植物の夏越しを成功させる上で最も大切な事は「暑さと日差し対策」と「乾燥と多湿対策」の2ポイントです。植物によって生育適温はことなりますが基本的に暑くなると光合成や呼吸の量を増やし、高くなりすぎるとこれらのバランスが崩れ問題を引き起こします。
また梅雨時期の長雨は植物を成長させる事もありますが、多湿を苦手にする植物等は根腐れや葉の病気を引き起こし株が弱ったり枯れたりします。一方で夏は土壌が乾燥しやすく気付いたら水不足で植物が枯れてしまっていた何て事も多々あります。
また「暑さ」「強い日差し」「乾燥」が組み合わさり複合的ストレスとして植物にかかると致命的な影響となりやすいため注意が必要でしょう。
1.日陰をつくる
暑さが苦手な植物や強い日差しが苦手な植物は、半日陰や部分的な日陰に移動してあげたり遮光ネット等で日差しを遮るのが最も効果的な対策です。ただし完全な日陰におくと植物は光合成が出来ずに弱るため注意して下さい。
2.水やりと灌水システム
土壌が乾燥しやすくなる夏は、普段なら数日に1度で良かった水やりも毎日する必要が出てくるでしょう。特に暑さや日差しが強い夏は乾燥すると蒸散による体温管理が上手く出来なくなったり光合成が上手く出来なくなったりと悪影響が重なり、通常より酷い影響を受けることもあります。
とは言え毎日時間に追われながら水やりのために10分~20分の時間をとるのはなかなか苦行であり、つい水やりを忘れてしまい植物を枯らせてしまうかもしれません。
その様な場合は自動灌水装置を庭やプランターに巡らせておけば、自動で毎日水やりをしてくれて負担を減らすことができます。また自動灌水装置が故障した時の事を考えて自動装置は付けずに灌水装置だけを設置して、ホースを繋いで蛇口を捻れば水やりを行うようにしておくだけでも負担は大きく軽減されるでしょう。
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 4mmの灌水ホースを繋ぐためジョイント、5本に分岐しておりそれぞれ4mmの灌水ホースが繋げられます。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | ジョイントに繋げて目的の場所まで送水するためのホース、ハサミ等で切って使用する。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 4mmのホースをジョイントするための道具、4分岐しておりプランターの水やりのためにホースを増やす時に便利、使わない部分は蓋をしておく事が出来る。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 長さ5mのホースで30cm毎に点滴タイプの水が出る。花壇の水やりに便利で水道代の節約にも繋がる。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | 柔らかタイプの散水スプリンクラー、プランターの水やりに向いており、上部のネジを開ける事で水流の強さが調整出来ます。 |
![]() (* ˙-˙ p楽天で購入q | ミストタイプの灌水装置、ネジを閉めることで水の勢いを調節する事が出来ます。挿木やプランターの水やり、葉裏に散水する事でハダニ対策にも使えます。 |
3.雑草の除去とマルチング
土壌の乾燥や急激な温度変化から根を守る為に植物の周りにマルチング資材を入れましょう。マルチングはこの他にも水やりや降雨時の泥跳ねを防ぎ斑点病等の病気を予防します。
4.肥料を控える
肥料を沢山与えると植物は大きく成長すると同時に細胞が柔くなり病気や暑さに弱くなります。そのため夏越しする植物は一般的に1ヶ月から2ヶ月位前から肥料を与えずに育てられ夏越し後に肥料が与えられます。
また暑さによるストレスを受けている植物は肥料を与えると水分の欠乏を起こしやすくなり、吸収された肥料(塩)も蒸散をとおして葉に蓄積して組織に大きな損傷(葉縁の枯れ)を与える事があります。
5.梅雨の多湿対策
何日も続く梅雨の長雨は植物を成長させる事もありますが、多湿を苦手にする植物や病気に弱い植物等は致命的な影響を受けて枯れてしまう事もあります。
多湿に弱い植物は必ず土壌の通気性を良くし、病気に弱い植物は泥跳ねを防ぐためにマルチングする等するといいでしょう。また根本的な対策として雨に当てない場所に移動するのもいいでしょう。
6.夏の切り戻し
切り戻しを行う事で、葉(蒸散)と根(吸水)のバランスをとり水不足による枯れや萎れを防ぐ事ができます。ただし真夏に切り戻しを行うと植物は大きなストレスを受けてしまうので注意して下さい。切り戻しの時期は植物に合わせて行いましょう。
7.その他の対策
1.化成肥料のかわりにミネラルやアミノ酸がたっぷりの有機肥料を普段から与えられた植物は、病気や環境ストレスに対して強くなる事が知られています。
2.プランターは急激な温度変化の影響を受けやすいため、二重にしたり地面に埋めて高温で根が傷むのを防ぎましょう。
3.すのこや花台にプランターを乗せる事で、輻射熱によりプランターが温められるのを防ぎ、高温で根が傷むのを防ぎます。
4.花がら摘みをこまめに行う事で、種子づくりによるエネルギーの損失を防ぎ株が弱るのを防ぎます。