- 原産:インド/パキスタン
- 科:フクロソウ(Geraniaceae)
- 属:ゲラニウム(Geranium)
- 種:クラルケイ(Geranium clarkei)
- 別名:クラークゲラニウム(Clarke’s geranium)/カシミール・パープル・ゲラニウム(Kashmir Purple Geranium)/カシミール・クレーンズビル(Kashmir’s Cranesbill)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:桃色●青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 香り:
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約50cm
- 誕生花:5月6日/6月29日/7月27日
- 花言葉:妬み/陽気/慰める/変わらぬ信頼
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/日陰植物/コテージガーデン
- 購入方法:ゲラニウム(クラルケイ)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ゲラニウム(クラルケイ)とは!?
ゲラニウム(クラルケイ)は学名Geranium clarkei、別名では「クラークゲラニウム(Clarke’s geranium)」や「カシミール・クレーンズビル(Kashmir’s Cranesbill)」などとも呼ばれる多年草です。原産地はインドおよびパキスタンにあり、カシミール地方の高山などに自生しています。
ゲラニウム(クラルケイ)の語源(由来)
- 属名のGeraniumは古代ギリシア語で「鶴」を意味する「γέρανος ( geranos)」からきており、果実(蒴果)の形が鶴の嘴に似ている所に由来します。
ゲラニウム(クラルケイ)の特徴(魅力)
- ゲラニウム(クラルケイ)は、葉の形が細かく裂けているため繊細でシャープな印象を与える外観をしており、花の形が丸くカップ状になる所が特徴の植物です。
- 草姿は叢生、根茎をもち、多数の葉と茎を伸ばして地面を覆うため、地被植物として使われたり、花壇の中にボリュームを出すために使われたり、バラなどの下草として使われたりします。
- 葉は葉縁部分に深い切れ込みが入り、「シダ植物」や「掌」を連想させるお洒落な形をしているため、ファンシーリーフとして楽しむこともできます。
- 花の形はカップ状、花弁は外側に膨らみ丸みを帯びており、大きさは直径約2.5~5cm、花の色は紫色・青色・白色です。
- 雄蕊の色は花糸が白色、葯が黄色または紫色をしています。
- ゲラニウムは近縁のゼラニウムと比べて寒さに強いです。また丈夫で育てやすく、管理も非常に楽なため初心者でも育てやすい植物です。
ゲラニウム(クラルケイ)の草丈は約50cm、草姿は叢生、根茎で広がり、根茎から茎と葉を何個も出してコロニー(群生)をつくります。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または対生葉序、葉の色は緑色、葉身の形は掌状深裂して裂片は5(~7)個、裂片の形は菱形で中裂します。
花序は散房状、花は二個ペアで付き、花冠はバラ形花冠、花の直径は約2.5(~5)cm、花弁は5個、花弁の色は紫色・青色・白色です。雄蕊は10個、雄蕊の花糸は白色、雄蕊の葯は黄色または暗紫色をしています。雌蕊は複数(5個)の心皮が合着する複合雌蕊です。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
ゲラニウム(クラルケイ)の園芸品種の紹介
楽天で購入 カシミール・ホワイトは、花の大きさが最大5cmと大きいため存在感があり華やかで、白地に桃色の脈が入る花の色が、清潔感と可愛らしさを感じさせる園芸品種です。草姿は叢生、株は高さ30~50cmに成長します。 | 楽天で購入 カシミール・パープルは、花の大きさが最大5cmと大きいため存在感があり華やかで、紫色の花の色が、上品さと優雅さを感じさせる園芸品種です。草姿は叢生、株は高さ30~50cmに成長します。 |
楽天で購入 カシミール・ピンクは、花の大きさが最大5cmと大きいため存在感があり華やかで、桃色の花の色が、柔らかさと可愛らしさを感じさせるためロマンチックガーデンなどにピッタリな園芸品種です。草姿は叢生、株は高さ30~50cmに成長します。 |
ゲラニウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ゲラニウム(クラルケイ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ゲラニウム(クラルケイ)は、日向から明るい日陰まで幅広い環境に適応します。ただし、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため、日向または西日の当たらない半日影で育てる事が理想です。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
ゲラニウム(クラルケイ)は、通気性と排水性が良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ゲラニウム(クラルケイ)は、日向から明るい日陰まで幅広い環境に適応します。ただし、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため、日向または西日の当たらない半日影で育てる事が理想です。
培養土
ゲラニウム(クラルケイ)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
ゲラニウム(クラルケイ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
ゲラニウム(クラルケイ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
ゲラニウム(クラルケイ)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合、必要に応じて元肥と定期的に追肥を与えましょう。
肥料と堆肥の与え方
- 肥料の与え方
- 春から秋にかけて生育期間中に有機肥料または緩効性肥料を与えます。
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(枝先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料の場合も株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
- 堆肥の与え方(鉢植えは植え替え)
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
剪定のやり方
ゲラニウム(クラルケイ)の剪定は「切り戻し剪定」を春頃と生育期間中に行います。
剪定をせずに育てることも出来ますが、剪定する事で株をコンパクトにボリュームよくしたり、新しい成長を促したり、草姿を美しく保ったり、健康な成長を促したり、株を若返らせる等のメリットもあります。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定のメリット
- 切り戻し剪定を行う事で茎の長さなどが均一になり、外観が整います。
- 剪定によって頂芽優勢が崩れ、分枝が促されるため、茎の数が増えて株がボリューミーになり、花の数も増えます。
- 生産性の低い古い茎を切り戻す事で、生産性の高い新しい成長が促されるため、株が若返り、花が咲きやすくなるなど生産性が高まります。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、株全体または土壌にも日が当たり、日当たりの改善・多湿の改善に寄与します。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、風の流れが良くなり、多湿の改善が期待出来ます。
- 多湿を改善する事で蒸れによる根腐れを防止、多湿を好むカビ(真菌)の発生を抑制して病気予防、多湿により集まってくる害虫の発生予防等が期待出来ます。
切り戻し剪定のデメリット
- 株のボリュームがなくなり、葉の数も減るため、一時的に見た目が悪くなる事があります。
- 一度に沢山の剪定を行うと、植物に強いストレスがかかり、一時的に成長が止まる可能性があります。
切り戻し剪定のやり方
- 切り戻し剪定の時期
- 晩冬から早春と生育期間です。
- 晩冬から早春の剪定
- 冬の間に茎が枯れる事があります。枯れた茎は根元から剪定するか、健康な茎の部分まで切り戻し剪定します。
- 株全体を好みの高さまで切り戻し剪定します。これを行う事で生産性の高い新しい茎が成長したり、分枝が促されて茎数と花数が増えます。
- 生育期間中の剪定
- 生育期間中に株が旺盛に成長して、繁茂することがあります。繁茂していると見た目が悪いため、株全体のバランスを見ながら軽く切り戻し剪定を行い、形を均一的に整えることができます。
挿し木や株分けで増やす
ゲラニウム(クラルケイ)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう
株分け手順
- 株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 株から少し土を落として根と芽の位置を確認します。
- 根に数個の芽を残すようにしてナイフやハサミ等を使い個々に切り分けましょう。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えます。