ペチュニアは属の中に約20種がありますが、一般に園芸で親しまれているペチュニアは1800年代にPetunia axillaris(南アメリカ)とPetunia integrifolia(アルゼンチン)が交雑されてうまれた雑種とその園芸品種です。ペチュニアは均一なサイズや特性(耐候性等)で幾つかのタイプ(シリーズ)に分けられ販売される事も多いため、それを参考にしながら品種選びをするといいでしょう。
ペチュニア属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ペチュニアの特徴や園芸品種

原産:南アメリカ
学名:Petunia × hybrida
草丈:約15~45cm
分類:多年草
開花時期:4月~11月(理想的な環境では周年咲き通常は4月から8月に最も開花)
花色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●青色●緑色●黒色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
誕生花:5月18日/7月22日/8月16日/9月25日
花言葉:心が和む/心の平安/決して諦めない/あなたと一緒なら心が安らぐ
用途:開花期間長い/グランドカバー
特徴:ペチュニアは学名Petunia × hybrida、属の中に約20種がありますが、一般に園芸で親しまれるペチュニアは1800年代にPetunia axillaris(南アメリカ)やPetunia integrifolia(アルゼンチン)が交雑されてうまれた雑種の多年草です。
ペチュニアの語源(由来)
- ペチュニアの由来はグアラニー語の「pety」からきており、そこからポルトガル語で「タバコ」を意味する「petum」、同様にフランス語で「タバコ」を意味する「petun」となり、最後に現在の「Petunia」に変化しています。
ペチュニアの特徴(魅力)
- ペチュニアの草姿は「ドーム状」「匍匐性」の2タイプあるためそれぞれ目的に合わせて利用するといいでしょう。
- ↳こんもりドーム状タイプは花壇の中でボリュームを出したり鉢植えの中でも均一にモコモコ育つ姿が魅力的です。
- ↳匍匐性タイプは花壇の縁どりとして利用したりハンギングバスケット等で下垂する優雅な草姿と花を鑑賞したりします。
- 園芸品種が非常に多くあるため様々な花形や花色があります。
- 花は品種により夏に休んだり切り戻しにより開花が途切れる場合もありますが、春から秋まで持続的に開花する品種が多いです。
- 品種の中には花が自ら落ちて自浄作用がある品種(スーパーチュニア等)もあります。
- ペチュニアは種から容易に増やせるため大量植栽しやすいです。
- 茎は白色の腺毛が生えるためベトベトとしています。
- ↳虫(アリ)が登ってこないようにする為といわれています。
- ペチュニアは雨に弱いため長雨時には管理に注意が必要です。
- 霜に当たると枯れてしまうため通常は冬に枯れる一年草として扱われます。
ペチュニアの草姿はコンパクトなドーム状もしくは匍匐する様に地面を広がります。茎の色は緑色で白色の毛(腺毛)が生えており粘付き、茎はよく分枝して高さ約15(~45)cm幅は15(120)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序もしくは互生葉序に配置され、葉色は緑色で白色の毛が生えており、葉身は披針形か楕円形か卵形です。花序は腋生して、個々の花の大きさは約2(~13)cmで花冠は漏斗形で花先が5裂、もしくは八重咲きします。花後に出来る果実は蒴果で多数の小さな種をつけます。
開花時期は春から晩秋(理想的な環境では周年咲き通常は4月から8月に最も開花)、花色は赤色や桃色、黄色や橙色、青色や紫色、緑色や白色、黒色があり、個々の花は直径約2~12cmの漏斗形で花先が5裂もしくは八重咲きして、花序は腋生します。草姿はドーム状もしくは匍匐して高さ約15(~45)cm × 幅約15(150)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形か卵形か楕円形、葉序は対生葉序もしくは互生葉序につきます。
ペチュニアの分類(タイプ)
ペチュニアは均一なサイズや特性等で幾つかのタイプ(シリーズ)に分けられることがあります。
- グランドフォリア系(Petunia grandiflora)
- マルチフローラ系(Petunia multiflora)
- フロリバンダ系(petunia floribunda)
- ミリフローラ系(Petunia milliflora)
- ウェーブ系(petunia spreading or Wave)
- スーパーチュニア系(petunia supertunia)
- サフィニア系(petunia Surfinia)
グランドフォリア系(Petunia grandiflora)
グランドフォリア系とは、1950年代に生まれた最も古いタイプのペチュニアの品種の1つです。グランドフォリア系の特徴は直径10~13cmになる非常に大きな花にあります。花は大きい反面、雨に弱いため傷ついたり腐敗しやすく、また花数が少ない傾向にあります。草姿は一般的にドーム状になり高さ40cm程度まで成長しますが、匍匐する様に広がるタイプもありハンギングバスケット等で楽しまれる事もあります。
マルチフローラ系(Petunia multiflora)
マルチフローラ系とは、マルチ(複数)フローラ(花)の名前からも分かる通り多花性のペチュニアです。花は直径約5cmと小さめですが、花色が豊富にあり、降雨熱・湿度に優れた耐性があります。草姿はグランドフォリア系と比べてコンパクトな傾向があります。
フロリバンダ系(petunia floribunda)
フロリバンダ系とは、グランディフローラとマルチフローラの交雑種です。それぞれの良い特性を受け継いでおり、マルチフローラの様に沢山の花を咲かせ、降雨に優れた耐性があり、花の大きさはグランドフォリア系とマルチフローラ系の中間程の大きさがあります。
ミリフローラ系(Petunia milliflora)
ミリフローラ系とは非常にコンパクトな草姿と小さな花が魅力の品種です。草姿は高さ幅ともに20cm以下と小さくコンパクトで、基本的に摘芯や切り戻しが不要です。花は直径約2~4cmと非常に小さく、持続的に非常に沢山の花を開花させます。
ウェーブ系(petunia Wave)
ウェーブ系とは1995年に導入されたペチュニアのシリーズです。地面を匍匐する様に広がる草姿が特徴で、成長が早く最大150cmまで広がる事もあります。ウェーブ系は基本的に花がら摘みが不要です。ただし夏の暑さで弱る事があるため、必要に応じて切り戻しした方がいい場合もあります。
ペチュニア・ウェーブ(petunia wave)
ペチュニア・ウェーブは成長が速く、高さ約10(20)cm幅約90(120)cmまで成長します。
ペチュニア・イージーウェーブ(petunia easy wave)
ペチュニア・イージーウェーブは成長が早く、高さ約15(30)cm幅約60(90)まで成長します。
ペチュニア・タイダルウェーブ(petunia tidal wave)
ペチュニア・タイダルウェーブは非常に成長が早く、高さ約30(50)cm幅約90(150)cmまで成長します。
スーパーチュニア系(petunia supertunia)
スーパーチュニア系はProvenWinnerからでる品種群です。スーパーチュニア系の特徴は花が自ら落ち自浄作用がある所で、花がら摘みが必要ありません。非常に品種が多く、多くの花色と花形(一重・八重咲き等)がある所も魅力です。また優れた耐病性や丈夫さがあります。スーパーチュニアは肥料を沢山欲しがります。しっかり肥料を与えると葉が見えなくなる程の花と、持続的な開花が見込まれます。
スーパーチュニア・ビスタ(Supertunia Vista)
スーパーチュニア・ビスタは非常に成長が早く、草姿は高さ約30(40)cm幅約80(100)cmまで成長して、花は通常は5(~ 6)cmです。ビスタ・ミニは高さ約30(40)cm幅約70cmまで成長して、花は通常約3(4)cmです。
スーパーチュニア・チャーム(Supertunia charm)
スーパーチュニア・チャームは非常に枝分かれがよく多数の茎と花を生み出す所が特徴で、草姿は高さ30(45)cm幅約45(60)cmに成長します。
スーパーチュニア・プラス
スーパーチュニア・プラスは高さ約20cm幅約60cmに成長するペチュニアです。優れた耐暑性があります。
サフィニア系(petunia Surfinia)
サフィニア系とは1989年にサントリーと京成バラ園芸が共同で作出したペチュニアの園芸品種です。滝の様に垂れる草姿が魅力で、ハンギングバスケットやウィンドウボックス等で育てる際に人気の高い品種です。また滝の様に垂れる草姿からカスケーディア系に含め扱われる事もあります。優れた耐候性(太陽光・温度・湿度・風雨)があるため、高温多湿の日本でも育てやすく、また世界でも人気がある高い品種です。非常に多花性で長い期間、花が楽しめて、また不稔性(種を付けない)が高いため株が弱りにくい所も魅力です。
サフィニア
サフィニアは花色が豊富で草姿は高さ約30cm幅約70(100)cmにします。花径は中輪約4(6)cm、大輪約7(10)cmあります。
サフィニアアート
サフィニアアートはアートの名前からも分かる通り個性的な班が入る所が魅力です。草姿は高さ約30cm幅約60(100)cmにします。花径は約4(6)cmあります。
サフィニアブーケ
サフィニアブーケは節間が短く花束の様にキュッと詰まる花姿が魅力の品種です。枝分かれが良いため摘芯が不要で、また花がら摘みも不要(切り戻しは必要)とされています。草姿は高さ約20(30)cm幅約40(60)cmにします。花径は約3cmになります。
サフィニアフリル
サフィニアフリルはフリルの様に波打つ花弁が幾重にも重なり八重咲きする華やかな花姿が魅力の園芸品種です。草姿は高さ約20(30)cm幅約40(60)cmにします。花径は約3(4)cmになります。
ペチュニアの栽培方法
園芸では、春から秋まで持続的に開花する花を鑑賞する目的だったり、地面や鉢縁を被覆するように広がる優雅な草姿を鑑賞する目的等で育てられる事が多いです。また非常に豊富な花色があるため、お庭の雰囲気に合わせて品種を選べる所も魅力です。
ペチュニアを育てる際に注意する事は「長雨」「肥料切れ」です。ペチュニアは基本的には丈夫で育てやすい多年草(冬に枯れる一年草)ですが、雨に当たると花が傷んだり病気になりやすいため管理に注意が必要になります。また肥料食いのため持続的な開花の為にはしっかり肥料を与える必要があるでしょう。ペチュニアは多年草ですが、基本的には冬の寒さに当たると枯れる一年草として扱われています。
ペチュニアの主な園芸品種
スーパーチュニア
- スーパーチュニアはProvenWinnerからでる品種群です。
- スーパーチュニアは、花が終わると自ら落ちる性質があるため、基本的に花がら摘みが不要で育てられます。
- 花色や花形が豊富なためお庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来ます。
- 優れた耐病性があり丈夫なため育てやすいです。
- 多花性のため、しっかり肥料を与えて育てると株を覆うように沢山の花を咲かせます。
ウェーブ
ウェーブ系とは1995年に導入されたペチュニアのシリーズです。地面を匍匐する様に広がる草姿が特徴で、成長が早く最大150cmまで広がる事もあります。ウェーブ系は基本的に花がら摘みが不要です。ただし夏の暑さで弱る事があるため、必要に応じて切り戻しした方がいい場合もあります。

ペチュニア・ウェーブ(petunia wave)
ペチュニア・ウェーブは成長が速く、高さ約10(20)cm幅約90(120)cmまで成長します。

ペチュニア・イージーウェーブ(petunia easy wave)
ペチュニア・イージーウェーブは成長が早く、高さ約15(30)cm幅約60(90)まで成長します。

ペチュニア・タイダルウェーブ(petunia tidal wave)
ペチュニア・タイダルウェーブは非常に成長が早く、高さ約30(50)cm幅約90(150)cmまで成長します。
サフィニア

- サフィニアとは1989年にサントリーと京成バラ園芸が共同で作出したペチュニアの園芸品種です。
- 優れた耐候性(太陽光・温度・湿度・風雨)があるため、日本の高温多湿でも育てやすく、また雨に強い性質等から世界でも高い人気があります。
- サフィニアは「サーフ」と「ペチュニア」の二語からきており、波のように流れる草姿をしており、ハンギング仕立て等にされてウィンドウボックス等で育てる際に人気の高い品種です。
- 多花性のため、しっかり肥料を与えて育てると株を覆うように沢山の花を咲かせます。
- 花色や花形が豊富なためお庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来ます。
- 不稔性(種を付けない)が高いため、種作りに栄養が回らず、株が弱りにくいです。
サフィニア
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サフィニアブーケ
| サフィニアフリル
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ドレスアップ

- ドレスアップとはタキイ育成のダブルペチュニアです。
- ドレスアップは花弁がフリルドレスの様に波打ち、八重咲きに咲く華やかな花姿が魅力です。
- カラーバリエーションが豊富にあるため、お庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来ます。
- 株はコンパクトでこんもり盛り上がる草姿をつくります。
ギュギュ
- ギュギュは草姿が立性、茎が真っ直ぐと成長する習慣があり、短い茎と節間、分枝がよいため、コンパクトで「ギュギュッ」と詰まった外観をしています。
- 草姿が乱れにくく、ベランダ等の省スペースで育てるのにおすすめの品種です。
- 花は小輪で多花性の性質をもち、切り戻ししながら育てると開花が揃い、株を覆うような美しい花姿が楽しめます。
ピルエット
ピルエットは種子系のペチュニアです。そのため種から沢山育てられ大量植栽もしやすいです。花は八重咲きで、花弁がフリルの様にひらひらと波打つため柔らかで華やかな印象を与えます。草姿は高さ幅ともに30cm程度の大きさになりコンパクトです。
ディーバ
ディーバは種子系のペチュニアです。そのため種から沢山育てられ大量植栽もしやすいです。花は直径約7cmと大きく一重咲きで、花弁は雨に強いため傷みにくく、強健で暑さに強いため夏も持続的に開花します。草姿は高さ幅ともに30cm程度の大きさになりコンパクトです。
ソフィスティカ
ソフィスティカは種子系のペチュニアです。そのため種から沢山育てられ大量植栽もしやすいです。花はグランドフォリア系で大きく直径約10cmになります。草姿は直立もしくはドーム状になり、高さ幅ともに約20(~40)cmの間で成長します。
その他の品種
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