- 原産:地中海沿岸/西アジア
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:トウバナ(Calamintha)
- 種:グランディフローラ(Clinopodium grandiflora)
- 同義語:Calamintha grandiflora
- 流通名:カラミンサ・グランディフローラ
- 別名:ラージフラワー・カラミンサ(large-flowered calamint)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:桃色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●白色〇
- 香り:葉
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約20~50cm
- 株張り:
- 誕生花:9月13日
- 花言葉:清涼・別れは静か・愛のささやき・拒否する心
- 用途:カラーリーフ
- 購入方法:カラミンサ・グランディフローラを楽天で購入
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
カラミンサ・グランディフローラとは!?
カラミンサ・グランディフローラの学名はClinopodium grandifloraまたは同義語でCalamintha grandiflora、別名では「ラージフラワー・カラミンサ(large-flowered calamint)」とも呼ばれる地中海沿岸および西アジアが原産の多年草です。
カラミンサ・グランディフローラの語源(由来)
- 属名のClinopodiumは古代ギリシアで「ベット」を意味する「κλίνη(klínē)」と、古代ギリシアで「小さな足」を意味する「πόδιον(pódion)」
- 種小名のgrandifloraはラテン語で「大きい」を意味する「grandis」と、ラテン語で「花」を意味する「flos」の2語からきており、大きな花を意味しています。
カラミンサ・グランディフローラの特徴(魅力)
- カラミンサ・グランディフローラの特徴は、一般的なカラミンサと比べて花が大きいため華やかで目立つ所、葉には強い芳香があり自生地のヨーロッパなどでは薬用植物として利用されたり料理に使われる所、花は花蜂に好まれている所、葉の色が緑色の他に黄色や白色もあるため、園芸ではカラーリーフとしても楽しまれている所等にあります。
- 草姿はブッシュ状、茎は直立して横に広がらないため、比較的に行儀のよい見た目をしています。
- 葉の形は卵形で縁部分に鋸歯があり、触ると刺激的な薬のような香りが漂います。
- 葉はヨーロッパや西アジア等では料理用スパイスとして利用されたり、薬用ハーブとして利用されることがあります。
- 開花期間が晩春から夏頃まで、花序は輪散花序、輪散花序は各節に複数の花がつき、花が大きめです。
- 開花期になると花蜜を求めて花蜂が集まるため、花の周りを元気に飛び回る花蜂の姿や、花の中に頭を突っ込む花蜂の可愛らしい姿を観察する事が出来ます。
カラミンサ・グランディフローラの草丈は約20~50cm、草姿はブッシュ状、茎は直立、分枝は斜上する、茎の色は緑色です。葉序は対生葉序、葉身の形は卵形、葉縁部に鋸歯があり、葉の色は緑色です。花序は輪散花序、花冠は唇形花、唇形花は上唇と下唇があり、上唇は裂片が一個で中央が浅く裂け、下唇は裂片が三個、花の色は白色・桃色・紫色、花冠の下唇にスポットが入ります。
カラミンサ・グランディフローラの園芸品種の紹介
カラミンサ・バリエガータの特徴は、葉の中に黄色または白色の掠れたような散班が入り、明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる所にあります。また晩春から夏頃には桃色の花も咲くため、可愛らしくロマンチックな雰囲気を感じさせるはずです。
カラミンサの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
カラミンサ・グランディフローラの育て方
花壇の土づくり
日当り
カラミンサ・グランディフローラは、日向から明るい日陰まで幅広い環境に適応します。
日当たりがよい方が、花が沢山咲きますが、夏の期間は強い日差しで葉焼けすることもあります。そのため環境に合わせて植え場所を決めてあげると良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
カラミンサ・グランディフローラは、水捌けがよい土壌であれば土質は殆ど選びません。基本的には通気性・排水性・保水性のバランスが良く、適度に肥沃な土壌で育てると良いでしょう。
注意することは水捌けの悪い場所で育てたり、粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性を良くしたり、通気性と保水性のバランスを改善したり、腐葉土等の有機物を入れて適度に肥沃な土壌にした方が良いでしょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
カラミンサ・グランディフローラは、日向から明るい日陰まで幅広い環境に適応します。
日当たりがよい方が、花が沢山咲きますが、夏の期間は強い日差しで葉焼けすることもあります。そのため環境に合わせて植え場所を決めてあげると良いでしょう。
培養土
カラミンサ・グランディフローラは、一般的な草花の培養土で育てられます。培養土を自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
楽天で人気の高い培養土を購入する
- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
カラミンサ・グランディフローラを地植えしている場合は、基本的に水やり不要です。ただし、生育が活発な期間、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時にどは必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
カラミンサ・グランディフローラを鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため注意が必要になります。そのため、水やりの頻度は地植えと比べて多くなります。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
カラミンサ・グランディフローラは、ある程度の肥沃さがある土壌で育てていれば、肥料を必要としません。
土壌の状態を見ながら、必要に応じて肥料や堆肥を入れましょう。
花壇
晩冬から早春に株元に堆肥を入れて上げましょう。
鉢植え
春に緩効性肥料を与えるか、必要に応じて新しい培養土の中に植え替えてあげると良いでしょう。
剪定のやり方
カラミンサ・グランディフローラの剪定は、晩秋から早春に行います。
カラミンサ・グランディフローラは冬になると、株は休眠に入ります。古い茎を残しておくと、株内部への日当たりや風通しが悪くなり、春からの新しい成長が阻害されてしまったり、草姿が乱れてしまいます。 そのため、出来るだけ剪定して上げましょう。
剪定のやり方
剪定の時期は、晩秋から早春頃です。剪定の方法は、株の根元付近まで強く切り戻し剪定します。
夏越しする方法
カラミンサ・グランディフローラは、それほど夏越しが難しい植物ではありません。基本的な育て方に従えば夏越し対策を特段行う必要はありません。
夏越しで重要なポイント
- 夏場は、西日の当たらない半日影で育てた方が、株が弱りにくいでしょう。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと、根腐れを引き起こして枯れ込む事があります。
- 土壌の通気性・排水性をよくしておきましょう。
- 乾燥が続くと葉が萎れたり落ちたりする事があります。
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:5~7
カラミンサ・グランディフローラは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
カラミンサ・グランディフローラは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂の長さ約5~7cm程度にわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂の1/3程を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
カラミンサ・グランディフローラの種蒔の方法
播種時期:3月~6月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約14~28日
発芽条件:
- 種まきの時期
- 3月~6月・9月~10月
- 土の準備
- ピートバンや種まき専用の培養土などを準備しておくと失敗が減るでしょう。花壇の土に撒くことも可能です。
- 種の撒き方
- 種は重ならないように、土の上に点まき、または条まきして、種の上に軽く土を被せて覆土します。
- 種まき後の管理
- 種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
植物の病気
カラミンサ・グランディフローラの病気
- うどんこ病
カラミンサ・グランディフローラの害虫