- 原産:
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ダリア(dahlia)
- 品種:サックル・シリーズ
- 開花時期:4月~11月(5月~6月・9月に最も開花)
- 花の色:赤色●桃色●黄色●橙色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:70〜100cm
- 花の形:ポンポン咲き
- 花径:ポンポン
- 誕生花:7月29日/9月10日
- 花言葉:赤色「華麗」黄色「栄華」「優美」白色「感謝」「豊かな愛情」全体「華麗」「優雅」「気品」「感謝」「背信」「移り気」「不安定」
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/背が高い花/日陰植物/切り花
- 庭のスタイル:コテージガーデン/ロマンチックガーデン/エレガントガーデン/アンティークガーデン/かわいいお庭/フェアリーガーデン/エンジェルガーデン/アリスガーデン/スイーツガーデン/魔女の庭/エスニックガーデン/カラーガーデン/モダンガーデン
- 購入方法:ダリア(サックル・シリーズ)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ダリア(サックル・シリーズ)とは!?
ダリア(サックル・シリーズ)は、ポンポン咲きする直径4cm前後の丸く可愛らしい花姿が特徴です。シンプルで、扱いやすい外観をしている事から切り花やアレンジメント等で重宝されます。またシリーズの中には花色が豊富にあるためお庭の雰囲気に合わせて品種が選べるところも魅力です。
サックル・シリーズ
- サックル・ジュエル
- サックル・アプリコット
- サックル・ブリリアントオレンジ
- サックル・ルビーリング
- サックル・レモン
ダリアとは!?
ダリアは学名Dahlia、属の中に約42種があります。一般的に園芸で親しまれているダリアは雑種です。16世紀、スペイン人によってメキシコからヨーロッパにダリアが持ち込まれ、その後、繰り返し品種改良されたものが、今もお庭で親しまれているダリアです。品種改良の元になったメキシコ原産のD.pinnataやD.coccineaは、自生地では絶滅したと言われています。
ダリアの語源(由来)
- 属名のdahliaは、リンネの弟子でスウェーデンの植物学者であるAnders Dahl(1751~1789)への献名です。
- 1791年にスペインの植物学者であるAntonio José Cavanillesによって命名されました。
ダリアの特徴(魅力)
- ダリアは世界に五万以上の園芸品種があり非常に人気の高い植物です。同じ植物と思えない程に、花の大きさ、花の形、草丈などが多様にあるため、細かく分類されています。細かく分類されることで、園芸でも好みのダリアの品種が選びやすいようになっています。
- 植物は、通常は二倍体ですが、ダリアは八倍体で染色体数が普通よりも多くあります。そのため、茎・葉・花は大きく厚みが出る傾向があり、また突然変異が起きて新しい形態が生まれやすくなっています。従って、八倍体はダリアの多様性に大きく寄与しています。
- 草姿は直立、分枝は斜上します。園芸では花の大きさに合わせて摘芯や芽かきが行われて草姿の調節などがされます。
- 茎は硬く、茎の中は中空の構造のため、風や衝撃などで折れやすい傾向にあります。そのため、高性品種や花が大きい品種などは支柱が必要になります。
- ダリアは地面下に太い塊根を持ちます。掘り起こして管理出来るため、冬越しが比較的にしやすく、分球で増やす事が可能です。ただし、芽は塊根の太い部分ではなく、塊根の細いクラウンの部分に出来るため、分球をする際は注意が必要です。※詳しくは育て方をご覧ください。
- ダリアは基本的に根が浅めです。そのため、高性品種や花が大きな品種を育てる場合は、茎が倒れないように支柱が必要です。
- 葉は、一個の葉が羽状に分かれて複数の小葉が集まり、横に広がります。そのため地面を覆う高い被覆力をもっており、一方で薮のように繁茂している印象を与える場合があります。
- 葉の色はふつう緑色ですが、いくつかの品種では黒色または暗紫色をしています。そのため、重厚感のあるオシャレなお庭や、ダークファンタジーを想像させるようなお庭などにおすすめのカラーリーフとしても使えます。
- 花はキク科でよく見られる頭花、花の大きさは5cm前後の品種から30cmを超える品種まであり、花の形は舌状花と筒状花の組み合わせで16種類に分類されます。※詳しくは下記に写真付きで解説しているためご覧ください。
- ダリアは花の形や花の色が非常に多様です。そのため、丸くて可愛らしいポンポン咲きの桃色の花をロマンチックガーデンに使ったり、花弁に優雅な動きのあるインフォーマル咲きの紫色の花をエレガントガーデンに使ったり、お庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来ます。※品種の種類に関してはダリアの種類のページのリンクからご覧ください。
- ダリアの花は収穫して切り花として花瓶の中に入れて飾られたり、花束としてフラワーアレンジメントの素材として利用する事が出来ます。
- 花瓶の中での日持ちは品種間の差や管理方法等でも左右されますが、約5~11日と長いです。
ダリアの草丈は約30(~240)cm、地面下に塊根があり、茎は直立、分枝は斜上します。茎の色は緑色または赤褐色か黒色、茎は太く硬く、茎の中は中空です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色または黒色か暗紫色、葉身の形は奇数羽状複葉、奇数羽状複葉は小葉が約3(~7)個、小葉の形は楕円形または卵形、葉のふち部分には鋸歯があります。
花序は頭状花序、頭状花序は直径約5(~30)cm以上、頭花は舌状花と筒状花で構成されており、構成の仕方により花の形は16種類に分類されます。花の色は赤色・桃色・橙色・黄色・紫色・緑色・白色・黒色です。
ダリアの切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- ダリアは収穫後に花が開きにくいため、花が完全に開いているか殆ど開いてるタイミングで行いましょう。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果は高く日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに切り戻しと水換えを行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~11日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
ダリアの花の形・草丈・花の大きさの分類
花の形の分類
シングル咲き シングル咲きのダリアとは、舌状花が外周に一列に並び、筒状花が中央に円盤状に集まる花形です。舌状花は約8~10枚あり、基本的に形は均一で巻いたり捻ったりしません。筒状花は中央で円盤状に集まり、長すぎたり突出しません。 | ピオニー咲き ピオニー咲きのダリアとは、舌状花が外周に2~5列に並び、筒状花が中央に集まる花形です。舌状花は、基本的に形が均一で巻いたり捻ったりしません。筒状花は中央で円盤状に集まり、長すぎたり突出しません。 |
コラレット咲き コラレット咲きのダリアとは、副花冠をもつ一重咲きのダリアです。舌状花は外側に一列に並び、副花冠は舌状花より小さく外側に向かい放射状に並び、筒状花が中央で円盤状にあつまります。 | アネモネ咲き アネモネ咲きのダリアとは、筒状花が異常に長く発達しているため、花の中央が半球状に盛り上がる形状をしたダリアです。舌状花は外側には一列もしくは複数列に並びます。 |
オーキッド咲き オーキッド咲きのダリアとは、花弁が内側に強く巻いてチューブ状になる一重咲きのダリアです。舌状花は内側に2/3以上まくためチューブ状になり、外側に一列に並びます。筒状花は中央で円盤状に集まり、長すぎたり突出しません。 | ステラー咲き ステラー咲きのダリアとは、花弁が内側に強く巻いてチューブ状になる半八重咲きまたは八重咲きのダリアです。舌状花は内側に2/3以上まくためチューブ状になり、複数の列に並びます。筒状花はある場合と、ない場合があります。 |
スイレン咲き スイレン咲きのダリアは、全体的に丸みを帯びていて、花を横から見た時に扁平な印象を感じる 八重咲きのダリアです。花弁は横幅が広く丸みがあり、花弁は湾曲が少なく殆ど真っ直ぐか内側に少し巻き、花弁の数が少なく疎らです。花の直径に対して高さが半分未満のため、花を横から見ると他のダリアと比べて平坦な印象を持たせます。 | フォーマルデコラ咲き フォーマルデコラ咲きのダリアは、花弁が真っ直ぐ、または花芯あたりが内側に緩く巻く八重咲きのダリアです。フォーマルの名前からも分かる通り形式的で規則正しく並ぶ舌状花が特徴で、洗練された雰囲気のある花姿をつくります。 |
インフォーマルデコラ咲き インフォーマル咲きのダリアは、花弁の先の部分が捻ったり、巻いたり、尖ったりする八重咲きのダリアです。インフォーマルの名前の通り規則性のない自然な花姿が特徴で、動きのある舌状花が優雅でダイナミックな花姿を作り出します。 | ストレートカクタス咲き ストレートカクタス咲きのダリアは、舌状花が外側に強く巻くためチューブ状になり、筒状の舌状花は湾曲することなく真っ直ぐと伸びるため、八重咲きする花姿はボールを想像させます。カクタスの名前からも分かる通り、サボテンのようなつんつんとした花姿が特徴です。 |
インカーブドカクタス咲き インカーブドカクタス咲きのダリアは、舌状花が外側に強く巻くためチューブ状になり、筒状の舌状花は外側に湾曲するため、八重咲きする花姿が丸みを帯びたカップ状の外観となります。カクタスの名前からも分かる通り、サボテンのようなつんつんとした花姿をしています。 | セミカクタス咲き セミカクタス咲きのダリアは、舌状花が外側へ強く巻かないため完全なチューブにならず、先端が尖る三角形のような外観となり、八重咲きするダリアです。 |
フリル咲き フリル咲きのダリアは、舌状花の先端が裂けてフリル状になる八重咲きダリアです。フリル咲きは舌状花全体の形を元にして、「デコラティブフリル咲き」「カクタスフリル咲き」と分類されることもあります。ただし品種が少ないので、ここではどちらもフリル咲きとして扱います。 | ボール咲き ボール咲きダリアとは、舌状花が内側に巻いて先端が丸みを帯びており、舌状花は螺旋状に規則正しく密に並んでボール状の外観をつくる、八重咲きのダリアです。花の大きさが直径5cm以上あり、5cm未満のポンポン咲きと区別する事が出来ます。 |
ポンポン咲き ポンポン咲きダリアとは、舌状花が内側に巻いて先端が丸みを帯びており、舌状花は螺旋状に規則正しく密に並んでボール状の外観をつくる、八重咲きのダリアです。花の直径は5cm未満しかなく、ボール咲きと区別する事が出来ます。 | ノベルティー咲き ノベルティー咲きのダリアとは前述のどの花形にも属さない咲き方をするダリアです。 |
草丈での分類
花の大きさで分類
ダリアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ダリア(サックル・シリーズ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ダリア(サックル・シリーズ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の暑さが非常に厳しい地域では、暑さ・強光・乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こす事があるため、午後の日差しを避けた方が良い場合もあります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは、午後から日陰になる半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
土壌の土質
ダリア(サックル・シリーズ)は、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスが良い土壌に改善して、腐葉土等の有機物を入れて肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け方法
- 土壌に穴を掘ります。
- 植え穴の深さは約5~15cm、塊根の大きさに合わせて穴を掘りましょう。
- 塊根のクラウンから出る芽を上向きにして穴の中に塊根をおきます。
- ダリアが、高性に育つ品種の場合は、倒れて折れる事があるため支柱をたてましょう。
- ダリアは根が浅い傾向があるため高性品種だと風で倒れやすく、また茎は硬いですが中身は空洞で折れやすいからです。
- ダリアの塊根に土を被せます。
- ダリアを複数植える場合は、株の大きさに合わせて、株間を20cm~50cm以上に空けて植え付けましょう。
鉢土づくり
日当り
ダリア(サックル・シリーズ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の暑さが非常に厳しい地域では、暑さ・強光・乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こす事があるため、午後の日差しを避けた方が良い場合もあります。
培養土
ダリア(サックル・シリーズ)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
植付け方法
- 土壌に穴を掘ります。
- 植え穴の深さは約5~10cm、塊根の大きさに合わせて穴を掘りましょう。
- 塊根のクラウンから出る芽を上向きにして穴の中に塊根をおきます。
- ダリアが、高性に育つ品種の場合は、倒れて折れる事があるため支柱をたてましょう。
- ダリアの塊根に土を被せます。
水やりの仕方
ダリア(サックル・シリーズ)は、塊根の状態の時や、成長初期で茎の高さが10cmに達していない場合は水やりを行う必要はありません。生育初期に水をやり過ぎると、根の強い成長を阻害する可能性があります。
ダリア(サックル・シリーズ)は短期的な乾燥に耐える事が出来ますが、生産性を高める場合はやや湿り気のある土壌に保つのが良いでしょう。 ただし、何時までも水分が停滞するジメジメした環境は、塊茎の腐敗や根腐れを引き起こす原因となるため、土壌の状態を見ながら、水やりを行う必要があります。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりは、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
ダリア(サックル・シリーズ)は、十分に肥沃な土壌であれば年に1回だけ、春に緩効性肥料を与えるだけで育てる事が可能です。
ただし茎・葉を健康に成長させて、しっかり花を咲かせたいなら、十分な肥料を与える必要があります。肥料が足りないと、茎・葉の色が悪くなったり、花が上手く咲かない事もあるため、生育期間中(春・夏・秋)も定期的に肥料を与える事が大切です。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期は、ダリアの芽が出てから秋までの生育期間中です。
- 追肥はリンとカリが多めの液肥、もしくは肥効が長く続く固形肥料を選びましょう。
- 化成肥料や緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
- 液体肥料で与える場合は、規定された分量で希釈して約7日に1回のペースで水やりの際に一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 基本的には年に1回、塊茎を植え付ける時に、腐葉土や牛糞堆肥を入れて土壌改良を行う事で土壌の劣化を防げます。
剪定のやり方
ダリア(サックル・シリーズ)の剪定は、どのようにダリアを仕立てたいかで変わります。一般的には「摘芯仕立て」「天花仕立て」の2タイプで、剪定のやり方を変えるのが普通です。
一般的には、摘芯仕立ては小・中輪タイプを仕立てる時、天花仕立ては大・巨大輪ダリアを仕立てる時に行われる剪定方法です。
摘芯仕立て
摘芯仕立てとは、成長の早い段階で、植物の苗の成長点を指で摘むかハサミを使い切り取って、分枝を促す方法です。
摘芯仕立てのメリット
- 茎の数が増えてふさふさとボリュームのある草姿になる。
- 草丈が抑えられるためコンパクトに管理出来る。
- 茎の数が増えるため、花と果実の数が増える。
摘芯仕立てのデメリット
- 草丈が低くなるため花壇の背景として使いにくくなったり、切り花の茎の長さが足りなくなる可能性がある。
- 花が小さくなる可能性がある。
- 茎の数が増えて繁茂するため多湿になる可能性がある。
摘芯仕立てのやり方
- 摘芯仕立てのタイミングは、地上から出てきた茎の節の数が、2個または4個になった時です。
- 茎の頂部にある若い芽(成長点)を、指で摘んでかきとります。
- 脇芽がある程度成長したら、もう一度、摘芯する事も出来ます。おすすめは茎の数が4~10本の間です。不要な脇芽は取り除き茎の数を制御しましょう。
- 開花期間中は持続的な開花を促すために、花がら摘みも大切になります。
- 花が色褪せたら、花と花柄を剪定して取り除きます。必要に応じて更に下から剪定する事も可能です。
天花仕立て
天花仕立てとは、1個または数個の花に栄養を集中させて大きくするために、余分な脇芽を取り除く仕立て方です。
天花仕立てのメリット
- 草丈が高くなるため花壇の背景として使えたり、切り花等に使いやすくなる。
- 花や果実が大きく立派になる。
天花仕立てデメリット
- 草丈が高くなるため花壇の中での調和をとるのが難しい場合がある。
- 花の数が減る。
天花仕立てのやり方
- 天花仕立てにする場合は、茎の数を3本~5本に制御します。
- 地面から一節目または二節目までの脇芽を残し、残りの脇芽は全て指でかきとります。
- 開花期間中は持続的な開花を促すために、花がら摘みも大切になります。
- 花が色褪せたら、花と花柄を剪定して取り除きます。必要に応じて更に下から剪定する事も可能です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
ダリア(サックル・シリーズ)は暖地や平地であれば、塊根を掘り起こすことなく、そのまま植えっぱなしで冬が越せます。ただし強い霜が降りる地域では、必要に応じて冬越し対策が必要となります。
冬越し対策
- 塊根のある場所に腐葉土等をかけてマルチングして霜対策を行う。
- 塊根のある場所に不織布をかけてマルチングして霜対策を行う。
- 塊根を掘り起こして湿潤貯蔵を行い霜対策・凍結対策を行う。
ダリアの湿潤貯蔵
湿潤貯蔵
湿潤貯蔵とは球根が乾燥しないように適度な湿度を保って管理する方法です。植物の球根にあった適切な管理を行う事で、球根が機能性を失ったり、腐敗することなく、次の植え付け時期まで、球根が健康な状態を保つことが出来ます。
- ダリアを掘り起こします。
- 掘り起こす時期は晩秋頃ですが、タイミングは地上部の葉が枯れた時に行います。
- 塊根を綺麗にします。
- 塊根を傷つけないように土を落とします。方法は、手やブラシ、流水などを使いましょう。
- 塊根を傷つけると腐敗の原因にもなるため注意して下さい。心配な場合は必要に応じて消毒液を使用しましょう。
- 乾燥させる。
- 塊根が湿った状態では雑菌が繁殖して腐敗するため、貯蔵する前に、外側を乾燥させ、傷ついている部分にはカルスを形成させます。
- 塊根は、直射日光を避けた日陰の風通しのよい場所に仮置きして、数日から一週間程度、乾燥させます。
- 湿潤貯蔵する
- 塊根を保管するための容器と用土を準備します。
- 容器は穴を開けた「袋」または「箱」を用意します。
- 用土は雑菌のいない清潔なバーミキュライト・オガクズ・ピートモス等を使用します。
- 容器の中に用土を入れて、塊根を少し離した状態で入れます。くっつけると腐敗した時に、腐敗が広がりやすくなります。
- 塊根を保管するための容器と用土を準備します。
- 管理場所
- 塊根が入った容器は、倉庫や玄関先等、温度が約4~10度に保てる場所で保管します。
- 定期点検
- 塊根が「腐敗」「乾燥」している事があるため、定期的にチェックする事が必要です。
- 塊根が腐敗している場合は、腐敗した部分を取り除き、他の塊根とわけて管理します。
- 塊根が乾燥して皺がよっていたり、水分が少ないと感じるような場合は、塊根を水で湿らせた後に再度、保管しなおします。
挿し木や株分けで増やす
ダリアは挿し木や分球によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- ダリアの挿し木時期は晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
ダリアの分球の方法
- ダリアの塊根を分球する時期は、芽が確認出来る早春から晩春です。
- ダリアは太い芋の部分には芽をつけません。太い芋の先にある細いクラウン部分に芽を付けます。そのため、クラウンに出来た芽を確認した後に分球する事が大切になります。
- 塊根のクラウンから芽が出たら、最低一個は芽がつくようにクラウン部分を切って塊根を分割します。