原産:日本
科:マツムシソウ(Dipsacaceae)
属:マツムシソウ/スカビオサ(scabiosa)
種:ジャポニカ/マツムシソウ(Japonica)
別名:スカビオサ・ジャポニカ/ピンクッション フラワー(Pincushion Flower)
開花時期:8月~10月
花の色:青色●紫色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
分類:二年草
草丈:約10~90cm
誕生花:6月30日
花言葉:風情/魅力/不幸な恋
用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
マツムシソウとは!?
マツムシソウは学名scabiosa Japonica、別名「スカビオサ・ジャポニカ」や「ピンクッション フラワー(Pincushion Flower)」とも呼ばれる日本原産の二年草で、北海道・本州・四国・九州に分布して山野に自生しています。
マツムシソウの語源(由来)
- 属名のScabiosaはラテン語で「疥癬」を意味する「scabies」に由来しており、重度の痒みを引き起こす疥癬を治療するためのハーブとして利用されていた事からきています。
- 種小名のJaponicaは「日本の」を意味しており、自生地に由来しています。
- マツムシソウの由来は「マツムシ(スズムシ)」が鳴く頃に花が咲く事からきていると言われています。
マツムシソウの特徴(魅力)
- マツムシソウは日本固有種で晩夏から秋に花を咲かせます。
- 茎は細く華奢で上部にいくほど葉は少なくなります。
- ↳上部の葉は縁部分が深く裂け羽状全裂して小葉は線形です。
- 花は直径約4cmあり筒状の小花が集まり頭花をつくります。
- ↳花はクッションの様な柔らかな見た目をしており外周部の小花が大きくひらひらとしてフリルの様になります。
マツムシソウの茎は直立で高さ約10(~90)cmに成長します。葉は根生葉と茎葉があり、茎葉は互生葉序につきます。葉色は緑色、葉身の形はヘラ形(~さじ形)もしくは羽状浅裂(~全裂)します。花序は直径約4cmの頭花(筒状花が多数集まる)です。個々の花(頭花)の筒状花は裂片が5個あり、外周部の筒状花ほど大きく外側の裂片3個も大きくなります。花後に出来る果実は痩果です。
マツムシソウの栽培方法
マツムシソウを育てる際に注意する事は「長雨の浸水」や「高温多湿」です。何故ならマツムシソウは長雨による浸水や高温多湿環境になると、株が弱りやすく枯れてしまったりするからです。そのため、出来るだけ長雨の影響が少ない場所に植えたり、土壌の排水性を高めておく等の対策が必要でしょう。
スカビオサの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
色々なスカビオサの珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2021】
マツムシソウの育て方
花壇の土づくり
日当たり
マツムシソウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし暑さの厳しい地域では、暑さを避けるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい事もあります。植える場所は地域に合わせて直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たる半日影で育てましょう。
土壌の土質
マツムシソウは、雨が降った後いつまでも湿っている様な多湿環境を苦手にしており、また高温多湿環境が続くと株が弱り枯れる事もしばしばあります。そのため土壌の排水性と通気性を上げて、適度に有機物の入る適度に肥沃な土壌で育ててあげましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなります。土の色が薄い場合は土壌が肥沃じゃない可能性があります。
土壌診断後、作土層が十分でない場合はスコップで土を深くまで掘り起こし石等を取り除きます。土壌が粘土質な場合は必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れましょう。また肥沃さはそれほど必要ありませんが、必要に応じて腐葉土や牛糞等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
マツムシソウは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また3時間~5時間の半日影までで植えて育てる事が出来ます。長雨に当たり浸水状態や多湿環境が続くと株が弱りやすいため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動するのも良いでしょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
地植え
マツムシソウを地植えしている場合は乾燥に強いため、極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。 ただし葉や花が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
マツムシソウを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。土の表面の乾燥を確認する方法は目視(土の色)か、指の第1関節までを土に入れて乾燥しているかを確認します。
肥料の与え方
マツムシソウは栄養の乏しい土壌でも育ち、基本的にそれほど肥料を必要としません。逆に肥料を与え過ぎると株が短命になる可能性があります。
肥料を与える場所は、成長期に1度だけ緩効性肥料を与えましょう。
剪定のやり方
マツムシソウの剪定は「花がら摘み」「間引き」の2つに分かれます。
花がら摘み
マツムシソウは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育が衰えたり、蕾の花が咲にくくなったりするからです。 枯れた花を摘む事は、沢山の新しい花を咲かせる事に繋がります。
花がら摘みの方法は萎れた花もしくは枯れた花を、茎の途中の葉の上で剪定するだけです。
間引き剪定
マツムシソウの間引き剪定は、花が終わる秋頃に行いましょう。
間引き剪定の目的は不要な茎を取り除く事で、光合成を行う主要な葉にエネルギーを優先的に送ったり、光の通りや風通しをよくしたりする事で健康な成長を促す所にあります。
間引き剪定のやり方は、花が終わった茎を根元付近で強く切り戻し取り除くだけです。
夏越しする方法
マツムシソウは冷涼な気候を好み高温多湿を苦手にしています。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
マツムシソウの夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、暑さと長雨対策として、西日の当たらない半日影や軒下等に移動するといいでしょう。
- 地植えで育てる場合は、雨にあたりにくい場所に植えてあげたり、必要に応じて遮光ネットを張るのも1つの対策です。
- 多湿に弱いため土壌の排水性を高めて、浸水しないようにしておく事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:6b~9a
マツムシソウは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
マツムシソウの種蒔の方法
播種時期:9~10月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:約7日~21日
光条件:
マツムシソウの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
マツムシソウの病気
- 灰色カビ病
- 白絹病
マツムシソウの害虫