植物を簡単に増やす方法に挿し木や挿し芽という方法があります。成育中の株の枝または茎の一部を切り取り、その枝をさし床に挿す事で芽や根を出させて株を増やす方法です。
挿し木の利点は親株と同じ性質の株を増やせる為、親株のいい所を受継ぐ事ができる。成長が速いことがあります。
事前に準備する物 | |
必要な物 | あると便利 |
ハサミ類 (挿し木用の穂木を取る道具) ナイフ類 (穂木の整形を行う物) コップ (穂木をつけておく物) さし床 (育苗箱や鉢) 用土 (赤玉土やバーミキュライト等) | ピンセット (穂木を用土に刺す時に切口を保護する為に用いる) 発根促進剤 (切口に塗り発根を促す) 受皿 (水の管理が簡単になる) 手袋類 (枝を切る際に手を保護する) |
穂木の取り方
1.まずは穂木となる枝をさがしましょう!日当たりいい場所にある節間の詰まった充実した枝が理想です。
2.穂木に使用する部分を選んだら、枝または茎をハサミで切り取ります。
3.葉を残すように穂木となる部分を7cm前後で切り分け、枝の太さや葉の大きさのバランスを見ながら下部分の葉を取り除きます。
※一般的には葉を2枚残す。
4.さし床にさす切口部分を整形する。
バラ等の木質化する枝は、ナイフやカッターを利用して斜めに切断してください!宿根草等の木質化しない茎では挟みで斜めに切断するだけで十分です!
5.コップ等の水を張った入れ物に最低でも1時間または半日程、穂枝を付けておき水あげしましょう。
さし床の準備
1.最初にさし床となる容器を準備します。穂木の量や長さによって育苗箱や鉢を選びましょう。
2.さし床に用土を入れる。
用土は花壇の土等は使用せずに無菌の物を使用しましょう!穂木の切口は病原菌が入りやすくなっており立枯病の原因となります。
「赤玉土(小)(中)」「バーミキュライト」「ピートモス」等の無菌の用土をさし床に入れ、散水して水を吸わせておきます。
さし床にさし穂を挿し木する
1.用土に深さ3cm程の穴をピンセットまたは割り箸などであけます。
2.さし穂をあけた穴に挿し込みまます。その際に茎が折れたり切口を傷めないよう場合によってはピンセット等を使用して穴に入れましょう!
3.さし穂を用土の穴に入れたら、重みや風で倒れたりしない様に指先で軽く用土を寄せておきましょう。
4.挿し木の作業がすんだら、柔らかな水を使いたっぷり水をあげ、暫くは直射日光を避けた半日影で管理してあげてください。
挿し木の時期 | さし穂を選ぶ |
一般的な植物は成長を始める4月~6月、9月頃が挿し木の適期とされています。 逆に真夏や冬は多くの植物が休眠状態に入るため、根の成長が遅れ枯れてしまう確率が高まるためにあまり挿し木にむいていません。 | さし穂は出来るだけ若く健康で節間の詰まった枝を使いましょう! また節部分を用土に入れておくと、その部分からも不定根が出て活着率が上がるため切る部分も工夫してみましょう。 |
切口の整形 | 発根促進剤 |
よく切れる刃物を使いましょう、切り口の回復が早まります。 また切口の断面が大きい程に発根率が高くなり活着しやすくなります! | 発根促進剤にはルートンの様なホルモンで発根を促すものと、メネデールの様な水分や養分の吸収を助ける活力剤があります。 植物によっては活着率が1.1倍~1.2倍になるようです。 |
葉量の調整 | 底面吸水 |
挿し穂の葉は、蒸散で水分が失われやすいというデメリットと発根を早めるというメリット部分があります。 挿し穂のバランスを見て下葉の取り、葉が大きい場合は半分ほどカットしましょう。 | 挿し木で1番重要なのは水の管理だと思います。 失敗の原因も水のやり忘れが1番おおいんじゃないでしょうか.. そんな時に便利なのが受皿を利用した底面吸水です!! 受皿に水があれば毛管現象で水が吸い上げられるため用土が乾きにくくなります。 |
挿し木後は直射日光に当てると葉による蒸散と吸水のバランスが崩れて上手く根が出なくなります。日陰に置くかが寒冷紗等で日除けをつくり!そこで管理しましょう。
水は用土が乾いてしまわないように、少し湿り気をもつ位で管理します。また用土や挿し穂が動くと発根しません!!優しい水で散水して下さい。
活着後は徐々に日に当て、2000倍に薄めた液肥または緩効性の肥料を与えましょう。
鉢底から根が出たり、新しい芽が出て成長を感じ始めたら鉢上げを行います!根が傷付いたり取れたりしない様に、スプーンや棒を使い優しく掘り起こし..
赤玉土6割と腐葉土4割の培養土に植え替えましょう!