肥料とは植物を栽培(鑑賞)する目的で、人間から植物に与えられる栄養分です。人間が植物に肥料を与えるか、与えないかは、植物の特性や育てている環境で変わる事もありますが、基本的には自然環境と違い人工的な環境では栄養(動植物の遺骸や糞尿等)が土壌に補給される事がないため、人間がかわりに肥料(栄養)を与えます。
また人工的に改良された園芸植物は、沢山の花や実をつける為により多くの栄養を必要とする場合があります。植物によっても違いますが綺麗な花を鑑賞したり美味しい実を収穫するには、必要に応じて肥料を与える事が大切になるでしょう。
このページでは植物に必要な栄養成分の種類や特徴、肥料の種類や選び方、肥料の与え方等を目的や理由を添えて紹介しています。よかったら最後までご覧下さい。
植物に必要な栄養成分とは!?
植物が健康的に成長する為には、空気中や水から吸収される【炭素・水素・酸素】と、土壌から吸収される【窒素・リン酸・カリ・カルシウム・マグネシウム・硫黄・塩素・ホウ素・鉄・銅・マンガン・モリブデン・亜鉛・(ニッケル)】の16(ニッケル含まない)の元素が必要となります。
その中でも特に肥料として考える場合は「肥料の三要素(1次要素)」とも呼ばれる「窒素」「リン酸」「カリ」が重要になります。何故なら植物が健康的に大きく成長する上で、多量に必要とする栄養素で、また土壌でも不足しがちになる成分だからです。そのため肥料を与える時は、この三要素を軸にしながら植物に合わせて肥料が選ばれます。
また肥料の三要素(1次要素)に次いで重要な成分として「マグネシウム・カルシウム・硫黄」があります。三要素に比べると必要量は減るものの植物の健康な成長の為に必要な成分となっていて、窒素・リン酸・カリと並べて多量要素と呼ばれたり、また二次要素と呼ばれています。
一方で肥料として与える必要が殆どない栄養成分もあります。例えば空気中や水から得られる【炭素・水素・酸素】です。この3つに関しては自然と吸収されるため、肥料として与える必要はありません。また【塩素・ホウ素・鉄・銅・マンガン・モリブデン・亜鉛・(ニッケル)】の微量要素も、植物が栄養として必要とする量が微量であり、大抵は土壌や肥料中にも入っているため特段として与える肥料ではありません。ただし微量要素も水耕栽培等の栄養の乏しい環境で育てる場合だったり、PHが極端に高かったり低かったりする等して微量要素が溶解しにくかったり吸収されにくい状態になったりした場合には過剰症状や欠乏症状がでる事もあるため注意が必要です。
肥料成分の特徴
窒素
窒素は植物の中でタンパク質を構成する重要な要素で、また植物の組織や細胞膜や葉緑素の生成にも重要な成分として働いています。
窒素は植物体の中に十分含有している場合、光合成を促進するため植物が活発に成長します。特に葉や茎の成長に大きく影響を与える事から「葉肥(ハゴエ)」とも呼ばれます。
窒素肥料の欠乏症状
- 窒素は移動性が高いため欠乏の症状は古い組織(古葉)から始まり、後に新しい組織(新葉)にも影響を与えます。
- 窒素が欠乏すると通常症状は下部の葉(古葉)から現れて葉が黄化します。
- 葉が萎れ落葉が早くなります。
- 葉全体(葉身)が小型化して葉色が薄くなります。
- 植物全体の生育が悪くなります。
- 花芽の形成がはやくなる傾向があります。
窒素肥料の過剰症状
- 窒素を過剰に与えると茎は徒長したり、倒伏しやすくなります。
- 窒素を過剰に与えると茎葉は柔らかく軟弱になりやすく、病気や害虫被害にあいやすくなります。
- 花をメインとして育てている場合は窒素肥料を施すと茎葉の栄養成長が優先されて、花や実の生殖成長が少なくなる場合があります。
リン酸
リン酸は植物の中で核酸(DNA・RNA)の構成成分として役立てられており、また新しい組織の成長や細胞の分裂に大きな役割を果たしています。その他にも光合成中に合成されるATPの1部として利用されエネルギーとなり、また糖類と結合して呼吸に影響を与えたりします。
リン酸は根を刺激して発達を伸長を促進します。また茎葉の伸長をよくして丈夫にしたり、葉色をよくしたり、特に開花・結実をよくする事から「実肥(ミゴエ)」とも呼ばれる栄養素です。
リン酸肥料の欠乏(足りない)
- リン酸が欠乏すると全体的に発育が悪くなります。
- 葉の数が現象して葉が小型化します。
- 花の開花と結実が悪くなります。
- 果実の味(品質)が落ちます。
- 1部の植物では葉の一部が紫色(暗紫色)になります。
リン酸肥料の過剰症状
カリ
カリとはカリウムの略で、植物体の中ではイオンとして存在しています。カリは炭水化物やタンパク質の合成、水や栄養の移動や蓄積、気孔の開閉を調節して呼吸や蒸散に関連する重要な働きをしています。
またカリは欠乏すると霜害や病気にかかりやすくなり、逆に増加すると病気や霜害に対する耐性があがります。そのためカリは耐寒性や耐病性が上がると考えられています。またカリはタンパク質や炭水化物の合成を促進する事から、関連する根菜類や穀物等の生産性があがります。
また根の発育に影響を与える事から別名で「根肥(ネゴエ)」とも呼ばれます。
カリ肥料の欠乏(足りない)
- カリは移動性が高いため欠乏の症状は古い組織(古葉)から始まり、後に新しい組織(新葉)にも影響を与えます。
- 症状は下部の葉(古葉)から現れて葉の先端や縁部分から黄化して後に壊死(ネクロシス)もしくは落葉します。
- 茎は弱くなり倒伏しやすい傾向にあります。
- 根の伸長が悪くなり根腐れしやすくなります。
- 1部の植物では葉脈間に不規則な斑点が生じます。
- 1部の植物では新葉は暗緑色となり小型化します。
カリ肥料の過剰症状
カルシウム
カルシウムは、植物の細胞壁の中層にあるペクチンと結合する事で細胞壁を強化し病害虫への耐性を上げる働きがあります。また気孔の働きを改善して熱ストレスから植物を守る働きがあり、その他にも根の先端や芽の先端や新葉等の新しい細胞の形成に働き、果実(特にトマト)の品質等にも影響を与えます。
カルシウム肥料の欠乏
- カルシウムは植物内での移動性が低いため欠乏の症状は新しい組織(新葉・芽・根)から出てきます。
- カルシウムの欠乏が起こると通常は地上部よりも先に根に影響が出る事が多く、根端が壊死して根腐れを引き起こしやすくなります。
- 新芽の展開時に先端部は壊死してチリチリに枯れてしまいます。
- 新しい葉は縁部分を中心に壊死して、葉は縮れたり湾曲したりします。
- 1部の植物では果実に窪みや斑点が現れて著しく品質が低下します。
- 1部の植物では心腐れの症状をひきおこします。
カルシウムの過剰症状
- カルシウムが土壌中で過剰になるとPHが強いアルカリ性に傾くため【マンガン・鉄・亜鉛・ホウ素】の欠乏症状を引き起こします。
マグネシウム
マグネシウムは植物の中で、クロロフィルを構成する中心的な成分であるため光合成の働き等に関連します。また成長に必要な植物の酵素の活性化に多く関与していて、タンパク質の合成等も助けています。
マグネシウム肥料の欠乏症状
- マグネシウムは移動性が高いため欠乏の症状は古い組織(古葉)から始まり、後に新しい組織(新葉)にも影響を与えます。
- マグネシウム欠乏の症状は下部の葉(古葉)から現れて葉の葉脈間が白化(クロロシス)します。
- 症状が進んだ場合は葉に不規則な壊死(ネクロシス)が起こり、暗褐色の斑点が出来ます。
マグネシウム肥料の過剰症状
- マグネシウムが過剰になるとカルシウムと競合して、カルシウムの欠乏を起こす可能性があります。
硫黄(イオウ)
硫黄は植物の中でタンパク質やアミノ酸を生成する際の重要な構成要素です。また油や有機化合物の生成にも使用されるため玉ねぎ・ニンニクや穀物等を育てる際にも重要な成分になります。その他、クロロフィルを形成に関与したり、酵素の活性化を助けていたりもします。
硫黄肥料の欠乏症状
- 硫黄の欠乏症状は窒素と似ていますが、窒素とことなり症状は新しい葉からあらわれます。
- 硫黄が欠乏すると通常症状は上部の葉(新葉)から現れて葉が黄化(白化)します。
- 生育不良を引き起こし茎が細く短くなる場合があります。
- 全体的に葉の数が減る場合があります。
- 1部の植物では穀物や果物等の品質が著しく悪くなる場合があります。
硫黄肥料の過剰
- 硫黄の過剰が起こる事は非常に稀ですが、窒素と競合して欠乏症状を引き起こす場合があります。
塩素
塩素は気孔の調節に関与しており、そのため蒸散や呼吸や光合成の働きに影響を与えます。
塩素の欠乏症状
- 塩素の欠乏症状を引き起こす事は非常に稀です。
- 一般的には葉が壊死(ネクロシス)しますが、植物によって壊死が縁部分に出来たり斑点としてあらわれたりします。
塩素の過剰症状
- 塩素の過剰症状を引き起こした場合、一般的に葉の先端もしくは縁部分が壊死(ネクロシス)します。
ホウ素
ホウ素は植物の中で、細胞壁を構成する成分としてにカルシウムと一緒に利用されます。また根の先端や芽の先端や新葉等の新しい細胞の正常な形成に重要な働きをもちます。その他にも花芽の生産や花の保持、正常な種子や果実の形成に影響を与え、また糖の移動を早める働きがある事から果実への糖の輸送や根粒菌との共生にもよい影響を与えます。
ホウ素の欠乏症状
- ホウ素は一度植物内に組み込まれると再移動する事が基本的にないため欠乏の症状は新しい組織(新葉・芽・根)から出てきます。
- ホウ素の欠乏が起こると、新しい葉が最初に影響を受ける事が多く、新しい葉の形が崩れたり、脆くなったり、小さくなったりします。
- 成長点の成長が止まり新芽や根端の成長が悪くなります。
- 受粉と正常な種子の生成に悪影響が出ます。
- 1部の植物では果実の奇形や腐敗やひび割れ等がおこり、品質が著しく悪くなる場合があります。
- マメ科等の1部の植物では糖の輸送に影響が出るため、根粒菌との共生に悪影響がでる場合があります。
ホウ素の過剰症状
- ホウ素の過剰症状は一般的に古い葉から現れ、葉の先端や縁部分が白化して後に壊死(ネクロシス)します。
鉄
鉄は植物の中で、クロロフィルの合成に不可欠な要素になっており健康的な緑色の葉を保ち光合成を助けます。また植物全体の代謝において重要な機能をもっており、特定の酵素とタンパク質の構成要素です。
鉄の欠乏症状
- 鉄は植物内での移動性が低いため欠乏の症状は新しい組織から出てきます。
- 鉄欠乏の症状は上部の葉(新葉)から現れて葉の葉脈間が白化(クロロシス)します。
- 症状が進んだ場合は葉に不規則な壊死(ネクロシス)が起こります。
銅
銅は葉緑素の形成に必要な成分であるため光合成の働きに影響を与えます。また細胞壁のリグニン合成に重要な働きをして、また幾つかの酵素の働きを活性化します。その他にも光合成や呼吸に不可欠な要素として働きます。
銅の欠乏症状
- 銅は植物内での移動性が低いため欠乏の症状は新しい組織から出てきます。
- 銅欠乏の症状は植物によってことなりますが、一般的に葉全体もしくは葉脈間の1部に白化(クロロシス)があらわれます。
- ↳白化した部分(特に縁部分)で壊死斑があらわれます。
- 葉の縁部分がカッピング(内側・外側に巻く)します。
- 新しい葉は小型化します。
- 1部の植物では成長点が発育不全になり、先端が枯れます。
- 1部の植物では開花不全になります。
銅の過剰症状
- 根端が壊死して根腐れを引き起こしやすくなります。
- 鉄・亜鉛・モリブデン等と競合して欠乏症状を引き起こす場合があります。
マンガン
マンガンは植物内で葉緑素の生成を助け、光合成や呼吸において重要な役割を果たしています。
マンガンの欠乏症状
- マンガンは植物内での移動性が低いため欠乏の症状は新しい組織から出てきます。
- マンガン欠乏の症状は上部の葉(新葉)から現れて葉の葉脈間が白化(クロロシス)します。
- 症状が進んだ場合は葉に不規則な壊死(ネクロシス)が起こります。
マンガンの過剰症状
- 古い葉の先端もしくは縁部分が壊死します。
- 1部の植物では古い葉の全体に褐色の斑があらわれます。
モリブデン
モリブデンは植物内で窒素代謝で重要な役割を果たしており、またアミノ酸やタンパク質を合成に関与する重要な成分です。また無機リンを植物が使える形の有機リンに変換する働きがあります。その他にもマメ科植物が根粒菌との共生を助ける働きもあります。
モリブデンの欠乏症状
- モリブデンが欠乏すると窒素を上手く利用出来なくなるため、窒素欠乏に似た症状を引き起こす事があります。
- 欠乏症状は古い組織(古葉)から始まり、後に新しい組織(新葉)にも影響を与えます。
- 古い葉の縁部分もしくは葉脈間に白化(クロロシス)があらわれます。
- ↳症状が進むと白化した部分が壊死する事があります。
- 1部の植物では古い葉の形が崩れ奇形になる事があります。
亜鉛
亜鉛は植物の中で様々な酵素やタンパク質を酵素を構成する重要な成分で、葉緑素や炭水化物の形成等に利用されます。また亜鉛は植物ホルモン(オーキシン)の形成に関与しており、植物ホルモンは茎の伸長等の様々なプロセスで利用されています。
亜鉛の欠乏症状
- 亜鉛は植物内での移動性が低いため欠乏の症状は新しい組織から出てきます。
- 亜鉛欠乏の症状は上部の葉(新葉)から現れて葉の葉脈間が白化(クロロシス)します。
- ↳症状が進むと白化部分で壊死斑があらわれます。
- 植物ホルモンの生成に悪影響がでる事から節間が短くなる場合があります。
- 1部の植物では葉が小型化したり縁部分が波打つ等の症状がでます。
亜鉛の過剰症状
- 新しい葉で白化(クロロシス)がおこります。
- ↳白化した部分で壊死斑が現れることがあります。
- 植物全体が生育不良となります。
肥料の種類と選び方
肥料の種類
肥料の種類は大きくわけて「単肥」「複合肥料」「有機肥料」に分ける事が出来ます。その中で一般的に園芸で利用される肥料は、比較的に扱いが簡単な「化成肥料」「配合肥料」「有機肥料」の3つです。
有機肥料の種類
有機肥料とは動物の糞尿や植物の遺骸等の生物を由来とした原料を使い作られた肥料です。有機肥料は、殆どが有機物で構成されていますが、草木灰等の無機物でありながら有機肥料として扱われるものもあります。
油粕(アブラカス)
油粕とは一般的に種(アブラナ等)から油を搾りとった後の残渣です。肥料の含有量としては一般的に窒素の含有量が高くリンやカリも少量含みます。
遅効性のため元肥として使われたり、花が終わった後のお礼肥として利用されます。油カスは分解の為に沢山の微生物がよってきます。そのため土壌の生物性が高まります。また分解された後も腐植として残るため黒土のようなふかふかとした土をつくる一助にもなります。
糠
糠とは穀物を精白した際にでる外皮と胚芽の混合物で、日本で糠と言うと一般的に米糠をさしています。肥料の含有量としては一般的に窒素約2%・リン約5%・カリ約1%を含みます。
米糠は微生物を増やす目的等で、そのまま畑等に撒かれる事もありますが、土着の微生物が豊かでない場合は病害が増える事もある事から避けた方がいいかもしれません。一般的にはボカシ肥料として発酵させた後に利用される事が多いです。また米糠を撒いた時に、窒素飢餓を心配する声もありますが、基本的にはC/N比が12と、分岐点の20より低いため、米糠が微生物に分解されると、土壌に窒素が放出されます。
草木灰
草木灰とは草や木を燃焼せた後の灰で、灰塵は除きます。草木灰はカリの含有量が高く、他にケイ酸や石灰(カルシウム)を含んでいます。石灰を含みPHが高いため、酸性土壌の改善等に利用されたり、またカリや石灰(カルシウム)が植物を丈夫にする事から、健康な植物を育てたい時に利用さされたりします。
魚粉(魚かす)
魚粉(魚かす)とは魚を乾燥させて粉状にされたものです。魚かすは窒素とリン酸の含有量が高く、またアミノ酸を豊富に含むため葉物や果物が甘くなると言われています。
魚かすは特殊肥料ですが、魚かす粉末は普通肥料です。窒素4%以上・リン酸3%以上が含有しており、窒素及びリン酸の全量が12%以上含有しています。
骨粉
骨粉は、幾つかの種類(蒸製骨粉・肉骨粉等)があるため一概で言えませんが、一般的には鶏や豚等の骨を燃焼後に粉末状にされたものを呼びます。一般的に骨粉はリン酸を約17~24%・窒素約4%・カリ0.1%含有しています。
骨粉は肥効が緩やかで長期間に渡り効果が続くため、元肥として利用するされるのが一般的です。また追肥として利用する場合は中耕して利用するとリン酸がよく吸収されるため効果的です。骨粉はリンを豊富に含有しますが、窒素やカリの含有は少なめです。そのため骨粉を使用する時は油カスや草木灰なども一緒に利用するといいでしょう。また先にこれらと混ぜて発酵させボカシ肥料として使うのもおすすめです。
鶏糞
鶏糞とは鶏の糞を乾燥・発酵させてつくられた特殊肥料です。鶏糞の肥料の含有量は、窒素約2~4%・リン酸約4~9%・カリ約2~3%・カルシウム約9~15%・マグネシウム1~2%をバランスよく含有しますが、製品によりバラ付きがあるため、製品ごとのラベルを参考に利用しましょう。
鶏糞は肥効が早いため一般的に追肥として利用されます。ただし発酵と記載していても未熟なものも多く、根に近付けると根が傷む事も多いため株元は避けてやや離れた所の土の表面に施すとよいでしょう。また元肥として利用する場合は発酵してガスや熱を出し根を傷める事もある事から、1~4週間前に混ぜ込んでおき、発酵が済んでから植え付けを行いましょう。
鶏糞はC/N比が6~8と低いため肥料効果は高いですが、土壌改善効果は低いため留意が必要です。
化成肥料の種類
化成肥料とは複数の単肥を配合して科学的工程を経て作られ、また肥料の三要素が2種類以上15%以上含んでいる肥料です。また肥料の三要素が30%以上含むものを高度化成と呼び、15%以上30%未満を普通化成と呼びます。
普通化成肥料
普通化成肥料とはN(窒素)・P(リン)・K(カリ)の比率が15%以上で30%未満の化成肥料です。30%以上の高度化成肥料と比べて普通化成肥料は、含有率が低いため、過剰施肥や施肥ムラをしても肥焼けしにくく扱いやすいです。
肥効の持続性は肥料の粒の大きさや、土壌の条件、降雨量等の条件にもよっても変わりますが、一般的には1ヶ月程度の肥効が見込めます。(製品ごとのラベルを確認してください)
高度化成肥料
高度化成肥料とはN(窒素)・P(リン)・K(カリ)の比率が30%以上の化成肥料です。一般的に費用対効果が高く、また施肥量が減るため作業時間の短縮や省力化に繋がります。ただし、園芸植物では野菜程に肥料を欲しがる植物が少なく、また規定された量より多く撒いたり施肥ムラがあったりすると、肥焼けする事も多いため、使いやすい普通化成を選ばれる方が多いです。
液肥
液肥とはその名前からも分かる通り液状の肥料の事です。多くは濃縮された原液を希釈して使う事が多いですが、ストレートで利用するものや、粉状のものを溶かし利用するものもあります。
液肥の特徴は肥効が素早く出る所にあり、植物が栄養を沢山欲しがる成長の最盛期や、沢山の花を咲かせる開花期、翌年の開花のために花後の球根を太らせたい時、また葉色が悪く肥料不足に陥っていると感じた時等、植物が欲しい時に欲しいタイミングでピンポイントに肥料を与える事が出来ます。
液肥は土壌の条件(砂土・粘土)により変わる事もありますが、一般的に肥効の持続期間が7~10日程と短いため、水やりと一緒に1~2週間に一度のペースで施されます。肥効が短いため、元肥として利用される事はなく、栄養を沢山欲しがる時期に追肥として定期的に施肥されます。
液肥は葉面散布に利用される事もあります。液肥を普通に撒いた場合も、数時間程度で素早く効果が出ますが、葉面散布した場合は葉の孔から栄養が吸収されるため、更に早く効果が現れます。また植物内で移動しにくい【カルシウム・鉄・マンガン・ホウ素】等は地面から吸収させるより、新しい葉や新芽に葉面散布して直接届けた方がいい場合もあります。
また植物は栄養が足りなくて要素障害を引き起こす事があります。その時もまた原因を探るために葉面散布される事があります。ただし葉面散布の肥効は2~3日と短いため、原因が分かったら別途で肥料を施して上げてください。
緩効性肥料
緩効性肥料とは成分の分解や溶解を調節して、長期間に渡り肥効が続く肥料です。
一般的に緩効性肥料は2タイプあります。1つは合成樹脂や硫黄等でコーティング(被覆)された肥料「コーティング肥料」で、もう1つは原料が分解しにくく水や微生物等によりゆっくり溶けて効く「化学合成緩効性窒素肥料」です。
緩効性肥料は、撒いてから2ヶ月~長いものでは数年と肥効が長く続く事から、場合によっては追肥も不要になり省力化に繋がり作業負担が減ります。ただし成長の最盛期や花期等の沢山の肥料を欲しがる時期には速効性の追肥が必要になる場合があります。
緩効性肥料はゆっくり溶けて効くため肥焼けしにくく初心者でも扱いやすいです。肥効は施肥後直ぐに効果が現れる「放物線型」や「リニア型」、最初は肥効が現れず徐々に肥効が出てくる「シグモイド型」等があります。元肥や追肥等、目的に合わせて、緩効性肥料を選ぶといいかもしれません。
緩効性肥料の種類
- 被覆肥料(コーティング肥料)
- IB化成
- ウレアホルム
- CDU肥料
- グアニル尿素
- オキサミド
IB化成
IB化成肥料とはイソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)を配合した肥料です。イソブチルアルデヒド縮合尿素とはイソブチルアルデヒドと尿素を縮合反応させた化合物で、原料そのものが分解されにくく、加水分解により60~120日間にわたり肥効が続きます。基本的には粒の大きさにより肥効の長さが決まる事が多いですが、一概(グットIB・スーパーIB)ではありません。
IB化成肥料は肥効が長く続き、水にによって分解してすぐに利用できる形になるため、追肥や元肥に利用出来ます。また肥効も60~120日と長く続くため、施肥による作業負担が減ります。
IB化成肥料は様々な製品が出ています。肥効の長さやN(窒素)・P(リン)・K(カリ)の配合比率を参考にして選ぶといいでしょう。
ウレアホルム(ホルムアルデヒド加工尿素肥料)
ウレアホルム肥料とは、尿素とホルムアルデヒドを結合反応させた緩効性肥料です。原料そのものが分解しにくく、微生物によりゆっくり分解され無機態窒素になるため、肥効が長く続き、また加水による分解が殆どないため雨水による流亡が殆どありません。溶出速度は原料の比率により異なります。
CDU肥料(アセトアルデヒド縮合尿素)
CDU肥料とは、尿素とアセトアルデヒド を縮合反応させて作られた緩効性肥料です。原料そのものが分解しにくく、微生物による分解と加水分解により、ゆっくり分解されるため長く肥効が続きます。
被覆肥料(コーティング肥料)
被覆肥料とは、硫黄や樹脂(ポリオレフィン・アルキッド)等で、水溶性の肥料の表面を被覆して、成分が少しずつ出てくる様にコントロールされた緩効性肥料です。被覆肥料は後に紹介するIB肥料やCDU肥料等の溶解しにくい原料が使われているタイプではなく、被覆(コーティング)で物理的に溶解を抑えている所が特徴です。また被覆肥料は溶出コントロールの正確性や持続性等に魅力があり、長く肥効が続きます。
被覆肥料の溶出速度は「リニア型(右肩上がり)」と「シグモイド型」の2タイプがありますが、溶出速度は製品により違います。肥効は約30日~360日以上まであり、製品により違います。
被覆肥料の魅力は「肥効期間の長さ」「肥効が緩やかで根を傷めない」「取り扱いが簡単」等があります。肥効が長く続くため施肥による作業負担が減ります、肥効が緩やかで根を傷めない事から土壌に混ぜたり、局所施肥をしても問題が起きる事が少ないです。
被覆肥料は様々な製品が出ています。肥効の長さやN(窒素)・P(リン)・K(カリ)の配合比率を参考にして選ぶといいでしょう。
被覆肥料の種類
- ロング
- スーパーロング
- シグマコート
- コープコート
配合肥料
配合肥料
配合肥料とは複数の肥料を機械的に配合したもので、N(窒素)・P(リン)・K(カリ)の何れか2種以上の合計の含有率が10%以上保証されているものです。配合肥料と化成肥料は類似しますが、化成肥料は化学的操作によって製造したものであり、またN・P・Kの最小含有率が15%以上となっているため、肥料成分が高めな傾向があります。
配合肥料は有機肥料だけ100%配合されたものや、有機肥料と化成肥料が配合されたものがあります。そのため肥効等は一概で語れませんが、一般的には化成肥料の速効性と有機肥料の遅効性が組み合わさっているため、追肥や元肥に使いやすくなっています。
配合肥料は様々な製品が出ています。配合されている有機肥料や、肥効の長さ、N(窒素)・P(リン)・K(カリ)の配合比率等を参考にして製品を選ぶといいでしょう。
肥料の選び方や選ぶ基準
NPKの肥料の比率で選ぶ
肥料を選ぶ時に大切なのは肥料の3要素と呼ばれるN(窒素)・P(リン酸)・K(カリ)の比率です。肥料の比率は「水平型」「山型」「谷型」「L型」「右上がり型」「右下がり型」の6パターンありますが、目的に合わせて肥料を選ぶ事が大切になります。
水平型の肥料【N⇄P⇄K】
水平型の肥料とは、肥料の3要素がバランスよく配合された肥料です。基本的にどんな植物で使う事が出来て、元肥や追肥としても普通に使えます。凡庸性が高いため常備肥料として最適です。
山型の肥料【N↗P↖K】
山型の肥料とは、肥料の3要素のうちリン酸が最も多い肥料です。リン酸は土壌の中で移動しにくい性質がある事から元肥として山型肥料を施される事も多いです。またリン酸は開花や結実をよくする事から、追肥として液肥等で山型の肥料を施される事もあります。
谷型の肥料【N↖P↗K】
谷型の肥料とは、リン酸の少ない肥料です。田畑で野菜を育てる際の元肥や、追肥に向きます。
L型の肥料【N↖P⇄K】
L型の肥料とは、窒素の多い肥料です。芝生や観葉植物等の肥料に向いており、追肥等で利用されます。
右上がり型(上がり型)の肥料【N↗P↗K】
右上がり型の肥料とはカリ成分が多い肥料です。カリは根肥(ネゴエ)とも呼ばれ根や球根を成長させる働きがあります。そのため球根の花が終わった後にお礼肥として与えられたりします。またカリが十分にある植物は霜害や病害虫の被害を軽減する働きがある事から、霜害(秋)や病気(梅雨時期)の被害が予想される前に与えられたりもします。
右下がり型(下がり型)の肥料【N↖P↖K】
右下がり型の肥料とは窒素成分が最も多い肥料です。芝生や観葉植物等の肥料に向いており、追肥等で利用されます。
肥料の効き方で選ぶ
肥料は加水での溶出の速度や微生物に分解される速度によって、肥料の効き初めの速度や持続性等が変わります。そのため肥料によって追肥に向く肥料や元肥に向いた肥料、どちらにも使える肥料があります。使う目的に合わせて肥料を選ぶといいでしょう。
速効性肥料【追肥】
速効性肥料とは、施肥後すぐに肥効が現れる肥料です。肥効が素早く現れるため、植物が欲しい時に欲しいタイミングで肥料をピンポイントに与えやすく、追肥として向いた肥料です。一方で持続性はないため、作業量が増える場合があります。
速効性肥料には「液肥」「普通化成」「配合肥料(ボカシ肥料)」等があります。
緩効性肥料【元肥・追肥】
緩効性肥料とは、成分の分解や溶解を調節して長期間に渡り肥効が続く肥料です。肥効は一般的に施肥後すぐに効き始めるため、追肥としても利用できます。ただし肥効は緩やかなため、沢山の肥料を欲しがる植物等では栄養が足りなくなる場合があります。その場合は液肥等と併用するといいでしょう。また園芸ではあまり一般的ではないものの施肥後すぐに肥効が出ないシグモイド型の緩効性肥料もあるため留意が必要です。
緩効性肥料には「IB肥料」「マグアンプ」等があります。
遅効性肥料【元肥】
遅効性肥料とは、施肥後に肥効が直ぐにあらわれず、微生物の分解や加水分解により緩やかに肥効が出てくる肥料です。施肥後すぐに肥効が出ないため、追肥として利用される事は少なく、主に元肥として土壌に混ぜ込むなどして利用されます。
遅効性肥料には「有機肥料」「配合肥料」等があります。
有機肥料と化成肥料で選ぶ
肥料を選ぶ際に有機肥料と化成肥料で悩む場合があります。殆どの場合は幅広い用途に対応して使いやすい化成肥料が選ばれますが、有機肥料も魅力的なため目的に合わせ選ぶ様にすると良いでしょう。
有機肥料の魅力
- 有機肥料を施すと土壌が肥沃で豊かになります。何故なら有機物を分解する為に微生物が増えて、分解されて残る腐植が団粒構造をつくるからです。
- 有機肥料は葉野菜や果物等や穀物等の品質を上げる事があります。何故なら糖の生成や移動、油の生成や、果物の奇形を防ぐ等の効果がある、微量要素が有機肥料には豊富に含まれているからです。
- 有機肥料を施すと植物体が病気や害虫に強くなります。何故なら一概はではありませんが、微量要素を豊富に含むため細胞壁を丈夫に作ったり、要素障害で生育不良を引き起こしにくくなるからです。
- 有機肥料を施すと病気にかかりにくい環境が作られます。何故なら様々な微生物が集まってくるため、病原となる微生物の増殖を抑制するからです。
- 有機肥料は元肥に向きます。何故なら有機物を分解するの時間がかかり、徐々に肥効があらわれ長期間に渡り肥効が続くからです。
- ↳発酵済のボカシ肥料等であれば追肥として利用する事もできます。
化成肥料の魅力
- 化成肥料は費用対効果が高いため、安く効率よく肥料が施せます。何故なら植物の成長に最も必要な【窒素・リン酸・カリ】が豊富に含有しているためです。
- 化成肥料は保管が容易です。何故なら基本的に加水分解であるため、雨や湿度に気をつけておけば劣化しにくいからです。
- 化成肥料は追肥に向きます。何故なら有機肥料の様に有機物を分解する工程が不要で、無機物が水に溶け直接植物に吸収されるからです。
- 化成肥料(緩効性肥料)は元肥にも向きます。何故なら被覆や溶出しにくい成分を含有する事で、溶出をコントロールして長く効くからです。
- 化成肥料(緩効性肥料)は施肥効率が上がり作業量が減ります。何故なら一度の施肥すれば2ヶ月から長いもので一年以上肥効が続くからです。
- 化成肥料はインドアガーデンやベランダガーデンの肥料に向きます。何故なら肥料自体が臭くなく、基本的に有機物を含有しないため虫や微生物(カビ等)が湧きにくいからです。
肥料の与え方
肥料を与える時の注意点
- 肥料は製品ごとに決められた量(規定量)を守り施しましょう。何故なら過剰施肥は肥焼けを引き起こして生育不良になったり、茎葉が繁茂して花が少なくなったり、茎が徒長して倒伏しやすくなったりするからです。
- 肥料の要求量は植物によって違います。例えばラベンダーの様に殆ど肥料を必要としない植物もあれば、沢山の花を咲かせるために沢山の肥料を欲しがる植物もあります。その様な場合は製品ラベルを参考にしながら、肥料を少なめに与えたり多めに与える等して調整するとよいでしょう。
- 肥料は株元から少し離した場所に施します。何故なら、株元の根は浅い場所にあるため濃度の濃いまま肥料が根に当たり肥焼けを引き起こしやすくなるからです。またその他にも栄養をよく吸収する新しい根は株元から少し離れた場所にあるため、株元から離した方が肥料の効きがよくなります。
- 肥料を与えてはいけないタイミングがあります。例えば「植え替え直後」「生育不良を起こしている時」等です。何故なら植え替え直後や生育不良を引き起こしている時は根が傷ついてる事が多く、栄養を上手く吸収できないため、肥料を与えると根腐れ等を引き起こす場合があるからです。
- 肥料を与えては、いけないタイミング②があります。植物が栄養を必要としない「休眠期」は基本的に肥料を与えません。ただし春からの成長を促す目的で冬の休眠期に「寒肥(有機肥料・配合肥料)」を与える場合もあります。
肥料の与え方
元肥の与え方
元肥とは、種を撒く前や、苗の植え付けを行う前に、事前に施される肥料です。生育初期から後期まで長く植物を支える肥料のため、肥効が緩やかで長く効き続ける肥料が選ばれる事が多いです。また窒素やカリは水溶性のため、追肥でも施しやすいですが、リン酸等は土壌で移動しにくいため、元肥でしっかりと施されます。
元肥の比率
【山型・水平型】
元肥の種類
【有機肥料・配合肥料・緩効性肥料】
元肥を与える場所
【花壇・鉢植え】
元肥を与える方法(全面施肥)
全面施肥とは、元肥となる肥料を培養土や花壇の土等に入れて、偏りがないように満遍なく混ぜられる肥料の施し方です。
元肥の施し方では最も一般的な方法で、選ぶ肥料は根が触れても肥焼けをしにくい、マグアンプや緩効性肥料等が選ばれます。
有機肥料を全面施肥として利用する場合は、発酵中にガスや熱を出して根を傷める可能性があるため、植え付け2~3週間前に混ぜておき、前もって土作りをしておきましょう。
元肥を施す方法(溝施肥)
溝施肥とは、植え付け場所に深さ20cm程度の穴(溝)を掘り、植え穴に有機肥料や配合肥料を施して、穴(溝)に少量の土を戻し、その上に苗を植え付ける方法です。
野菜(トマト・ナス等)や肥沃な土を好む植物に向きます。肥料まで根が届かないと肥効があらわれないため、生育初期は液肥等を与えるといいかもしれません。
寒肥の与え方
寒肥とは、木や多年草等が休眠に入る冬の時期に与えられる肥料で、元肥の一種です。寒肥は春に元気な新芽を出させる目的だったり、美しい花を咲かせる目的で入れられます。寒肥に入れる肥料は一般的に有機肥料や配合肥料が使われますが、緩効性肥料でも問題ありません。窒素やカリは水溶性のため、追肥でも施しやすいですが、リン酸等は土壌で移動しにくいため、寒肥でしっかりと施しましょう。
寒肥の比率
【山型・水平型】
寒肥の種類
【有機肥料・配合肥料・緩効性肥料】
寒肥を与える場所
【花壇】
寒肥を与える方法
寒肥を与える方法は、木だったら枝先端の地面に根の先端がある事が多いため、枝下を目安にして穴を何ヶ所か掘り、寒肥を規定量いれます。多年草(植え替え時に全面施肥してもOK)であれば株元から少し離れた場所に穴を掘り、寒肥や緩効性肥料等を入れるといいでしょう。根は休眠中のため多少切っても問題ありません。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、寒肥と一緒に土質を改善する堆肥や腐葉土等も入れてあげるといいでしょう。
追肥の与え方
追肥とは、植え付け後もしくは移植後の生育途中で施される肥料です。追肥のタイミングは、元肥が切れる時期や、茎葉がぐんぐん伸びる成長の最盛期、持続的に花をどんどん咲かせる時期等、様々ありますが、一般的には植物が欲しがる時期にピンポイントで与える肥料のため、速効性が高い液肥や普通化成、持続的に肥効が続く緩効性肥料等が選ばれます。沢山の肥料を欲しがる植物では液肥や普通化成、一般的な草花であれば緩効性肥料というように選ぶとよいでしょう。
追肥の比率
【植物に合わせて】
追肥の種類
【速効性肥料(液肥等)・緩効性肥料・配合肥料(ボカシ肥)】
追肥を与える場所
【花壇・鉢植え】
追肥を与える方法(液肥)
液肥は肥効が数時間で出る所や、肥料を沢山欲しがる植物にもしっかり栄養を届けられる所が魅力です。ただし肥効は約7~10日と短いため定期的に与える必要があり作業負担は大きくなります。
液肥はストレートタイプもありますが、一般的には原液を希釈して使います。希釈するタイプは製品や植物によって使用する前に原液を水で500~2000倍に薄めて使います。
500倍 | 1000倍 | 2000倍 | |
---|---|---|---|
1L | 2ml | 1ml | 0.5ml |
2L | 4ml | 2ml | 1ml |
3L | 6ml | 3ml | 1.5ml |
4L | 8ml | 4ml | 2ml |
5L | 10ml | 5ml | 2.5ml |
10L | 20ml | 10ml | 5ml |
希釈した液肥は、水やりと一緒に与えるができます。水やりと一緒に行う場合は鉢植えの鉢穴から水が溢れる程にたっぷり与えましょう。
液肥の節約のために事前に水やりを行い、土を濡らしておいてから液肥をまく事もできます。新しい根がある場所(株元から少し離れた場所)にそって液肥を注ぎましょう。液肥の節約は高価なストレートタイプ等におすすめです。
追肥の与え方(固形タイプ)
固形タイプの肥料を与える場合は、「土の上に置く」「少し埋める」「刺し込む」の3タイプあります。
土の上に置くタイプは粒状の化成肥料や緩効性肥料等が向きます。ボカシ肥料等の有機肥料を追肥として利用する場合は地面に5cm程度の穴を掘り埋めてあげましょう。ボカシ肥料を表面に置くと乾燥して分解が遅くなったり、カビが生えたり虫が寄ってきたりして見た目が悪くなる事があります。刺し込むタイプはスティックタイプの肥料を使う時に向きます。スティックタイプの肥料はハンギングバスケットや寄せ植え等の土が見えない時等におすすめの肥料です。
肥料を与える場所は、3タイプとも株元から少し離れた場所に行います。何故なら株元に行うと肥料の効きが悪くなり、表面近くにある根に濃い肥料成分が当たり肥焼けを引き起こす可能性があるからです。また基本的には栄養をよく吸収する新しい根は株元から離れた場所にあります。そのため株元から離して肥料を与える事は効率的でもあるのです。
鉢植えに肥料を与える場合は鉢縁の近くに置くか、刺しこみましょう。花壇では花壇では株元から少し離れた場所に肥料を置くか刺しこみます。木の場合は枝の先端を目安にしてその下に与えます。
お礼肥
お礼肥とは花や実がなった後に、消耗した養分を補う目的や、翌年の開花や結実をよくする目的で、与えられる肥料がお礼肥です。お礼肥は追肥の一種で、一般的に速効性の肥料が与えられますが、木等の生育が長いものは遅効性の肥料が与えられたりもします。肥料の比率は目的に合わせて、消耗した株の回復を目的とするなら水平型を選んだり、翌年の開花のために球根を育てたい場合等はカリが多めの上がり型を選びます。
お礼肥の比率
【水平型・上がり型】
お礼肥の種類
【速効性肥料(液肥等)・緩効性肥料・配合肥料・有機肥料】
お礼肥を与える場所
【花壇・鉢植え】
お礼肥の与え方は追肥と同様です。液肥であれば水やりと一緒に撒いてください。固形タイプの肥料であれば株元から少し離した場所にまきます。配合肥料や有機肥料は、株から少し離れた場所に穴を5cm程度掘り埋めてから施しましょう。
芽出し肥
芽出し肥とは多年草等の新芽が動き出す時期(主に春)に、発芽を促す目的で与えられる肥料です。植物が欲しいタイミングに届ける肥料のため、施してから数時間で肥効があらわれる液肥や、施肥後から肥効があらわれ2ヶ月から数ヶ月にわたり肥効が続く緩効性肥料等がおすすめです。
芽出し肥の比率
【山型・下がり型】
芽出し肥の種類
【速効性肥料(液肥等)・緩効性肥料】
芽出し肥を与える場所
【花壇・鉢植え】