クサギは属の中に約300~450種があり多くが熱帯や温帯を中心に分布する小高木もしくは低木かツル性木本です。一般に園芸では紅白のコントラストが上品で美しくしいゲンペイカズラ、真っ赤な花をボリューミーに半球状に咲かせるボタンクサギ、下垂する花穂がベールにも例えられる優美な花姿が魅力のクラリンドウ等が親しまれます。
クサギは夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫な種もありますが、一般に園芸で親しまれる種は多くの場合で寒さを苦手にしています。育てる際はそれぞれ育て方と耐寒性の確認が必要です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①ゲンペイカズラ | ②クサギ |
③ボタンクサギ | ④ベニバナクサギ |
⑤クラリンドウ |
原産:西アフリカ
学名:Clerodendrum thomsoniae
草丈:約300~700cm
分類:常緑ツル性木本/常緑低木
開花時期:5月~9月
花色:赤色●白色〇
葉色:緑色●黄色●
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
誕生花:5月29日
花言葉:「親友」「個性の強さ」「大きな希望」「チャンス到来」
特徴:ゲンペイカズラは学名Clerodendrum thomsoniae、別名「ゲンペイクサギ」や「ゲンペイボク」とも呼ばれる西アフリカ原産の常緑ツル性木本もしくは常緑低木です。膨らみのある真っ白な萼から咲く上品な赤黒い花は洗練された魅力があり、また円錐状に花穂が集まり咲くため非常にボリューミーな花姿をします。一般的にはツル性で他の植物や構造物に絡み長さが7mまで成長する事もありますが、低木の様に育てられる事もあります。また常緑ですが冬の寒さに当たると室内でも落葉する場合があり、春になると根(根が無事なら)から芽を出して宿根草の様に育つ事もあります。
園芸ではツル植物として育てる事も出来ますが、自らツルを絡みつける事が下手なのでトレリス等に誘引して上げる必要があります。また小さくても良く開花するため鉢花としてコンパクトに育てられる事もあります。園芸品種では葉にクリーム色の班が入り花のない時期もカラーリーフとして楽しめる品種(ゲンペイカズラ バリエガツム’Variegatum’)等もありますが、純白の花の魅力が損なわれるため好みが分かれる所でしょう。
開花時期は晩春から初秋、白色の鐘状の萼から高杯形の赤色の小花を円錐花序もしくは集散花序に咲かせます。草姿はツル性で長さ約300~約700cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は楕円形もしくは披針形、葉序は対生葉序につきます。
ゲンペイカズラをツル植物として利用する場合はトレリスや支柱等を用意してツルを巻き付ける様に誘引して育てると良いでしょう。また摘芯や剪定を行えば低木の様に育てる事も可能です。晩春から初秋にかけて長期に渡り咲く白色と赤色の複色の花は、上品でエレガンスな雰囲気がありオシャレなお庭によく似合うでしょう。
ゲンペイカズラは晩春から夏にかけて行う挿し木で増やす事ができます。育てる際は乾燥や冬の寒さに弱いため、しっかりと水やりを行い冬越し対策が必要になるでしょう。
ゲンペイカズラ |
原産:日本/中国
学名:Clerodendrum trichotomum
草丈:約300~600cm
分類:落葉低木/落葉小高木
開花時期:7月~9月
花色:白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:10月26日
花言葉:「運命」「治療」
特徴:クサギは学名Clerodendrum trichotomum、別名「ハーレクイン グローリーバウア(harlequin glorybower)」や「ピーナツバター ツリー(peanut butter tree)」とも呼ばれる日本及び中国が原産の落葉低木もしくは落葉小高木です。日本では北海道から九州まで広く分布し、道端等でもよく見かけ裸地にいちはやく侵入して定着する先駆植物となります。
葉には鼻につく独特な臭気(海外ではピーナツバター)があり和名「クサギ」の由来にもなりますが、葉は収穫して暫くすると臭いが収まり、クサギ茶として飲用されたり若葉が山菜として和え物にされたり炒められて食べられます。また花後に出来る青色の実は、煮出した汁が染料として使われており、布等を漬け込むと透き通るような水色(空色)に染まります。
日本では園芸的に育てられる事は少ないものの、お庭の目隠しとして生垣の様に利用される事もあり、夏は株を覆い尽くす程に咲くクリーム色の香りの良い花を楽しめて、また花が終わるとコントラストが魅力的な赤色の萼とメタリックブルーの果実が続きお庭を彩ります。
開花時期は夏から初秋、白色から緑色の鐘状の萼から花先が5裂する白色の小花を集散花序に咲かせます。樹形はブッシュ状で高さ約300(600)cm × 幅は約300(600)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
クサギは晩春から夏にかけて行う挿し木で増やす事ができます。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
原産:中国/台湾/北インド
学名:Clerodendrum bungei
草丈:約100~250cm
分類:落葉低木
開花時期:7月~9月
花色:赤色●桃色●
葉色:緑色●黄色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:7月26日/8月5日
花言葉:「清楚」「運命」「輝く美しさ」
特徴:ボタンクサギは学名Clerodendrum bungei、別名「ヒマラヤクサギ」や「ローズ グローリー バウア(rose glory bower)」とも呼ばれる中国及び台湾、北インドが原産の落葉低木です。日本でも暖地等では観賞用に栽培されていたものが逸出してしばしば野生化しており、樹形は下部で分枝してブッシュ状に高さ幅共に2mを超えて成長する事があります。葉はクサギと同様に独特な臭気を放ちますが、品種によりクリーム色の覆輪が入ったり、またハートの形が装飾性を高め花のない時期も鑑賞価値を高めてくれます。
半球状に咲く直径約10cmになる花は、その豪華な花姿がボタンやアジサイに似る事から和名や英名の由来にもなっており「牡丹臭木」や「メキシカンハイドランジア(Mexican hydrangea)」とも呼ばれます。また花はアゲハ蝶等の蝶々をよく惹き付ける事で知られており、お庭に植え込み等に植栽する事で開花期間中はボタンクサギの桃色の花とひらひらと優美に舞う蝶々がロマンティックな雰囲気を作ってくれるでしょう。
開花時期は夏から初秋、花色は赤色や桃色、高杯形の小花を直径約10cmの集散花序に咲かせます。樹形はブッシュ状で高さ約100(250)cm × 幅は約100(250)cmまで成長します。葉色は緑色や黄色があり、葉身は卵形もしくは腎形、葉序は対生葉序につきます。
ボタンクサギは晩春から夏にかけて行う挿し木で増やす事ができます。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
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原産:西アフリカ
学名:Clerodendrum splendens
草丈:約150~400cm
分類:常緑ツル性木本
開花時期:12月~3月
花色:赤色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
特徴:ベニバナクサギは学名Clerodendrum splendens、別名「クレロデンドラム スプレンデンス」や「フラミンゴグローリーバウア(flaming glorybower)」とも呼ばれる西アフリカ原産の常緑ツル性木本です。冬に咲く上品な赤色の花は穂状の花が円錐状に集まる事で非常にボリューミーな花姿を作り、ツル性の枝がトレリスや支柱等に絡みながら最大約4mほどまで登ります。しかし寒さに弱いため花を見るには一般的に温室や室内で育てる必要があり、また常緑ですが寒さに当たると地上部が枯れ宿根草の様に春に芽を出して育つ事もあります。
開花時期は冬、花色は赤色、高杯形の小花を直径約12cmの円錐花序に咲かせます。樹形はツル性で高さ約150(400)cm × 幅は約100(150)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは楕円形で葉序は対生葉序につきます。
ベニバナクサギは晩春から夏にかけて行う挿し木で増やす事ができます。育てる際は乾燥や冬の寒さに気をつければ基本的には丈夫で育てやすい植物です。
ベニバナクサギ |
原産:インド
学名:Clerodendrum wallichii(syn. C.laevifolium)
草丈:約60~240cm
分類:落葉低木/落葉小高木
開花時期:9月~12月
花色:白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
特徴:クラリンドウは学名Clerodendrum wallichii(syn. C.laevifolium)、別名「ブライダルヴェール(Bridal Veil)」とも呼ばれるインド原産の落葉低木もしくは落葉小高木です。下垂しながら咲く純白の美しい花穂は長さ約30cmにもなり、その垂れ下がる優美な花姿から結婚式で頭部を覆うベールにも例えられ別名(通称)の由来にもなります。樹形は一般的に直立して枝分かれが少なく環境が良いと2mを越えて成長する事があり、広がりは殆どなく上部でUの字に曲がり花穂を付けます。
開花時期は秋から初冬、白色から花先が5裂する小花を円錐花序に咲かせます。樹形は直立で高さ約60(240)cm × 幅は約30(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は長楕円形もしくは披針形、葉序は対生葉序につきます。
クラリンドウは晩春から夏にかけて行う挿し木で増やす事ができます。育てる際は乾燥や冬の寒さに気をつければ基本的には丈夫で育てやすい植物です。
クラリンドウ |