ケストルム属(キチョウジ属)の種は約232種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは2種類の原種と、いくつかの園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ケストルム属(キチョウジ属)の主な種と園芸品種の紹介
夜香花(ヤコウカ)
夜香花(ヤコウカ)とは!
夜香花・ヤコウカ(学名: Cestrum nocturnum)は、別名で「ヤコウボク」「夜咲きジャスミン(night-blooming jessamine)」「レディ・オブザ・ナイト(lady of the night)」「ナイト・センテッド・ケストルム(night-scented cestrum)」とも呼ばれるナス科ケストルム属(キチョウジ属)に分類される常緑低木です。
夜香花(ヤコウカ)の原産地は中央アメリカから南アメリカ北部で、自生地は林縁、草地(薮)、河川沿い等に見られます。
夜香花(ヤコウカ)の特徴
- 形態:樹高は約100~400cm、生育型は主軸がハッキリとしている直立型、主軸がハッキリとせず分枝が多い分枝型になります。葉の形は楕円形・狭楕円形・披針形で常緑です。開花は周年、花序は集散花序で多数の花が円錐花序につきます。
- 花の魅力:開花は主に6月から10月頃ですが、自生地の熱帯では一年を通し花が咲くため、長く花を楽しみたい人に好まれます。花穂は円錐状に花が集まり沢山の花が集まり咲きますが、花は細長く華奢で薄い緑色から白色をしているため、見た目は地味な印象を与えます。ただし、夜間に強い芳香が漂うため、この香りを楽しむ目的で一般的に栽培されます。
- 香りの特徴:夜香花(ヤコウカ)の花には、非常に強い柑橘類を想像させる甘い香りがあります。この芳香を生みだす主要な精油はフェランドレン、酢酸ベンジル、リナロール、オイゲノール、cis-3-ヘキセニルアセタートなどが含まれ、香りに複雑さと奥行きを与えています。本種は、この香りを楽しむ目的で、植え込みに植栽されて近くを通る度に香りが楽しめるようにされたり、玄関先に飾られて出かける際に香りが楽しめるようにされたり、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩しながら香りが楽しめるようにされたり、短命ですが切り花として部屋に飾り充満する香りが楽しまれたりします。
- 注意点:本種は香りが強いため、1部の人は呼吸器系の問題を引き起こしたり、また頭痛を引き起こすことがあります。またソラニンなどの有毒なアルカロイドやサポニン等を含むため、全草とくに果実は食べられません。
ケストルム・アウランティアクム

ケストルム・アウランティアクムとは!
ケストルム・アウランティアクム(学名: Cestrum aurantiacum)は、別名で「オレンジ・ケストルム(orange cestrum)」「オレンジ・ジャスミン(orange jessamine)」「イエロー・ケストルム(yellow cestrum)」とも呼ばれるナス科ケストルム属(キチョウジ属)に分類される常緑低木です。
ケストルム・アウランティアクムの原産地は中央アメリカから南アメリカ(ベネズエラ)で、自生地は山地の森林などに見られます。
ケストルム・アウランティアクムの特徴
- 形態:樹高は一般的に約150~400cmで、生育型は主軸がハッキリとしている直立型、主軸がハッキリとせず分枝が多い分枝型、または地際から茎が何本も出て株立ちする叢生型です。開花は熱帯では周年、花序は集散花序で多数の花が円錐状につきます。
- 花の魅力:開花は主に5月から10月頃ですが、自生地の熱帯では一年を通し花が咲くため、長く花を楽しみたい人に好まれます。花穂は円錐状に花が集まり沢山の花が集まり、色鮮やかな橙色または黄色の花が咲くため、トロピカルな雰囲気のお庭によく調和します。また、夜香花(ヤコウカ)ほどではないですが夜間に強い芳香が漂うため、この香りを楽しむ目的でも栽培されます。