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
- 地植えで育てている場合は、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。