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- 原産:南アメリカ
- 科:ナス(Solanaceae)
- 属:ペチュニア/ツクバネアサガオ(Petunia)
- 別名:ツクバネアサガオ
- 品種:湘南ヴェルデ・シリーズ(Petunia cv.)
- 開花時期:4月~11月
- 花の色:緑色・赤色・桃色・紫色・白色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約15~20cm
- 株張り:約30~40cm
- 誕生花:5月18日/7月22日/8月16日/9月25日
- 花言葉:心が和む/心の平安/決して諦めない/あなたと一緒なら心が安らぐ
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/景観植物/種から育てる植物
- 購入方法:ペチュニア(湘南ヴェルデ・シリーズ)を楽天で購入
■ペチュニア(湘南ヴェルデ・シリーズ)の特徴
- 学名:Petunia cv.
- 開花時期:4月~11月
- 花の形:八重咲き
- 花の色:緑色・赤色・桃色・紫色・白色
- 葉の色:緑色
- 草姿:半匍匐性
- 草丈:約15~20cm
- 株張り:約30~40cm
- 育種:ガルテン湘南さん育種の園芸シリーズです。
- 名前の由来:ヴェルデ(verde)はイタリア語で”緑色”を意味しており、ペチュニアでも珍しい緑色の花色にこだわりを持って作られた園芸シリーズです。
- 八重咲き:花の形は八重咲きで、花弁は小ぶりでやや波打ちます。そのため、ティッシュを軽く丸めたような可愛らしい見た目をしています。
- 花持ち:花弁に厚みがあるため、一般的なペチュニアの花よりも花持ちが良い傾向にあります。
●湘南ヴェルデ・シリーズの品種
- グランヴェルデ(大輪)
- ヴェルデ:花の色は緑色をしているため、自然と調和しナチュラルな雰囲気を感じさせる品種です。
- ルビーノヴェルデ:花の色は桃色と緑色、花の縁部分に緑色のピコティー模様が入る。
- マルモヴェルデ:花の色は白色と緑色、花弁の先端に緑色の爪班が入る。
- ミディヴェルデ(中輪)
- グラーノヴェルデ:花の色は灰色味を帯びる茶色と緑色、花弁の裏側が緑色をしている。
- ニンファヴェルデ:花の色は薄い桃色と緑色、花弁の縁部分が緑色をしている。
- ラテヴェルデ:花の色は白色と緑色、花弁の縁部分に緑色のピコティー模様が入る。
- ローザヴェルデ:花の色は桃色と緑色、花弁の縁部分に緑色のピコティー模様が入る。
- プチヴェルデ(小輪)
- ピスタチオヴェルデ:花の色は薄い緑色と白色、咲き進むにつれて白色になる。
- プチローザヴェルデ:花の色は桃色と緑色、花弁の縁部分に緑色のピコティー模様が入る。
- チョコラータ:花の色が緑色と赤褐色、花弁の縁部分に緑色のピコティー模様が入る。
■ペチュニアとは!?

ペチュニア(学名: Petunia)はナス科の属のひとつで、属の中に約20種あり、その原種は南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)のみに分布します。
ペチュニアは園芸で広く親しまれていますが、一般的に栽培されるのはこれらの原種の交雑種です。ペチュニアの交配は、1834年にヨーロッパでPetunia axillarisとPetunia integrifolia (syn. Petunia violacea)が交配されたのが始まりと言われており、1800年代後半になると日本・ドイツ・イギリス・アメリカ等でペチュニアの品種改良が急速に進み、花のサイズ・形・色の異なる多様な品種が生み出されました。
■ペチュニアの語源(由来)
- Petuniaの語源:グアラニー語で「タバコ」を意味する「pety」に由来します。そこからヨーロッパに伝わり、ポルトガル語で「タバコ」を意味する「petum」に変化し、次にフランス語で「タバコ」を意味する「petun」となり、最後に新ラテン語の「Petunia」と命名されました。
■ペチュニアの特徴(魅力)

- 形態:草丈は約15~45cm、生育型は分枝型または匍匐型、葉の形は差異が大きく楕円形・卵形・倒卵形・披針形・菱形が見られ、花序は単生で葉腋に1個の花が咲き、花の形は漏斗形です。
- 開花期間:開花は早ければ4月頃から始まり11月頃まで開花し続けます。連続開花性も抜群に高く、基本的に春・夏・秋と開花が途切れることはありません。そのため、花を長く楽しみたい人に好まれる植物です。※耐暑性の低い品種では夏に株が衰弱し開花が途切れる場合があります。また剪定の仕方でも開花が途切れます。
- 花の魅力:ペチュニアは品種改良が非常に盛んであり、花のサイズ・形・色が多種多様にあります。そのため、好みの品種を選んで楽しむことができます。例えば、八重咲き品種を選べば華やかな花姿が楽しめます。また桃色の花色を選べば女性的な可愛らしさをお庭に演出することができたり、紫色の花色を選べば高貴な雰囲気を演出することができるためエレガントなお庭によく調和します。
カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、品種(バリフロー・シリーズ等)により黄色や白色の葉色も見られます。そのため、品種を選べば花のない時期も明るさや元気の良さを感じさせるカラーリーフとして楽しめます。
寄せ植え:ペチュニアの生育型は「分枝型」または「匍匐型」の2タイプがあります。分枝型はドーム状に盛り上がるため寄せ植えの中でボリューム感を出す目的で利用し、匍匐型は寄せ植えの手前に植えて鉢縁から枝垂れる様を演出することができます。これに加え、様々な生育型の植物を組み合わせることで、奥行きと立体感のある魅力的な寄せ植えが作れるでしょう。
枝垂れ植物(ハンギング):匍匐型の品種は、茎が柔軟でコンテナや吊り鉢などに植えると、鉢側面から滝のように枝垂れる草姿が鑑賞できます。これらの仕立て方で、人工物などが植物に覆われていく様は、時の流れを演出し、優美な雰囲気を醸し出すことができます。
毛氈花壇:ペチュニアは、花色が非常に多彩で、大量の苗を揃えやすいため、広い面積の花壇の中にイラストや模様を描くように植物を植えて装飾する、毛氈花壇の素材として適しています。
花壇の縁取り:ペチュニアは苗が比較的安価で、また種子からも簡単に増やせるため、花壇の縁取りに利用しやすい植物です。特に匍匐型の品種を選べば、株が横に広がるため、用意する苗の数も少数ですみます。
地被植物: ペチュニアは、生育型が匍匐型の品種もあるため、これを選べば地被植物として活用することができます。特に、ペチュニアは開花期間が非常に長く、株を覆うように花が咲き誇るため、地被植物として利用すれば花絨毯として美しい景観を作り出すことができます。ただし注意することは、多くのペチュニアの品種が、長雨や泥はねで株が傷みやすいことです。そのため、ペチュニアを地被植物として利用する場合は、耐雨性があり、病害虫に非常に強い品種(さくらさくら・シリーズ)などを選ぶことをおすすめします。
■ペチュニアの歴史

- 1767年:フランスの植物学者・探検家・医師のPhilibert Commerson(1727-1773)が、南米のウルグアイで白花のPetunia axillarisを発見し、これがヨーロッパに伝わるきっかけになりました。
- 1831年:別の原種であるPetunia integrifolia (syn. Petunia violacea)が、南米からヨーロッパにもたらされました。
- 1834年:ヨーロッパでPetunia axillarisとPetunia integrifolia (syn. Petunia violacea)が交配され、現在の園芸種の祖先となるPetunia × hybridaが作出されました。
- 1800年代後半:ヨーロッパやアメリカ等でペチュニアの品種改良が盛んに行われ、花の形・色が異なる多様な品種が生み出されます。
- 1931年:日本のサカタのタネが、世界に先駆けてそれまで困難とされていた八重咲きペチュニア100%のF1品種を発表しました。この品種は1934年にアメリカの権威ある園芸品種の品評会「オール・アメリカ・セレクションズ(AAS)」で金賞を受賞しました。
- 1989年:サントリーと京成バラ園芸は、共同でペチュニアの園芸品種「サフィニア」を作出しました。この品種は従来のペチュニアの弱点を克服し、日本の気候に適応し栽培がしやすくなっており、栄養繁殖系で種子を殆ど作らないため株が弱りにくく、次々と沢山の花を咲かせました。サフィニアの大ヒットは、1990年代から起こるガーデニングブームの火付け役にもなりました。
- 1990年代:キリンビール株式会社アグリバイオカンパニーは自社の畑で雑草のように勢いよく広がるペチュニアを発見し、これを育種し、当時では革新的な匍匐型のペチュニアを生み出しました。この品種は、パープルウェーブと名付けられ、1995年にアメリカの権威ある園芸品種の品評会「オール・アメリカ・セレクションズ(AAS)」で高い評価を受けAAS Winners(優勝)となっています。
■ペチュニアの生活形と形態
●生活形・茎の形態

- 生活形:多年草
- ライフサイクル:春は生育旺盛で芽が伸長し、茎が旺盛に伸びて、開花も見られます。夏も生育旺盛で茎が伸長し花が次々咲きます。秋は生育がやや緩やかになりますが茎は伸長し開花が続きます。冬は生育が殆ど止まり休眠状態になり、寒さで枯れることも多いです。
- ラウンケルの生活形:半地中植物・地表植物
- 草丈:15~45cm
- 株張り:15~150cm
- 生育型:分枝型・匍匐型
- 匍匐型:地面を這うように茎が伸びるものです。
- 分枝型:主軸が不明瞭で分枝が多いものです。
- 分枝:多い
- 茎の毛:腺毛
- 茎の色:緑色・白緑色・赤紫色
- 備考:腺毛から分泌される液により、触るとベタつきます。
●葉の形態

- 葉序:一般的に互生葉序になりますが、茎上部では対生葉序になることがあり、また開花前と開花後で変わることも多いです。
- 葉柄:無柄もしくは短い葉柄があります。
- 葉身の長さ:約3~7cm
- 葉身の概形:楕円形・卵形・倒卵形・披針形・菱形
- 葉縁:全縁
- 葉の毛:腺毛
- 葉の色:一般的に緑色ですが、品種の中には黄色や白色の斑入りが見られます。
- 備考:腺毛から分泌される液により、触るとベタつきます。
●花の形態

- 花序:単生で、茎が伸長しながら葉腋から次々と咲きます。
- 花:花の直径は約5~14cm、花は花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えています。
- 萼:合片萼で、5枚の萼片が基部で合着し、先端は5裂して放射状に広がります。
- 花冠: 漏斗形で、花冠筒部は基部から先端にかけて漏斗状に大きく広がり、花冠裂片の数は5個で、形は個体(品種)により様々です。
- 雄蕊:5本
- 雌蕊:1本(子房上位・花柱1本・柱頭1個)
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果で、果実が成熟すると2室に裂開して種子が露出する。
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ペチュニアの園芸分類
●実生系・栄養系
実生系:種子から繁殖されます。栄養系と比べて比較的安価で苗が手に入りやすく、種子から育てることで大量に苗を揃えやすい。実生系は、基本的に親の性質と違う個体になりますが、現在主流のF1品種は、その1代に限り性質の均一に揃う個体が繁殖できます。
栄養系:挿し芽から繁殖されます。実生系と比べて、親と全く同じ性質の株を繁殖出来ます。また多くは種を作らないため、開花期間や花の数が多くなる傾向があり、株は丈夫で育てやすい傾向があります。
●草姿

立性:茎は直立する傾向があり、コンパクトな草姿となります。

半匍匐性:茎は直立する性質と匍匐する性質の両方があり、こんもり盛り上がりながら広がる性質があります。

匍匐性:茎は匍匐する性質があり、地表を張ったり、枝垂れる性質があります。
●花のサイズ
極小輪:5cm未満
小輪:5~6cm
大輪:7~8cm
巨大輪:9~14cm
●花の形

一重咲き:花弁が一列に並びます

八重咲き:花弁が二列以上に並びます。
●花冠裂片の形

突形:花冠裂片の先端に小さな突起がある。

鋭形:花冠裂片が槍のよう尖る。

円形:花冠裂片は丸みのある円形をしている。
切形:花冠裂片の先端が浅く凹む。

凹形:花冠裂片の先端が深めに凹む。
●花冠裂片の切れ込み




花冠裂片の切れ込みは、花弁の合着部分に切れ込みが入ることです。切れ込みの深さにより無・弱・中・強がある。
●花弁の波打ち



花弁の波打ちは、縁部分が不規則に上下してる品種です。波打ちの強弱により弱・中・強に分類することもできます。
●花の模様

モーン:花冠の中央に円形の斑(模様)が入ります。

ピコティー:花弁の縁部分に沿って線状の斑(模様)が入ります。上品で洗練された印象を感じさせやすい模様です。


スター:花弁の中央脈または花弁の合着部に沿って縦筋の斑(模様)が入ります。中央脈に縦筋の模様が入ると花の中に可愛らしいハートの模様が見られます。

ベイン:花弁の脈に沿うように入る模様です。血管が浮き出たような独特な斑(模様)となるため、個性的な色彩が好きな人に好まれます。

斑点:花弁に点状または円形状の斑(模様)が入ります。

爪斑:花弁の先端部にのみ2次色の小さな斑(模様)が入ります。

ボカシ:色の境界が曖昧でハッキリとせず、色が滲んでいるような斑(模様)が入ります。
■ペチュニア属(ツクバネアサガオ属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ペチュニアの育て方
花壇の土づくり
●原種のバイオーム
- 主なバイオーム:温帯草原・亜熱帯乾燥林
- 原産地:南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)
- 自生地:草原等
- 気候:主に温暖湿潤気候・サバナ気候に属します。夏の気温は高温になり、冬の気温は比較的温暖です。降水量は温暖湿潤気候では中程度ですが、サバナ気候では乾季が長く乾燥気味です。
- 日照:日向・半日陰
- 土壌:主にアクリソル(Acrisol)・アリソル(Alisol)・ニチソル(Nitisol)・フェオゼム(Phaeozem)・フェラルソル(Ferralsols)・リキシソル(Lixisols)・ルビソル(Luvisols)などが分布します。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ペチュニアは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂壌土または壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:有機物をしっかりと含む肥沃な土壌を好みます。腐葉土やピートモスなどの有機物を入れることで、土壌の団粒化が促されて物理性(通気性・排水性・保水性)が向上したり、陽イオン交換容量が高くなり保肥力が向上したり、植物が必要とする栄養分を含有するため成長を補助したりする効果が期待出来ます。
- pH:pHは5.5~6.5の弱酸性~中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は持続的な開花のため、栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を全面施肥で混和しておきましょう。
- 植え付け:苗は浅植え・深植えせずに、標準植えします。標準植えは、根鉢の肩の部分と地面を水平に合わせて、植物の根っこが完全に土に覆われるように植え付けます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
ペチュニアは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
●培養土
ペチュニアの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:原種はサバナ気候の草原などにあり、園芸品種は多花性で持続的な開花のために栄養を沢山必要とするため肥沃で栄養がしっかり含有する培養土を好みます。そのため、培養土を作成する場合は、通気性・排水性・保水性・保肥力のバランスを良くし、腐葉土のしっかり入る肥沃培養土にしましょう。また弱酸性から中性の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を6割~7割を目安に配合します。土壌改良材の土粒は小粒・細粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性も悪くなり植物の生育が悪くなる原因となるため避けてください。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
- 元肥:本種は持続的な開花のため、栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を全面施肥で混和しておきましょう。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 保水性の高い配合:赤玉土(小粒)5割+バーミキュライト2割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が長持ちする配合:日向土(細粒・小粒)5割+ピートモス(酸度調整済)4割+くん炭1割+元肥適量
- ハンギング仕立て用:赤玉土2割+パーライト3割+バーミキュライト2割+ピートモス(酸度調整済)3割+元肥適量
- ハンギング仕立て用:べラボン10割+元肥適量
- 肥沃な配合:赤玉土6割+腐葉土3割+牛糞堆肥1割+元肥適量
水やりの仕方
ペチュニアの原種は自生地がサバナ気候の草原などにあり比較的耐乾性が高い植物です。ただし、園芸品種の多くは、茎を伸長させ沢山の花を咲かせるため、一定の湿り気がある環境を好みます。しかし過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因となったり、根の呼吸を妨げて根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりの頻度には十分な注意が必要です。
地植えで栽培する場合は、基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、雨が全く降らずに土壌が乾燥していたり、極端な暑さで乾燥が早くなっている場合は水やりが必要となります。一方で、鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて乾燥がかなり早いため、定期的な水やりが必要です。培養土の状態を見ながら水やりをする必要があるでしょう。水やりの方法は下記を参考にしてください。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。ただし、高温多湿の環境では根腐れを引き起こしたり、病害虫の被害で株が弱ることもあるため、多湿にならないよう注意しながら、朝の涼しい時間帯に土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 秋の水やり:春と比べると生育は緩やかになりますが、茎は伸長し花を咲かせ続けます。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 冬の水やり:生育が緩慢になる季節で、植物は水をそれほど必要としません。土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、季節によっては高温で水がお湯のようになり蒸れて根腐れを引き起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、植物が水分をあまり必要としない夜間にも水がたっぷり残り呼吸を邪魔するなどして根腐れを引き起こす原因になる事があります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいですが、植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
- 梅雨の管理:植物を軒下に移動したり、雨避けをつくり、株に梅雨の長雨が植物に当たり、傷むことを防ぎましょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ペチュニアは、持続的に沢山の花を咲かせるため、多くの肥料を必要とします。そのため、生育期間中はしっかり肥料をあたえる事が非常に大切になります。また肥料の他に、年に一度の頻度で堆肥を入れる事で、土壌の状態を整えたり、微量要素を補ったりする事ができます。そのため、土壌の状態と植物の生育状況を見ながら、適切な量の肥料と堆肥を与えることが大切になってきます。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付け時などに土壌改良を行い堆肥を入れて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土を再利用する場合は、日光消毒などをした上で、新しい培養土または腐葉土を2割から3割を混ぜて再利用する。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る水平型、またはリン酸が多く含まれる山型を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る肥料を選ぶ。例として緩効性肥料や配合肥料などです。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春から秋にかけて追肥を施します。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランス良く入る肥料、または開花に好影響を与えるリン酸が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性・緩効性など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約7~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
ペチュニアは剪定せずに育てることも出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。何故なら、ペチュニアの茎は徒長すると、茎が老化し葉・花の生産性が落ちたり、徒長した茎が株の外観を崩したりするからです。この徒長した茎を定期的に剪定することで、株の根元付近から生産性の高い新しい茎を伸長させ、花がどんどん咲くようになり、また株の姿をコンパクトに保つことができます。
●剪定方法
- 概要:ペチュニアの仕立て方は「摘芯」「コンパクトに仕立てる」「自然風に仕立てる」などがあります。それぞれ目的が違うため、ペチュニアの品種などに合わせて仕立て方を変えると良いでしょう。
- 摘芯:春の生育初期に、成長点を指で摘み、折るように摘みとります。成長点の付近は柔らかなため、基本的に指で摘みとれますが、難しい場合は清潔なハサミを使いましょう。これを行うことで、摘芯した箇所付近の節から分枝が促されて、ボリューム感のある株となります。※節間の短い品種などは摘芯不要です。
- コンパクトに仕立てる:株のサイズの形を綺麗に整えて、サイズをコンパクトにし、開花を揃える仕立て方です。一般的に生育型は分枝型や直立型で、節間が短い品種などに向いています。デメリットは、多くの茎を剪定し、花芽を摘むことになるため、次の花が見られるまで2週間以上かかることです。
- 剪定時期:春から秋の生育期間中であれば基本的に何時でも行えます。一般的には、茎が間延びして草姿が乱れてきたタイミング、梅雨前で風通しをよくし多湿を予防し病気を防ぎたいタイミングなどに行われます。ただし、生育期間中でも真夏の猛暑日に強い剪定を行うと、株に強いストレスがかかり枯れ込むことがあるため避けた方が良いでしょう。
- 剪定方法:株を観察して、茎が徒長しだらしなく倒れていたり、花の数が減ってきたタイミングで、株の大きさの3分の1から3分の2を目安にドーム状に刈り込むように剪定します。剪定する量は、春から初夏は多めで問題ないですが、夏以降は3分の1程度に収めた方が無難です。
- 自然風に仕立てる:株の形やサイズを厳密に整えず、自然に茎葉を伸ばしながら、伸びすぎた茎を必要に応じて剪定し仕立てる方法です。一般的に生育型は匍匐型や分枝型で、節間が長い品種などに向いています。メリットは持続的な開花を楽しめたり、また地表を覆う姿や枝垂れる姿を楽しみやすいです。デメリットは、株の形が不定形になり、花付きも偏り疎らになりやすいです。
- 剪定時期:春から秋の生育期間中であれば基本的に何時でも行えます。ただし、生育期間中でも真夏の猛暑日に強い剪定を行うと、株に強いストレスがかかり枯れ込むことがあるため避けた方が良いでしょう。
- 剪定方法:株全体を観察し、古い茎(茎の色褪せ・茎の葉や花の数が少ない・徒長している)があれば、株のバランスを見ながら、必要に応じて、この茎の根元または分枝させたい節の上で剪定します。
●剪定後のケア
剪定後は植物の素早い回復を促すために、速効性の液体肥料を施して上げるとよいでしょう。また、切り口から真菌や細菌が入り病気になることもあるため、雨の直前は剪定を避けたり、剪定後に雨が降る場合は、株を軒下などで管理すると安心です。
夏越しする方法
ペチュニアの原種の原産地の気候は、日本と同じ温暖湿潤気候またはサバナ気候にあります。そのため、場所によっては比較的高温になり、湿潤です。そのため、極端に夏越しが難しい植物ではありません。
ただし、ペチュニアは高温多湿(複合ストレス)環境では、 病害虫にやられたり、根腐れを引き起こしたりして、株が衰弱することもあります。そのため、出来るだけ高温多湿にならないような環境をつくることが大切です。
●夏越し対策一覧
- 水やり:夏は高温で土壌が乾燥しやすいため、土壌の表層が乾燥したのを確認したら水遣りをしっかり行います。ただし、過湿を苦手にしているため、過剰な水分が根腐れを引き起こす原因ともなるため土壌の状態を見ながら水やりを行います。
- 日除けをつくる:この対策法は高温・強光・乾燥対策になります。植物と太陽の間に遮光ネットを張り強光を遮ります。
- 鉢植えの移動:長雨で株が傷みやすいため、軒下などに移動します。
- 雑草の除去:この対策法は多湿対策になります。周囲の雑草は風の流れや太陽光を遮り、育てている植物の成長を妨げたり、多湿を生み出す原因になったりします。そのため、不要な雑草は抜きます。ただし、土壌が剥き出しになることで乾燥が早まる場合もあります。
- 排水性の改善:この対策法は多湿対策になります。雨水などが周囲から集まりやすい環境にあったり、硬盤があったりすると排水が上手くいかない場合があります。対策として排水溝をつくったり、縦穴暗渠(縦穴排水)をつくり雨水が外に流れる仕組みをつくります。
- 花壇を高くする:この対策法は多湿対策になります。花壇をレイズドベッドにしたり、岩を並べてロックガーデンなどにしたりして、植物を植える環境を周囲よりも高くすることで排水性が改善されます。
- 雨避けをつくる:この対策法は多湿・病気対策になります。植物の上に雨が当たらないように雨避けを張り、雨から植物を守ります。
- 土壌の改善:この対策法は多湿対策になります。植物の植え付け時や植え替え時に、土壌改良材を用いて、土壌の通気性・排水性を高めます。
- マルチング:この対策法は乾燥・病気対策になります。地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
冬越しする方法

Hardiness:10~11
ペチュニアの一部の品種(さくらさくら・シリーズ等)は耐寒性が高く氷点下を下回る環境でも冬越し可能です。ただし、基本的に氷点下を下回る環境では株は枯れてしまいます。そのため、ペチュニアを冬越しさせたい場合は冬越し対策が必要になります。
●冬越し対策一覧
- 軒下に移動する:植物を植えている鉢植えを軒下に移動する事で、霜を避けることができます。霜があまり降りない地域であれば、霜を避けるだけで冬越し出来ることもあります。
マルチング:株の周囲にマルチング資材を入れて株元と根を保護する。根を凍結や霜から守ったり、乾燥対策になったりします。- 方法:霜が降りる前の11月頃に行います。バーク堆肥や藁などのマルチング資材を準備します。育てている植物の周りに、マルチング資材を5~8cmほどの厚みになるように入れます。
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中に入れる方法です。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たりにくくなるため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ペチュニアは挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ペチュニアの種蒔の方法
- 播種時期:3月~5月
- 発芽適温:約20~25度
- 発芽日数:約7日
- 備考:好光性種子のため発芽に光が必要です。
種まき手順
- 種まきの時期:3月~5月
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。





















幾つかの品種では、花が八重咲きしているため、華やかな印象を与える花姿が楽しめます。
ハンギングとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて下や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。




葉の色は普通は緑色をしていますが、ボンユヌムール・マジックパープル等の一部の品種は葉の中に班が入るため、カラーリーフとして楽しまれる事もあります。※品種に関してはペチュニアの主な種と園芸品種のリンクからご覧下さい。







幾つかの品種では、花が八重咲きして華やかな印象を与える花姿をしています。















