- 原産:メキシコ
- 科:キジカクシ(Asparagaceae)
- 亜科:リュウゼツラン亜科(Agavoideae)
- 属:アガベ/リュウゼツラン(Agave)
- 種:チタノタ(Agave titanota)
- 別名:チョーク・アガベ(chalk agave)
- 品種:オテロイ(Agave titanota ‘oteroi’)
- 花の色:黄色・緑色
- 葉の色:緑色
- 分類:多年草
- 草丈:約30~90cm
- 株張り:約
- 花言葉:繊細/気高い貴婦人
- 用途:カラーリーフ/ロックガーデン
- 購入方法:アガベ・チタノタ(オテロイ)を楽天で購入
■アガベ・チタノタ(オテロイ)の特徴
- 学名:Agave titanota ‘oteroi’
- 学名②:Agave oteroi
- 学名③:Agave horrida var. oteroi
- 葉の形:披針形・倒卵形
- 葉の色:緑色
- 株のサイズ:株の高さ約30~90cm
- 備考:オテロイはアガベ・チタノタと類似性が多くあり、日本ではチタノタの園芸品種として一般的に流通していますが、海外では専門家同士でも論争が起きておりホリダ(Agave horrida var. oteroi)の変種または交雑種として考えられているようです。葉の色は濃い緑色をしており、骨のような灰白色の棘をもっており、株は大きくなります。
■アガベ・チタノタとは!?
アガベ・チタノタの学名はAgave titanota、別名では「チョーク・アガベ(chalk agave)」等とも呼ばれる多年草です。
アガベ・チタノタの原産地はメキシコのオアハカ州、自生地は岩の多い斜面や乾燥した開けた林の中などにあります。
■アガベ・チタノタの語源(由来)
- 属名のAgaveは古代ギリシャ語で「高貴で輝かしい」を意味する「ἀγαυός」からきています。
■アガベ・チタノタの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- アガベ・チタノタの特徴は、株が中型で基本的に無茎な所、葉の側面が内側に湾曲して中心を包むようになるためボールのような外観になりやすい所、葉の縁部分にある棘(鋸歯)は繋がっており灰白色から褐色の骨のような見た目をしている所、葉の色が青白色・青緑色・緑色しているタイプがある所、葉の向きが成熟するに従い直立・斜上・水平へと変化して球状のロゼットを形成する所、茎・葉は多肉質で貯水組織があるため乾燥に非常に強い所、一稔性(一回結実性)の性質があり生涯に一度だけ約300~600cmまで花茎を伸ばして花を咲かせる所、株は成熟すると稀に根元に子株をつくる所などにあります。
- アガベ・チタノタは、ロゼット状に優雅に広がる葉を鑑賞する目的、カラーリーフとして楽しむ目的、鉢植えの中で育てて鑑賞する目的、アメリカの荒野の美しい景観を再現する目的、乾燥に強いためロックガーデン・ドライガーデン・ゼリスケープで利用する目的などで栽培されている植物です。
- 外観の特徴
- 草丈は約30~60cm(花茎を含まない)、株張りは約60~90cm、茎は基本的に無茎、株が成体になるとしばしば株の根元付近から子株が出てくる。
- 葉はロゼットを形成する、葉身の長さ約30~60cm、葉身の幅は約5~12cm、葉身の形は披針形・倒卵形、葉の側面が内側に湾曲して上面が凹む傾向があり、葉の縁部分と先端には灰白色・暗褐色・褐色の繋がった鋭い棘(鋸歯)がある、葉の質感は多肉質、葉の色は青白色・青緑色・緑色、葉の向きは成熟するにつれて直立・斜上・水平と段階的に変化する。
- 花は一稔性(一回結実性)で株の寿命が終わりに近づくと開花する、花茎の長さ約300~600cm、花序は総状花序、花の形状は筒状で花被(裂片)は短く、花被の色は緑色・黄色、雄蕊が花被より長く突出する、雄蕊の色は黄色です。
- 主な用途
- アガベ・チタノタはアメリカの荒野の壮大な景観を再現する目的で利用される事が多い植物です。
- アガベ・チタノタは非常に乾燥に強いことから、岩や砂の多いロックガーデンや、サボテンや多肉等の乾燥に強い植物を集めたドライガーデン、水の使用料を最小限に抑えたゼリスケープなどで育てられることが多い植物です。
- 栽培時の注意点
- アガベ・チタノタを栽培する際は「土の通気性」「過湿」に注意する必要があります。
- 土の通気性とは、水や空気がしっかりと流れ、根の呼吸や成長を邪魔しないような土です。通気性が悪いと根腐れを引き起こす事もあるため、植物を育てる用土はしっかりと選ぶ必要があります。※詳しくは育て方からご覧下さい。
- 過湿とは、何時までも土壌がジメジメしているような状態です。基本的に他の多肉植物と同様に、乾燥に強いですが、水分が過剰な状態を苦手にしています。そのため、水のやりすぎないこと、長雨に当てないことが大切になるでしょう。
- 棘とは、植物体の表面から突起していて先端が鋭く尖る硬い突起物です。アガベ・チタノタは葉の縁部分と先端に鋭い棘を持っているため、洋服に触れると引っかかったり、触れると皮膚を傷つけて怪我をすることがあります。そのため、手入れする時は長袖・手袋・保護メガネをしてから作業した方が安全です。
■アガベ・チタノタの園芸品種を紹介
白鯨
学名:Agave titanota ‘white whale’
葉の形:倒卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:葉の縁部分にある棘が繋がっていて、色が灰白色をしているため、骨のように見えます。株は葉がキャベツやボールのように纏まり整った外観をしています。※白鯨の偽物が流通している事がありますが、草姿がキャベツのように丸くなっていないものが多いようです。
オテロイ
学名:Agave titanota ‘oteroi’
学名②:Agave oteroi
学名③:Agave horrida var. oteroi
葉の形:披針形・倒卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:株の高さ約30~90cm
備考:オテロイはアガベ・チタノタと類似性が多くあり、日本ではチタノタの園芸品種として一般的に流通していますが、海外では専門家同士でも論争が起きておりホリダ(Agave horrida var. oteroi)の変種または交雑種として考えられているようです。葉の色は濃い緑色をしており、骨のような灰白色の棘をもっており、株は大きくなります。
スナグルトゥース
学名:Agave titanota ‘snaggle tooth’
葉の形:披針形
葉の色:緑色・クリーム色~桃色(覆輪)
株のサイズ:
備考:葉の中にクリーム色~桃色の覆輪が入るため、可愛らしさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる。
フィリグリー
学名:Agave titanota ‘Filigree’
葉の形:倒卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:葉の数が多く密度が高い。葉の横幅が広く丸みを帯びており可愛らしい。棘(鋸歯)は細かく緻密な印象を与える。
ハデス・黒蒂斯
学名:Agave titanota ‘hades’
葉の形:倒卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:棘が長くて色が黒色から灰白色をしているため、危険な武器のような見た目をしています。
ソーラーエクリプス・夕映厳竜
学名:Agave titanota ‘solar eclipse’
葉の形:倒卵形・披針形
葉の色:緑色・黄緑色
株のサイズ:
備考:葉の中に黄緑色の班が入る事がある。棘の色は灰白色で、獰猛な肉食獣の牙のようにうねる傾向がある。葉は肉厚で株姿は開きがち。
覇王龍
学名:Agave titanota ‘Haou-ryu’
葉の形:倒卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:葉幅が広く肉質でぽっちゃりとした重厚感ある姿が魅力的な品種です。
宝珠
学名:Agave titanota ‘Baozhu’
葉の形:卵形・倒卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:葉の縁部分にある棘は、色が灰白色から赤褐色をしている。株はボールのように球形に纏まる傾向がある。
熊猫・パンダ
学名:Agave titanota ‘panda’
葉の形:卵形・倒卵形
葉の色:緑色・白緑色
株のサイズ:
備考:葉は成熟してくると白っぽくなる。棘(鋸歯)は灰白色と黒色をしており、パンダを想像させます。
ブラックダイヤモンド
学名:Agave titanota ‘Black Diamon’
葉の形:倒卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:棘(鋸歯)の色が黒色と灰白色をしています。
黒火焔・ダークフレーム
学名:Agave titanota ‘black fire’
葉の形:倒卵形・卵形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:棘(鋸歯)の色が黒色と灰白色をしています。
剣竜・タワーオブバベル
学名:Agave titanota ‘Tower of Babel’
葉の形:披針形
葉の色:緑色
株のサイズ:
備考:タワーオブバベルの名前からも分かる通り、上へと成長していく草姿が魅力的な品種です。棘(鋸歯)の幅は狭めです。
■アガベ(リュウゼツラン)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■アガベ・チタノタの育て方
花壇の土づくり
環境
アガベ・チタノタは、自生地が岩や砂の多い乾燥気味の場所にあります。
そのため、お庭の中では岩や砂を組み合わせて作られたロックガーデン、サボテンや多肉等の乾燥に強い植物を集めたドライガーデン、水の使用料を最小限に抑えたゼリスケープなどでよく育てられます。
日当り
アガベ・チタノタは光のよく当たる場所で最もよく成長します。
そのため基本的には日向で育てる方が良いですが、明るい日陰までで育てる事も可能です。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
アガベ・チタノタは、基本的に岩や砂の多い場所を好み、乾燥気味で栄養の少ない痩せた土地で育つ植物です。そのため、土質は砂壌土または砂土になるようにします。
植え付けの前に土壌診断を行い、土質が悪い場合は、土を入れ替えたり、改良用土(日向土・軽石・川砂・パーライト)を使って通気性・排水性を改善しましょう。腐葉土等の有機物は、蒸れる原因にもなるため基本的には入れません。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アガベ・チタノタは光のよく当たる場所で最もよく成長します。
そのため基本的には日向で育てる方が良いですが、明るい日陰までで育てる事も可能です。
培養土
培養土は通気性・排水性の高い多肉・サボテン・アガベの培養土などを購入して利用すると良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性が優れている用土をつくります。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を組み合わせるのも良いでしょう。
- 栄養の少ない痩せた土地に生息しており、腐葉土などの堆肥は殆ど必要としません。逆に入れると蒸れて多湿になる事もあるため、入れないか少量だけ入れるようにします。
- 鉢植えを移動する場合を考えて比重の軽い用土を利用したり、植物が倒れる可能性も考えて比重の重めの用土を選びましょう。
培養土の配合例
- 川砂+日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+くん炭=3:4:2:1
- 日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+硬質赤玉土(小粒)+べラボン=4:2:3:1
- 日向土(細粒・小粒)+桐生砂+赤玉土(小粒)+竹炭=4:3:2:1
- 軽石+硬質赤玉土+日向土+ゼオライト=2:3:4:1
培養土は基本用土を単体で使うか、または基本用土をベースにしながら改良用土を組み合わせて作ります。
植物の育ってきた環境、水やりの頻度、用土の費用などを考えて培養土を作ると良いでしょう。
基本用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
改良用土
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
植え替え
植物を育てていると、培養土が劣化したり、根詰まりを引き起こす事があります。そのため、成長の早さにも左右されますが数年(2年~3年)に一度の頻度で植え替えが必要になります。
根詰まりのサイン
- 成長が悪くなる
- 水切れの症状をおこす
- 鉢穴から根が出てきている
- 培養土の乾燥が早い
植え替え方法
- 植え替えに適した時期
- 植え替えの適期は、株の素早い回復が見込める早春が適しています。
- 植え替え手順
- 根の回り具合に合わせて、そのままの鉢を使用するか、一回り大きな鉢を使います。
- 古い鉢から株を取り出して、根を優しく解すように、風雨で劣化したり、根の侵食で劣化した古い土を軽く落とします。
- 長い根や腐った根がある場合は、必要に応じて軽く剪定して切り詰めます。
- 鉢の中に新しい培養土と株を入れて植え直します。
水やりの仕方
アガベ・チタノタは、自生地が岩や砂の多い乾燥した場所にあり、また茎・葉に水分を蓄えているため、乾燥に非常に強い植物です。
そのため、一度根づいてしまえば、乾燥に非常に強くなり、水やりがほとんど必要なくなります。
注意することは、水分の多い過湿状態に長くしない事です。過湿は病原菌が増えて腐敗する原因になったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりの頻度には注意が必要となります。
水やりの方法
水やりの際に、水を与える量は鉢底から水が流れ出る位にたっぷりと与えます。水やりの量が少ないと土中に水が染み込まなかったり、水の流れる場所が偏って根張りが悪くなる事があります。また水やりは土中の古い空気を押し出して新しい空気を入れる働きがあるため、新鮮な空気が根の呼吸を助け、植物が活発に成長するようになります。そのため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのタイミング
- 水やりの頻度は気候や環境により変化があり週に一度から月に一度の頻度になる。
- 生育が衰える冬場と夏場はいつもより乾燥気味にして育てるとよい。※夏場に水分が多いと高温多湿で蒸れて根腐れを引き起こしやすいため注意。
- 基本的に鉢植えの中が乾燥したのを確認してから与える。※確認の方法は鉢の中に割り箸などを差して確かめるとOK!
- 水切れサインとして葉に皺が寄っていたら、直ぐに水やりを行ってください。
※水やりのタイミングに不安がある場合は、サスティーを利用することも出来ます。色の変化を覚えておくだけで簡単に水やりを行うことが可能です。
肥料の与え方
アガベ・チタノタは、自生地が岩や砂の多い乾燥した場所にある事からも分かる通り、栄養の乏しい土壌でも問題なく育ち、肥料は基本的にいりません。
肥料は鉢植えで育てていたり、成長を促進させたりしたい時に与えると良いでしょう。
ただし、開花までのライフサイクルが短くなったり、過剰な肥料が根腐れを引き起こす原因になったりすることもあるため注意が必要になります。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 春に一度だけ上げることが出来ます。
- 肥料の選び方
- 肥料は多肉植物の専用肥料または成分がバランスよく入る緩効性肥料がおすすめです。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
アガベ・チタノタの剪定は、基本的に不要ですが、古葉取りを行い見た目を綺麗に保つ事もできます。
※剪定する時に注意することは、葉の先端や縁部分に鋭利な棘があるため、この部分で怪我をしないようにする事です。手袋・長袖を着用して作業しましょう。
古葉取り:株を観察して、傷んだ葉や変色した葉、枯れた葉があれば、健康な部分までナイフなどを使ってカットしましょう。
夏越しする方法
アガベ・チタノタは、自生地が岩や砂の多い乾燥した場所にある事からも分かる通り、乾燥に強く多湿を苦手にしています。特に暑さと多湿が複合する高温多湿環境では腐敗や根腐れを引き起こし株が弱りやすいため注意が必要です。
そのため、必要に応じた夏越し対策をしっかりとおこないましょう。
夏越しで重要なポイント
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 長雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかり行い排水性を高めましょう。
- 土壌改良を行っても、周りから水が集まる場所だと意味がありません。苗をレイズベットやロックガーデン等の周りより高い場所に植えたり、傾斜地に植えると、水が下に流れやすくなり、排水性が高まります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:9~11
アガベ・チタノタは、氷点下や軽い霜に耐えられる事もありますが、個体によってはHardiness zone 9に耐えられずに枯れる事もあります。そのため、冬越し対策を行って育てた方が無難でしょう。
冬越し対策
- 地植えしている場合
- 寒さが厳しい地域で育てている場合は、支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、ミニ温室を作って上げるのもひとつの対策になります。
- 鉢植えで管理している場合
- 霜の降りる地域であれば、日当たりの良い屋内や、温室に移動して管理しましょう。
挿し木や株分けで増やす
アガベ・チタノタは株分けによって増やす事ができます。
株分けの方法
- 挿し木時期
- 早春・秋
- 株を観察
- 株を観察して親株の周りにある子株を見つけます。
- 子株を掘りあげる
- 子株を優しく手で押さえながら、ナイフまたは移植ゴテを子株の根元付近にあてて、親株から子株を解すように分離させます。
- 乾燥
- 切り口から雑菌が入らないように風通しのよう日陰で軽く乾燥させます。
- 植え付け
- アガベの培養土は鉢土のづくりの培養土を参考にしてください。子株を培養土の中に植え付け、必要に応じて株をワイヤーなどで固定してください。
- 管理
- 植え付けた子株は、しばらく成長するまでは明るい日陰で管理した方がよいでしょう。
- 水やりの頻度も、根が殆ど張ってない子株の期間は、土の表面が乾燥したら与えるようにしましょう。