挿し木は親木から穂木を取り、土に挿すだけで簡単に増やせるとっても簡単な増殖方法です。
しかし根が出るまで約1ヶ月、水のやり忘れや、根が思ったように出なかったり、切口が褐変して腐れ枯れてしまいうまくいかないことがよくあります。
これらは水分管理を楽にする方法を使ったり、挿し木の成功しやすい時期に行う、根が出やすい挿し穂を選ぶ、清潔な土や道具を使う事で失敗を防げるようになります。
目次 |
・保水性のある土を使う
・底面吸水
・密閉挿し
・直射日光に当てない
乾燥が大敵の挿し木において、失敗する原因の多くは水分を保てず枯れることです。
挿し木が乾燥する原因は、土の排水性が高すぎるのかも知れません!?または直射日光にあたり蒸散スピードが早まって吸水が間に合わないのかも知れません!?
一般的に挿し木は保水性/通気性のバランスがいい赤玉土の小粒が多く使われます。
しかし温度が高い時期や乾燥しやすい時期なら、保水性の高い土を入れると便利です。
保水性を高める土として最もオススメなのがバーミキュライトです。
基本用土の赤玉土に2割~5割混ぜてあげましょう保水性が高まり、水のやり忘れ等での失敗も減らせます。
底面吸水は受皿やトレーに水をためて鉢の底から水を吸水させる方法を呼びます。受皿に水をためておけば数日は水切れの心配がなく夏場の管理も楽になります。ただし水が汚くなると雑菌が繁殖するため注意が必要。
密閉挿しはビニールで鉢の上部を覆ったり、簡易温室を作ることで中の水分を逃さず高い湿度を保ち蒸散を防ぐ方法です。
簡単な方法
底の深めのプランターを使い半分ほど土を入れ、挿し穂がプランター上部から飛び出さない様に挿し、透明ビニール等でプランター上部を覆う。
トレーと育苗カバーを購入して簡易温室のように使う。個別に管理する時に便利で、ロックウールやポット等で分けて育てる時に利用してみましょう。
苗カバー育苗箱 51型用 |
挿し穂は直射日光に当てると蒸散スピードが4倍以上に早くなり、吸水が間に合わずに枯れてしまう事があります。
5月~6月は挿し木に最も適した季節です。気温は18度~25度の間と挿し木に適した温度と、使用する挿し枝は緑枝挿しとも呼ばれて栄養をしっかり蓄えながら発根力が高いのが特徴です。
7月~8月の挿し木は難しく。高温による水切れや菌の繁殖による病気被害が多発します。この時期の挿し穂は茎が成長を止め硬くなる直前のもので、栄養をしっかり蓄えてる一方で発根力が弱めなのが特徴です。
9月~11月に入ると気温は安定し挿し木をしやすい季節になります。しかし使用する挿し穂は半熟枝か熟枝になるので発根力が弱く挿し木が成功するまでに時間がかかるようになります。
挿し木は病原菌にとても弱く切口から侵入すると維管束の中で増殖し吸水が阻害され枯れ死してしまいます。
病気を発症させないためには無菌の用土を使用し、通気性のある用土で病気を繁殖させない事が大切です。