原産:北アメリカ
科:キク(Asteraceae)
属:エキナセア(Echinacea)
種:アングスティフォリア/ホソババレンギク(angustifolia)
別名:エキナセア・アングスティフォリア/ナローリーブ・パープル コーンフラワー(narrow leaved purple coneflower)/ブラックサムソン・エキナセア(blacksamson echinacea)
開花時期:6月~8月
花の色:桃色●茶色●
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約30cm~60cm
用途:
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ホソババレンギクとは!?
ホソババレンギクは学名Echinacea angustifolia、別名「エキナセア・アングスティフォリア」や「ナローリーブ パープル コーンフラワー(narrow leaved purple coneflower)」等とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
ホソババレンギクの語源(由来)
- 属名のEchinaceaは古代ギリシャ語で「ハリネズミ」「うに」を意味する「ἐχῖνος(ekhînos)」からきており、花の中心部にある硬く棘を思わせる様な筒状花に由来します。
- 種小名のangustifoliaはラテン語で「小さい」「狭い」を意味する「angustus」と、「葉」を意味する「folium」の2語からなり、葉の大きさに由来します。
ホソババレンギクの特徴(魅力)
- ホソババレンギクは茎や葉が白色の毛で覆われた草姿をしています。
- 花は基本的に分枝しない1個の茎に1個の花が咲きます。
- ↳花は個性的で、中央に半球状に盛上がる茶色の筒状花と下垂する様に反り返る桃色の舌状花があります。
- 花は直径7cm程度です。
- 葉が細長く種小名や英名の由来にもなっています。
- 自生地の北アメリカでは野生のエキナセアを伝統医学のハーブとして利用していました。
- ↳現在もホソババレンギクの根が健康食費などで利用されています。
- ホソババレンギクは夏の暑さや冬の寒さに強く非常に丈夫です。
- ↳また乾燥に非常に強く肥料も基本的に不要な事から放ったらかしで育てる事が出来ます。
ホソババレンギクの茎の色は緑色で赤みを帯びる事もあり白色の毛が密生しています。茎は基本的に分枝することなく垂直に伸びて高さ30(~60)cmの間で成長します。葉は根生葉と茎葉があり、茎葉は互生葉序に配置され、葉の色は緑色で白色の毛が生え、葉身は卵形から披針形をしています。花序は直径約7cmで、約80(~250)個の茶色の筒状花と、約8(~21)個の桃色の舌状花が組み合わさる頭状花序で構成されています。花後の果実は痩果です。
開花時期は晩春から秋、花色は桃色もしくは茶色、花序は筒状花と舌状花の小花が集まり直径約7cmの頭状花序をつくります。草姿は直立で高さ約30(60)cm × 幅は30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは披針形で、葉序は互生葉序もしくは根生葉につきます。
ホソババレンギクの栽培方法
ホソババレンギクを育てる際に注意する事は「日向に植える」くらいです。一度活着すれば水やりや肥料を与える事が基本的に不要になるため放ったらかしでも育ちます。また夏の暑さや冬の寒さにも強いため一度植えれば毎年花が楽しめます。
エキナセアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
エキナセア(コーンフラワー)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2021】
ホソババレンギクの育て方
花壇の土づくり
ホソババレンギクは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。一方で日当たりの悪い場所では開花が悪くなったり生育が悪くなります。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。
ホソババレンギクは幅広い土壌に耐えますが、PH6.5~7.0の間中性を好み、また有機物(腐植)が豊富に入る肥沃な土壌でよく育ちます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌を掘る時に土が硬かったり濡らした土を握った時に塊が崩れない等する場合は、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、また膨軟性(ふわふわ)を高めたり肥沃さを高める目的で腐葉土や堆肥(牛糞堆肥等)を入れたりして土壌改善を行うといいでしょう。
鉢土づくり
ホソババレンギクは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。
培養土は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
ホソババレンギクは非常に乾燥に強く、一度活着すれば極端に乾燥する場合を除いて、基本的に降水のみで育てられます。
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になる事があります。基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ホソババレンギクは肥沃な土壌であれば基本的には肥料を必要としません。多過ぎる肥料は花数を減らしたり茎の倒伏を招きます。そのため春に一度だけ堆肥をいれて、必要に応じてその時に少量の肥料も入れましょう。
植え付け時の元肥
植え付け時に肥料を与える場合は、腐葉土等の堆肥をしっかり混ぜ込んだ後に、水平型(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型(リン酸が多い)の緩効性肥料を規定量はかり培養土もしくは土壌に均一に混ぜこみ全面施肥しましょう。
植え付け後の元肥(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年晩冬から早春に与えます。ホソババレンギクは基本的に肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めると良いです。肥料を与える場合は水平型もしくは山型の配合肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
剪定のやり方
ホソババレンギクの剪定は「花がら摘み」のみです。
花がら摘み
ホソババレンギクの花がら摘みは晩春から秋の開花期間中に行います。
花がら摘みをせずに育てる事も可能ですが、枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて新しい花がつくられにくくなります。新しい花の開花を沢山見たい場合は花がら摘みをしっかり行った方がよいでしょう。
花がら摘みの方法は、個々の花を剪定ハサミ等を利用して、茎の下から切って取り除きます。
夏越しする方法
ホソババレンギクは夏の暑さや乾燥に強く、夏越し対策は基本的に不要で育てられます。
冬越しする方法
Hardiness:3b~8a
ホソババレンギクは耐寒性が高く、冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
春からの成長に備えて、株の周囲に堆肥を入れて上げると良いかもしれません。
挿し木や株分けで増やす
ホソババレンギクは株分けによって増やす事ができます。
ホソババレンギクの株分け手順
- ホソババレンギクの株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 手もしくはナイフ等を利用して株を個々に切り分けます。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
ホソババレンギクの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:7日~21日
発芽条件:
ホソババレンギクの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 基本的に種に土は被せません。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
ホソババレンギクの種が上手く発芽しない場合があります。原因は恐らく種が休眠しており、休眠打破のために低温を経験させないといけないからです。
低温を経験させる最も簡単な方法は秋に種を撒いて、冬の寒さを経験させた後に、春に発芽させる方法です。
もう1つの方法は密閉させた袋の中に種を入れて冷蔵庫(約4度)の中で約1~2ヶ月保管後に種を撒きます。
植物の病気
ホソババレンギクの病気
- 灰色カビ病
- 白絹病
ホソババレンギクの害虫
- フキノメイガ