- 原産:メキシコ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:マリーゴールド/コウオウソウ(Tagetes)
- 種:センジュギク/エレクタ(erecta)
- 英名:アフリカン・マリーゴールド(African marigold)
- 別名:アズテック・マリーゴールド(Aztec marigold)/メキシカン・マリーゴールド(Mexican marigold)/ビック・マリーゴールド(big marigold)
- 品種:ガルーダ・シリーズ
- 開花時期:4月~10月
- 花の色:黄色●橙色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草/多年草
- 草丈:約100cm
- 誕生花:7月18日
- 花言葉:絶望/嫉妬/悲しみ/逆境を乗り越えて生きる/健康(黄花)/予言(橙花)
- 用途:開花期間長い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)とは!?
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は殆ど分枝することなく高さ最大100cmまで茎が伸びるため花壇の中で背景として利用しやすく、また茎が長いため切り花としても利用され、花は直径が約8~10cmと大きく豪華で様々花色がある品種群(シリーズ)です。
- ガルーダオレンジは色鮮やかな橙色の花色と、直径約8~10cmの楕円体の大きな花が魅力の品種です。
- ガールダゴールドは赤みを帯びる黄色の花色と、直径約8~10cmの楕円体の大きな花が魅力の品種です。
- ガルーダイエローは色鮮やかな黄色の花色と、直径約8~10cmの楕円体の大きな花が魅力の品種です。
アフリカンマリーゴールドとは!?
アフリカンマリーゴールドは学名Tagetes erecta、単に「マリーゴールド」とも呼ばれる事も多く、別名では「センジュギク」や「メキシカン・マリーゴールド(Mexican marigold)」とも呼ばれるメキシコ原産の一年草もしくは多年草です。
アフリカンマリーゴールドの語源(由来)
- 属名のTagetesの由来はエトルリアの神の「Tages」に因みます。
- 種小名のerectaは「直立した」を意味しており草姿に由来します。
アフリカンマリーゴールドの特徴(魅力)
- アフリカンマリーゴールドは茎が殆ど分枝する事なく直立して頂部に直径約5~12cmの大きな花を咲かせます。
- 花は開花期間がとても長く春から秋にかけて長く楽しめます。
- 花は舌状花と筒状花の小花が組み合わさる頭花で、頭花は楕円形に丸みを帯びた形をしています。
- 花色は黄色や橙色等があり色鮮やかなため遠くからでも強く目を引きつける効果があります。
- 鮮やかな橙色の花色は「太陽」のエネルギーや「南国」の陽気さなどを連想させるため、開放感のあるカジュアルなお庭や、複数の色(青色・黄色等)が入ったカラフルなお庭などによくあいます。
- 切り花は管理の方法でも左右されますが花瓶の中で約5~10日たのしめます。
- 葉は幾つもの小葉が集まり羽状する装飾的な形をつくります。
- 葉には油腺があり触れると独特な刺激臭を放ちます。
- アフリカンマリーゴールドは根から分泌されるαターチエニルの働きによりセンチュウ(サツマイモネコブセンチュウやキタネグサレセンチュウ等)を死に至らせ、センチュウの数を抑制して土壌中の密度を減らし、センチュウによる病気の予防に働きます。
- 対抗植物としてセンチュウ防除に利用する場合は、根を満遍なく張り巡らさせる必要があるため、予防したい場所に満遍なく植える必要があります。
- アフリカンマリーゴールドは種から簡単に育てる事が出来て、苗の値段も安いため大量植栽しやすいです。
- 矮性な品種は花壇に並べられて縁取りに利用されたり寄せ植えに利用されたりします。
- 高性な品種は花壇に中央や後方に植えて立体感をつくったり収穫されて切り花にされたりします。
- メキシコでは墓所や祭壇を飾る花として利用されており「flower of the dead」の別名で呼ばれることもあります。
アフリカンマリーゴールドの草丈は約30(~120)cm、草姿は直立して分枝は少なめです。葉序は対生葉序もしくは互生葉序(上部)、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~12)cm、葉身は羽状複葉、小葉は狭楕円形もしくは披針形、縁部分に鋸歯があります。花序は頭状花序、頭状花序の大きさは直径約5(~12)cmで舌状花と筒状花で構成されています。舌状花の色は黄色・橙色・白色があり、ふつう外周に約5(~8)個並ぶか八重咲き品種では100個近くある場合もあります。筒状花の色は黄色・橙色・白色があり、花の中央部に約50(~120)個あります。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
アフリカンマリーゴールドの切り花の楽しみ方
- アフリカンマリーゴールドの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~10日程度です。
アフリカンマリーゴールドの園芸品種の紹介
- ホワイトバニラ(Tagetes erecta ‘White vanilla’)は直径約6~8cmの完全八重咲きする豪華な花姿と、白色(クリーム色)の柔らかな花色が魅力の園芸品種です。白色もしくはクリーム色の花色は、白色ゆらいの清潔感のある印象や洗練された品の良い印象を与えます。また淡いクリーム色も入るため甘く優しい雰囲気などもつくります。そのため上品なお庭や、ロマンチックな雰囲気のあるお庭などによくあうでしょう。草姿は直立して 、高さ約40cmまで成長します。
- スイートクリーム(Tagetes erecta ‘sweet cream’)は直径約5~8cmの八重咲きする豪華な花姿と、柔らかな雰囲気をつくるクリーム色の花色が魅力的な園芸品種です。淡いクリーム色の柔らかな花色は、甘く優しい雰囲気をつくるため、穏やかでリラックス出来るようなお庭や、ロマンチックな雰囲気が漂うお庭などによくあいます。草姿は直立して 、高さ約40cmまで成長します。
- レモンドロップ(Tagetes erecta ‘lemon drop’)はレモンを連想させるような爽やかな黄色の花色と、楕円体に丸みを帯びて咲く豪華な花姿が魅力の園芸品種です。色鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な気分にさせたり、爽やかでポジティブな印象を与えたりします。そのため気分を向上させるような明るく爽やかなお庭や、ポップな印象を与えるカラフル(様々な色を組み合わせる)なお庭などによくあうでしょう。高さ約20~30cmまで成長します。
- ノーセントライムグリーン(Tagetes erecta ‘nosento lime green’)は花色が色鮮やかな黄色もしくはライムグリーンをしており、明るく爽やかな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。花は直径約5~8cmあり、黄色(黄緑色)の花弁が幾重にも重なり楕円体の花を咲かせます。草姿は直立して 、高さ約60~90cmまで成長します。
- イエローレディー(Tagetes erecta ‘yellow lady’)はアフリカンマリーゴールドの中では非常に背が低い矮性タイプのマリーゴールドです。草丈は非常に低い一方で、花は大きくボリューミーなため花壇の縁どりや鉢植えなどでも育てやすく、花が咲くと豪華な雰囲気をつくります。またレモンを連想させる様な色鮮やかな黄色の花色は、明るく開放的な気分にさせたり、爽やかでポジティブな印象を与えたりするため、気分を向上させるような明るく爽やかなお庭や、ポップな印象を与えるカラフル(様々な色を組み合わせる)なお庭などによくあうでしょう。
- ライムグリーンは殆ど分枝することなく高さ70~80cmまで茎が垂直に伸び、ライムグリーンの色をした楕円体の大輪の花を頂部に咲かせる園芸品種です。比較的に背が高く成長する事から花壇の中央や後方に植えて、背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。明るいライムグリーンの花色は瑞々しくフレッシュな印象や、心を癒すような効果があります。そのため明るく爽やかなお庭や、落ち着いたお庭などによく合うでしょう。
- ガルーダ・シリーズは殆ど分枝することなく高さ最大100cmまで茎が伸びるため花壇の中で背景として利用しやすく、また茎が長いため切り花としても利用され、花は直径が約8~10cmと大きく豪華で様々花色がある品種群(シリーズ)です。
- ディスカバリー・シリーズ(Tagetes erecta ‘Discovery’)
- ディスカバリー・シリーズは背が低く高さが25cm程度にしかならないため花壇の縁どりや鉢植えなどでも育てやすく、四季咲き性が強く大輪の黄色や橙色の花がお庭に明るい雰囲気をもたらす魅力的な園芸品種です。
- ディスカバリー・オレンジは鮮やかな橙色の花色と、楕円体の豪華な花姿、矮性でコンパクトな草姿が魅力の品種です。
- ディスカバリー・イエロー鮮やかな黄色の花色と、楕円体の豪華な花姿、矮性でコンパクトな草姿が魅力の品種です。
- タイザン・シリーズ(Tagetes erecta ‘taishan’)
- タイザン・シリーズは背が低く高さが20~30cm程度にしかならないため花壇の縁どりや鉢植えなどでも育てやすいです。また茎はよく分岐するためたくさんの花を咲かせる傾向が強く、茎は丈夫なため切り花にも利用しやすい品種群(シリーズ)です。
- タイザン・ゴールドは、やや赤みを帯びる黄色の花色と、楕円体の豪華な花姿が魅力の園芸品種です。
- タイザン・オレンジは鮮やかな橙色の花色と、楕円体の豪華な花姿が魅力の園芸品種です。
- タイザン・イエローはレモンを連想させるような鮮やかな黄色の花色と、楕円体の豪華な花姿が魅力の園芸品種です。
マリーゴールドの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マリーゴールドの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
作土層
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
培養土
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は適度に肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。栄養が乏しい土壌に植える場合は、植付け時に堆肥を入れたり、元肥(緩効性肥料など)を混ぜこみましょう。
剪定のやり方
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は剪定せずに育てる事も出来ますが、摘芯する事で茎の分枝を促してふさふさとした草姿を作ったり、花がら摘みを行うことで株が弱ることを防いだり開花期間を延長する事が出来ます。
摘芯
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)の摘芯は必ず必要な作業ではありませんが、生育初期に摘芯することで、茎の数が増えて密度の高いコンパクトな草姿を作ったり、花の数を増やしたりすることが出来ます。ただし摘芯する事で開花が遅れたり、茎の長さが短くなり切り花に使いにくくなるかもしれません。目的に合わせておこないましょう。
摘芯のやり方は、定植から数ヶ月の幼苗の時期に行います。茎の成長点を指で摘みとり分枝を促しましょう。
花がら摘み
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は種を採らない場合は花がら摘みを行いましょう。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種の生成のためにエネルギーが使われて株が弱り寿命が短くなったり、蕾にエネルギーが送られずに開花が進まなかったりするからです。開花を促進するためには、こまめな花がら摘みが重要です。
花がら摘みのやり方は開花期間中に個々の花をこまめに摘みましょう。
夏越しする方法
マリーゴールド(ガルーダ・シリーズ)は夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:
挿し木や株分けで増やす
アフリカンマリーゴールドは挿し木によって増やす事ができます。
アフリカンマリーゴールドの挿し木の方法
- アフリカンマリーゴールドの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約5~7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
アフリカンマリーゴールドの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約5日~7日
発芽条件:
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
アフリカンマリーゴールドの病気
- 灰色カビ病
- 斑点病
- 青枯病
アフリカンマリーゴールドの害虫
- アブラムシ
- ヨトウムシ
- ハダニ