- 原産:南アフリカ
- 科:キョウチクトウ(Apocynaceae)
- 属:フウセントウワタ(Gomphocarpus)
- 種:フウセントウワタ(physocarpus)
- 別名:フウセンダマノキ/へアリー・ボールズ(hairy balls)/バルーンプラント(balloonplant)/バルーン・コットンブッシュ(balloon cotton-bush)ビショップ・ボール(bishop’s balls)/スワン・プラント(swan plant)
- 開花時期:6月~10月
- 果実時期:8月~11月
- 花の色:桃色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約50~200cm
- 誕生花:10月2日/10月25日/11月2日
- 花言葉:楽しい生活/たくさんの夢/逆境と反映/隠された能力
- 用途:背が高い花/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
フウセントウワタとは!?
フウセントウワタは学名Gomphocarpus physocarpus、別名では「フウセンダマノキ」や「へアリー・ボールズ(hairy balls)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の常緑低木です。
フウセントウワタの語源(由来)
- 属名のGomphocarpusはギリシャ語で「釘」や「ボルト」等を意味する「gomphos」と、ギリシャ語で「手根骨」を意味する「carpus」の2語からなります。
- フウセントウワタの由来は「風船」の様に果実が膨らむ姿と、「唐(外国)」からきて「綿」の様な冠毛をもつ種子を放出する事からきています。
フウセントウワタの特徴(魅力)
- フウセントウワタは初夏から秋にかけて開花する花と風船の様に膨らむ果実(種鞘)を鑑賞する目的で育てられます。
- 花は幾つかの小花が集まり釣り下がる様にさきます。
- 花はワックスや蝋で塗られたかの様な光沢があり副花冠は紫色(~桃色)に染まります。
- 花は僅かにバニラを思わせる様な香りがあります。
- しばしば甘い蜜を滴らせます。
- 花後にできる果実は風船の様に膨らむ個性的な形をしており棘の様な柔らかな剛毛があります。
- 風船状に膨らむ果実は切り花やフラワーアレンジメントの花材として人気です。
- 果実(袋果)は成熟するとつなぎ目から裂けて中から種子を放出します。
- 種子には絹糸状の長い冠毛があり綿(ワタ)を思わさるような外観をしています。
- 茎や葉は傷付くと軽度に有毒な乳液を出すため注意が必要です。
フウセントウワタの茎は緑色もしくは赤みを帯びており、直立して高さ約50(~200)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色もしくは黒みを帯び、葉身は2~3回羽状複葉、小葉は卵形もしくは披針形をしており、全円もしくは縁部分が浅裂(~中裂)します。花序は2個の花序が組み合わさる複合花序で、散形花序が総状に並ぶ散形総状花序をつくります。個々の花は直径約1cm、花弁は白色で5個、中央部にある副花冠は白色に紫色(~桃色)の班が入り5裂しています。花後の果実は袋果、長さ約6(~8)、幅約2(~5)cmあり、長さ約1cmの柔らかい剛毛もしくは棘があります。種子は黒色で非常に長い白色の冠毛があります。
フウセントウワタの切り花の楽しみ方
- フウセントウワタの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は種鞘が風船の様に膨らんできたタイミングでおこないましょう。
- 水揚げは水切りをおこないます。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに必要に応じて水切りと水換えを行います。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
フウセントウワタの育て方
花壇の土づくり
日当たり
フウセントウワタは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌の土質
フウセントウワタは、良好な水捌けがない場合、根腐れを引き起こし生育不良になる可能性があります。そのため通気性がよく肥沃な土壌に植えて上げるとよいでしょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして握って土塊を作ってみます。
- バラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。必要に応じて保水性・保肥力を高める用土(黒土等)を混和しましょう。
- 土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
- 必要に応じて堆肥(腐葉土等)を混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
フウセントウワタは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
フウセントウワタは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
フウセントウワタを地植えしている場合は乾燥に強いため、極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。 ただし葉や花が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
フウセントウワタを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。また乾燥にある程度耐えるため水やりを少々忘れても枯れる事は少ないですが、水やりを怠ると生育が鈍るため注意が必要です。
肥料の与え方
フウセントウワタはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。植え付け時に元肥のみを施しましょう。
植え付け時の元肥
植え付け時に肥料を与える場合は、腐葉土等の堆肥をしっかり混ぜ込んだ後に、水平型(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型(リン酸が多い)の緩効性肥料を規定量はかり培養土もしくは土壌に均一に混ぜこみ全面施肥しましょう。
剪定のやり方
フウセントウワタの剪定は基本的には不要です。
夏越しする方法
フウセントウワタは夏の暑さに強く、夏越し対策は基本的に不要です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
フウセントウワタは軽い霜であれば、屋外で越冬することもありますが、強い霜の降りる地域では枯れてしまいます。
ただし冬越し後の株は大きくなり樹形が乱れる傾向にあるため、一年草として育てられる事の方が多いようです。
冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株を掘り起こして鉢植えに植え直し室内か温室に入れます。
- それも難しい場合は株元に腐葉土を盛り不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
フウセントウワタは挿し木によって増やす事ができます。
フウセントウワタの挿し木の手順
- 挿し木の時期は生育が活発で発根力が高い晩春から初夏が適します。
- 茎に弾力があり健康な茎をカットします。
- 挿し穂 の長さ約5~7cmにわけしましょう。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残しましょう。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
フウセントウワタの種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:14~21日
発芽条件:
フウセントウワタの種まき手順
- 自家採取した種は播種する前に一晩水につけておきます。
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種は光により発芽がよくなる傾向が強いため基本的に土で覆いません。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
フウセントウワタの病気
フウセントウワタの害虫
- アブラムシ