チガヤ属は約11種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページではいくつかの原種と、2種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■チガヤ属の主な種と園芸品種の紹介
チガヤ



チガヤとは!
チガヤ(学名: Imperata cylindrica)は、別名で「チバナ」「ツバナ」「コゴン(cogon)」「コゴン・グラス(cogongrass)」とも呼ばれるイネ科チガヤ属の多年草です。
チガヤの原産地はアフリカ、南ヨーロッパ、熱帯・亜熱帯アジアで、日本でも北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布し、自生地は草原や荒れ地などです。
チガヤの特徴
- チガヤの魅力:この植物の魅力は、根茎が非常に旺盛に広がり群生を形成する点や、葉が垂直に伸びるため洗練された外観を呈す点、開花期に見られる銀白色で綿毛で覆われるふわふわした花穂が優しい雰囲気を作り出す点などにあります。そのため、この花を鑑賞したり切り花で楽しんだりする目的で栽培されますが、幾つかの品種(ベニチガヤ等)では葉の色が赤色をしているため、カラーリーフとして楽しまれたりもしています。本種は耐暑性・耐寒性が非常に高く、また乾燥や栄養の少ない土壌にも耐えます。そのため、初心者でも栽培がしやすいです。その一方で、繁殖力が非常に強く、種子と根茎で旺盛に広がり雑草化しやすい点が栽培時の難点となります。
- 草姿:草丈は約30~200cm、生育型は叢生型で、株は 根茎で旺盛に広がりながら広範な群生をつくります。根茎から発生する茎(稈)には葉が密に互生し、この葉は細長く垂直に伸び、また開花期になると稈は小穂を付けます。
- 葉の特徴:葉は茎(稈)に互生につきます。葉の概形は線形で長さ約20~100cmあり、色は緑色または赤色をしています。葉の向きは基本的に直立し、成熟してくると葉先端から上側が弧状に湾曲して広がり、徐々に葉全体も斜上に広がる傾向があります。そのため、複数の葉で作られる株の姿は整然と並ぶ洗練された外観となります。
- 花の特徴:開花期は4月~6月、花序は円柱状の円錐花序で、長さは約5~22cm、直立する花軸に多数の短い小枝が並び、小枝には多数の小穂が密につきます。小穂は基部に多数の長い絹毛が生え、絹毛は白色または白銀色をしているため、花序全体は動物の尻尾のようなふさふさとした外観をしています。
- カラーリーフ:葉の色は緑色の他、品種(ベニチガヤ等)を選べば赤色の葉色も楽しめます。そのため、開花期以外も華やかな印象を添えるカラーリーフとしてお庭を彩ることが出来ます。
- フラワーアレンジメント:チガヤは白色の柔らかな花穂を収穫し、ドライフラワーやプリザーブドフラワーに加工することで、スワッグやブーケといったフラワーアレンジメントの素材となります。アレンジメントの中にこの植物を加えることで、そのふわふわした質感がボリューム感を出したり、ナチュラルで素朴な見た目からカントリー調の雰囲気を演出することができます。
- 雑草化:チガヤは、熱帯・亜熱帯を中心に世界中の広い地域で帰化しており、その繁殖力の高さから、世界最強の雑草とも呼ばれ、世界の侵略的外来種ワースト100にも選出されています。一度侵入すると根絶が難しく、株は根茎が長く伸びて逸出したり、種子が風に乗って広範に広がります。定着したチガヤを取り除く方法は、地道に手で抜いて除草することも出来ますが、多くの場合は定期的に除草剤を利用して除草されます。
チガヤの園芸品種の紹介