ニッケイ(シナモン)は属の中に約369種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、樹皮に上質な甘い香りがありシナモンとしても親しまれているセイロンニッケイ(シナモン)、アメリカやインド、イギリス等ではセイロンニッケイよりも流通量が多いシナニッケイ(カッシア・シナモン)等が親しまれています。
ニッケイ(シナモン)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ニッケイ(シナモン)の主な種の目次 | |
①セイロンニッケイ(シナモン) 開花時期:6月 | ②シナニッケイ(カッシア・シナモン) 開花時期:6月 |
原産:スリランカ
学名:cinnamomum verum
草丈:約1000~1500cm
分類:常緑高木
開花時期:6月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
花言葉:「純潔」
特徴:セイロンニッケイ(シナモン)は学名cinnamomum verum、別名「トゥルー・シナモン・ツリー(true cinnamon tree)」や「セイロン・シナモン・ツリー(Ceylon cinnamon tree)」等とも呼ばれるスリランカ原産の常緑高木です。
セイロンニッケイの語源(由来)
- 属名のcinnamomumは古代ギリシャ語で「シナモン」を意味する「κιννάμωμον (kinnámōmon )」を由来としています
- 種小名のverumはラテン語で「真実の」を意味しています。
セイロンニッケイ(シナモン)の特徴(魅力)
- セイロンニッケイ(シナモン)の樹皮や葉には「バニラ」「蜂蜜」を連想させる甘い香りがあります
- ↳乾燥させた樹皮はシナモンと呼ばれ人気の高い香辛料です
- ↳糖尿病予防や抗菌・抗真菌作用等があり料理に入れる事で健康促進にも期待できます
- カッシアシナモンと比べるとクマリンの含有量が遥に低く副作用の心配が少ないです
セイロンニッケイ(シナモン)の樹皮は強い芳香があり色は褐色で若い枝は滑らかな質感があり成熟すると粗い質感に変わります。樹形は直立して成熟すると高さ約1000~1500cm(栽培では3年毎に収穫されるため2~3m)の高さまでになる常緑高木です。葉には芳香があり、葉色は若い時はしばしば赤色で成熟すると濃い緑色へと変わり、葉の形は長さが7~18cmある卵形です。花は小花と花穂が円錐状に集まり円錐花序をつくり、個々の花は直径約0.3cmと非常に小さく花被片が6個あり、色は薄黄色(クリーム色)で悪臭があります。花後には直径約1cmの球形をした紫色の果実をつけます。
開花時期は6月、花色は黄色、個々の花には花被片が6個あり、花序は円錐花序に花を咲かせます。樹形は直立で成熟する高さ約1000~1500cmまでになり。葉色は緑色、葉身は卵形、葉序は対生葉序につきます。
セイロンニッケイ(シナモン)の香りの印象と精油成分
セイロンニッケイ(シナモン)は樹皮に「シナモン」「バニラ」「蜂蜜」等を連想される非常に甘い香りがあり、スパイシーで甘い&辛い風味(フレーバー)があります。セイロンニッケイ(シナモン)の香りの由来となる精油には「シンナムアルデヒド」を中心に「オイゲノール」や「リナロール」「安息香酸ベンジル」等が含まれており、これらの精油には「抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗糖尿病」等の様々な効能があります。
- シンナムアルデヒドは「シナモン」「バニラ」「蜂蜜」「アーモンド」等に例えられる非常に甘い香りがあり、風味(フレーバー)はシナモンのスパイシーな味があります。一般に植物ではニッケイ属(シナモン)等に含まれており、精油は食品の香料や農薬等に利用されています。シンナムアルデヒドの精油の効果には「抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗糖尿病」「末梢血管拡張」「鎮痙」「殺虫効果」等があります。
- オイゲノールは「クローブ」「甘い&辛い」「スパイス」「木の香り」「シナモン」等に例えられる濃厚でスパイシーな香りがあり、風味(フレーバー)は辛さの中に甘さがあるスパイシーな味です。一般に植物ではクローブやシナモン、バジル等に含まれており、精油は食品の香料やアロマセラピー等の様々な場面に使われています。オイゲノールの精油の効果には「抗菌作用」「抗真菌作用」「抗炎症作用」「抗酸化作用」「鎮痙」「殺虫作用」等の複数の効能が知られています。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- 安息香酸ベンジルは「イランイラノキ」「バルサミコ酢」「フローラル」等に例えられる甘く快い香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティでバルサミコ酢の様な味をもっています。一般に植物ではイランイラノキやゲッキツ等に含まれています。
セイロンニッケイ(シナモン)の効能
セイロンニッケイ(シナモン)には「抗菌・抗真菌作用」「抗炎症作用」「抗酸化作用」「抗糖尿病」「鎮静作用・抗不安作用」「殺虫作用」等の様々な効能があります。そのため適量を食事に取り入れたり、香りを楽しむ事で健康増進にも繋がるでしょう。
1.抗菌・抗真菌作用
セイロンニッケイ(シナモン)に含まれるシンナムアルデヒドやオイゲノールが、カビやバクテリアの増殖を抑制したり殺菌するため、食品の腐敗を防ぐ効果や、口内のバクテリアを退治して口の中を爽やかにする効果等を期待できます。
2.抗炎症作用
セイロンニッケイ(シナモン)に含まれるシンナムアルデヒドやオイゲノールには、炎症を抑える働きがあるため胃痛を初め体の中の様々な炎症を抑える効果が期待できます。
3.抗酸化作用
セイロンニッケイ(シナモン)に含まれるシンナムアルデヒドやオイゲノールは、体の中で過剰に増えた活性酸素の働きを抑制して体の酸化(体の中が錆びる)を抑える働きがあります。これにより例えば、老化防止やガン防止、生活習慣病の予防等が期待出来ます
4.抗糖尿病
セイロンニッケイ(シナモン)に含まれるシンナムアルデヒドには、血糖値を下げる効果や耐糖能を改善する働きがあり、糖尿病の予防等が期待出来ます。
5.鎮静作用・抗不安作用
セイロンニッケイ(シナモン)に含まれるリナロール等の香りには、イライラや興奮といった神経系の過活動を抑える事で気分を落ち着けリラックスする効果(鎮静作用)や、不安や緊張を和らげてリラックス効果(抗不安作用)があるため、アロマセラピーにも使えます。
セイロンニッケイ(シナモン)の利用方法(食べ方)
セイロンニッケイ(シナモン)は木の幹の皮や枝の皮を剥がした後に巻き、乾燥させた物がシナモンとして利用されています。シナモンはバニラや蜂蜜を連想させる様な甘い香りとスパイシーな風味があり、甘いお菓子やコーヒー等の香り付けと風味付けとして最高の香辛料になります。例えば、粉末にしたシナモンを焼き菓子の出来上がりに振って香り付けとして利用したり、シナモンスティックでコーヒーや紅茶等を混ぜてフレーバーを付けたりと楽しめます。またハンバーグの生地に少量の粉末を混ぜ込んで利用したり、カレーを煮込む途中で少量の粉末を混ぜこみ使うとシナモンのコクとフレーバーが合わさり美味しくなります。
セイロンニッケイ(シナモン)の既知の危険性
セイロンニッケイ(シナモン)は、通常量を摂取する場合は安全に摂取する事が出来ますが、多量かつ長期間摂取した場合は副作用を起こす可能性があります。
主な副作用
- セイロンニッケイ(シナモン)は微量なもののクマリン(カッシアシナモンと比べると20分の1程度)を含有しているため、大量に摂取もしくは長期間摂取した場合に肝臓障害を引き起こす可能性があります。
- シナモンアレルギーをもっている人によっては胃炎や歯肉炎を引き起こす可能性があります。
セイロンニッケイ(シナモン) |
原産:中国/東アジア
学名:cinnamomum cassia
草丈:約1000~1500cm
分類:常緑高木
開花時期:6月
花色:黄色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
花言葉:「純潔」
特徴:シナニッケイ(カッシア・シナモン)は学名cinnamomum cassia、別名「チャイニーズ・カッシア(Chinese cassia)」や「チャイニーズ・シナモン(Chinese cinnamon)」等とも呼ばれるスリランカ原産の常緑高木です。
シナニッケイ(カッシア・シナモン)の語源(由来)
- 属名のcinnamomumは古代ギリシャ語で「シナモン」を意味する「κιννάμωμον (kinnámōmon )」を由来としています。
- 種小名のcassiaは古代ギリシャ語の「kassía」に由来します。
シナニッケイ(カッシア・シナモン)の特徴(魅力)
- シナニッケイ(カッシア・シナモン)の樹皮や葉には「バニラ」「蜂蜜」を連想させる甘い香りがあります
- ↳アメリカ・イギリス・インドではセイロンニッケイ(シナモン)より流通しています
- ↳シナニッケイ(カッシア・シナモン)の樹皮はセイロンニッケイ(シナモン)よりも厚く粉砕するのが難しく粗い質感があり
- ↳香りもセイロンニッケイ(シナモン)と比べ繊細さがないと言われています
- 乾燥させた樹皮はシナモンと呼ばれ人気の高い香辛料です
- ↳糖尿病予防や抗菌・抗真菌作用等があり料理に入れる事で健康促進にも期待できます
- シナニッケイ(カッシア・シナモン)はセイロンニッケイ(シナモン)と比べて遥にクマリン(多量の摂取で肝臓障害を起こす)の含有量が多いため摂取量には注意が必要です
シナニッケイ(カッシア・シナモン)の樹皮は強い芳香があり色は灰褐色で厚く滑らかな質感があり、樹形は直立して成熟すると高さ約1000~1500cm(栽培では3年毎に収穫されるため2~3m)の高さまでになる常緑高木です。葉には芳香があり、葉色は若い時はしばしば赤色で成熟すると濃い緑色へと変わり、葉の形は長さが8~15cmある披針形です。花は小花と花穂が円錐状に集まり円錐花序をつくり、個々の花は非常に小さく花被片が6個あり、花色は白色(~薄黄色)です。花後には直径約1cmの球形をした紫色の果実をつけます。
開花時期は6月、花色は白色(~薄黄色)、個々の花には花被片が6個あり、花序は円錐花序に花を咲かせます。樹形は直立で成熟する高さ約1000~1500cmまでになり。葉色は緑色、葉身は披針形、葉序は対生葉序につきます。
シナニッケイ(カッシア・シナモン)の香りの印象と精油成分
シナニッケイ(カッシア・シナモン)は樹皮に「シナモン」「バニラ」「蜂蜜」等を連想される非常に甘い香りがあり、スパイシーで甘い&辛い風味(フレーバー)があります。シナニッケイの香りの由来となる精油には「シンナムアルデヒド」を中心に「フェランドレン」や「リナロール」等が含まれており、これらの精油には「抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗糖尿病」等の様々な効能があります。
- シンナムアルデヒドは「シナモン」「バニラ」「蜂蜜」「アーモンド」等に例えられる非常に甘い香りがあり、風味(フレーバー)はシナモンのスパイシーな味があります。一般に植物ではニッケイ属(シナモン)等に含まれており、精油は食品の香料や農薬等に利用されています。シンナムアルデヒドの精油の効果には「抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗糖尿病」「末梢血管拡張」「鎮痙」「殺虫効果」等があります。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- フェランドレンの香りは「ペパーミント(メントール)」や「柑橘系(僅か)」に例えられる、心地よい香りをもっています。植物ではイノンド(ディル)等に精油が含まれます。
シナニッケイ(カッシア・シナモン)の効能
シナニッケイには「抗菌・抗真菌作用」「抗炎症作用」「抗酸化作用」「抗糖尿病」「鎮静作用・抗不安作用」「殺虫作用」等の様々な効能があります。そのため適量を食事に取り入れたり、香りを楽しむ事で健康増進にも繋がるでしょう。
1.抗菌・抗真菌作用
シナニッケイに含まれるシンナムアルデヒドが、カビやバクテリアの増殖を抑制したり殺菌するため、食品の腐敗を防ぐ効果や、口内のバクテリアを退治して口の中を爽やかにする効果等を期待できます。
2.抗炎症作用
シナニッケイに含まれるシンナムアルデヒドには、炎症を抑える働きがあるため胃痛を初め体の中の様々な炎症を抑える効果が期待できます。
3.抗酸化作用
シナニッケイに含まれるシンナムアルデヒドは、体の中で過剰に増えた活性酸素の働きを抑制して体の酸化(体の中が錆びる)を抑える働きがあります。これにより例えば、老化防止やガン防止、生活習慣病の予防等が期待出来ます
4.抗糖尿病
シナニッケイに含まれるシンナムアルデヒドには、血糖値を下げる効果や耐糖能を改善する働きがあり、糖尿病の予防等が期待出来ます。
5.鎮静作用・抗不安作用
シナニッケイに含まれるリナロール等の香りには、イライラや興奮といった神経系の過活動を抑える事で気分を落ち着けリラックスする効果(鎮静作用)や、不安や緊張を和らげてリラックス効果(抗不安作用)があるため、アロマセラピーにも使えます。
シナニッケイの利用方法(食べ方)
シナニッケイは木の幹の皮や枝の皮を剥がした後に巻き、乾燥させた物がシナモンとして利用されています。シナモンはバニラや蜂蜜を連想させる様な甘い香りとスパイシーな風味があり、甘いお菓子やコーヒー等の香り付けと風味付けとして最高の香辛料になります。例えば、粉末にしたシナモンを焼き菓子の出来上がりに振って香り付けとして利用したり、シナモンスティックでコーヒーや紅茶等を混ぜてフレーバーを付けたりと楽しめます。またハンバーグの生地に少量の粉末を混ぜ込んで利用したり、カレーを煮込む途中で少量の粉末を混ぜこみ使うとシナモンのコクとフレーバーが合わさり美味しくなります。
シナニッケイ(カッシア・シナモン)の既知の危険性
シナニッケイは、通常量を摂取する場合は安全に摂取する事が出来ますが、多量かつ長期間摂取した場合は副作用を起こす可能性があります。
主な副作用
- シナニッケイ(カッシア・シナモン)は肝臓に有害なクマリンを含有しているため、大量に摂取もしくは長期間摂取した場合に肝臓障害を引き起こす可能性があります。
- シナモンアレルギーをもっている人によっては胃炎や歯肉炎等を引き起こす可能性があります。
シナニッケイ(カッシア・シナモン) |