- 原産:マダガスカル
- 科:ベンケイソウ(Crassulaceae)
- 属:カランコエ(Kalanchoe)
- 種:セイロンベンケイ(Kalanchoe pinnata)
- 別名:はからめ/カランコエ・ピナータ/ゲーテプラント(Goethe plant)/air plant/life plant,/miracle leaf
- 開花時期:12月~5月
- 花の色:赤色●桃色●橙色●黄色●
- 葉の色:緑色●
- 香り:
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約50~100cm
- 用途:開花期間長い
- 購入方法:セイロンベンケイを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
セイロンベンケイとは!?
セイロンベンケイは学名Kalanchoe pinnata、別名では「カランコエ・ピナータ」や「はからめ」等とも呼ばれる多年草です。原産地はマダガスカル、自生地は乾燥した森の中や岩の上などにあります。熱帯および亜熱帯地域に広く帰化しており、日本でも小笠原諸島に帰化しています。
セイロンベンケイの語源(由来)
- 属名のKalanchoeは、中国語の「伽藍菜」に由来すると考えられています。
- 種小名のpinnataはラテン語で「羽状の」を意味し、葉の形に由来しています。
セイロンベンケイの特徴(魅力)
- セイロンベンケイは、シャンデリアのように垂れ下がりながら咲く豪華な花姿や、羽状に分裂した多肉質の葉の形、葉縁部分に子株が出来る所などが特徴になる植物です。
- 草姿は直立、茎の質感は多肉質です。
- 葉は単葉または一個の葉が羽状に分裂しており、小葉が三個または五個ついています。小葉は多肉質で、形は卵形から楕円形をしています。
- 葉は葉縁部分に子株をつくる事があります。子株は、親株の葉の上で根・茎・葉を形成して、親株から剥がれて落ちると、地面上で繁殖します。その繁殖力の高さから熱帯地域で広く帰化しており、在来種に悪影響を及ぼすとして問題を引き起こしています。
- 開花は一般的に冬頃、花序は円錐花序、円錐花序は花軸に花穂を何本も付けて沢山の花を吊り下げるように咲かせるため、非常に豪華な雰囲気を演出します。
- 萼な長い筒状、萼の色は黄緑色から赤色をしており、非常に装飾的です。また花が落ちた後も長く楽しめる所が魅力です。
- 花は長さが約5cm、四個の花弁が合着する合弁花で、裂片が4個あります。
セイロンベンケイの草丈は約50(~100)cm、茎は直立、茎の質感は多肉質、茎の色は緑色または赤色か赤褐色になります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約10(~30)cm、葉身の形は単葉または羽状複葉、羽状複葉は小葉が3(~5)個、小葉の形は卵形または楕円形、葉縁部分には鋸歯があり、葉の質感は多肉質です。
花序は円錐花序、萼の形は筒状、萼の色は黄緑色・赤色・桃色、花の長さ約5cm、花の形は鐘形、花の先端の裂片は4個、花の色は赤色または桃色です。
セイロンベンケイの園芸品種の紹介
育て方・楽天で購入 | 育て方・楽天で購入 |
カランコエの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
セイロンベンケイの育て方
花壇の土づくり
日当り
セイロンベンケイは、直射日光が六時間以上当たる日向から、明るい日陰までで育てる事が出来ます。※理想的な環境は気温にも左右されるため、夏の暑さが厳しい地域では西日の当たらない日陰や明るい日陰で管理したり、冷涼な気候は日向や半日影に管理してあげると良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
セイロンベンケイは、通気性と排水性がとても良い砂質の土壌、また適度に肥沃な土壌を好みます。
一方で、粘土質な土壌では水分が停滞してジメジメするため、根腐れして生育不良を引き起こす可能性があります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、粘土質な土壌であれば、パーライトや川砂などを入れて通気性や排水性を改善して、適度に腐葉土等の有機物を入れましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
セイロンベンケイは、直射日光が六時間以上当たる日向から、明るい日陰までで育てる事が出来ます。※理想的な環境は気温にも左右されるため、夏の暑さが厳しい地域では西日の当たらない日陰や明るい日陰で管理したり、冷涼な気候は日向や半日影に管理してあげると良いでしょう。
屋内で管理する場合は、窓辺などの明るい場所に置くとよいでしょう。ただし南向きの窓などで育てる場合は、強い日差しが植物に当たり葉焼けする事もあるため注意が必要です。日差しが強く当たる場合はカーテンやブラインドで光を和らげたり、窓から少し離すと良いかもしれません。
培養土
セイロンベンケイは、通気性のよい一般的な草花の培養土や、サボテンの培養土や多肉植物の培養土等を利用すると良いでしょう。自作する場合は通気性が良い培養土をつくります。
培養土の配合例
- 赤玉土+腐葉土=7:3
- 川砂+ボラ土(小粒)+赤玉土+腐葉土=3:3:3:1
水やりの仕方
セイロンベンケイは、他の多肉植物と同様に、乾燥に強い植物です。茎や葉に水を蓄えているため、土壌が乾燥してしまった後、水やりが数日遅れてしまったとしても平気な傾向にあります。
水やりの方法
水やりは、土壌が乾燥したタイミング、または数日待ってから行います。水を与える量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、鉢底から水が流れ出る位にたっぷりと与えてください。
注意点:土壌が乾燥する前に、水やりを行うと根腐れを引き起こす可能性があります。そのため、土壌が乾燥したのを確認してから必ず水やりを行いましょう。※水やりのタイミングを掴むのが難しい場合は、サスティを利用しましょう。
また植物の葉に水が残ると、そこから腐敗が始まる可能性があります。そのため、水やり時は葉にかからないように、株元に優しく水を与えるようにしましょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
セイロンベンケイは、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。
肥料は、土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合に与えます。肥料を与える場合は、成長が始まる春に、観葉植物の肥料を与えると良いでしょう。
剪定のやり方
セイロンベンケイは剪定をせずに育てる事が出来ます。ただし、剪定しないと茎が徒長したり、枯れたりして見た目が悪くなることがあるため、見た目を改善する目的で切り戻し剪定がされることもあります。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定のメリット
- 切り戻し剪定を行う事で茎の長さなどが均一になり、外観が整います。
- 剪定によって頂芽優勢が崩れ、分枝が促されるため、茎の数が増えて株がボリューミーになり、花の数も増えます。
- 生産性の低い古い茎を切り戻す事で、生産性の高い新しい成長が促されるため、株が若返り、花が咲きやすくなるなど生産性が高まります。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、株全体または土壌にも日が当たり、日当たりの改善・多湿の改善に寄与します。
- 茎を切り戻す事で茎の数と葉の数が減るため、風の流れが良くなり、多湿の改善が期待出来ます。
- 多湿を改善する事で蒸れによる根腐れを防止、多湿を好むカビ(真菌)の発生を抑制して病気予防、多湿により集まってくる害虫の発生予防等が期待出来ます。
切り戻し剪定のデメリット
- 株のボリュームがなくなり、葉の数も減るため、一時的に見た目が悪くなる事があります。
- 一度に沢山の剪定を行うと、植物に強いストレスがかかり、一時的に成長が止まる可能性があります。
- 傷口が病気の感染ルートになる可能性があります。
切り戻し剪定のやり方
- セイロンベンケイの切り戻し剪定の時期は、生育期間中または花が終わった後に行います。
- 剪定は1/3を目安にするか、枝分かれした部分の根元から剪定しましょう。
- 病気の茎や枯れた茎は、茎の途中の健康な茎の上、または根元から剪定します。
夏越しする方法
セイロンベンケイは夏の暑さに耐えますが、強い日差しや多湿に注意する必要があります。
夏越しで重要なポイント
- 直射日光に当たると葉焼けをおこし、葉が傷み枯れることもあります。そのため、夏場は基本的に明るい日陰で管理しましょう。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと根腐れを引き起こします。そのため、土壌の通気性・排水性をよくしておきましょう。また長雨に当たらない環境で育てることも大切です。
- 乾燥に強い植物ですが、乾燥が続くと葉が萎れたり落ちたりする事があります。そのため、土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:9a~11b
セイロンベンケイは寒さに弱いため屋外での越冬はむずかしいです。冬越しさせたい場合は、冬越し対策が必要です。
- 鉢植えで育てている場合は、室温が10度以上ある日当りのよい室内に入れて管理しましょう。
- 暖地などの暖かい地域であればカバーを被せるなどの、霜対策を行うだけでも越冬出来る可能性があります。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理します。それが難しい場合は、株元に腐葉土などを入れて霜から株元を守り、また株全体に寒冷紗等をかけて寒さや凍結から株を守ります。
挿し木や株分けで増やす
セイロンベンケイは挿し木や葉挿し、子株によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ10cm程度にわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂の1/3程を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
葉挿しの方法
- 葉を選ぶ
- 健康で病気のない葉を選びましょう。新しすぎる葉・古過ぎる葉は避けて、成熟した葉を選びましょう。
- 葉を取る
- 葉挿しには葉柄が必要です。そのため、ナイフやハサミ等を使い、葉柄の根元から葉を切り取ります。
- 培土を準備
- 挿し穂用の用土を準備しましょう。バーミキュライトや鹿沼土等をブレンドした清潔感のある用土を使うのが一般的です。
- また楽天で販売している挿し芽用の用土を利用する事もできます。
- 倍土に植える
- 容器の中に倍土を入れて、倍土に葉柄を差し込む穴を開けましょう。
- 葉柄を穴の中に差し込み、土で覆います。
- 管理方法
- 倍土は湿らせておき、直射日光の当たらない所で管理します。
- 湿度を保つ事が大切なため、ビニールなどで容器を覆い、ミニ温室のようにして管理すると成功率が上がりやすいです。
- 根がある程度に成長したら、葉挿しを個々のポットに植え替えます。
子株で増やす方法
セイロンベンケイは葉縁部分に沿って子株を生産することがあります。
子株を取り外して培養土に植える事で、株を増やすことが可能です。
播種で増やす
セイロンベンケイの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
セイロンベンケイの病気
- 根腐れ病
- 灰色カビ病
- うどんこ病
セイロンベンケイの害虫