- 原産:
- 科:ハナシノブ(Polemoniaceae)
- 属:フロックス(Phlox)
- 種:プロカムベンス(Phlox × procumbens)
- 品種:バリエガータ(Phlox × procumbens ‘variegata’)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:桃色
- 葉の色:緑色・クリーム色
- 香り:
- 分類:多年草
- 草丈:約10~25cm
- 株張り:
- 花言葉:謙虚・温和・清楚
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー
- 購入方法:フロックス(バリエガータ)を楽天で購入
■フロックス(バリエガータ)の特徴
- 花の形:集散花序
- 花冠裂片:倒卵形
- 花の色:桃色
- 葉の色:緑色とクリーム色の複色、縁部分にクリーム色の覆輪が入る。
- 株のサイズ:約10~25cm
- 備考:葉の中にクリーム色の覆輪が入るため、明るさや柔らかさを感じさせるカラーリーフになる。桃色は女性的な可愛らしさや、明るさや元気の良さを感じさせるため、可愛いをテーマにするお庭や、子供っぽさや元気の良さを感じさせるカラフルなお庭などによくあいます。
■フロックス・プロカムベンスとは!?
フロックス・プロカムベンスの学名はPhlox × procumbens、野生に自生している原種ではなく、北アメリカ原産のシバザクラ(P.subulata)とツルハナシノブ(P. stolonifera)の種間交雑種の多年草です。
■フロックス・プロカムベンスの語源(由来)
- 属名のPhloxは古代ギリシア語で「炎」を意味する「φλόξ」からきており、花の色に由来しています。
- 種小名のprocumbensはラテン語で「横臥の」や「前に倒れる」を意味しており草姿に由来します。
■フロックス・プロカムベンスの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- フロックス・プロカムベンスの特徴は、草姿がほふく性で地面をマット状に広がる所、ツルハナシノブと同様に花を咲かせる茎は直立する傾向にある所、花は茎の上部に緩く数個から十数個咲かせる所、葉の形がツルハナシノブと芝桜の中間で細くシャープな見た目をしている所、葉の色が複色の品種もあるためカラーリーフとしても楽しめる所などにあります。
- フロックス・プロカムベンスは、開花期に見られる美しい花を鑑賞する目的・地面を覆うグランドカバーとして利用する目的、従来とは違う葉の色をカラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されています。
- 外観の特徴
- 草丈は約10~25cm、草姿は匍匐して広がりマット状になる、茎は匍匐茎と直立茎があり、分枝が直立する傾向がある、茎の色は緑色または赤みをおびる。
- 葉序は対生葉序、 葉身の形は線形または披針形、葉の色は緑色です。
- 花序は集散花序、集散花序は茎の上部に緩く数個から十数個の花をつける。花冠は高杯形(高盆形花冠)、高杯形の形状は下部の筒部が細くて長く上部が皿状に開き裂片が5個、裂片の形は倒卵形、花の色は桃色・紫色・白色の範囲である。
- 主な用途
- フロックス・プロカムベンスは、花を鑑賞する目的で利用されることが多いです。開花期になると一斉に沢山の花が開花して株を覆い尽くすため、花絨毯のように美しい景観をつくります。
- フロックス・プロカムベンスは草姿がほふく性で地面をマット状に広がるため、半日影から明るい日陰の地被植物(グランドカバー)として利用されます。
- フロックス・プロカムベンスは、一部の品種の葉の色が黄色をしているため、明るさや元気の良さを感じさせるカラーリーフとして楽しまれたりもします。
■フロックスの主な原種を紹介
クサキョウチクトウ
学名:Phlox paniculata
分類:多年草
開花時期:6月~9月
花の形:円錐花序
花の色:赤色・桃色・紫色・白色
株のサイズ:40~120cm程度
備考:草丈が高くなる。茎は基本的に分枝せずに直立するため見た目の行儀がよい。花房が巨大でボリューム感がある。
キキョウナデシコ
学名:Phlox drummondii
分類:一年草
開花時期:5月~7月
花の形:円錐花序
花の色:赤色・桃色・黄色・紫色・白色・黒色
株のサイズ:10~50cm程度
備考:花の形や色のバリエーションが豊富にある。種から育てられるため大量植栽しやすい。
ツルハナシノブ
学名:Phlox stolonifera
分類:多年草
開花時期:4月~6月
花の形:集散花序
花の色:桃色・紫色・白色
株のサイズ:約10~25cm
備考:草姿はほふく性でマット状に広がるため地被植物として利用される。花はほふく茎から分枝した茎が直立してその先に咲く。細い茎に緩く花が数個付いて咲くため、可憐な花姿が楽しめる。
■フロックスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■フロックス(バリエガータ)の育て方
花壇の土づくり
環境
フロックス(バリエガータ)は、開けた森林の中や川岸などの、半日影から明るい日陰の湿潤した場所に自生しています。
日当り
日当たりは、半日影から明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
土壌は、通気性・保水性・排水性のバランスがよく、腐植に富んだ肥沃な土壌を好みます。
注意することは、雨の後に水がたまるような水捌けの悪い場所で育てたり、ジメジメとした状態が続くような粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土質が悪い場合は土壌改善をします。基本的には壌土になるように土壌を改善すると良いでしょう。肥沃さも重要なため腐葉土などの等もしっかりといれます。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植え付け方法
- 植付け方法は標準植えで行います。苗(根鉢)の1.5~2倍または30cm程度の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除き、標準植えで植え付けを行いましょう。
水やりの仕方
フロックス(バリエガータ)は、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。そのため、土壌の土質や周囲の環境にもよりますが、定期的な水やりが必要です。
水やりの頻度と与え方
- 水やりのタイミングは、土壌の表面が乾いてきたら行うといいでしょう。乾燥の確認方法は、土の色の変化を見たり、土の中に指を入れて確認する方法等があります。不安な場合はサスティーを利用すると良いでしょう。
- 水やりの頻度は季節や気候・周囲の環境・土質によっても左右されるため一概ではありません。土壌の状態をみながら水やりを繰り返して、少しづつ掴んでいくと良いでしょう。
肥料の与え方
フロックス(バリエガータ)は、土壌に十分な肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。
早春に一度だけ株の周りに堆肥を入れて上げたり、有機肥料や緩効性肥料を入れて上げるとよいでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期
- 植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方
- 地植えの場合は土壌改良を行い堆肥(腐葉土や牛糞堆肥等)をいれて混和するか、株の上に堆肥を盛るか、周囲に穴を掘り堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替え時に牛糞や腐葉土のしっかり入る新しい培養土を使うか、古い土を再利用する場合は、古い土の中に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用しましょう。
- 肥料を与える時期
- 晩冬から早春
- 肥料の選び方
- 肥沃な土壌を好むため有機肥料や配合肥料などがおすすめですが、使い勝手の良い緩効性肥料もおすすめです。
- 肥料の与え方
- 有機肥料を与える場合は、規定された分量を規定された場所に与えます。有機肥料を土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を埋めるとよいでしょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を規定された場所に与えます。基本的には株から少し離れた場所に根があるため、肥料は株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。
剪定のやり方
フロックス(バリエガータ)は剪定せずに育てる事も出来ますが、開花後に切り戻し剪定(刈り込み)を行う事で、風通しや日当たりがよくなり、多湿による枯れこみを防げます。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定を行う理由
- 剪定を行うことで茎葉の数が減り、株の中の風通しがよくなり湿気を飛ばすことができます。そのため、多湿による枯れこみを防げます。
- 剪定を行うことで茎葉の数が減り、株の根元まで光が当たりやすくなり、土壌の過湿などを防ぐことができます。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 晩春から初夏(開花後)
- 剪定方法
- 株全体の形状を観察して、株の高さの半分程度を目安に、全体を切り戻し剪定します。
夏越しする方法
フロックス(バリエガータ)は、夏の暑さに耐えることが出来ますが、自生地が開けた森林・岩場・砂地などにある事からも分かる通り、多湿を苦手にしています。
特に、夏場は暑さと多湿の複合ストレスにより、枯れ込むリスクが高まります。
そのため、必要に応じた夏越し対策が必要になるでしょう。
夏越しで重要なポイント
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかり行い排水性を高めましょう。
- 適切な水分管理
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:5~9
フロックス(バリエガータ)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
フロックス・プロカムベンスは株分けや挿し木によって増やす事ができます。
株分けの方法
- 株分けに適する時期
- 晩春から初夏(花後)
- 初秋から秋
- 株を掘りあげる
- 株をスコップで掘りおこし、土を軽く落として茎と根の位置を確認します。
- 株を分割する
- 株と株を解しながら、必要に応じてナイフやハサミ等も使い、株に出来るだけ根をつけながら分割しましょう。
- 株分け後の管理
- 切り離した株は、そのまま土壌に植え付けます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 挿し木する時期は発根率の初夏から夏頃が適します。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土には切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土を容器に入れて事前に水をかけて湿らせておきます。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程をいれます。
- 管理
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
フロックス・プロカムベンスの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
フロックス・プロカムベンスの病気
フロックス・プロカムベンスの害虫