このページは、植物を栽培する上で参考となる【バイオーム】【土壌の分類】【気候】の3つの分類を詳しく紹介しています。
バイオームについては31種類、気候はケッペンの気候区分に基づいた分類群、土壌の分類ではWRBに基づいた32種類の土壌を紹介しています。植物を栽培する際の参考にご利用ください❣️
■目次
- アクリソル(Acrisol)
- アリソル(Alisol)
- アレノソル(Arenosols)
- アンスロソル(Anthrosols)
- ウンブリソル(Umbrisol)
- カルシソル(Calcisols)
- カンビソル(Cambisols)
- グライソル(gleysol)
- 栗色土(Kastanozem・Chestnut soils)
- 黒ボク土(Andosols)
- ジプシソル(Gypsisols)
- スタグノソル(Stagnosol)
- ソロネッツ(Solonetz)
- ソロンチャク(Solonchak)
- チェルノーゼム(Chernozem)
- デュリソル(Durisol)
- ニチソル(Nitisol)
- バーティソル(Vertisols)
- ヒストソル(Histosol)
- フェオゼム(Phaeozem)
- フェラルソル・ラトソル(Ferralsols・Oxisol)
- プラノゾル(Planosol)
- プリントソル(Plinthosol)
- フルヴィソル(fluvisol)
- ポドゾル(Podzol)
- リキシソル(Lixisols)
- ルビソル(Luvisols)
- レゴソル(Regosol)
- レティソル(Retisol)
- レプトソル(Leptosol)
■バイオーム(生物群系)

バイオーム(生物群系)とは、気候(気温・降水量)によって決定される、植生と動物相をひとつの大きな単位として区分(熱帯雨林、夏緑樹林、高山ツンドラなど)したものです。
バイオームは動植物の分布を理解する上で重要な概念のひとつとして利用されており、ここでは植物を育てる時の環境づくりのヒントとして利用できるように一覧にして紹介しています。
- 主要なバイオーム
- 熱帯雨林
- モンスーン林(別名:雨緑樹林)
- 亜熱帯湿林
- 亜熱帯乾燥林
- 温帯広葉樹林
- 温帯針葉樹林
- 地中海性植生
- 乾燥性灌木地
- ステップ
- サバンナ
- 砂漠
- 高山ツンドラ
- タイガ
- その他の植生
- 温帯草原(ステップ・プレーリー・パンパ・日本の草原)
- 熱帯林(熱帯雨林・モンスーン林)
- 温帯林(夏緑樹林・照緑樹林・硬葉樹林・混合林)
- 亜寒帯林
- 河畔林
- 有刺林
- ヒース
- フィンボス
- 海岸砂丘植生
- 石灰岩地植生・カルスト植生
- 露頭
- 湿地
- 湖
- 沼地
- マングローブ
- 雲霧林
- 荒れ地
- 牧草地
●主要なバイオーム
熱帯雨林

- 熱帯雨林(Tropical forests): 一年を通して温暖で、雨季と乾季の区別がなく降水量の多い地域に見られるバイオームです。生命の宝庫と呼ばれるほどに、生物の多様性が高く、数十mに達するほどの高木が多数密生しています。生物の多様性がある一方で、高温による分解の早さや、降水量の多さから、腐植層は浅く肥沃さがほぼない土壌となります。
- 主要な分布域:東南アジア/アフリカ/南アメリカ/中央アメリカ
- 気候:熱帯雨林気候
- 植生:多くは常緑樹で数十メートルに達する高木が多数生えています。草本類も多様で、ツル植物や着生植物も見られます。
- 土壌分類:アクリソル(Acrisol)・フェラルソル(Ferralsol)等
- 土壌:一般的に粘土質ですが、表層の土壌は鉄・アルミニウムの酸化物と粘土が結合し砂状構造をしています。また表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、下層に粘土の集積層があります。植生の多くは常緑樹で落葉の堆積が少なく、高温で有機物の分解速度が早く、多雨による腐植の流失などが起こるため、土壌は痩せている傾向にあります。
モンスーン林(別名:雨緑樹林)

- モンスーン林(monsoon forest):熱帯の中で長い雨季と明瞭な乾季(数ヶ月)がある森林のバイオームです。熱帯雨林と違い、乾季があるため落葉する樹木が見られ、一時的に林内が開け明るくなる時期があります。またサバンナと違い樹木が生い茂り森林を形成します。
- 主要な分布域:東南アジア/インド亜大陸/アフリカ/南アメリカ/中央アメリカ/オーストラリア北部
- 気候:熱帯モンスーン気候
- 植生:熱帯雨林と植生は似ていますが、乾季に落葉する落葉広葉樹も見られます。草本類も多様で、ツル植物や着生植物も見られます。
- 土壌分類:アクリソル(Acrisol)・フェラルソル(Ferralsol)・バーティソル(Vertisol)・リキシソル(Lixisol)等
- 土壌:高温で有機物の分解速度が早く、多雨による腐植の流失などが起こるため、土壌は痩せている傾向にあります。ただし、乾期の落葉が堆積して分解されるため、一部では腐植層が発達している土壌もあります。
亜熱帯湿林

- 亜熱帯湿林(Subtropical moist forest):熱帯と温帯の中間あたりに位置しており、一年を通して暖かくて気温の変化が少なめで、また降水量が多いのが特徴です。生物の多様性に富み、有機物も多いですが、微生物が非常に活発で降雨により腐植などが流されるため、土壌の肥沃さは低い傾向にあります。
- 主要な分布域:南アメリカ/アフリカ/東南アジア(日本南部含む)
- 気候:温暖湿潤気候・温暖冬季少雨気候・熱帯モンスーン気候
- 植生:常緑広葉樹が多くを占め、熱帯雨林ほどではないですが高木も見られます。草本類も多様で、ツル植物や着生植物も見られます。
- 土壌分類:アクリソル(Acrisol)・アリソル(Alisol)・ウンブリソル(Umbrisol)・ニチソル(Nitisol)・フェラルソル(Ferralsol)等
- 土壌: 気温の高さによる有機物の素早い分解、常緑樹の多さ、長雨による腐植の流失などが原因となり、痩せた土壌になる傾向があります。ただし、一部の土壌では腐植層が発達しています。
亜熱帯乾燥林

- 亜熱帯乾燥林(tropical and subtropical dry broadleaf forest):熱帯および亜熱帯の緯度に位置しており、明瞭な雨季と乾季があります。この乾季は数ヶ月と長いため、熱帯雨林や亜熱帯湿林と比べて乾季に葉を落とす落葉樹が多く見られます。
- 主要な分布域:アフリカ(マダガスカル等)/南アメリカ/中央アメリカ/アジア(インド、インドシナ等)/オセアニア
- 気候:熱帯モンスーン気候/サバナ気候
- 植生:乾季に適応した落葉広葉樹が見られます。熱帯雨林と比べると、高木は少なく、乾季は落葉した樹林の間にも日光が届きやすくなるため、草本や低木も多数見られます。
- 土壌分類:アクリソル(Acrisol)・カンビソル(Cambisol)・ニチソル(Nitisol)・バーティソル(Vertisol)・プリントソル(Plinthosol)・リキシソル(Lixisol)
- 土壌:一般的に粘土質ですが、表層の土壌は鉄・アルミニウムの酸化物と粘土が結合し砂状構造をしています。また土壌の表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため、下層に粘土の集積層がある傾向があります。高温で有機物の分解速度が早く、雨季による腐植の流失などが起こり、土壌は痩せている傾向にあります。ただし、乾季に落葉が供給され、堆積した有機物は分解されることで腐植層が発達するため熱帯雨林よりも肥沃な土壌になる場合も多いです。
温帯広葉樹林

- 温帯広葉樹林(Temperate broadleaf and mixed forest):明確な四季の変化があり、温暖な夏と冷涼な冬があり、日本(中部以北)で広く見られるバイオームです。温帯・冷温帯を中心に分布し、落葉広葉樹が優勢ですが、針葉樹も混合するため、混合林が見られます。
- 主要な分布域:日本/東アジア/ヨーロッパ/アメリカ
- 気候:温暖湿潤気候/西岸海洋性気候/湿潤大陸性気候
- 植生:四季の変化に適応した落葉広葉樹林が多くを占め、針葉樹も見られます。また草本類も多様です。
- 土壌分類:褐色森林土・アンドソル(Andosol)・ルビソル(Luvisol)・カンビソル(Cambisol)等
- 土壌:腐植層が発達して、また適度に分解されているため、団粒構造がしっかりとした肥沃な土壌を形成していることが多いです。
温帯針葉樹林

- 温帯針葉樹林(Temperate coniferous forest):主に温帯から冷帯の山岳地帯や、降水量の多い沿岸地域に分布し、針葉樹が優占しているバイオームです。
- 主要な分布域:日本(本州中部以北)/ヨーロッパ(アルプス山脈など)/北アメリカ(太平洋岸北西部・ロッキー山脈)
- 気候:西岸海洋性気候・温暖湿潤気候(高地)・ 地中海性気候・亜寒帯湿潤気候
- 植生:松・杉・トウヒ等の針葉樹が森林の大部分を占めており、林床は植物が比較的少なく、シダ類が自生します。
- 土壌分類(WRB):ポドゾル(Podzol)・ヒストソル(Histosol)等
- 土壌:基本的に砂質で水捌けのよい土壌です。表面に腐植層がありますが、これは強い酸性の腐植層となるため、植物が利用できる養分に乏しい痩せた酸性土壌となります。
地中海性植生

- 地中海性植生(Mediterranean forests):一年を通して比較的温暖で、夏場の降水量が極端に少なく乾燥している点が特徴となります。この過酷な夏の乾燥に耐えるため、植物は独自の進化を遂げています。
- 主要な分布域:地中海沿岸諸国/北アメリカ(カリフォルニア州)/オーストラリア(南部・南西部)/南アフリカ/チリ
- 気候:地中海性気候
- 植生:夏の乾燥に適応した植物が多く自生します。例えば、葉が小さく硬く表面がクチクラ層で覆われている硬葉樹(オリーブ等)、精油で表面を覆い蒸散を抑制するラベンダーやローズマリー等です。
- 土壌分類:代表的な土壌はテラロッサ、その他にレプトソル(Leptosol)・カルシソル(Calcisol)・ルビソル(Luvisol)・アレノソル(Arenosols)・レゴソル(Regosol)
- 土壌:基本的に通気性・透水性が極めて高い一方で、保水性が低いです。また有機物が少なく肥沃度が低いです。
乾燥性灌木地

- 乾燥性灌木地(xeric shrubland):降水量は少ないですが、砂漠ほどは乾燥しておらず草原と砂漠の中間的な環境です。植生は疎らで硬葉樹や乾性植物などの一部の植物が自生しています。
- 主要な分布域:北アフリカ/南アフリカ/オーストラリア(南西部・内陸部)/北アメリカ(カリフォルニア州など)/南アメリカ中央部/中央アジア/中東
- 気候:ステップ気候/砂漠気候/地中海性気候
- 植生:硬葉樹などの乾性植物を中心に自生しています。
- 土壌分類:レプトソル(Leptosol)・ソロネッツ(Solonetz)・ソロンチャク(Solonchak)・栗色土(Kastanozem)・デュリソル(Durisol)・ジプシソル(Gypsisol)・カルシソル(Calcisol)・アレノソル(Arenosols)・レゴソル(Regosol)
- 土壌:砂礫質な土壌が多く通気性・排水性に優れている傾向にあります。基本的に有機物の堆積が少なく、ほぼ腐植層もなく、保水能力も低いです。
ステップ

- ステップ(steppe):年間の降水量よりも蒸発量が上回るため乾燥していますが、砂漠気候ほど乾燥しておらず雨季に少量の雨が降ります。雨季の時期にイネ科等の植物が成長し、乾季になると枯死を繰り返し、有機物が蓄積と分解され続けて、腐植層が厚くなり肥沃な土壌が形成される傾向があります。
- 主要な分布域:ウクライナ/ロシア南部/ハンガリー/ルーマニア・カザフスタン/モンゴル/北アメリカ中央部
- 気候:ステップ気候/温暖湿潤気候(移行帯)/亜寒帯湿潤気候(移行帯)
- 植生:イネ科やキク科等の丈の短い草本類や、樹高が低い潅木の疎林が見られます。
- 土壌分類:チェルノーゼム(Chernozem)・栗色土(Kastanozem)等
- 土壌:草本が何年も蓄積し分解されることで腐植層が厚くなり、また降水量が少ないため腐植の流出が少ないため、腐植層の厚い肥沃な土壌が広がる傾向があります。
サバナ

- サバナ(savanna):明確な雨季と乾季があり、特に乾季は長く続くこともあるため、森林は発達せず、疎林または草原が広がるバイオームです。
- 主要な分布域:アフリカ(タンザニア・ケニア・コンゴ等)/南アメリカ/オーストラリア/南アジア
- 気候:サバナ気候
- 植生:乾燥に適応した乾性植物を中心に自生しています。例えば、草本類ではイネ科、樹木ではアカシアやバオバブの木などが疎らに生えます。
- 土壌分類:フェラルソル(Ferralsol)・バーティソル(Vertisol)・プリントソル(Plinthosol)・フェラルソル(Ferralsol)・アクリソル(Acrisol)・カルシソル(Calcisols)・リキシソル(Lixisol)等
- 土壌:サバナの代表的な土壌であるフェラルソルは、酸化鉄を含むため赤色をしており、通気性・排水性が抜群に高く、保水性や保肥力が低い、肥沃度の低い痩せた土壌です。またもう一つの代表的な土壌であるバーティソルは粘土質で排水性が非常に悪く、水分量の変化で収縮と膨張を繰り返し土壌が不安定な挙動をし、ひび割れたりすることで知られています。
砂漠

- 砂漠(arid desert):年間の降水量よりも蒸発量が大幅に上回るため恒常的に水分が不足しており、土壌の多くは砂質で水分を保持する能力が極端に低いため、土の表面は常に乾いています。そのため植生の範囲が著しく狭く、自生しているのは乾性植物などの一部の植物に限られます。
- 主要な分布域:アフリカ/中東・中国/モンゴル/オーストラリア/北アメリカ
- 気候:砂漠気候
- 植生:乾燥に適応した乾性植物を中心に自生しています。
- 土壌分類:レプトソル(Leptosol)・ソロンチャク(Solonchak)・ジプシソル(Gypsisol)・カルシソル(Calcisol)・アレノソル(Arenosols)・レゴソル(Regosol)
- 土壌:砂質で手で握っても土は固まらない、ほぼ腐植層もなく肥沃度は無いに等しい。
高山ツンドラ

- 高山ツンドラ(Alpine tundra):山岳地帯の中で森林限界より高い標高にあるバイオームです。
- 主要な分布域:世界各地の山岳地帯
- 気候:ツンドラ気候/高山気候
- 植生:基本的に森林限界を越えた場所では高木は生育出来ず、草本類や低木、コケ類や地衣類などが自生しています。
- 土壌分類:クリオソル(Cryosol)・ウンブリソル(Umbrisol)・ポドゾル(Podzol)・レプトソル(Leptosol)・レゴソル(Regosol)
- 土壌:基本的に砂礫質で通気性・排水性が非常に高く、保水性・保肥力が低い土壌が大部分を占めます。動植物を由来とする遺骸(有機物)が少なく、低温でこれらを分解する微生物の働きも弱いため、腐植層は発達しません。ただし、未分解の有機物(泥炭など)が蓄積することがあります。
タイガ

- タイガ(Taiga):ロシア語でシベリアの針葉樹林を意味しており、北半球の高緯度地域に分布し、主に松・トウヒ・カラマツからなる広大な森林地帯です。
- 主要な分布域:ロシア/スカンジナビア諸国・カナダ・アメリカ合衆国(アラスカ州)/日本(北海道の一部)
- 気候:亜寒帯気候
- 土壌分類:クリオソル(Cryosol)・ポドゾル(Podzol)・ヒストソル(Histosol)・スタグノソル(Stagnosol)等
- 土壌:基本的に砂質で水捌けのよい土壌ですが、下層は永久凍土や硬盤による不透水層が形成され水捌けが悪くなることがあります。また表面に腐植層がありますが、これは強い酸性の腐植層となるため、植物が利用できる養分に乏しい痩せた酸性土壌となります。
- 植生:森林の大部分はマツ、トウヒ、モミ、カラマツなどの針葉樹が占めており、一部で広葉樹が生えています。
●その他のバイオーム
温帯草原(ステップ・プレーリー・パンパ・日本の草原)

- 温帯草原:主に温帯または乾燥帯を中心に広がる草原の総称です。樹木が成長するのに十分な降水量が無いものの、砂漠化しない程度の十分な降水量があり、イネ科を中心とした草本類が優占します。
- ステップ(Steppe):ステップ気候の東ヨーロッパから中央アジアに広がる草原です。砂漠気候ほど乾燥しておらず雨季に少量の雨が降り、その時期にイネ科等の植物が成長し乾季になると枯れて、有機物が蓄積し分解され、腐植層が厚くなった地帯が広がります。
- プレーリー(Prairie):北米大陸の中西部に広がる草原です。降水量が比較的多い東側では人の背丈を超えるような丈の高い草本類が優占し、乾燥した西側の地域では 丈の短い草本類が優占しています。肥沃な土壌が広がり農業に適した場所となるため、世界的な穀倉地帯となっています。
- パンパ(Pampa):南アメリカ(アルゼンチン・ウルグアイ・ブラジル南部)にまたがる広大な草原です。パンパを代表する植物であるパンパスグラスが生えており、土壌は非常に肥沃で農業が盛んです。
- 日本の草原:気候的に森林の形成に適しているため、自然発生の草原は少なく、野焼きや放牧などの人為的攪乱をうけた半自然草原が多く見られます。
- 主要な分布域:北アメリカ/南アメリカ(ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ)/中央アジア/南アフリカ
- 気候:主にステップ気候で見られますが、温暖湿潤気候や亜寒帯湿潤気候にも広がります。
- 植生:イネ科が優占しますが、キク科やマメ科等の草本類も見られます。植生は降水量で大きく左右され、降水量が増えると草本類の丈が伸びたり、多様な種類の草本が見られるようになったり、潅木などが見られるようになったりします。
- 土壌分類:代表的な土壌はチェルノーゼム(Chernozem)や栗色土(Kastanozem)になります。
- 土壌:長年にわたり蓄積された豊富な有機物によって、厚い腐植層があり肥沃な土壌が広がる。土壌は団粒構造が発達し、通気性・保水性・保肥性にも優れており、農業に適した土地となっている。
熱帯林(熱帯雨林・モンスーン林)

- 熱帯林:その名前が示すとおり、熱帯に分布する森林の総称です。生命の宝庫と呼ばれるほどに、生物の多様性が高く、数十mに達するほどの高木が多数密生しています。生物の多様性がある一方で、高温による有機物の分解の早さや、降水量の多さから、腐植層は浅く肥沃度は低い傾向にあります。
- 主要な分布域:東南アジア/インド亜大陸/アフリカ/南アメリカ/中央アメリカ/オーストラリア北部
- 気候:熱帯雨林気候/熱帯モンスーン気候
- 植生:多くは常緑樹で数十メートルに達する高木が多数生えていますが、モンスーン林では短い乾季に落葉する落葉広葉樹も見られます。草本類も多様で、ツル植物や着生植物も見られます。
- 土壌分類:代表的な土壌はフェラルソル(Ferralsol)・アクリソル(Acrisol)です。
- 土壌:多くが常緑樹で落葉の堆積が少なく、気温の高さによる有機物の素早い分解、長雨による腐植の流失などが原因で、痩せた土壌になる傾向があります。
温帯林(夏緑樹林・照緑樹林・硬葉樹林・混合林)

- 温帯林:その名前が示すとおり、温帯に分布する森林の総称です。日本の大部分の森林は温帯林です。夏は暖かで、冬は低温になり、四季の変化が明瞭で、その中でも地域の細かな気候に適応した多様な森林が形成されます。生物の多様性が高く、冬に落葉が多いため、土壌は肥沃になる傾向があります。
- 夏緑樹林:冬季に寒さが厳しいため、夏場に葉を繁らせ、冬に落葉し休眠する、落葉樹が優占となる温帯林の一種です。
- 照葉樹林:冬でも比較的温暖で一年を通し湿潤なため、常緑広葉樹が優占となる温帯林の一種です。
- 硬葉樹林:地中海性気候に適応した硬葉樹が優占となる温帯林の一種です。硬葉樹は、葉が小さく硬く表面がクチクラ層で覆われているため、夏の激しい乾燥に適応することができます。※硬葉樹林の土壌の土質や植生は他の温帯林と大きく変わるため、別途地中海性植生の方に記述しています。
- 混合林:広葉樹と針葉樹が混在する森林です。温帯から冷帯に移行する地域で見られ、比較的冷涼で日本では標高が高めの山地や、緯度が高い地域などに分布します。
- 主要な分布域:日本/東アジア/ヨーロッパ/北アメリカ
- 気候:温暖湿潤気候/西岸海洋性気候/地中海性気候
- 植生:夏緑樹林では落葉広葉樹(ブナ/ミズナラ/カエデ)が優占し、照葉樹林では(シイ/カシ等)の常緑広葉樹も多く見られる。また地域によっては針葉樹も生え、混合林になっている。
- 土壌分類:代表的な土壌は褐色森林土、また黒ボク土(Andosol)やルビソル(Luvisol)やカンビソル(Cambisol)が見られます。
- 土壌:落ち葉を中心にして、動植物の遺骸が多く、微生物の働きも活発なため、腐植層が発達しており、団粒構造がしっかりとした肥沃な土壌となっている傾向がある。
亜寒帯林

- 亜寒帯林:亜寒帯に分布する森林の総称で、日本では北海道や高山で見られます。冬の厳しい寒さに適応した動植物が多く、一般的に常緑針葉樹が優占する森林が形成されます。
- 主要な分布域:日本(北海道など)/ロシア/カナダ/アメリカ合衆国/北欧
- 気候:亜寒帯(冷帯)
- 植生:松・モミ・トウヒ等の針葉樹が森林の大部分を占めており、林床は植物が比較的少なく、苔類やシダ類が自生します。
- 土壌分類:代表的な土壌はポドゾル(Podzol)で、その他に湿地ではヒストソル(Histosol)が見られる。
- 土壌:基本的に砂質で水捌けのよい土壌です。表面に腐植層がありますが、これは強い酸性の腐植層となるため、植物が利用できる養分に乏しい痩せた酸性土壌となります。
河畔林

- 河畔林(Riparian Forest):河川や湖沼などの水域に沿って帯状に分布する陸域で、移行帯(エコトーン)としての特性をもつ森林です。水面からの蒸発や植物の蒸散で、周囲の陸域より遥かに湿度が高く独自の【微気象】を形成し、高温・乾燥を抑制しています。そのため、湿潤を好む植生が多く見られます。
- 主要な分布域:世界各地の熱帯・温帯・亜寒帯の河川沿いなどに見られます。
- 気候:熱帯・温帯・亜寒帯
- 植生:パイオニア植物(ヤナギ科など)・湿性植物などが見られます。
- 土壌分類:フルヴィソル(fluvisol)・グライソル(gleysol)・レゴソル(Regosol)など
- 土壌:堆積物の種類により土性(砂・シルト・粘土の割合)は様々ですが、一般的に上流・中流では砂礫や砂の割合が多くなる傾向があり、下流ではシルト・粘土の割合が多くなる傾向があり、肥沃度が高い傾向にあります。
有刺林

- 有刺林(Thorn forest):その名前が示す通り、棘を持った樹木が森林または疎林を形成します。年間を通して気温が高く、長い乾季がある地域で見られます。この樹木に生える棘は、厳しい環境で草食動物からの食害を防ぐための防御機構として働いています。
- 主要な分布域:アフリカ(アフリカ東部と南部・マダガスカルなど)/北アメリカ南西部/ブラジル北東部/アジア(南インド・スリランカなど)/オーストラリア
- 気候:ステップ気候/サバナ気候
- 植生:乾燥に適応した乾性植物を中心に自生しています。
- 土壌分類:代表的な土壌はアレノソル (Arenosol)とレゴソル(Regosol)です。またその他にカルシソル(Calcisol)や、ソロンチャック(Solonchak)なども見られます。
- 土壌:砂質で通気性・排水性が高い一方で、保水性・保肥力は低い。また腐植層がほぼ無く肥沃さはないに等しい。
ヒース

- ヒース(Heath):エリカなどの潅木が広がる潅木地帯で、土壌は酸性で、水捌けがよく、栄養の乏しい不毛な荒れ地となっています。
- 主要な分布域:ヨーロッパ/オーストラリア大陸南東部/南アフリカ
- 気候:西岸海洋性気候/地中海性気候
- 植生:ツツジ科のカルーナ属やエリカ属の植物がよく見られる。またこの植生を代表するエリカが別名で「ヒース」と呼ばれることから、この名前がつけられました。またヨーロッパ以外の地域では、バンクシアやプロテア等もこの土壌でよく育ちます。
- 土壌分類:代表的な土壌はポドゾル(Podzol)です。
- 土壌:基本的に砂質で通気性・排水性が高く、保水性・保肥力が低い。モル型の酸性の腐植層を形成しますが、これは植物が利用しにくく、栄養の乏しい痩せた酸性土壌となります。
フィンボス

- フィンボス(Fynbos):世界六大植物区のひとつで、南アフリカの西ケープ州から東ケープ州に位置し、世界で最も多様性に富んだ硬葉低木林(スクラブ)が見られる植生です。 ユネスコの世界自然遺産にも登録されており、高い固有種率(約70%以上)を誇る生物多様性のホットスポットです。
- 主要な分布域:南アフリカ
- 気候:地中海性気候
- 植生:フィンボスの植生は見た目と分類により4つの植物群に分類されています。
- プロテア型(Proteoids):プロテア科の大型の硬葉低木です。リンを効率的に吸収するための【プロテオイド根】を発達させています。
- エリカ型(Ericoids):エリカ科の小葉の低木です。葉を針状に丸めることで気孔を隠し蒸散を極限まで抑える戦略をとっています。
- レスティオイド型(Restioids): 光合成を葉ではなく茎で行う草本類です。フィンボスを定義づける最も重要な要素とされています。
- 地中植物(Geophytes):成長に適さない時期を地中で過ごすアイリス科、ユリ科、ラン科などの球根植物です。乾季や火災後に、休眠から目覚め、一斉に開花します。
- 土壌分類:レプトソル(Leptosol)・ポドゾル(Podzol)・アレノソル(Arenosols)・レゴソル(Regosol)
- 土壌:基本的に通気性・透水性が極めて高い一方で、保水性が低いです。有機物の堆積が少なく肥沃度が低いです。また地中海と違いpHが3.5~4.5前後と強い酸性を示すことが多いです。
海岸砂丘植生

- 海岸砂丘植生(Coastal Dune Vegetation):主に海(その他河川や湖)から供給される砂が、風によって堆積して形成される砂丘上で見られる植生です。砂丘は水分・栄養に乏しく、厳しい環境下にも耐えられる独自の適応を遂げた植物(匍匐茎の発達や肉厚の葉など)が見られます。
- 主要な分布域:世界各地の海岸沿いに広く分布します。
- 気候:ほぼ全ての気候帯で見られます。
- 植生:松・砂生植物・海浜植物など
- 土壌分類:アレノソル(Arenosols)
- 土壌:砂質のため通気性・排水性が抜群に優れており、保水性・保肥力が著しく低いです。
石灰岩地植生・カルスト植生

- 石灰岩地植生・カルスト植生(Karst Vegetation):炭酸カルシウムを主成分とする石灰岩やドロマイトなどの水に溶けやすい岩石が、弱酸性の雨水や地下水によって溶食(化学的風化)されて形成された特殊な地形で見られる植生です。土壌は極端に薄く、強いアルカリ性を示すため、これに適応する独特な植生が形成されます。
- 主要な分布域:アジア/ヨーロッパ/熱帯アメリカなど
- 気候:ほぼ全ての気候に分布します。
- 植生:好石灰植物・岩上植物・硬葉樹・多肉植物など
- 土壌分類:テラロッサ・レプトソル(Leptosol)・カルシソル(Calcisol)・カンビソル(Cambisols)・レゴソル(Regosol)
- 土壌:基本的に通気性・透水性が極めて高い一方で、保水性が低いです。また有機物が少なく肥沃度が低いです。初期のpHは母材に影響を受けて高いアルカリ性を示しますが、長年の風化や有機物の蓄積、溶脱により、表層では徐々に中性・弱酸性に転じることがあります。
露頭

- 露頭(Rocky Outcrops):表層堆積物や土壌、植生に覆われることなく地表に直接露出している基盤岩です。土壌と呼べるものはほぼ存在せず、厳しい環境下(乾燥、強風、激しい温度変化、極端な貧栄養状態)に置かれており、ここに自生する植物は独自の適応を遂げています。
- 主要な分布域:世界各地の山岳地帯・乾燥地帯・海岸部など
- 気候:ほぼ全ての気候帯で見られます。
- 植生:岩隙植物・石生植物・地衣類・苔類など
- 土壌分類:レプトソル(Leptosol)
- 土壌:一般に砂礫質で通気性・排水性に優れている。基本的に有機物の堆積が少なく、腐植層もほとんどなく、保水能力も低いです。
湿地

- 湿地(Wetland):陸域と水域の移行帯(エコトーン)で、季節的または恒久的に水で覆われるか、土壌が水で飽和している場所(湖、沼、湿原、干潟、マングローブ林)です。水と土壌の相互作用によって特有の生態系が形成されます。
- 主要な分布域:世界各地に点在します。
- 気候:ほぼ全ての気候帯で見られます。
- 植生:湿性植物/抽水植物/浮葉植物/沈水植物/浮遊植物
- 土壌分類:ヒストソル(Histosol)/グライソル(Gleysol)/フルヴィソル(Fluvisol)/スタグノソル(Stagnosol)
- 土壌:泥炭やシルトや粘土で構成されている事が多いため、保水性・保肥力が高めです。場所によっては砂礫質なこともあります。
湖

- 湖(lake):四方を陸地に囲まれた、比較的大きな水域です。河川を通じて海へ流出することはありますが、基本的には閉鎖的な水系を構成します。また明確な定義はないですが、一般的に水深が5m以上のものが湖と呼ばれることが多く、沼はより水深が浅いです。
- 主要な分布域:世界各地に点在します。
- 気候:ほぼ全ての気候帯で見られます。
- 植生:湿性植物/抽水植物/浮葉植物/沈水植物/浮遊植物
- 土壌分類:ヒストソル(Histosol)/グライソル(Gleysol)/フルヴィソル(Fluvisol)
- 土壌:シルトや粘土で構成されている事が多いため、保水性・保肥力が高めです。場所によっては砂礫質なこともあります。
沼地

- 沼地(swamp):泥の深い湿地で、地面はぬかるんでおり、場所により水位が比較的高く水の張っている場所や、水が張ってない場所、または季節により変異することがあります。
- 主要な分布域:世界各地に点在します。
- 気候:ほぼ全ての気候帯で見られます。
- 植生:湿性植物/抽水植物/浮葉植物/沈水植物/浮遊植物
- 土壌分類:ヒストソル(Histosol)/グライソル(Gleysol)/フルヴィソル(Fluvisol)/スタグノソル(Stagnosol)
- 土壌:泥炭やシルトや粘土で構成されている事が多いため、保水性・保肥力が高めです。
マングローブ

- マングローブ(Mangrove forest):熱帯・亜熱帯地域の汽水域で見られる植物の総称またはバイオームです。潮の満ち干きで変化する潮位、酸素が少なく高い塩分を含む土壌などの過酷な環境に適応した特異な植物群が特徴です。
- 主要な分布域:熱帯・亜熱帯の世界各地に分布し、特に特にインドネシア、ブラジル、オーストラリア、メキシコ、ナイジェリアなどは広大なマングローブを有します。また日本でも沖縄や鹿児島種子島で見られます。
- 気候:熱帯雨林気候(Af)/熱帯モンスーン気候(Am)/サバナ気候(Aw・As)
- 植生:マングローブの特殊な環境に適応する植物が自生しています。例えば、土中に酸素が少ないため土中から呼吸根を出す植物や、母樹に種子がついたまま発芽する胎生種子の能力をもった植物などが見られます。
- 土壌分類:グライソル(Gleysol)/フルヴィソル(Fluvisol)
- 土壌:シルトや粘土で構成されている事が多いため、保水性・保肥力が高めで、有機物を多く含んでいます。
雲霧林

- 雲霧林(Tropical Montane Cloud Forest):熱帯・亜熱帯の標高800~3500mの山岳地帯に位置し、通年または季節的に雲霧に包まれる森林です。通常の降雨に加えて、この森林は雲霧からの直接的な水分供給にも依存しています。多様な生態系が見られ、特に着生植物の多様性が顕著です。
- 主要な分布域:東南アジア/熱帯アメリカ/熱帯アフリカ
- 気候:熱帯雨林気候・モンスーン気候
- 植生:多くは常緑樹ですが、モンスーン林では短い乾季に落葉する落葉広葉樹も見られます。草本類も多様で、ツル植物や着生植物も見られます。
- 土壌分類:アンドソル・(Andosols)・ヒストソル(Histosol)/グライソル(Gleysol)・ポドゾル(Podzol)
- 土壌:一般的な熱帯雨林と違い、標高が高い場所にあるため、低温と過湿により有機物の分解が停滞し、酸性の有機物層(泥炭状)が厚く堆積する傾向にあります。
荒れ地

- 荒れ地:風雨で荒廃した土地、乾燥して草本類も育ちにくい土地、また人為的攪乱を受けて放置された土地等です。一般的にこれらの土地は、乾燥していたり、栄養が乏しかったり、酸性土などで植物が育ちにくい傾向があります。
- 主要な分布域:世界各地で見られます。
- 気候:乾燥帯/温帯
- 植生:厳しい環境にいち早く進出するパイオニア植物や、乾燥した環境に適応する乾性植物などを中心に自生しています。
- 土壌分類:代表的な土壌はレゴソル (Regosols) やレプトソル (Leptosols) で、その他にソロンチャック (Solonchaks)等が見られることもあります。
- 土壌:砂質や粘土質な場所まで多種多様です。ただし、基本的に有機物の堆積が少なく、腐植層が殆どありません。
牧草地

- 牧草地(Pastures):家畜の放牧や採草を目的として人為的に整備(野焼き・放牧など)され、草本類が優占する二次草原です。
- 主要な分布域:世界各地の熱帯・乾燥帯・温帯・亜寒帯の地域で見られます。
- 気候:熱帯・乾燥帯・温帯・亜寒帯
- 植生:イネ科が優占しますが、キク科やマメ科等の草本類も見られます。植生は降水量で大きく左右され、降水量が増えると草本類の丈が伸びたり、多様な種類の草本が見られるようになったりします。
- 土壌分類:チェルノーゼム(Chernozem)・栗色土(Kastanozem)・フェオゼム(Phaeozem)・アンドソル(Andosols)・カンビソル(Cambisol)
- 土壌:多くの場合、厚い腐植層があり肥沃な土壌が広がります。土壌は団粒構造が発達し、通気性・保水性・保肥性にも優れており、農業にも適した土地となっています。
■気候(ケッペンの気候区分)
気候(ケッペンの気候区分)とは、1884年に開発された世界の気候を分類するシステムです。ケッペンの気候区分は、気温(月平均気温)と降水量に基づいて分類されおり、一般的に5つの主要なタイプ【熱帯・乾燥帯・温帯・亜寒帯(冷帯)・寒帯】に分類されており、最近ではそこに【高山気候】が入ることもあります。
このケッペンの気候区分は、バイオーム(植生)の指標として扱われており、気候と植物の自生地を組み合わせることで耐寒性・耐暑性・耐乾性などを知ることができます❣️
熱帯(A)

- 熱帯:緯度の低い赤道を中心にして南北に広がり一年を通して温暖な気候の地域です。
- 定義:最寒月の平均気温が18℃以上あり、年降水量が乾燥限界以上あります。
熱帯に含まれる気候区
- 熱帯雨林気候(Af):熱帯雨林気候は、雨季と乾季の明確な区別がなく、一年を通して温暖で降水量の多い気候です。
- 定義:最寒月の平均気温が18℃以上あり、年降水量が乾燥限界以上で、雨季と乾季の区別がなく、最少雨月の平均降水量が60mm以上あります。
- 植生: 主に常緑広葉樹が密生する熱帯雨林が広がります。
- 熱帯モンスーン気候(Am):熱帯モンスーン気候は、モンスーンの影響で短い乾季があり、雨量は熱帯雨林気候とあまり変わらない気候です。
- 定義:最寒月の平均気温が18℃以上あり、年降水量が乾燥限界以上、最も乾燥している月の降水量が60mm未満かつ(100-0.04 × 年平均降水量)mm以上です。
- 植生: 熱帯雨林気候と植生は似ていますが、乾季に葉を落とす樹木も見られます。
- サバナ気候(Aw・As):他の熱帯の気候区より明確な乾季があり、冬に乾季がある場合はAwと表し、夏に乾季がくる場合はAsと定義されます。年間降水量も他の熱帯の気候区と比べ少なく、乾季が長く続くこともあります。
- 定義:最寒月の平均気温が18℃以上あり、年降水量が乾燥限界以上、最も乾燥している月の降水量は60mm未満かつ(100-0.04 × 年平均降水量)mm未満です。
- 植生: 樹木が疎らな草原が広がります。樹木は乾燥に強いアカシアやバオバブの木などが見られます。
乾燥帯(B)


- 乾燥帯:年間の降水量よりも蒸発量が大幅に上回るため恒常的に水分が不足しており、植生が乏しく、殆どの地面が露出している気候です。
- 定義:年降水量が乾燥限界(r)に満たず、最暖月平均気温が10℃未満の寒帯(E)の条件に当てはまらないことです。
- 乾燥限界:乾燥気候と湿潤気候の境界を分ける指標です。その土地が乾燥しているかどうかを判断するための基準値は、年平均気温 t (℃) と降水パターンによって以下の式で計算することが出来ます。
- 冬に乾燥 (夏の最多雨月の降水量が、冬の最少雨月の10倍以上の場合): r=20(t+14)
- 夏に乾燥 (冬の最多雨月の降水量が、夏の最少雨月の3倍以上の場合):r=20t
- 年中平均した降水:r=20(t+7)
乾燥帯に含まれる気候区
- 砂漠気候(BWh・BWk):年間を通して降水がほとんどなく、土の表面は常に乾いていて水分を保持していないため植物がほとんど育ちません。また砂漠気候は気温により熱帯砂漠(BWh)と寒冷砂漠(BWk)の2種類にさらに分類できます。
- 定義:砂漠気候の条件は、年降水量が乾燥限界(r)に満たず0.5r未満であること、最暖月平均気温が10℃未満の寒帯(E)の条件に当てはまらず、熱帯砂漠(BWh)では年平均気温が18℃以上であり、寒冷砂漠(BWk) では年平均気温が18℃未満です。
- バイオーム:砂漠
- 植生:一般的な草花は殆ど見られず、多肉やサボテンなどの乾性植物が僅かに自生します。
- ステップ気候(BSh・BSk):年間の平均降水量が乾燥限界以下にありますが、砂漠気候ほど乾燥しておらず雨季に少量の雨が降ります。またステップ気候は気温によりBShとBSkの2種類にさらに分類できます。
- 定義:ステップ気候の条件は、年降水量が乾燥限界(r)に満たず0.5r以上r未満であること、最暖月平均気温が10℃未満の寒帯(E)の条件に当てはまらず、BShでは年平均気温が18℃以上であり、BSkでは年平均気温が18℃未満です。
- バイオーム:ステップ/乾燥性灌木地
- 植生:雨季に生育する丈の短いイネ科の植物等が自生し、草原が見られます。樹木はほとんど見られません。
温帯(C)

- 温帯:熱帯と冷帯の間、中緯度地方で見られ、一年を通して比較的温暖で過ごしやすい気候です。
- 定義:最も寒い月の平均気温が-3℃以上から18℃未満で、最も暖かな月の平均気温が10℃以上、年降水量が乾燥限界以上であること。
温帯に含まれる気候区
- 温暖湿潤気候(Cfa):日本の大部分が属する気候です。西岸海洋性気候と比べて夏は高温になり、冬場も比較的温暖で、ハッキリとした四季があります。
- 定義:最暖月の平均気温が22℃以上で、最も寒い月の平均気温が-3℃以上から18℃未満、年降水量が乾燥限界以上で季節間の降水量に明瞭な差がなく、乾季もない。
- バイオーム:亜熱帯湿林/温帯広葉樹林
- 植生:様々な植物が自生し、広葉樹から針葉樹まで生える混合林が見られます。
- 西岸海洋性気候(Cfb・Cfc):ヨーロッパ西岸などに代表される、穏やかな気候で、偏西風と暖流の影響を受けるため、冬は温暖で、夏は涼しく過ごせます。温暖湿潤気候と似ていますが、夏場も比較的に涼しく高温にならない点が特徴です。
- 定義:最暖月平均気温が10℃以上で22℃未満、最も寒い月の平均気温が-3℃以上から18℃未満です。年降水量が乾燥限界以上で年間を通し湿潤です。気温の差により、Cfb(月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月以上、年間を通し月の平均気温が22℃未満で-3℃以上)とCfc(月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月未満、最も寒い月の平均気温が-3℃以上、最も暖かな月の平均気温が通常は18℃未満)の2種類に分類できます。
- バイオーム:温帯広葉樹林
- 植生:落葉樹が優勢で、針葉樹も見られます。
- 温帯冬季少雨気候(Cwa・Cwb・Cwc):夏場は降水量が多く湿潤で、冬場は降水量が少なく乾燥する気候です。
- 定義:最暖月の平均気温が10℃以上で、最も寒い月の平均気温が-3℃以上から18℃未満です。年降水量が乾燥限界以上で、夏の最も雨の多い月と冬の最も雨の少ない月の降水量の差が10倍以上になります。また気温の差によりCwa(最暖月の平均気温が22度以上)とCwb(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が4か月以上)とCwc(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が1ヶ月以上3か月以下)の3種類に分類される。
- バイオーム:亜熱帯湿林
- 植生:雨季と乾季が明瞭なため、乾季に落葉する雨緑樹林や、丈の高い草原が広がります。
- 地中海性気候(Csa・Csb・Csc):主に地中海沿岸で見られる気候です。夏場に降水がほとんど無いため乾燥しており、冬場に雨が最も降ります。
- 定義:最も暖かい月の平均気温が10℃以上で、最も寒い月の平均気温が-3℃以上から18℃未満です。年降水量が乾燥限界以上で、夏の最も雨の少ない月の平均降水量が30mm未満、最も雨の多い冬の月の平均降水量は最も少ない夏の平均降水量と比べて3倍以上になる。さらにCsa(最暖月の平均気温が22度以上)と、Csb(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が4か月以上)と、Csc(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が1ヶ月以上3か月以下)の3種類に分類される。
- バイオーム:亜熱帯湿林/地中海性植生/乾燥性灌木地
- 植生:夏の乾燥に強い硬葉樹林がよく見られます。
- 温暖湿潤気候(Cfa):日本の大部分が属する気候です。西岸海洋性気候と比べて夏は高温になり、冬場も比較的温暖で、ハッキリとした四季があります。
- 定義:最暖月の平均気温が22℃以上で、季節間の降水量に明瞭な差がなく、乾季もない。
- 植生:様々な植物が自生し、広葉樹から針葉樹まで生える混合林が見られる。
- 西岸海洋性気候(Cfb・Cfc):ヨーロッパ西岸などに代表される、穏やかな気候で、偏西風と暖流の影響を受けるため、冬は温暖で、夏は涼しく過ごせます。温暖湿潤気候と似ていますが、夏場も比較的に涼しく高温にならない点が特徴です。
- 定義:最暖月平均気温が10℃以上で22℃未満です。年間を通し湿潤で、気温の差によりCfb(月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月以上、年間を通し月の平均気温が22℃未満で-3℃以上)とCfc(月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月未満、最も寒い月の平均気温が-3℃以上、最も暖かな月の平均気温が通常は18℃未満)の2種類に分類できます。
- 植生:落葉樹が優勢で、針葉樹も見られる。
- 温帯冬季少雨気候(Cwa・Cwb・Cwc):夏場は降水量が多く湿潤で、冬場は降水量が少なく乾燥する気候です。
- 定義:最暖月の平均気温が10℃以上で、夏の最も雨の多い月と冬の最も雨の少ない月の降水量の差が10倍以上になる。また気温の差によりCwa(最暖月の平均気温が22度以上)とCwb(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が4か月以上)とCwc(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が3か月以下)の3種類に分類される。
- 植生:雨季と乾季が明瞭なため、乾季に落葉する雨緑樹林や、丈の高い草原が広がる。
- 地中海性気候(Csa・Csb・Csc):主に地中海沿岸で見られる気候です。夏場に降水がほとんど無いため乾燥しており、冬場に雨が最も降ります。
- 定義:最も暖かい月の平均気温が10℃以上で、夏の最も雨の少ない月の平均降水量が30mm未満、最も雨の多い冬の月の平均降水量は最も少ない夏の平均降水量と比べて3倍以上になる。さらにCsa(最暖月の平均気温が22度以上)と、Csb(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が4か月以上)と、Csc(最暖月の平均気温が10度以上22度未満かつ平均気温が10度以上の月が3か月以下)の3種類に分類される。
- 植生:夏の乾燥に強い硬葉樹林がよく見られる。
亜寒帯・冷帯(D)

- 亜寒帯・冷帯:温帯と寒帯の中間で見られ、気温の変動が激しく夏は温暖で、冬は寒い気候です。
- 定義:最暖月の平均気温が10度以上あり、最寒月の平均気温が-3℃未満、乾燥帯の条件(降水量が乾燥限界値未満)に当てはまらないことです。
冷帯に含まれる気候区
- 亜寒帯湿潤気候(Dfa・Dfb・Dfc・Dfd):亜寒帯湿潤気候は、北半球の中高緯度地域に最も広く分布する気候区分です。比較的湿潤で、降水量は中程度あり、季節間の降水量に大きな差がない。
- 定義:乾燥帯の条件(降水量が乾燥限界値未満)に当てはまらず年間を通して湿潤で、亜寒帯冬季少雨気候(Dw)や高地地中海性気候(Ds)の条件を満たさない。最暖月の平均気温は10度以上あり、最寒月の平均気温が-3℃未満で、また気温の差により、Dfa(最暖月の平均気温が22℃以上)と、Dfb(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある)と、Dfc(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上3ヶ月以下、最寒月の平均気温が-38℃以上かつ-3℃未満)と、Dfd(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上3ヶ月以下、最寒月の平均気温が-38℃未満)の4種類に分類されます。
- 植生:タイガと呼ばれる針葉樹林が主に広がります。
- 亜寒帯冬季少雨気候(Dwa・Dwb・Dwc・Dwd):冬に降水(積雪)が極めて少なくて乾燥している気候です。
- 定義:乾燥帯の条件(降水量が乾燥限界値未満)に当てはまらず、最少雨月の冬の降水量と比べて、最多雨月の夏の降水量は10倍以上多くなります。最暖月の平均気温が10度以上、また気温の差によりDwa(最暖月の平均気温が22℃以上)と、Dwb(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある)と、Dwc(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上3ヶ月以下、最寒月の平均気温が-38℃以上かつ-3℃未満)と、Dwd(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上3ヶ月以下、最寒月の平均気温が-38℃未満)の4種類に分類されます。
- 植生:タイガと呼ばれる針葉樹林が主に広がります。
- 高地地中海性気候(Dsa・Dsb・Dsc・Dsd):地中海性気候のように夏場は乾燥して冬場に湿潤になりますが、高地などにあり冬の気温が低いため冷帯に分類されます。
- 定義:乾燥帯の条件(降水量が乾燥限界値未満)に当てはまらず、最も雨の多い冬の月の降水量は最も雨の少ない夏の月の降水量の3倍以上、最も雨の少ない夏の月の降水量は30mm未満です。最暖月の平均気温が10度以上あり、最寒月の平均気温が-3℃未満、また気温の差によりDsa(最暖月の平均気温が22℃以上)と、Dsb(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある)と、Dsc(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が3ヶ月以下、最寒月の平均気温が-38℃以上かつ-3℃未満)と、Dsd(最暖月の平均気温が10℃以上22℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上3ヶ月以下、最寒月の平均気温が-38℃未満)の4種類に分類されます。
- 植生:針葉樹林の他に混合林も見られます。
寒帯(E)

- 寒帯:寒帯は赤道から遠い極地で見られ、標高に依存する高山気候と区別されている気候区分です。一年を通して気温が低く、特に冬は非常に寒いため樹木がほとんど育ちません。
- 定義:最暖月の平均気温は10℃未満になり、降水量の条件は含まれません。
- ツンドラ気候(ET):高緯度地域に分布します。
- 定義:最暖月の平均気温が0℃以上から10℃未満です。
- 植生:基本的に樹木は生育出来ず、コケ類や地衣類、草本類や低木などが見られます。
- 氷雪気候(EF):極地に近い場所にあり、最暖月でも氷雪が溶けず、冬は非常に厳しい寒さとなる。
- 定義:最暖月の平均気温が0℃未満です。
- 植生:植物が全く育ちません。
高山気候(H)

- 高山気候:ケッペンの気候区分において、高山の標高という特殊要因を示すために後からアメリカの地理学者【Glenn Thomas Trewartha】により追加された、標高(森林限界以上)に起因する気温低下で定義される独立した気候区分です。
- 定義:概ね森林限界よりも上で見られる気候とされており、同緯度の平地よりも著しく気温が低いことです。気温は標高が100m上がるにつれて平均で0.65℃低下し、多くは森林限界より上は年間を通して亜寒帯または寒帯となりますが、低緯度地域では年較差よりも日較差が大きく、1年を通じ常春のような暖かな場所もあります。
- 植生:基本的に森林限界を越えた場所では高木は生育出来ず、草本類や低木、コケ類や地衣類などが生育しています。また急峻な地形と岩盤、砂礫質の土壌のため水分が流出しやすく乾燥に強い植物が多い傾向があります。
■土壌の分類(WRB)
土壌の分類(WRB)とは、世界土壌資源参照基準が定めた土壌地図を作成するための国際的な土壌分類システムです。土壌の分類は、特徴・性質に基づいて分類されたもので【土地利用】【土壌改良】などを行う目的で利用されています。
- アクリソル(Acrisol)
- アリソル(Alisol)
- アレノソル(Arenosols)
- アンスロソル(Anthrosols)
- アンドソル・黒ボク土(Andosols)
- ウンブリソル(Umbrisol)
- カルシソル(Calcisols)
- カンビソル(Cambisols)
- クライオソル(Cryosols)
- グライソル(gleysol)
- 栗色土(Kastanozem・Chestnut soils)
- ジプシソル(Gypsisols)
- スタグノソル(Stagnosol)
- ソロネッツ(Solonetz)
- ソロンチャク(Solonchak)
- チェルノーゼム(Chernozem)
- テクノソル(Technosols)
- デュリソル(Durisol)
- ニチソル(Nitisol)
- バーティソル(Vertisols)
- ヒストソル(Histosol)
- フェオゼム(Phaeozem)
- フェラルソル・ラトソル(Ferralsols・Oxisol)
- プラノゾル(Planosol)
- プリントソル(Plinthosol)
- フルヴィソル(fluvisol)
- ポドゾル(Podzol)
- リキシソル(Lixisols)
- ルビソル(Luvisols)
- レゴソル(Regosol)
- レティソル(Retisol)
- レプトソル(Leptosol)
アクリソル(Acrisol)
- 定義:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため【アルジック層/粘土の集積層】があり、この粘土の集積層は低活性粘土(カオリナイトなど)が主体で【CECが24cmol/kg未満】と低めで【塩基飽和度が50%未満】です。
- 定義:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため【アルジック層/粘土の集積層】があります。【塩基飽和度が50%未満】と低く、粘土鉱物はカオリナイトなどの低活性粘土が主体です。
- 分布地域:東南アジア・ブラジル・熱帯アフリカ
- 気候:熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候・サバナ気候
- バイオーム:熱帯雨林・モンスーン林・サバナ
- 土壌:土壌の表層は有機物の分解と流失が早いため腐植層は薄いかほぼ無い、粘土が溶脱するため砂質・シルト質です。一方で、下層は粘土が集積した層があり、乾燥すると硬く固まりやすいため、水捌けが悪く水分の停滞が見られます。
アリソル(Alisol)
- 定義:表層から粘土が溶脱し、下層に粘土が移動するため【アルジック層/粘土の集積層】があり、この粘土の集積層は高活性粘土で【CECが24cmol/kg以上】と非常に高く【塩基飽和度が50%未満】と低く、アルミニウム豊富で、強酸性を示します。
- 分布地域:東南アジア・熱帯アフリカ・南アメリカ
- 気候:熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候・サバナ気候・温帯
- バイオーム:熱帯雨林・モンスーン林・サバナ
- 植生:常緑樹・落葉樹など
- 土壌:土壌の表層は有機物の分解と流失が早いため肥沃度は低く腐植層は薄いかほぼ無い、粘土が溶脱するため砂質・シルト質です。一方で、下層は粘土が集積した層があり、乾燥すると硬く固まりやすいため、水捌けが悪く水分の停滞が見られます。強酸性で交換性アルミニウムが豊富なため植物の根の伸長を阻害する傾向があります。
アレノソル(Arenosols)
- 定義:地表から100cm以内に特定の診断層を持っていない、または微弱な物で、全層にわたって砂質の物質で形成されています。
- 分布地域:世界各地
- 気候:様々な気候で見られますが乾燥帯でよく見られる。
- バイオーム:砂漠・ステップ・海岸砂丘
- 植生:乾性植物など
- 土壌:砂質のため通気性・排水性が抜群に優れており、保水性・保肥力が著しく低いです。
アンドソル・黒ボク土(Andosols)
- 定義:火山噴出物を母材として生成され、アロフェンやイモゴライトといった粘土鉱物と集積された腐植が強く結びつき、黒色を呈す土壌です。
- 分布地域:環太平洋火山帯に沿って分布し日本・インドネシア・フィリピン・ニュージーランド・北アメリカ・メキシコ・チリなどで見られる。
- 気候:熱帯・温帯・冷帯
- バイオーム:温帯広葉樹林・温帯針葉樹林・温帯草原
- 植生:場所によって多種多様で森林であれば落葉広葉樹林や針葉樹林が見られ、草原であればイネ科などの草本類が見られる。
- 成因:堆積した火山灰が湿潤な気候下で風化し、また植物の働きで有機物が供給されて、これらが微生物の働きで分解されて、黒色の土壌が形成されます。
- 土壌:表層に厚い腐植層があり、団粒構造が発達し、通気性・排水性・保水性・保肥力が高いです。ただし、黒ボク土に含まれるアロフェンはリン酸と強く結合し、植物が吸収しにくい形に変えてしまうため、リン酸肥料の効果が出にくくなる傾向があります。
アンスロソル(Anthrosols)
- 定義:長期間の人間の活動によって自然な診断層が本質的に改変され、厚さ50cm以上の人為的堆積層を有する土壌です。例えば、農業のため堆肥を入れ続けることで園芸層(Hortic horizons)が出来たり、牧畜のため家畜の糞尿を入れ続けることでプラッジク層(Plaggic horizons)が出来たり、水田のため水を入れ続けたりしたことで灌漑層(Irragric horizons)が出来たりし、土壌が物理的・ 化学的・生物的に変化します。
- 分布地域:世界各地
- 気候:ほぼ全ての気候帯
- バイオーム:人為的攪乱地
- 植生:栽培植物・随伴植生など
- 土壌:人為的に投入される資材によって変わりますが、有機物や栄養素が豊富で肥沃度の高い土壌となりやすい。
ウンブリソル(Umbrisol)
- 定義:表層に強い酸性を示す【20cm以上の暗色の腐植層(アンブリック層)】があります。カルシウムやマグネシウム等の塩基類が降雨で流されるため【塩基飽和度が50%未満】と低くなります。
- 分布地域:ヨーロッパ山岳地帯・アメリカ・アジア(ヒマラヤ山脈)・オーストラリア南東部・パプアニューギニア・ニュージーランド
- 気候:温帯・亜寒帯
- バイオーム:温帯林・亜寒帯林・高山ツンドラ
- 植生:針葉樹やシダ類の植物などが主に見られます。
- 土壌:表層に厚い腐植層がありますが、強い酸性のため植物が利用できる養分に乏しい痩せた土壌となります。下層は母材(鉱質)で変化します。
カルシソル(Calcisol)
- 定義:地表から100cm以内の土壌層に【二次的な炭酸塩の顕著なペトロカルシック層またはカルシック層】が見られます。これは特定の地域で、降水量が少なく蒸発が多いため、土壌中のカルシウムイオンが流亡せずに炭酸イオンと結合し、土壌粒子間や表面に炭酸カルシウムとして沈殿・固着することで起こります。
- 分布地域:オーストラリア・アフリカ北部・南アフリカ・地中海沿岸・中東・アメリカ合衆国西部・中央アジア
- 気候:砂漠気候・ステップ気候・地中海性気候
- バイオーム:地中海性植生・砂漠・乾燥性灌木地・ステップ・草地サバンナ
- 植生:乾燥に適応した乾性植物を中心に見られます。
- 土壌:土壌の表層は有機物の堆積がほぼありません。母材により土性(砂・シルト・粘土の割合)は様々ですが砂礫質なことが多いです。また石灰が集積しているためpHはアルカリ性を示します。
カンビソル(Cambisol)
- 定義:表層(A層)の下層(B層)に【15cm以上のカンビック層(母材が物理的・化学的風化作用を受けて変化した層)】があり、母材と比べ鉄の酸化等による色調の変化が見られます。母材の構造が消失し、土壌が形成される初期段階で、土壌層の分化が弱く明瞭な集積層はないが、母材の風化によって生じた変質層をもちます。
- 分布地域:世界各地に見られますが、特に山岳地帯や浸食が激しい地域に多い
- 気候:広範
- バイオーム:広範
- 植生:多種多様
- 土壌:母材によって差異がありますが、極端に砂質・粘土質な土壌は少ないです。
クライオソル(Cryosols)
- 定義:地表から100cm以内に永久凍土がある、または200cm以内に永久凍土があり100cm以内に凍結撹乱の痕跡が顕著に見られる土壌です。
- 分布地域:ロシア・カナダ・アメリカ合衆国・グリーンランド、チベット
- バイオーム:高山ツンドラ・タイガ
- 植生:針葉樹・低木・草本類・コケ類・地衣類など
- 土壌:凍結・融解の繰り返しで土壌は風化しやすく、また融解水が停滞することでグライ層が出来やすい。低温のため、有機物が堆積しても分解が非常に緩やかなため、肥沃度は低い傾向にあります。
グライソル(gleysol)
- 定義:年間を通じて地下水の強い影響を受け、長期間に渡り水で飽和状態に置かれているため、土壌中の酸素が欠乏し、鉄やマンガンが還元状態となり、地表から50cm以内にに青みがかった灰色の【グライ層】が形成されます。
- 分布地域:世界各地
- バイオーム:湿地
- 植生:水分が多い環境に適応した湿性植物/抽水植物/浮葉植物/沈水植物/浮遊植物が見られる。
- 土壌:表層は有機物に覆われ肥沃、基本的に粘土質ですが、砂質の場合もあります。通気性は非常に悪いです。
栗色土(Kastanozem・Chestnut soils)
- 定義:【乾燥帯】の草原で形成され、【暗栗色(淡褐色)のモリック層(腐植層)】と地表から100cm以内に【カルシウムの集積層】を持ちます。チェルノーゼムと似て腐植に富む土壌ですが、色が淡い暗栗色で、より乾燥しているため肥沃度がやや劣ります。
- 定義:チェルノーゼムと似て腐植に富む土壌ですが、色が淡い茶色で、より乾燥しているため肥沃さがやや劣ります。地表から100cm以内の範囲内にカルシウムの集積層が見られる。
- 分布地域:ウクライナ・ロシア・中央アジア ・北アメリカ中西部・アルゼンチン
- 気候:ステップ気候
- バイオーム:乾燥性灌木地・ステップ
- 植生:イネ科やキク科等の丈の短い草本類や、樹高が低い潅木などが見られます。
- 土壌:表層に厚い腐植層があり、団粒構造が発達しています。土壌は通気性・排水性・保水性・保肥力が高く、肥沃度も高いです。
ジプシソル(Gypsisols)
- 定義:降水量の少ない乾燥した地域で見られ、降水により水に溶けていた石膏が地中に沈殿・蓄積した土壌です。
- 分布地域:北アフリカ・中央アジア・中東・オーストラリア・北アメリカ南西部
- 気候:乾燥帯
- バイオーム:砂漠・乾燥性灌木地・ステップ
- 植生:乾燥に適応した乾性植物を中心に見られます。
- 土壌:土性(砂・シルト・粘土の割合)は様々ですが、有機物が少なく痩せた土壌となります。また石膏が集積している固い層では、通気性・排水性が著しく悪くなっています。
スタグノソル(Stagnosol)
- 定義:下層に不透水層あるいは難透水層があるため、降水などが周期的に停滞して、この停滞水により土壌中の酸素が欠乏し酸化還元反応が繰り返されて、灰白色に脱色された部分と鉄などが集積された【赤褐色・黄褐色の斑紋】が地表から50cm以内に現れます。グライソルは地下水の影響を受けますが、スタグノソルは天水の影響を受けるのが特徴です。
- 定義:下層に水を通しにくい層があるため、雨水が周期的に停滞して、停滞水により土壌中の酸素が欠乏し酸化還元反応が繰り返されて、灰白色に脱色された部分と鉄などが集積された赤褐色・黄褐色の斑紋が現れます。グライソルは地下水の影響を受けますが、スタグノソルは天水の影響を受けるのが特徴です。
- 分布地域:ヨーロッパ・北アメリカ・アルゼンチン・オーストラリア など
- 気候:温帯・冷帯
- バイオーム:温帯広葉樹林・温帯針葉樹林・湿地
- 植生:温帯広葉樹林は落葉樹や常緑樹が見られ、湿地では湿性植物などがみられます。
- 土壌:表層は腐植層が発達しているが、下層は粘土含有量が多く排水性が悪い。そのため、降水により周期的な過湿と乾燥を繰り返し土壌の構造は不安定になりやすく、土壌層に斑紋が現れる。
ソロネッツ(Solonetz)
- 定義:土壌表面から100cm以内にナトリウム集積層があり、特に粘土含有量が多い下層土では交換性ナトリウムが15%以上含まれます。
- 分布地域:ウクライナ・ロシア・カザフスタン・カナダ・アメリカ・南アフリカ・オーストラリア
- バイオーム:砂漠・ステップ・乾燥性灌木地
- 植生:一般的な植物よりも耐塩性が高い塩生植物や、アルカリ性に強い植物が中心に見られます。
- 土壌:表層は砂質の土壌で、下層は粘土質になり通気性・排水性が悪い。
ソロンチャク(Solonchak)
- 定義:一般的に地表から深さ50cm以内に高濃度の可溶性塩類が蓄積しているサリック層があります。
- 分布地域:中東・中央アジア・オーストラリア・北アメリカ・アフリカ
- 気候:乾燥帯
- バイオーム:砂漠・乾燥性灌木地・ステップ
- 植生:一般的な植物よりも耐塩性が高い塩生植物を中心に自生しています。
- 成因:水の蒸発により、下層の塩分が引き上げられ、表面に塩類が堆積する。
- 土壌:母材に影響されるため土壌の物理性は様々です。また基本的に土壌は痩せていて肥沃度は低く、PHは高くアルカリ性を示します。
チェルノーゼム(Chernozem)
- 定義:高濃度の腐植を含む、厚さ25cm以上、60~100cm以上にも達する黒色の腐植層(チェルニック層または厚いモリック層)を形成しており、下層にカルシウムなどの塩基が集積した層があり、塩基飽和度が非常に高い。
- 分布地域:ウクライナ・ロシア南部・ハンガリー・ルーマニア・カザフスタン・北アメリカ
- 気候:ステップ気候
- バイオーム:ステップ・温帯草原
- 植生:イネ科やキク科等の草本類や、樹高が低い潅木などが見られます。
- 土壌:表層に厚い腐植層があり、団粒構造が発達しています。土壌の通気性・排水性・保水性・保肥力が高く、非常に肥沃な土壌が形成されています。
テクノソル(Technosols)
- 定義:ニンゲンの活動によって作られた物質、または技術的な硬質材料によって支配された土壌です。定義として、地表から100cm以内に体積比で20%以上の人工物(ガラスやプラスチック等)を有するか、または人間によって作られた不透水性の層を地中に有するか、地表から5cm以内で連続する人工物(アスファルトやコンクリート等)で覆われている状態です。
- 分布地域:主に人間の活動域
- 気候:ほぼ全ての気候帯
- バイオーム:人為的撹乱地
- 植生:栽培植物・随伴植生・パイオニア植物など
- 土壌:投入される資材によって変化し、透水性が高い砂利等が見られることが多い。
デュリソル(Durisol)
- 定義:乾燥した環境下で、シリカが可溶化・移動し、下層で集積して、土壌から100cm以内に、シリカが固結した【デュリック層(duric horizon)】または【ペトロデュリック層(Petroduric horizon)】をもつ土壌です。
- 分布地域:オーストラリア・南部アフリカ・アメリカ
- 気候:乾燥帯
- バイオーム:乾燥性灌木地
- 植生:乾性植物
- 土壌:表層は母材により砂質から粘土質まであり通気性・排水性・保水性は様々ですが、下層のシリカが固結した層では排水性が悪くなっています。PHはアルカリ性を示し、栄養の乏しい痩せた土壌です。
ニチソル(Nitisol)
- 定義:最大の特徴はニティック層(Nitic horizon)を有していることです。これは、粘土質を30%以上含み、鉄やアルミニウムの酸化物を多く含むため酸化鉄で赤色から赤褐色を呈し、土表面に光沢があり、細粒質でナット状の強固な構造をしています。
- 分布地域:アフリカ・東南アジア・インド・南アメリカ
- 気候:熱帯
- バイオーム:サバンナ・モンスーン林・熱帯雨林
- 植生:比較的に雨季が長い熱帯や熱帯モンスーン林では常緑樹が多くを占めます。サバンナでは疎林が見られイネ科などの乾燥に強い草本類が見られます。
- 土壌:土質は粘土質ですが、団粒化し砂粒のようになるため、土壌は、通気性・排水性・保水性が非常に高く、また保肥力も他の熱帯の土壌と比べ高い傾向にあります。
バーティソル(Vertisols)
- 定義:【膨張性粘土を30%以上】含みます。この粘土は雨季の過湿で膨張し、乾季に入ると乾燥して収縮するため、土壌に大きなひび割れを発生させます。
- 分布地域:オーストラリア東部・インド・アフリカ・南アメリカ(パラナ川下流)・北アメリカ(テキサス州)・メキシコ
- バイオーム:ステップ・サバンナ・亜熱帯乾燥林
- 植生:イネ科やキク科等の丈の短い草本類や、樹高が低い潅木などが見られます。
- 土壌:粘土の含有量が多く保水性が高い。この粘土は膨張性粘土で、水分量の変化で収縮と膨張を繰り返すため、土壌が不安定な挙動を示します。
ヒストソル(Histosol)
- 定義:地表から40cm以内の領域から始まる、厚さ40cm以上の有機物の層が存在する土壌になり、有機物が大部分を占める土壌と定義されています。この有機物は有機炭素含有率が質量比で12~18%を含むこととされます。
- 分布地域:日本(北海道)・カナダ・ロシア・北欧諸国・北アメリカ ・東南アジア
- バイオーム:湿地
- 植生:スゲ・ヨシ・水苔類などの湿地性植物が主体です。
- 成因:冷涼で湿潤な気候の湿地などで、水分過剰になり酸素が不足する環境下で形成されます。
- 土壌:有機物が豊富に蓄積し、泥炭の含有量が高い。通気性は悪く、保水性と保肥力(CEC)は非常に高い。一方で強酸性を示し、植物が必要とする栄養素は少ないです。
フェオゼム(Phaeozem)
- 定義:腐植に富み、塩基飽和度が高い、暗色の厚い腐植層(モリク層)が形成されます。チェルノーゼムと似ていますが、より湿潤な地域で形成されるため、石灰が溶脱し地表から100cmの範囲内にカルシウムの集積層を持ちません。
- 分布地域:ウクライナ・ロシア・北アメリカ・中国・南アメリカ
- 気候:ステップ気候・温暖湿潤気候・亜寒帯湿潤気候
- バイオーム:ステップ・温帯草原
- 植生:イネ科やキク科等の草本類や、樹高が低い潅木などが見られます。
- 土壌:表層に厚い腐植層があり、団粒構造が発達し、通気性・排水性・保水性・保肥力が高い、肥沃な土壌が形成されています。
フェラルソル・ラトソル(Ferralsols・Oxisol)
- 定義:高温多雨の気候下での長年の風化により一次鉱物がほぼ完全に分解され、溶脱作用によって酸化鉄やアルミニウムが残留・集積し、土壌の色が赤色・赤褐色・黄色を呈す土壌です。
- 分布地域:東南アジア・ブラジル・アフリカ
- 気候:熱帯雨林気候・モンスーン気候
- バイオーム:亜熱帯湿林・サバンナ・モンスーン林・熱帯雨林
- 植生:比較的に雨季が長い熱帯モンスーン林では落葉樹林や常緑樹と落葉樹が見られる森林が形成される。サバンナでは疎林が見られイネ科などの乾燥に強い草本類が見られる。
- 土壌:土壌は鉄・アルミニウムの酸化物と粘土が結合し砂状構造を形成します。そのため、土壌は通気性・排水性が高いです。一方で、有機物の堆積が少なく腐植層もほぼ発達せず、保肥力が極めて低い痩せた土壌となります。
プラノゾル(Planosol)
- 定義:表層は粘土が溶脱するため砂質の漂白された溶脱層が残り、下層に粘土が集積し硬くなった集積層がある、またこの2層の境界が極めて明瞭で急激な土性変化が見られます。
- 定義:表層は粘土が溶脱するため砂質になり、下層に粘土が集積し硬くなった集積層がある、またこの2層の境界が極めて明瞭で急激な土性変化が見られます。
- 分布地域:東南アジア・オーストラリア・アフリカ・南アメリカ・北アメリカ
- 気候:熱帯・温帯
- バイオーム:サバンナ・ステップ
- 植生:イネ科やキク科等の草本類や、樹高が低い潅木などが見られます。
- 土壌:表層は砂質で、通気性・排水性が高いですが、下層は粘土質で水捌けが悪く、この構造のため雨季には停滞水が発生し、表層まで飽和します。
プリントソル(Plinthosol)
- 定義:地表から50cm以内、またはアルビック層か停滞層がある場合は100cm以内にプリンシック層(Plinthic horizon)またはペトロプリンシック層(Petroplinthic horizon)かピソプリンシック層(Pisoplinthic horizon)の層があります。これらが地下水位の変動で湿潤と乾燥を繰り返し、不可逆的に硬化する特性をもち、また土壌中の鉄分が酸化・還元を繰り返すことで赤色や黄色の斑点模様を形成します。
- 分布地域:東南アジア・インド・オーストラリア北部・アフリカ・南アメリカ
- 気候:サバナ気候・熱帯モンスーン気候
- バイオーム:モンスーン林・サバンナ・亜熱帯乾燥林
- 植生:比較的に雨季が長い熱帯モンスーン林では落葉樹林や常緑樹と落葉樹が見られる森林が形成される。サバンナでは疎林が見られイネ科などの乾燥に強い草本類が見られる。
- 土壌:表層は砂質で通気性・ 排水性が高いですが、下層にプリンシック層やペトロプリンシック層が形成されていると、雨季に停滞水が発生し飽和します。土壌の肥沃度は低く痩せていて、pHは強い酸性を示します。
フルヴィソル(fluvisol)
- 定義:土壌の地表から25cm以内から始まり、50cmの深さまで【フルビック物質(Fluvic material)】をもつ土壌と定義されています。この物質は、沖積堆積物が由来で深さとともに不規則に減少します。
- 分布地域:全世界の河川流域・氾濫原・デルタ地帯・沿岸低地など
- 気候:広範
- バイオーム:河川の氾濫原、デルタ地帯、湖沼の周辺、海岸低地など、定期的に新しい堆積物が供給される場所
- 植生:湿性植物など
- 土壌:堆積物の種類により土性(砂・シルト・粘土の割合)は様々ですが、一般的には粘土・シルトの割合が高い傾向があり、肥沃です。
ポドゾル(Podzol)
- 定義:冷涼湿潤な環境下で形成され、強酸性の漂白層(E層)と集積層(B層)の強い対比が特徴的な土壌です。針葉樹の枝葉が表層に堆積し、そこから形成される強い酸性の腐植が、土壌に含まれる鉄やアルミニウムを溶かして下層に移動させます。その結果として、鉄やアルミニウムが失われた上層部に灰白色の漂白層を形成し、その直下にこれらが集積した赤褐色の集積層を形成します。
- 分布地域:ロシア(シベリア地方のタイガ)・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・北アメリカ・カナダ・日本(中部以北の山岳地帯)
- 気候:亜寒帯
- バイオーム:タイガ ・温帯針葉樹林・高山ツンドラ
- 植生:松・杉・トウヒ等の針葉樹が森林の大部分を占めており、林床は植物が比較的少なく、シダ類、コケ類、地衣類、ツツジ科が自生します。
- 土壌:表層には針葉樹の枝葉が堆積した層が見られる。基本的に砂質で、植物が利用できる栄養分は乏しく、pHは酸性を示します。
リキシソル(Lixisols)
- 定義:下層に低活性粘土が集積するアルジック層があります。このアルジック層の粘土は陽イオン交換容量が低く、塩基飽和度50%以上あります。
- 分布地域:東南アジア・南アメリカ・アフリカ・オーストラリア
- 気候:サバナ気候・熱帯モンスーン気候
- バイオーム:熱帯モンスーン林・サバナ
- 植生:乾燥に適応した乾性植物を中心に自生しています。例えば、草本類ではイネ科などが生えます。
- 土壌:土壌の表層は粘土が溶脱し、砂が残るため通気性・排水性が高く、また有機物が少なく痩せた土壌となります。一方で、下層は粘土が集積した層があるため、水捌けが悪くなっています。
ルビソル(Luvisols)
- 定義:下層に高活性粘土が集積するアルジック層があります。このアルジック層の粘土は陽イオン交換容量が高く、塩基飽和度50%以上あり、一般に100cm以内に存在します。
- 分布地域:ヨーロッパ・北アメリカ・アジア・オセアニア・地中海沿岸
- 気候:温暖湿潤気候・西岸海洋性気候・冷帯湿潤気候
- バイオーム:温帯広葉樹林・温帯草原
- 植生:落葉広葉樹や多様な草本類が見られる。
- 土壌:表層に腐植層があり、団粒構造を形成し、通気性・排水性・保水性・保肥力が高い、一方で、下層は粘土が集積した層があるため、水捌けが悪くなっています。
レゴソル(Regosol)
- 定義:未固結の砂・シルト・粘土の堆積物からなり、風化が弱く表層を除き、顕著な診断層を有しません。またクリオソル、レプトソル、フルビソル、アレノソル、バーティソル等に分類されないものです。
- 分布地域:世界各地
- 気候:広範
- バイオーム:様々なバイオームで見られます。
- 土壌:土性は粘土・シルト・砂の比率は多様です。有機物の堆積はほぼなく腐植層も薄いため、肥沃度は基本的に低いです。
レティソル(Retisol)
- 定義:網目状特性(retic properties)を有する土壌と定義されています。下層の粘土が集積したアルジック層(argic horizon)に、上層から垂直方向または網目状に漂白物質であるアルビック物質(albic material)が浸透し特有のまだら模様を形成します。
- 分布地域:ヨーロッパ・アメリカ合衆国・カナダ・ロシア
- 気候:亜寒帯・温帯
- バイオーム:タイガ・混合林
- 植生:針葉樹など
- 土質:表層は有機物が少なく、粘土も溶脱しているため砂質です。その下に粘土が集積した層があり、水捌けが悪くなっています。
レプトソル(Leptosol)
- 定義:地表から25cm以内に連続した岩石がある。または地表から75cm以内の土壌中に、2mm以下の粒子が重量比で10%未満しか含まれず極めて石礫質な土壌、または土壌層位の発達が極めて未熟であり、A層が基岩(R層)に接している土壌です。
- 分布地域:世界各地の山岳地帯やカルスト地形、丘陵地などで見られます。
- バイオーム:高山ツンドラ/タイガ/地中海植生/砂漠
- 植生:乾燥などの過酷な環境に耐えられる植物が中心となり自生しています。例えば、乾燥に強い草本類や潅木類、また地衣類、コケ類などが挙げられます。
- 土質:一般に砂礫質で通気性・排水性に優れている。基本的に有機物の堆積が少なく、腐植層もほとんどなく、保水能力も低い。